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A nuclear power plant in Byron, Illinois. Taken by photographer Joseph Pobereskin (http://pobereskin.com). カレンダー
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Tag Archives: 安倍晋三
アベさんに対する銃撃について思うこと via レイバーネット
小出裕章 アベさんが銃撃を受けて死んだ。 悲しくはない。 アベさんは私が最も嫌う、少なくとも片手で数えられる5人に入る人だった。 アベさんがやったことは特定秘密保護法制定、集団的自衛権を認めた戦争法制定、共謀罪創設、フクシマ事故を忘れさせるための東京オリンピック誘致、そしてさらに憲法改悪まで進めようとしていた。 彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった。 アベさんは弱い立場の国・人達に対しては居丈高になり、強い国・人達に対してはとことん卑屈になる最低の人だった。 朝鮮を徹底的にバッシングし、トランプさんにはこびへつらって、彼の言いなりに膨大な武器を購入した。 彼は息をするかのように嘘をついた。 森友学園、加計学園、桜を観る会、アベノマスク… 彼とその取り巻きの利権集団で、国民のカネを、あたかも自分のカネでもあるかのように使い放題にした。 それがばれそうになると、丸ごと抱え込んだ官僚組織を使って証拠の隠ぺい、改ざん、廃棄をして自分の罪を逃れた。その中で、自死を強いられる人まで出たが、彼は何の責任も取らないまま逃げおおせた。 私は彼の悪行を一つひとつ明らかにし、処罰したいと思ってきた。 私は一人ひとりの人間は、他にかけがえのないその人であり、殺していい命も、殺されていい命も、一つとして存在していないと公言してきた。アベさんにはこれ以上の悪行を積む前に死んでほしいとは思ったが、殺していいとは思っていなかった。 悪行についての責任を取らせることができないまま彼が殺されてしまったことをむしろ残念に思う。 多くの人が「民主主義社会では許されない蛮行」と言うが、私はその意見に与しない。 すべての行為、出来事は歴史の大河の中で生まれる。 歴史と切り離して、個々の行為を評価することはもともと誤っている。 そもそも日本というこの国が民主主義的であると本気で思っている人がいるとすれば、それこそ不思議である。 国民、特に若い人たちを貧困に落とし、政治に関して考える力すら奪った。 民主主義の根幹は選挙だなどと言いながら、自分に都合のいい小選挙区制を敷き、どんなに低投票率であっても、選挙に勝てば後は好き放題。国民の血税をあたかも自分のカネでもあるかのように、自分と身内にばらまいた。 原子力など、どれほどの血税をつぎ込んで無駄にしたか考えるだけでもばかばかしい。 日本で作られた57基の原発は全て自由民主党が政権をとっている時に安全だと言って認可された。 もちろん福島第一原発だって、安全だとして認可された。 その福島原発が事故を起こし、膨大な被害と被害者が出、事故後11年経った今も「原子力緊急事態宣言」が解除できないまま被害者たちが苦難にあえいでいる。 それでも、アベさんを含め自民党の誰一人として、そして自民党を支えて原発を推進してきた官僚たちも誰一人として責任を取らない。 もちろん裁判所すら原発を許してきた国の組織であり、その裁判所は国の責任を認めないし、東京電力の会長・社長以下の責任も認めない。 どんな悲惨な事故を起こしても誰も責任を取らずに済むということをフクシマ事故から学んだ彼らはこれからもまた原子力を推進すると言っている。さらに、これからは軍事費を倍増させ、日本を戦争ができる国にしようとする。 愚かな国民には愚かな政府。 それが民主主義であるというのであれば、そうかもしれない。 しかし、それなら、虐げられた人々、抑圧された人々の悲しみはいつの日か爆発する。 今回、アベさんを銃撃した人の思いは分からない。 でも、何度も言うが、はじめから「許しがたい蛮行」として非難する意見には私は与さない。 心配なことは、投票日を目前にした参議院選挙に、アベさんが可哀想とかいう意見が反映されてしまわないかということだ。 さらに、今回の出来事を理由に、治安維持法、共謀罪などが今まで以上に強化され、この国がますます非民主主義的で息苦しい国にされてしまうのではないかと私は危惧する。 原文
