Tag Archives: 公正・共生

栃木の候補地は「土石流の恐れ」 原発事故の指定廃棄物処分場巡り via 中日新聞

東京電力福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の処分場建設を巡り、国が候補地としている栃木県塩谷町の国有林を現地調査した大槻憲四郎東北大名誉教授(地質学)が17日、報告会を開き「候補地は土石流の危険があり、国の選定方法は雑だ」と批判した。 (略) 大槻氏によると、候補地上流を流れる渓流の勾配などが土石流の発生条件を満たしていたという。 環境省は候補地を「土石流危険区域」など以外から選んだが、大槻氏は「人家のない場所は危険区域に指定されず、前提が無意味」と述べた。 全文は栃木の候補地は「土石流の恐れ」 原発事故の指定廃棄物処分場巡り

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国内最悪の内部被曝事故の3日後に出た「経産省の原発新増設記事」は大問題だ! via BLOGOS

田原総一郎 (抜粋) 4人が内部被曝をした。そのうち1人の被曝量は非常に高い。当然、健康被害が考えられる。どうしてこんな痛ましい事故が起きてしまったのか。どうしてプルトニウムが、そんなにずさんな保管をされていたのか。僕は、猛烈な憤りを覚える。 そんな折も折、事故発生から3日後の6月9日、「日経新聞」の1面に、「原発新増設を明記、経産省が提案――エネ基本計画」という記事が載った。「エネ基本計画」とは、国の「エネルギー基本計画」のことだ。資源の乏しい日本という国が、どんなエネルギー政策をとるか、その柱となるものである。 この見出しを見た瞬間、僕の怒りがさらに増したことは言うまでもない。国は原子力発電に対して、あまりにも無責任すぎる。 僕は、反原発主義者ではない。なんでも原発に反対する、という考えではない。だが、70年代から原発の取材を続けてきた結果、はっきり言えることがある。それは、こんな無責任な国に、原発を運用する資格も、建てる資格もないということだ。 小泉純一郎元首相が「反原発」に転じたきっかけは、フィンランドの「オンカロ」という、使用済み核燃料の貯蔵施設を見学したことだ。オンカロは、使用済み核燃料を最終的に地下520mに埋める。世界で唯一存在する、高レベル放射性廃棄物の最終処分場だ。いわゆる「地層処分」と呼ばれる方法である。 その見学の際に小泉さんは、使用済み核燃料が無害化するまで、「10万年かかる」と聞かされた。つまり、原発を作って核のごみを産み出しておきながら、「無害化まで10万年」かかる。なんという人間の傲慢さだろうか。小泉さんも、骨身にしみたことだろう。 しかし、フィンランドはこうした施設を作っただけまだましだ。日本は最終処分場を作ることもできず、約1万7000トンという大量の使用済み核燃料を抱えているのだ。持って行くところも埋めるところもない。それでも国は、「原発新設」を望んでいるのだ。 今回の事故の原因であるプルトニウムは、高速増殖炉「もんじゅ」の新燃料を開発するためのものだったという。その「もんじゅ」は事故続きで、結局は廃炉にしている。しかも、である。「もんじゅ」は原型炉だったのだが、経産省は次に実用炉の一歩手前である、「実証炉」を作ろうとしているのだ。無茶苦茶ではないか。 そもそも「もんじゅ」は文科省の管轄、次の実証炉は経済産業省の管轄となる。こうした「縦割り」の弊害と、実質的な原発の責任者がいないことが、また僕を憤らせるのだ。 全文は国内最悪の内部被曝事故の3日後に出た「経産省の原発新増設記事」は大問題だ! 

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福島で増え続ける甲状腺がん、意図的隠蔽かも via JB Press

