Tag Archives: 戦争

アベさんに対する銃撃について思うこと via レイバーネット

小出裕章 アベさんが銃撃を受けて死んだ。 悲しくはない。 アベさんは私が最も嫌う、少なくとも片手で数えられる5人に入る人だった。 アベさんがやったことは特定秘密保護法制定、集団的自衛権を認めた戦争法制定、共謀罪創設、フクシマ事故を忘れさせるための東京オリンピック誘致、そしてさらに憲法改悪まで進めようとしていた。 彼のしたこと、しようとしてきたことはただただカネ儲け、戦争ができる国への道づくりだった。 アベさんは弱い立場の国・人達に対しては居丈高になり、強い国・人達に対してはとことん卑屈になる最低の人だった。 朝鮮を徹底的にバッシングし、トランプさんにはこびへつらって、彼の言いなりに膨大な武器を購入した。 彼は息をするかのように嘘をついた。 森友学園、加計学園、桜を観る会、アベノマスク… 彼とその取り巻きの利権集団で、国民のカネを、あたかも自分のカネでもあるかのように使い放題にした。 それがばれそうになると、丸ごと抱え込んだ官僚組織を使って証拠の隠ぺい、改ざん、廃棄をして自分の罪を逃れた。その中で、自死を強いられる人まで出たが、彼は何の責任も取らないまま逃げおおせた。 私は彼の悪行を一つひとつ明らかにし、処罰したいと思ってきた。 私は一人ひとりの人間は、他にかけがえのないその人であり、殺していい命も、殺されていい命も、一つとして存在していないと公言してきた。アベさんにはこれ以上の悪行を積む前に死んでほしいとは思ったが、殺していいとは思っていなかった。 悪行についての責任を取らせることができないまま彼が殺されてしまったことをむしろ残念に思う。 多くの人が「民主主義社会では許されない蛮行」と言うが、私はその意見に与しない。 すべての行為、出来事は歴史の大河の中で生まれる。 歴史と切り離して、個々の行為を評価することはもともと誤っている。 そもそも日本というこの国が民主主義的であると本気で思っている人がいるとすれば、それこそ不思議である。 国民、特に若い人たちを貧困に落とし、政治に関して考える力すら奪った。 民主主義の根幹は選挙だなどと言いながら、自分に都合のいい小選挙区制を敷き、どんなに低投票率であっても、選挙に勝てば後は好き放題。国民の血税をあたかも自分のカネでもあるかのように、自分と身内にばらまいた。 原子力など、どれほどの血税をつぎ込んで無駄にしたか考えるだけでもばかばかしい。 日本で作られた57基の原発は全て自由民主党が政権をとっている時に安全だと言って認可された。 もちろん福島第一原発だって、安全だとして認可された。 その福島原発が事故を起こし、膨大な被害と被害者が出、事故後11年経った今も「原子力緊急事態宣言」が解除できないまま被害者たちが苦難にあえいでいる。 それでも、アベさんを含め自民党の誰一人として、そして自民党を支えて原発を推進してきた官僚たちも誰一人として責任を取らない。 もちろん裁判所すら原発を許してきた国の組織であり、その裁判所は国の責任を認めないし、東京電力の会長・社長以下の責任も認めない。 どんな悲惨な事故を起こしても誰も責任を取らずに済むということをフクシマ事故から学んだ彼らはこれからもまた原子力を推進すると言っている。さらに、これからは軍事費を倍増させ、日本を戦争ができる国にしようとする。 愚かな国民には愚かな政府。 それが民主主義であるというのであれば、そうかもしれない。 しかし、それなら、虐げられた人々、抑圧された人々の悲しみはいつの日か爆発する。 今回、アベさんを銃撃した人の思いは分からない。 でも、何度も言うが、はじめから「許しがたい蛮行」として非難する意見には私は与さない。 心配なことは、投票日を目前にした参議院選挙に、アベさんが可哀想とかいう意見が反映されてしまわないかということだ。 さらに、今回の出来事を理由に、治安維持法、共謀罪などが今まで以上に強化され、この国がますます非民主主義的で息苦しい国にされてしまうのではないかと私は危惧する。 原文

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「原発が狙われる」と独り訴えた福井県原子力委員が辞めた理由 via 毎日新聞