3年前「どこの国の総理ですか」 安倍首相に80歳被爆者「私たちには後がない」<長崎原爆の日> via東京新聞
安倍晋三首相は9日、長崎市平和祈念式典でのあいさつや被爆者代表との面会で、核兵器禁止条約に批判的な姿勢を取り続けた。3年前の同じ面会の場で、一人の男性被爆者が「あなたはどこの国の総理ですか」と、核禁条約参加を直接求めた。今年の面会にも出席したが「今回も同じことの繰り返しだった。私たちにはもう後がないんだ」と、参加を拒み続ける首相の姿勢に憤りを隠さない。(柚木まり) 男性は、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議長(80)。 2017年8月9日の首相と被爆者代表の面会で、核禁条約への署名などを求める要望書を手渡す際、首相に「あなたはどこの国の総理ですか。今こそ、あなたが世界の核兵器廃絶の先頭に立つべきです」と、強い口調で迫った。例年なら書面を渡すだけの役割だが、前月に国連で採択された核禁条約に、唯一の戦争被爆国である日本が賛同しないことが納得できなかったからだ。 「どうして私たちの気持ちが分からないのか。何とかひと言言わなければと怒りを禁じ得なかった」。川野さんは面会当日の朝、「あなたはどこの国の総理ですか」などの言葉をメモし、要望の際に手にしていた。要望書を手渡そうとしたが、その手を引っ込めて、思いを首相にぶつけた。 5歳の時、爆心地から3.1キロの自宅前で被爆した川野さん。5年前に食道がんを発症し、原爆症に認定された。ともに活動を続ける協議会のメンバーも、高齢化で施設に入所したり亡くなったりして、これまでのような活動ができなくなりつつある。 核禁条約への日本の参加を願って迎えた被爆75年の「原爆の日」。首相に会える1年に一度の機会に、少しでも被爆者の思いを分かってもらいたい。そんな気持ちを抱き、今回も被爆者代表の一人として出席した。被爆者側は「長崎を最後の被爆地に」と条約批准を改めて求めたが、首相はまたも賛意を示さなかった。面会は首相の日程を理由に予定時間の30分で終わり、質問もできなかった。 川野さんはつぶやいた。「首相から、ちっとも中身のある答えが返ってこない。80歳を超え、ぎりぎりだと思って活動しているのに、挫折感ばかりが大きくなっている」 原文
ウィーン芸術展、公認撤回 原発事故や政権批判を問題視かvia東京新聞
【ウィーン共同】日本とオーストリア国交150年の記念事業として同国の首都ウィーンで日本の芸術家らの作品を展示していた「ジャパン・アンリミテッド」について、在オーストリア日本大使館は5日までに公認を取り消した。東京電力福島第1原発事故や安倍政権を批判的に扱った作品などが問題視されたとみられる。 「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」に参加していたグループも出展。放射線防護服に日の丸の形に浮かんだ血が流れ落ちるようなオブジェや、安倍晋三首相に扮した人物が韓国、中国に謝罪する動画も展示されていた。昭和天皇を風刺する作品もあった。 原文
原爆の日 長崎を最後の被爆地に via 東京新聞
太平洋戦争末期の被爆から七十三年、長崎は九日、平成最後の「原爆の日」を迎えた。長崎市の田上(たうえ)富久市長が祈念式典で発信した平和宣言は、核兵器禁止条約に否定的な政府に「賛同」を促し、唯一の戦争被爆国として一歩を踏み出すように求めた。 昨年は条約不参加を「とうてい理解できない」と直言したが、北朝鮮の非核化や核軍縮が具体化しない中、政府は拒否の姿勢を堅持。いら立ちは募るが「批判のための批判であってはならない」(田上氏)として、対峙(たいじ)ではなく核廃絶への具体的工程を共に模索するスタンスを取った。 宣言では、反核運動のシンボルとして活躍し昨年八月に八十八歳で亡くなった長崎被爆者の谷口稜曄(すみてる)さんらが、戦争や被爆の体験がない人たちが道を間違えてしまうことを強く心配していた、と紹介した。その上で市民一人一人に平和な世界の実現に向けた行動を呼び掛けた。 安倍晋三首相は式典あいさつで、核兵器のない世界の実現に向け「国際社会の取り組みを主導していく決意だ」と表明。その後の記者会見では、核禁止条約は「安全保障の現実を踏まえていない」と批判、不参加の考えを改めて示した。 式典は三会場で行われ、平和公園の約五千二百人を含め、約六千人が参加した。現職として初出席した国連のグテレス事務総長は、核保有五カ国の代表も見守る中、長崎を最後の被爆地とするよう訴えた。 原文