私たちは何かに支配されやすい、だからこそ支配されない体質を作ろう 小児甲状腺がんの発生が止まっていない ぼくたちの国は、見えない何かに支配されてしまいやすい。 前回、「福島県で急速に増え始めた小児甲状腺がん~『臭い物に蓋』をしては後で大問題に・チェルノブイリの経験生かせ~」(2017.4.19)を書いた。 たくさんのアクセスがあり、「いいね」が4000件を超えた。福島の小児甲状腺がんの確定診断がついたのが145人、さらに、がんの疑いで手術や検査を待っている子供が38人だった。 (略) さらに、2人ががんの疑いと診断されている。これまで1例を除き、「疑い」があった子供はその後がんの確定診断が下っているので、がんの子供の数はまだ増えるだろう。190人近くになる可能性がある。 不都合な5歳以下の小児がん フォローの見落としも気にかかる。 事故当時4歳の男児が、「経過観察」と判断された後、福島県の検診のフォローアップの対象から外れた。専門病院で経過観察中に甲状腺がんとの確定診断を受けたが、検討委員会の把握は遅れた。 「今後は不可欠な情報として扱う」と検討委員会委員長は述べている。しかし、意図的な隠蔽があったのか。単なるシステムの欠陥ではなかった可能性がある。 検討委員会は、「多発している子供たちの甲状腺がんは、福島原発事故の放射線の影響とは考えにくい」という中間とりまとめを既に出しており、その理由として、放射線の放出量が、チェルノブイリ原発事故と比べて小さいことを挙げている。 (略) (1)事故当時5歳以下の子供からの発見がないこと チェルノブイリ原発事故ではI-131(ヨウ素131)が出たため、子供の甲状腺がんが6000人を超え、5歳以下の小さい子供が多数がんになった。福島では5歳以下のがんの発見がなく、これが、福島の原発事故の大きな影響はないとする要因だった。 放射性ヨウ素の影響は、小さい子供ほど受けやすいはずと考えられているからだ。 福島の事故当時4歳だった甲状腺がんの子供は、県内の他の専門病院でフォローされていたのかとぼくは勝手に憶測していたが、実際には検査も手術も福島県立医大で行われていた。 検討委員会の中心的役割を担う病院である。 この症例に関しては、単に報告が遅れたという不注意ミスではなく、「不都合な真実」だった可能性がある。 しかもこのほかに、甲状腺がんの確定診断が下されている5人の子供が、甲状腺がん152人の中に入っていない可能性があるという。事故当時4歳の子供ががんになっているのは重要なファクトだ。 (略) チェルノブイリとは違うとは言い切れない (2)がんの発見が、チェルノブイリでは被曝から4~5年後に増えているのに対し、福島では4年経過する前から見つかり出しているということ (略) 検診率の低下が気になる 受診率の低下も心配だ。 検診者数は、2巡目が27万人だったのに対し、3巡目は12万人と半分以下になってしまった。がんを見過ごしてしまう可能性がある。 全文は福島で増え続ける甲状腺がん、意図的隠蔽かも

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帰還率8割に 福島・川内、仮設と借り上げ住宅無償提供終了要因 via 福島民友

 原発事故による避難指示が昨年6月に、全て解除された川内村に帰還したのは6月1日現在で912世帯2181人となり、人口に占める割合(帰還率)が80.57%と8割に達した。 帰還率はこれまで約7割だった。仮設住宅と民間借り上げ住宅の無償提供が3月末で終わり、帰還が進んだ形だ。 遠藤雄幸村長が6月議会で帰還状況を報告した。住民基本台帳に基づく人口は、1日現在で1252世帯2707人。 一方で、仮設住宅からの退去を巡り、病気や生活再建が見通せないことなどを理由に3世帯が入居を続けており、入院中のため2世帯が荷物を残している。 続きは帰還率8割に 福島・川内、仮設と借り上げ住宅無償提供終了要因

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福島切り捨てノー 原発事故シンポで交流 二本松 via しんぶん赤旗

東京電力福島第1原発事故による福島のリアルな実態を伝えようと10日、福島県二本松市でシンポジウム「原発事故から7年目 福島は今」が開かれました。日本共産党福島県委員会が主催、350人(主催者発表)が参加しました。 (略) 南相馬市小高区の吉田益雄さんや福島市の果樹農家・阿部哲也さん、同市で3人の子どもを育てる穂積順子さんら6人が発言。 二本松市でスーパーを営む服部浩幸さんは、事故の影響で売り上げが震災前より落ち込み、東電には賠償を打ち切られましたが、国・東電交渉で今年の5月に賠償を再開させたと報告しました。 いわき市から群馬県前橋市に避難した丹治杉江さんは当時を振り返りながら「福島を忘れたことはない」と発言。「(3月の前橋地裁判決は)国・東電に過失あり、損害賠償の責任ありと勝利した」と話すと拍手が湧きました。 共産党の岩渕友参院議員は、自主避難者の住宅無償提供打ち切りなど国会での安倍政権の福島切り捨ての動きを告発。「国、東電に責任を果たさせるまで頑張ります」と語りました。 全文は福島切り捨てノー  原発事故シンポで交流  二本松

