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Tag Archives: 広島・長崎
原爆写真 「効果」誇示の24枚 米、広島に寄贈へ via 毎日新聞
原爆投下後の広島の航空写真。右下には30カ所の破壊達成率が示され、発電所、橋などが「100%」破壊されたことを示す数字が並ぶ 写真は原爆写真 「効果」誇示の24枚 米、広島に寄贈へ
オバマ氏広島訪問、吉永小百合・坂本龍一さんの思いは… via 朝日新聞
(抜粋) ■核廃絶「もう一度強く発言を」 吉永小百合さん オバマ大統領にはもう一度、改めて、核兵器廃絶に向けて強く発言して頂きたいと願っています。 わたしが最初に海外で原爆詩の朗読会をしたのが、米国のシアトルの郊外にあるポートタウンゼントという町だったんですね。そのときに、シアトルに住んでらっしゃる思想家で、宗教家の方がいました。100歳になられ、すばらしい方でした。 その方は原爆が広島に投下されて1年ほど後、「申し訳ない」って思いで広島に行き、被爆者の方たちのために家を建てたんです。 その方から直接聞いた言葉で、「広島に原爆が落とされた時、それは、あなたの上にも、わたしの上にも落ちたんだ」っていう言い方をされました。国も民族も問わず、みんなの上に落ちたんだと。 (略) ■「戦争は痛くて、苦しくて、いやなこと」 坂本龍一さん オバマ大統領には、ぜひ被爆地に行ってほしいと思っていました。仮に謝罪がなくても、とにかく行くってことは大事だし、オバマさんに限らず世界の国の指導者、あるいは国に限らず上に立つ人は、みんな行ってほしいですね。広島、長崎にはね。 ぼくら、かすり傷一つでも痛い。いやですよね。原爆に限らず、戦争に行くってことは痛いことなんです。痛くて、苦しくて、いやなこと。死ぬほど痛いですから。ぼくなんか耐えられない。 そのくらい痛く、いやなことだよっていうことを知らなかったり、想像できなかったりする人が増えているような気がする。ドローン(無人機)を操作する若い米国の兵士も、どのくらい痛いかってことを感じないで操作しているだろうし、ネット上で勢いのあることをワーワー書いている人たちも、どのくらい痛いかってことをきちんと分からないで、想像できないで書いている。 国を危ない方向に向かわせるような人たちも、実は知らない。戦争を体験していないから。痛くて、怖くて、やなことなんだって。 全文はオバマ氏広島訪問、吉永小百合・坂本龍一さんの思いは…
米大統領広島へ 被爆地の声聞いて「核被害、怖さ伝える」via 毎日新聞
(抜粋) 元中学教諭で広島県原爆被爆教職員の会会長の江種祐司さん(88)=府中町=は「原爆によってどんな被害が出たか、オバマ 氏自身が事実を知ろうという気持ちがあるのなら、喜ばしい」と歓迎した。一方で、「被爆直後は無傷だった人間でも、耳や鼻から血を流し、体に紫色の斑点が 浮かんで亡くなっていく例が多かった。そういう被害こそが核被害の本当の恐ろしさで、被爆者から話を聞かなければ分からない」と語った。 14歳の時、爆心地の北約2.3キロで被爆し、4月の主要7カ国(G7)外相会合で報道関係者向けに証言した梶本淑子さん(85)=広島市西区=は「原 爆投下から70年以上たち、あまりにも遅すぎる」と批判する一方で「被爆者の証言を少しでもいいから聞いてほしい。いかに原爆がむごいものかが伝わるは ず」と願った。 米国での証言経験がある被爆者の山本定男さん(84)=広島市東区=は「きっと、自身が考えていた以上に原爆の被害は甚大だったと、核に対する考え方が変わるはず。そして言葉だけでなく、政治家として何かをしなければいけないと思うはずだ」と期待した。 厳しい見方もある。原爆ドームの絵を長年描き続けてきた被爆者の原広司さん(84)=広島市安芸区=は「ノーベル賞をもらったのに複数回の核実験を実施 し、矛盾した行動を取っている。核兵器で多くの人の命を奪ったのは事実で、憎しみがないと言えばうそになる」と憤りを隠さない。 広島県原爆被害者団体協議会理事長の坪井直(すなお)さん(91)は「原爆投下で一生を棒に振った。腹の底では、思うこともある。しかし、こちらから謝罪を求めはしない。オバマ大統領が広島に来るのは歓迎。人類の過ちをよく知ってほしい」と話した。 もう一つの広島県被団協理事長の佐久間邦彦さん(71)は「被爆者がどんな思いで生きてきたかを聞き、原爆の後遺症や裁判など、今も問題が続いていることを知ってほしい。それを踏まえてヒロシマから核廃絶を訴えてくれたら、意義があると思う」と語った。 全文は米大統領広島へ 被爆地の声聞いて「核被害、怖さ伝える」
吉永小百合さん「核なき世界」への願い、カナダから via 朝日新聞