「原発続けるべきと?」菅元首相が首相追及 via 鹿児島讀賣テレビ
菅元首相は、福島第一原発の事故の際東京を含む原発から250キロ圏内の住人に避難を求める可能性があったとして、それでも原発の再稼働を進めるのか追及した。 立憲民主党・菅元首相「250キロ圏からすべての人が避難するという最悪のシナリオを見て、それでもこういう可能性があっても原発を続けるべきだと、そうお思いなのか」 安倍首相「原発については、いかなる事情よりも安全性が最優先であります。世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみその判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるとしております」 安倍首相は、このように安全性が最優先としつつ、新たな規制基準に適合した原発については再稼働を進める方針を改めて示した。これに対して菅元首相は、「安倍首相はリスクの大きさを理解してないんじゃないか。子供や孫の世代のことを考えていないんじゃないか」とただしたが、安倍首相は「そんなことはない」と否定した。 全文
菅直人元首相、安倍晋三首相に“遺恨マッチ”仕掛ける 衆院予算委、原発事故対応めぐり via 産経ニュース
[…] 菅氏は事故当時、内閣府の原子力委員会の試算で最大5000万人が避難などの影響を受ける可能性があったとし、「私も安全神話に陥っていたが、最悪のシナリオでは大きな戦争に負けた時に匹敵する」と政策転換を要求。安倍首相は「政府や事業者が安全神話に陥り、悲惨な事態を招いたことを忘れない」としながらも、菅氏には賛同しなかった。 また菅氏は、事故当時の菅内閣の対応を批判した11年5月の安倍首相のメールマガジンを挙げ、「フェイクニュースだった」などと批判。ただ、菅氏は首相に対して起こした民事訴訟で既に敗訴が確定しており、首相は予算委で「ゼロから蒸し返して議論するのは非生産的だ」と取り合わなかった。【光田宗義】 全文
福島知事 安倍首相式辞に違和感 「原発事故」文言使わず via 毎日新聞
東京都内で11日にあった東日本大震災の政府主催の追悼式で安倍晋三首相が「原発事故」の文言を式辞で使わなかったことについて、福島県の内堀雅雄知事は13日の定例記者会見で、「県民感覚として違和感を覚える。原発事故、原子力災害という重い言葉、大事な言葉は欠かすことができない」と批判した。 追悼式は震災翌年の2012年から毎年開かれ、昨年まで首相は式辞の中で原発事故について触れていた。 続きは 福島知事 安倍首相式辞に違和感 「原発事故」文言使わず
安倍首相のワシントンポスト報道否定こそ大嘘だ! 過去にも核武装発言を「発言してない」と虚偽の弁明 via LITERA
オバマ大統領が現在、検討しているとされる「核兵器の先制不使用宣言」をめぐって、安倍首相がハリス米太平洋軍指令官に反対の意向を示していたことを先週、各紙が報じた。元となったのは15日付けのワシントンポストの報道だ。 だが、昨晩、安倍首相は記者団に対し、「ハリス司令官との間において米の核の先制不使用についてのやりとりは全くない。どうしてこういう報道になったか分からない」と、ワシントンポストの報道を全否定した。 しかも、この安倍首相の否定を受けてネット上では安倍応援団が、ワシントンポストにそういうくだりはなく報道を後追いした朝日や毎日が記事を捏造した、などとわめき立て始めた。 (略) 以下が原文と翻訳したものだ。 〈Japan, in particular, believes that if Obama declares a “no first use” policy, deterrence against countries such as North Korea will suffer and the risks of conflict will rise. Japanese Prime Minister Shinzo Abe personally … Continue reading
首相に叫んだ男性 式典後警察が聴取via 長崎新聞
報道人の取材遮り 九日の平和祈念式典で、安倍晋三首相に「改憲反対」と叫んだ男性に本紙記者ら報道陣が取材中、複数の警察官が割って入る一幕があった。 男性は来賓挨拶をするため演題に向かう安倍首相に対し、参列席から「改憲反対」と叫んだ。式典終了後、報道陣は男性に発言の意図を確認するため取材。男性は「首相は民主主義をないがしろにしている」と説明した。 取材の途中、複数の警察官が割って入り、男性を取り囲んで事情を聴き始め、警察車両まで連れて行った。[…] 全文はこちら。