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福島県の甲状腺検査 報告基準を見直しへ via NHK News Web

原発事故当時4歳の子どもが、福島県の甲状腺検査のあと、がんと診断されたのに専門家で作る検討委員会に報告されていなかった問題を受けて、検討委員会は検査のあとでがんと診断された人も把握できるよう報告の基準を見直す方針を示しました。 この問題は、福島県の甲状腺検査のあとで、これまでで最年少となる原発事故当時4歳の子どもが、県立医科大学でがんと診断されたのに専門家でつくる検討委員会に報告されていなかったものです。 5日、問題が明らかになってから初めてとなる検討委員会の会合が福島市で開かれ、県の担当者が、「検査後の経過観察の中でがんが判明した場合などは追跡が困難で、個人の情報でもあるので報告していなかった」と説明しました。 (略) また、3巡目の検査までにがんやがんの疑いと診断された人が新たに6人増え、合わせて191人となったことも報告されました。 検討委員会の星北斗座長は「個人情報を守りながらどう把握できるかを検討し、報告の対象や考え方を変えていくことなると思う」と話していました。 全文は福島県の甲状腺検査 報告基準を見直しへ

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「県民健康調査」の透明性を求め、福島県に要望書を提出しました via OurPlanet-TV

来る6月5日に開催される福島「県民健康調査」検討委員会をめぐり、スムーズな中継のための回線工事の許可と甲状腺検査・治療に対する説明責任を求めて、福島県に以下の要望書を送付いたしました。                                2017年5月29日 福島県保健福祉部長 井出孝利殿 冠省 貴県が主催している「県民健康調査」検討委員会に関し、以下を要望いたします。 1、 インターネット回線工事を許可してください。 次回6月5日の「県民健康調査」はコラッセふくしまにて開催されます。同会館の多目的ホールは無線電波が極めて微弱なため、過去の県民健康調査においては、県の許諾のもと、臨時光回線の工事を施行し、ライブ配信を実施してきました。今回も、一旦は同対応を了承いただきましたが、午後になって急に対応を変え、工事を禁じるとの連絡がありました。「県民健康調査」は、国及び東電から1000億円もの予算を拠出して実施している事業であり、同事業をレビューする検討委員会は、国内外から高い関心が寄せられています。従来通り、臨時工事を許可いただくようお願い致します。 2、 山下俊一副学長の委員会および記者会見への出席を求めます。 福島県立医大の山下俊一副学長は、現在、実施されている「甲状腺検査」の調査を主導した責任者であり、現在も調査の主要メンバーです。その一方、昨年12月、内堀知事に面会し、検査の縮小を提言しました。現在の状況を説明いただきたく、山下副学長の検討委員会への出席を求めます。 3、 鈴木眞一教授の委員会及び記者会見への出席を求めます。 鈴木眞一教授が、検討委員会に出席しなくなって以来、治療現場で一体何が起きているか、全く分からなくなりました。「経過観察」となった患者が甲状腺がんとなったケースも公開データに含まれていないことも明らかとなり、臨床現場の状況について説明が求められています。大津留教授の説明では不十分です。鈴木眞一教授の検討委員会への出席を求めます。 4、十分な記者会見時間の確保を求めます。   (略)   第 27 回「県民健康調査」検討委員会及び第7回甲状腺検査評価部会 http://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/218205.pdf 全文は「県民健康調査」の透明性を求め、福島県に要望書を提出しました

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勝俣恒久・元東電会長らの尋問申請 福島第1原発事故めぐる株主代表訴訟 via 産経ニュース

福島第1原発事故をめぐる東京電力の株主代表訴訟の第33回口頭弁論が1日、東京地裁であり、株主側は東電の勝俣恒久元会長(77)ら被告5人と、東電社内で津波対策を検討していた担当者2人の尋問を申請した。 (略) 株主側は、勝俣氏らが地震や津波の対策を怠ったため事故を防げず、東電に巨額の損失が発生したとして賠償を請求。1日の弁論では、廃炉作業などで東電の損失が拡大し続けているとして、賠償請求額を9兆円から22兆円に増やした。 全文は勝俣恒久・元東電会長らの尋問申請 福島第1原発事故めぐる株主代表訴訟