原爆詩の朗読を30年にわたって続けてきた俳優の吉永小百合さんがカナダのバンクーバーで3日(日本時間4日)、原爆の詩や原発事故に見舞われた福島の人々の詩を朗読した。音楽家の坂本龍一さんがピアノで伴奏した。核兵器と原発による核の被害を受けた日本が世界に伝えるべきものは何か。吉永さんは詩の言葉を通し、「核なき世界」への願いを次世代に伝えた。 朗読会は「The Second Movement in Canada」(カナダにおける「第二楽章」)と題してブリティッシュコロンビア大学(UBC)で開催。学生を含め約200人が聴き入った。 「声高ではなく、柔らかい口調で語り継ぎたい」との思いを込めた吉永さんの朗読シリーズ「第二楽章」の中から、「にんげんをかえせ」で知られる峠三吉の「原爆詩集 序」を日本語と英語で、栗原貞子作「生ましめんかな」を英語で朗読。また和合亮一さんや佐藤紫華子(しげこ)さんら福島の詩人の作品、永瀬清子作「降りつむ」を日本語で読み上げた。「降りつむ」は皇后の美智子さまが英訳しており、これらも会場で紹介された。 坂本さんは「核と人類は共存できない、という吉永さんの強い信念に共感します。将来、人々が核兵器や原発に苦しまないことを願う」とスピーチした。 続きは吉永小百合さん「核なき世界」への願い、カナダから
(核の神話:23)「沈黙を強いる」日本社会、気がかり via 朝日新聞
日本で生まれ育ち、米国で教えてきたシカゴ大学名誉教授(日本文学)のノーマ・フィールドさん。原爆投下や原発事故の「被ばく者」に寄り添いながら、日本社会に発言を続けている。いま、福島原発事故の被害者らに「沈黙を強いるメカニズム」が気になって仕方がないという。 (略) ある風景が頭に焼き付いています。それは(今年3月12日の)「311甲状腺がん家族の会」の発足記者会見です。ユーチューブで動画を2時間。目が離せませんでした。福島県民健康調査(「核の神話:18」で紹介)で小児甲状腺がんと診断された子どものご家族に話を聞くのは難しいと聞いていたので、画期的だと思ったんです。 ところが、実際見てみると、会見に出た保護者、お父さん2人なんですが、福島からスカイプでの参加なんです。「カミングアウト(告白)」といわれているものが、顔を見せずに、声も操作されて。それで、「白い服の方」とか「黒い服の方」と司会者に指されるんです。「カミングアウト」と称しても、こういう形を強いる日本の社会のおぞましさ。 会見に参加したジャーナリストがお父さん2人に対して「東電(東京電力)に遠慮している話し方」と感想を述べたとき、やっぱり他の人にもそう聞こえるのだ、と。スカイプで顔を見せずにあの場に出ることが要した勇気って、私の想像を絶するものに違いない。あれが現時点での限界だったんでしょう。これからは、安心して心の内を話せる仲間が増えて、まずは精神的に支え合うことが大事。批判はその先なのかもしれません。 福島に限ったことではないけれども、一番気になってきたのは、被害者たちの被害性からの自己疎外です。自分で自分の感情や、大切なものを否定しなければならない。そういう効果が最初からあって、それがどんどん強化されている気がして。家族会のようなものが発足すれば、必ずバッシングが起こる。だから、自分が被害者であるということを堂々と言えない人が圧倒的多数でしょう。自分の被った被害を認めない、認めることができない、認めようとしない。それこそが自己疎外です。そこが最初から気になっていました。(2020年の)東京オリンピックが近づくにつれて、もっとひどくなると思うんです。 上からの圧力は見えやすい。でも、もっと怖いのは、被害者同士がお互いを制することです。それなしには上からの圧力も効かないでしょう。同じような不安を抱えている人たちがその苦しさから逃れるためには、まわりもその不安を表明しないことを欲するじゃないですか。私の心の寝た子を起こさないで、というふうに。そういう素地というか装置がすぐに活性化されるように暮らしのすみずみまで張り巡らされているような気がしてならないのです。 (略) 日本の原発がこれからどうなっていくかわからないけれども、地裁レベルの判決や差し止めや、たとえ覆されるとしても、ぽつぽつ全国の地裁で再稼働を遅らせる動きがあればいいと思います。そうすると、個々の裁判官にとって、どこか心に響くものがあるんじゃないか、と。あそこで、あいつにこれができたんだ、みたいに。それが、ひとつの動きとして目に見えるようになったらなんとすばらしいか。裁判闘争って効率が悪いけれども、いろんな証拠が出てくるし、法廷が醸し出す尊厳もある。とにかく福島原発告訴団が頑張り抜いて、やっと刑事裁判が開かれることになったので、いろんな人に注目してほしい。関心を示して、公表しないと生かされない。メディアと市民の監視が大事なんです。東京オリンピックが近づいたら、もっともっと福島がなかったかのようにされて、声を上げるのが大変になるでしょう。市民もメディアもそれを意識しないといけません。 福島のお母さんたちの今後についてですが、福島県の外に出たお母さんたちが語っていますよね(「核の神話:20」で紹介)。