アーサー・ビナード 「広島70年式典の言葉について」(2015年11月 滋賀県近江八幡市)via Facebook
70年たって、広島では被曝体験をどのように語り継ぐかを色んな人が議論し行政も取り組んでいる。 今年、平和記念式典で語り継ぐ「演出」のようなものがあった。 これまで、今年の8月6日の式典ほど整ったものはなかった。滞りなく、つつがなく、すべてがスムーズに進んでいった。 あんまりにも整っていたから、電通か博報堂のスピーチライターを雇ったんじゃないか、と思う。うまい人がつくったキーワードは「命」。 「命」はすべてのスピーチに入っていた。少しずつ違う表現だったけど。スピーチライターが書いていることがばれないように、少しずつずらした。 市議会議長は「多くの尊い命を失った」。安倍総理大臣は同じ「とうとい」という言葉を使ったけど、漢字が違う。「一発の原子爆弾により、十数万人にものぼる幾多の貴い命が奪われ」と言った。市長は「その年の暮れまでに、かけがえのない14万もの命が奪われ」。みんな「奪われ」という動詞を使っている。 子どもたちが読んだ平和への誓いでは、「一発の原子爆弾が、建物、自然そして、たくさんの人々の大切な命を奪いました」。 全員、「命の大切さ」を言うことで、さも70年の節目の年に、命を大切に語り継ごうという演出。でも、細かく耳をかっぽじってきくと、違う意図があることに気づきます。 市長のスピーチは「私たちのふるさとには温かい家族の暮らし、人情あふれる地域の絆、季節を彩る祭、歴史に育まれた伝統文化や建物、子どもたちが遊ぶ川辺がありました。1945年8月6日午前8時15分、そのすべてが一発の原子爆弾で破壊されました。その年の暮れまでにかけがえのない14万もの命が奪われて……」と続く。 僕はクスノキの下で聞いているんだけど、松井さんがこれを読み上げた時に、広島の観光客のパンフレットを間違えて読んでいるのか、と思った。だって、これ、現在形だったら、今の広島に来てくださいね、って内容ですよね。でも「ありました」。過去形です。 これを、その通り受け止めると、広島という町は1945年8月6日まではパラダイス、こんないいところはない。広島という町は原爆投下の瞬間までは、温かい家族の暮らしと人情あふれる地域の絆があって、川辺で子どもたちが遊んでいる町だったんだよ?どうですか?この歴史認識、正しいですか?広島ってそういう町だったのかしら?僕はどうも、その時代は体験していないし、日本に来ていなかったけど、どうも僕の知ってる広島とは違うと思うんだ。広島が嫌いになったんじゃないよ。でも、1945年8月5日の広島は、家族の温かい暮らしと絆ではないような気がする。1940年も35年も30年も、どこまでさかのぼっても桃源郷の広島は見えてこない。 1945年8月5日の広島がどういう町だったかというと、日本第二の軍都です。東京が一番で、広島は西日本で一番の軍の都だった。軍の拠点です。三歩歩けば軍事施設にあたる町。平和記念式典が行われる場所が見えることころに練兵場があって、その練兵場で毎日毎日毎日毎日、他国の人を大量虐殺する練習を兵士たちがやっていて、広島で訓練を受けたやつが海を渡って、大量にアジアで人を殺したのが広島だった。広島は軍需産業で経済が回っていた。広島の経済はすべて軍需産業、人殺しの帝国の経済。温かい「貴族」の暮らしはあったかもしれない。でも、「家族の絆」なんて話をしている人は誰もいなかった。1945年8月5日の広島は「本土決戦」に備えて、一億総玉砕という言葉が飛び交っていて、そのために子どもたちを強制労働の現場に送り込んでいた。12歳、13歳、14歳の子どもたちが建物疎開という愚かな無意味な悪質な詐欺の作業をやっていた。建物疎開が何かというと、焼夷弾が降ってくると町が燃える、町が燃えると金持ちの家とか軍の施設まで燃える。それは困る。庶民の家が燃えても、庶民が全部失っても知ったこっちゃないけど、軍の施設は守りたい。そのために貧乏人の家を貧乏人の子どもに壊させるのが建物疎開。で、7000人ほどの12~14歳の広島の子どもたちが、上から軍から命令を受けて、8月6日の朝8時に、現場に入って解体作業をやっている。その子たちが全滅なんです。 誰が殺した?もちろん、原爆による大量殺戮をやった米政府が殺したんだけど、でも、それはいわば日米共同演習。