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「きもい」「けがれる」「菌鬼ごっこ」学校が見過ごした、原発避難いじめ via 週刊女性PRIME

(抜粋) 文部科学省は’17年3月、原発事故などの影響で避難した児童生徒に対するいじめを調査。翌4月、結果を公表した。それによると、’16年度には129件。このうち、震災や原発事故を理由とする、あるいは関連するいじめは4件。ほかの125件は、直接の関連は確認できていない。 また、震災から’15年度までには70件、避難者へのいじめがあった。このうち9件が直接、震災や原発事故に関連したものだ。 原発避難によるいじめというと、「放射能」や「福島」、「賠償金」などの言葉を用いるものもあるが、調査が示すように直接言われることは少ない。朋美さんも関連する言葉を投げつけられていない。 (略) 同じ小学校では、数年前にも、福島県からの避難者に対していじめがあった。父親の悟志さん(51)は「前例があったため、初動は早かったのではないでしょうか」と話す。加害児童の保護者からも謝罪があったが、心から反省していたのか疑わしかった。 「加害児童の保護者も集団になると“あんなのいじめじゃない”“騒ぎすぎ”と言っていました。こちらが“娘が自傷行為をしていた”と言ったら、“クレーマー”と呼ばれたこともありました」(悟志さん) 一時、いじめはやんだ。しかし、4年生のときも朋美さんは1年間、学校で孤立した。3学期には下駄箱の靴に雪を入れられたり、悪口を書いた手紙が入っていた。 (略) 「死にたい」。朋美さんは自殺を考えていたことを初めて景子さんに告げた。同じころ、自宅近くで妹の佳寿美さん(10)がBB弾で撃たれた。自分のせいで妹にも影響があったと思ったのか─。 (略) さらに担任の調査によって「菌鬼ごっこ」が判明。名前に「菌」とつけて、「鬼ごっこ」をしていたのだ。隠語や「裁判」という言葉を使い、悪口も言っていた。 中1の夏休み前、朋美さんは国語の授業での作文で、いじめが現在でも行われていることを書いている。 《中学生になった私は一人になりました。私もがんばって友達をつくりました。ときどき、「朋美はいじめられていた」とうわさがながれています。まだいじめはつづいています》 その作文を国語の担当教諭が夏休み中に採点、評価は「B」をつけた。4枚目で中学でのいじめが出てくるが、担任や学年主任の誰にも報告していない。 この教諭は当初、作文を「途中までしか読んでいない」ため小学校時代の話と認識したという。だが、その後、「作文は読まなかった」と言い分が変遷した。「最初だけ読んだと言っていたが、現在の心境を知りたくなるはず。そうしないのは教員としてのセンスがない」(悟志さん) 一方、学校は、いじめ発覚後、1年生全員の約120人(1クラス30人前後)にアンケートを実施した。 (1)菌鬼ごっこをしたり、いじめをした心当たりはあるか。 (2)いじめを見たり聞いたりしたことはあるか。 (3)今回のことをどう思うか。 結果、(1)は11人、(2)は26人。その後、校長と担任が自宅を訪れ、朋美さんに謝罪したが、朋美さんは校長に対し「本当に(いじめ対策を)やってくれるまでは信用できません」とキッパリ。担任に対しても「何度相談しても“気のせいじゃない? 勘違いじゃないの?”と信じてもらえず、ショックでした」と言い、募る不信感を隠さなかった。 全文は「きもい」「けがれる」「菌鬼ごっこ」学校が見過ごした、原発避難いじめ

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原発を止めると左遷…エリート裁判官たちが抱える「大苦悩」via 現代ビジネス