 ロシアによるウクライナ侵攻でザポロジエ原発が攻撃され、戦時に原発が標的とされる危険性が明白となる中、日本国内最多の15基(廃炉含む)の原発が立地する福井県で、ある変化が起きた。県の諮問機関として原発の安全性を評価する県原子力安全専門委員会で10年以上、安全性に疑念を投げかけてきた田島俊彦・福井県立大名誉教授(76)が3月31日、自ら退任したのだ。田島さんに思いを聞くと、「実は……」。静かに語り始めた。 ロシア軍による原発攻撃のニュースが飛び込んできた3月上旬、記者のもとに田島さんから一通のメールが届いた。ザポロジエ原発の状況を踏まえた「日本でも、直ちに最低でも今運転中の原子炉の運転を停止すべきだ」との訴えとともに、「私はこの3月で委員をやめる予定です」と書かれていた。  田島さんが委員を務めていた県原子力安全専門委は、関西電力美浜原発3号機(同県美浜町)の蒸気噴出事故が起きた2004年に発足。21年度時点で、鞍谷文保委員長(福井大教授)ら11人の委員と外部委員で構成する。11年3月の東京電力福島第1原発事故後に原発の安全性への懸念が高まる中、歴代の福井県知事は、委員会がまとめる「報告書」を原発の安全性の根拠とし、再稼働の実質的なゴーサインである「地元同意」を判断してきた。つまり、委員会は「原発銀座」の安全を巡る「最後の砦(とりで)」だ。  その中で、独り原発の安全対策の不備を指摘し続けてきた田島さんが委員をやめる――。今後の委員会の議論が安易に「推進」に流れるのではないかと懸念した。すぐに電話で田島さんに「これまでの委員会での議論への思いなどについて話していただけませんか」とインタビュー取材を申し込んだ。  数日後、富山市の自宅を訪れた。田島さんは硬い表情で、静かに語り始めた。委員に就任したのは08年。もともと素粒子物理学の研究者で原子力は専門外。就任前は学生に「原発は安全だ」と教えたこともあった。だが、福島原発事故が考えを大きく変えた。「事故後は、どんなに小さくても危険性が考えられる限り運転してはいけないと思うようになった」と明かす。 「軍事標的になる」と主張したが……  だからこそ、ロシア軍のウクライナ侵攻での原発攻撃を受けて、原発の安全対策の不備への危機感を強める。福井県内の原発は日本海側に建ち並んでおり、断続的な北朝鮮のミサイル発射と結びつけて危険性が指摘されてきた。 […] もっと読む(有料記事)

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素手で放射性物質 ロシア兵、チェルノブイリで相当量の被ばくかvia 毎日新聞

[…] 「危険だからやめるように言ったが、無視された」。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は8日に掲載したチェルノブイリ原発の現地ルポで、安全管理担当者の話を伝えた。同紙によれば、ロシア軍は1986年に起きた原発事故で汚染された地域で、身の安全への注意を払わず、ブルドーザーなどを使ってざんごうを掘り、敷地内を移動した。露軍にはNBC(核・生物・化学)戦に対応した部隊の人員が含まれ、ロシアの原子力企業ロスアトムの専門家も敷地を訪れた。しかし、あるロシア兵は廃棄物貯蔵施設で放射性物質を素手で拾い、数秒でガイガーカウンター(放射線測定器)の測定値の上限を超えたという。 […]  露軍はウクライナ侵攻初日の2月24日にチェルノブイリ原発を掌握した。ウクライナ側の発表によると、3月9日からほぼ3日にわたって外部からの電力供給が途絶え、プールで冷却されている使用済み核燃料への影響が懸念された。原発で人質となった技術者などの職員は交代なしで安全管理の作業を継続した。対応に当たった職員の男性は、英BBC放送に「人類にとって悲劇となるのが怖かった」と語った。この男性は、非常用の発電機を動かすためにロシア軍から燃料を盗んで対処したという。 […]  国際原子力機関(IAEA)によると、チェルノブイリ原発の管理は3月31日にウクライナ側に引き渡された。4月10日には、3週間ぶりに職員の交代が実現したとウクライナ当局から報告を受けた。一方、原発の近くを流れる川に架かる橋が破壊され、施設へ向かう職員は船で移動する必要があるなど、「正常とはほど遠い状態」(グロッシ事務局長)だとしている。機器や通信回線の一部が破壊され、放射線監視データの自動送信ができない状況が続いているという。  原発周辺を訪れたウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相は8日、フェイスブックで「ロシア兵の無知は甚だしい」と述べ、露軍の兵士たちが相当量の被ばくをしたと示唆した。IAEAは「独立した放射線評価にはIAEAの専門家による調査が必要だ」と指摘しており、ウクライナ側と協議して近く現地調査をする意向を示している。【八田浩輔】 全文