松井さんだって、責任から逃れることはできないんだよ。松井さんは「かけがえのない14万もの命」と言った。1945年8月5日に、もし僕がタイムマシンで戻って、桃源郷の広島に戻って、僕が広島の人たちに「みなさんの命はかけがえのないものです」と言ったらどうなる?憲兵が来て、僕が捕まってぶちこまれる。学校現場で「貴い命」という言葉は絶対言っちゃいけない言葉だった。貴い命、かけがえのない命なんて1945年8月6日の8時の時点で広島に貴い命なんて、一片もない。 貴い命があるとしたら、それは千代田区一番町1の1それだけなんだ。あとは貴くない。日本国民は貴い命じゃない。貴くなりたかったら、命を捧げて靖国神社に行くのがいいんです。貴い存在になりたかったら、1945年には、他国にいて、大量に人を殺して、国のために虐殺して、運良く死んで靖国神社にまつられたら、あなたは貴い存在になれるんです。それが唯一の貴い命になる道です。だから貴い命は大本営発表では放送禁止用語。言えない。1945年8月6日午前8時15分の時点で貴い命という言葉は言論空間には存在しない。安倍さんが「この貴い10数万もの命」と言ったけど、噓八百。思ってないし、本人も。僕らの命が貴かったら、初めから、福島県や福井県に原発は作らない。僕らの命が貴かったら、安保法制は通さない。僕らの命が貴かったら、一億総玉砕とか一億総活躍とか言えない。もし、僕らの命が貴いって、この人たちが思っていたら、ああいう「演出」にはならなかった。 […] 日本政府と日本の企業、広告代理店はみなさんが永遠に、被爆者や戦没者のことを上から目線で見るようにしかけてくる。広島の被爆者、長崎の被爆者、福島の被曝者、セミパランチスクでずーっと被曝に苦しんでいる人、こういった各地でもっともっと増えるヒバクシャを自分とは違う存在として見るようにしかけてくる。米軍の兵士たちがどうして、長崎や広島のヒバクシャと連携しなかったのか、どうして戦後あれだけの米兵が同じように放射能にさらされて被曝させられて、大連合ができなかったのかというと、米兵の一人一人の心理の中には、勝ち組と負け組という観念、これで戦争を終わらせた、大変なことを成し遂げたという勘違いにだまされて、それで現地に入ってみたら長崎の人と同じように被曝した。それでも、長崎の人の被曝と自分の被曝が同じと捉えると、自分たちがやられた、自分たちが負けた、自分たちが被害者となる。その線を越えたくない。そう思いたくない。 それをどこまで僕たちが意識するか。そこに自分たちが立てれば、歴史の認識を見抜くことができる。 安倍総理は8月14日に、8月6日のあいさつと関わる「70年談話」を発表した。 「日本では戦後生まれの世代が人口の8割を超えています。あの戦争にはなんら関わりのない私たちの子や孫に、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わすつもりはありません」 あの戦争にはなんら関わりのない子や孫。 マスコミがちょっとだけ騒いだのは、「謝罪を続ける宿命を背負わすつもりはありません」。でも、僕はここはどうでもいい。みんなが素通りする言葉に僕は衝突した。 「あの、戦争には、なんら、関わりのない、子や孫」。 僕はここにひっかかった。 あの戦争に何ら関わりのないものは、この地球上に一つもないんだ。あの戦争の影響は今も、世界中で続いている。なのに、安倍さん、あなたは総理大臣であることはあの戦争とは何の関わりもないというんですか?岸信介は満州の植民地化と関わりないんですか?あなたの副総理の麻生さんの財産は、あの戦争とは関わりがないんですか?朝鮮人の強制労働と何の関わりもないことなんですか?あの戦争と関わりのないことは一つもないんです。その最たるものが被曝。いま、福島で日本民族がむしばまれていることはあの戦争、あの原爆と直結しているんです。長崎に落とされた爆弾と同じ原理の装置で、原発が運用されているんだから。そして原発、核開発は同じ人脈、同じ顔ぶれで延々と続いている。自民党の一握りの人たちがずーっとそれを握っている。だから、安倍総理は、「気にしなくていいんだよ、忘れていいんだよ」といった。それは「忘れて被曝しなさい、忘れてみんな地獄にいきましょう。忘れて無人の地球のまわりをぐるぐる回りましょう」とそういう道筋を安倍総理は日本の未来として、示している。 […] 続きは アーサー・ビナード 「広島70年式典の言葉について」(2015年11月 滋賀県近江八幡市)