裁判官の世界はこうなっている ある裁判官が「人命と電気代を天秤にかけることなどできない」と判決文に書いた時、多くの日本人が深く共感した。だが裁判官の世界では、そうした「普通の感覚」を持つ人ほど、冷遇されてしまう。 止めては動かすの繰り返し 「裁判官人生を振り返ってみると、僕なりに日和ってるんですよ」 元裁判官で、弁護士として福井原発訴訟弁護団長を務める井戸謙一(63歳)は、滋賀県彦根市の事務所でこう語った。 かつて井戸は、金沢地裁の裁判長として、2006年3月、北陸電力の志賀原発2号機(石川県)の運転差し止めを命じている。東日本大震災によって、東京電力福島第一原子力発電所が過酷事故に見舞われる5年前のことだ。 「裁判官になった以上、地裁の裁判長(部総括)にはなりたかった。いずれ重大な、社会的に意味のある事件を審理したいという思いはありましたから、自己規制もした。もちろん、裁判で判決を書くにあたって、自己規制したことはない。 しかし、司法のあるべき姿を議論する裁判官の自主的な運動に関わっていながら、目立つポジションを避けてきたんですね」 任官から23年目、48歳の時、井戸は、志賀原発の訴訟を担当する。 「あの時点では、原発訴訟は住民側の全敗ですからね。まあ、同じような判決を書くんだろうなぐらいのイメージだった。 (略) 政府が国策として進める原発事業の是非を、選挙の洗礼を受けていない裁判官が、わずか3名で判断するのは勇気のいることだ。 まして、電力の安定供給にかかわる重要政策であり、日本経済に打撃を与えかねない。ほどほどのところで妥協すべきという空気が、裁判所内には蔓延していた。 「社会的影響や予想される批判を視野に入れると、重圧と葛藤に苛まれ、身動きがとれなくなってしまう。だから、法廷の中だけに意識を集中するようにしていました」 そして井戸は、さりげなく言い添えた。 「原発訴訟の弁護団長をしていて、つくづく感じるのは、原発の再稼働を容認する裁判官の多くが、法廷外のことを考え過ぎているのではないかということです」 (略) 2015年4月、運転差し止めの仮処分を認めた福井地裁の樋口英明裁判長(64歳)は、「新規制基準は緩やかすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されない」と言い渡した。 樋口は、2014年5月にも大飯原発(福井県)の運転差し止めを命じている。その判決文で「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されない」と述べるなど、裁判所の役割の重大さと責任の重さを、世に示した。 その樋口裁判長の、後任として福井地裁にやってきた林潤裁判長(47歳)は、関西電力の異議申し立てを認め、「樋口判決」を取り消した。同判決文で、林裁判長は「原子力規制委員会の判断に不合理な点はない」と述べている。 (略) 原発を止めると左遷される そして高浜原発は、2016年1月から再稼働するが、この判決の影響をもっとも受けたのは、住民でも電力会社でもなく、原発訴訟を担当している裁判官たちだった。 「原発を止めた樋口裁判長が、名古屋家裁に飛ばされたのを見て、支払うべき代償の大きさを意識しない人はいなかったはずです」(ある若手裁判官) (略) これを審理した、大津地裁の山本善彦裁判長(62歳)は、住民側の訴えを認め、高浜原発の運転差し止めの仮処分を決定している。これによって、いったんは稼働した原発は、再び運転停止を余儀なくされることになったのである。 山本裁判長をよく知る裁判官は、「彼は、おとなしく、目立たない人ですが、記録をよく読み、よく考え、事実を見る目は確かな人」と言う。 しかし、その審理を尽くしたはずの「山本判決」は、二審に相当する抗告審で、あっさり破棄された。 この決定を下したのは、大阪高裁の山下郁夫裁判長(62歳)だ。この人もまた、「局付」経験者で、最高裁調査官を務めたトップエリートである。 このように、原発を止めた裁判官は、地道に裁判部門一筋に歩んできた人で占められている。一方、原発を動かした裁判官は、一様に最高裁事務総局での勤務経験があるエリートがほとんどだ。 (略) 最高裁事務総局で勤務経験のある裁判官が、政府にとって好都合な結果を生み出し続けていることの因果関係について、前出の矢口洪一は、こう断言している。 「三権分立は、立法・司法・行政ではなくて、立法・裁判・行政なんです。司法は行政の一部ということです」 要するに、裁判部門は独立していても、裁判所を運営する司法行政部門は、「行政の一部」として、政府と一体であらねばならないと言っているのだ。 原発を稼働させてきた裁判官たちは、まさに、この矢口の言葉を体現するかのように、公僕として国策を遂行する「官僚」の務めを果たしていたといえよう。 全文は原発を止めると左遷…エリート裁判官たちが抱える「大苦悩」

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