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戦後70年首相談話 県民、思いさまざまvia福島民報

「謙虚」の言葉を何度も繰り返した。安倍晋三首相は14日、戦後70年談話を発表。焦点となっていた「侵略」や「おわび」に言及し、歴代内閣の立場継承を強調した。安全保障関連法案を意識したとみられる「積極的平和主義」も明記し、こだわりの一端ものぞかせた。「よく工夫された談話」「言葉を並べただけでは」。評価と懐疑の声が上がった。  福島市上浜町の無職菅野キヨさん(80)は安倍首相の談話を自宅のテレビで見守った。「二度と惨禍を繰り返してはならない」との言葉に安堵(あんど)の表情を浮かべた。  国民学校の3年生だった10歳で終戦を迎えた。終戦の約一年前に出征した父親や、千人針を縫う母親の姿を今も鮮明に覚えている。「安倍さんの言う通りであれば戦争にならないと思う。とにかく、今の若い人にはあんな苦労を経験してほしくない」と繰り返した。 […] 「侵略へのおわびの心が強く出て、平和的な外交への姿勢を感じた」。会津若松市の田中文雄さん(81)は小学五年生の時に終戦を迎え、戦争を繰り返してはならないという意識をずっと持ってきた。「安全保障関連法案などで強硬な姿勢が目立ち心配していたが、安心した」と話した。  一方、郡山市の会社員柴田篤史さん(30)は「正直言って、『おわび』の記述は必要なかったと思う」と声を落とした。「中韓をはじめとする各国との関係を良くすることは大切だが、永遠に謝罪するわけにはいかず、どこかで断ち切る必要がある」と指摘した。 […] もっと読む。

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国富を問う:川内原発訴訟/4止 人格権 「原発事故、先見えない」 戦争体験者、福島に思いを寄せる /鹿児島via 毎日新聞

国道226号から脇に入った静かな住宅地にある光明禅寺(指宿市十町南迫田)。同寺で坊守(ぼうもり)を務める野口マスミさん(73)と姉の飯田美佐子さん(83)は共に戦火をくぐり抜けた。飯田さんの右手人さし指は、第2関節から先がない。70年前の戦争の「記憶」だ。  焼け野原から世界有数の経済大国になった日本。社会は大きな変化を遂げたが、飯田さんらは当時と同じ街で暮らしてきた。九州電力川内原発(薩摩川内市)の再稼働に話が及ぶと、飯田さんの語気が強まった。「戦争で焼け野原になっても復旧できる可能性がある。しかし、原発事故は先が見えない」 […] 関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた福井地裁判決は「大災害や戦争以外で人格権を広範に奪う可能性は原発事故の他に想定しがたい」と指摘する。  川内原発の再稼働差し止めを求めた仮処分申請で、住民側は「原発事故が起これば、生命、身体、財産などへの被害は極めて甚大。安全は担保されておらず、事故発生の危険性がないとは到底言えない」と主張。一方、九電側は「放射性物質の大規模な放出事故が起こる具体的危険性はない」と反論する。 もっと読む。

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<津波、原発事故、そして戦争>(1) 満州とフクシマ(上)via 中日新聞

(抜粋)  原発が二度目の爆発を起こした二〇一一年三月十四日、村が避難を決め、岩間も従った。牛舎にいた十五頭の牛を連れて行く余裕はない。二カ月後、県は放射能を浴びた牛の殺処分を決めた。  その日、生後十カ月から二歳までの牛たちは、餌をもらうのを待つかのようにおとなしかった。「首筋に薬を打たれてさ、鳴き声ひとつ立てずに死んで いったよ」。一時帰宅して最期をみとった岩間は、空っぽになった牛舎に立ち尽くし、拳を握り締めた。あの夏、幾度もそうしたように。  六十九年前の夏、岩間は満州と呼ばれていた中国東北部にいた。戦時中、全国最多の開拓移民を満州に派遣した長野県の生まれ。南部の上久堅村(現飯田市)から両親とともに海を渡り、十九歳までの七年間を暮らした。  八月九日、ソ連が対日参戦。岩間は現地召集され、南下するソ連軍の前に立った。装備は尽き、爆弾を抱えて戦車の下に飛び込むのが「作戦」だった が、さく裂音とともに仲間の体がはじけ飛んでも、鋼鉄の装甲は貫けなかった。年長順の“特攻”は岩間の番の直前で終わり、部隊は解散。岩間は南へ、南へと 逃げた。  途中、よろよろと歩く数百人の母子や老人たちの一団を追い越したことがある。あかと土にまみれ、誰のまなざしにも生気がない。三歳ほどの男の子が 突然、しゃくり上げながらしゃがみ込み、岩間の眼前で息絶えた。「抱き起こしてやる気力なんて誰にも残ってなかった」。歩けぬ子は捨てられ、子を背負った まま倒れた親はそのまま置き去りにされた。  開拓地に残っていた家族と合流し、ようやく日本の土を踏んだのは一年後。文字どおりの生き地獄をくぐり抜けてきた。そんな岩間が言う。「あんなむごいことは絶対に繰り返しちゃいけねぇ。でもなぁ…」。近ごろ、ちょっと気になることがある。 (文中敬称略)     ×  ×  「なかったことにできるのか」。詩人の若松丈太郎氏は先月、本紙に寄せた原発に対する心情を詠んだ詩でそう問い掛けた。国土を穢(けが)した原発事故、大勢の命を奪った津波、そしてあの戦争。忘れてはいけないことを忘れないため、被災地から考える。 全文は<津波、原発事故、そして戦争>(1) 満州とフクシマ(上)

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