けれども、そこにまた、それぞれの分断の手が入っています。いつまで「避難者」って言っているのか。はずかしくないのか。はっきり「永住者」と言いなさいとか。それをまた内面化して、これからは自分のことを避難者と言わないで永住者って言おう、とか。切なくなります。 でも、仲間やグループがあるかないかは決定的です。仲間の手を絶対離さない。「311甲状腺がん家族の会」だったら、電話番号があるじゃないですか。 あのご家族、保護者の方2人が、非常に限られた形ですけど、社会に登場したことによって、多くの家族が少なくとも電話をかけるだけの勇気を奮い出すことができるかもしれません。そうあってほしいですね。そういう人たちが増えれば増えるほど、何かが変わってくるはずです。 (略) 東京オリンピックに向けた、帰還政策のような「復興」プロパガンダが目立つなか、いろいろ声をあげようとしている人、また恐る恐るだれかにつながろうとしている人が、たくさんいると思うんです。そういう人たちの力になるようなかたちで、存在を可視化することができないでしょうか。可視化ってほんとうに大事でしょう。 「家族会」の記者会見で顔は出さなくても、そこにいる。顔が見えないぶん、手のしぐさに注意が引かれて、そこから緊張感が伝わってくる。あの2人のお父さんの身体性。かなり違っていましたね。その対比も面白いと言ってしまうと失礼なんですけれど、違いが見えてよかったと思います。手から、操作された声から、いろいろ伝わってくるものがあった。とにかく出てきてくださったことが大事なんです。 あの記者会見で、1時間ほど過ぎたあたりで出てきた白い帽子の女性がいました。広島で被爆したジャーナリストの小野瑛子さん。自分は甲状腺がんも肺がんも患い、それでも生きてこられたのは、仲間がいることと被爆者手帳があることだったと思います。福島でも「被ばく者手帳」をつくる会を立ち上げた方だそうですね。けれども、福島では「被ばく者手帳」と呼ぶかどうか、広島と同じことが起きてしまうのではないかという議論もあると聞きます。差別が怖いんですね。 3・11が起きてかなり早い時期に、当時シカゴ大学の院生だった友人が頼まれてある研究者の論文を英語から日本語に訳した時、日本にいる友だちに「『ヒバクシャ』って差別語だって知らないの」と言われました。自分の責任ではなく差別される対象になったひとたちが、名乗り出て、自らのアイデンティティーとして差別語を捉え返すようになるには、どうしてもかなりの時間がかかるんでしょう。もちろん、一部ですが、被差別部落の人たちであったり、同性愛者であったり。とくにアメリカでは後者の待遇はこのところ急激に変わったけれども、長い期間にわたって隠されていました。私はいつも焦りを感じています。健康手帳を何と呼ぶかは別として、福島のヒバクシャには早く権利を主張して欲しくてなりません。 (略) (シカゴ大学を2012年に)退職する前の最後の学期に、シカゴと広島をスカイプでつなぐ授業をしたんです。1歳の時に被爆した方が登場してくださって、親にも「(被爆者であることは)絶対口外するな」って言われていたと。福島(原発事故)が起きてからの彼女の深い後悔は、自分たち広島の被爆者がアイデンティティーを隠さずに暮らしてきていたなら、福島(の現状)は起こらなかったんじゃないかということです。深い気のとがめがあるのが、スカイプを通して伝わってきました。だから、自分はこれから、福島から避難してきた人たちのために生涯を捧げるんだと。 福島で甲状腺がんと診断された子どもについて、セカンドオピニオンはどうなっているのでしょうか。患者の権利は守られているのでしょうか。「沈黙を強いるメカニズム」って一体何なのか、考えさせられます。いろんな要素が入り交じっていて、先ほどから触れているわけですが、まだ他にあるような気がしています。 病気が意味することに限って考えると、なにが見えてくるか。甲状腺がんはよく知られているけれど、チェルノブイリの例を見ても分かるように、がんだけではなくて、心臓疾患とか他にもいろいろあるわけです。けれども、「がんイコール死」って考えてしまうのは世界共通のことではないでしょうか。 全文は(核の神話:23)「沈黙を強いる」日本社会、気がかり
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米・オバマ大統領、5月27日に広島を訪問する方針固める via FNN
アメリカのオバマ大統領が、5月のG7、伊勢志摩サミットが閉幕する5月27日に、広島を訪問する方針を固めたことがわかった。 アメリカ政府関係者は、FNNの取材に対して、オバマ大統領の広島訪問が実現する見通しになったとして、伊勢志摩サミットが閉幕した直後に、アメリカ軍の岩国基地を経由して、空路で広島入りする日程で、最終調整していることを明らかにした。 オバマ大統領は、平和記念公園訪問に加えて、2009年のプラハでの演説の流れを受け継いだ演説を行うものとみられる。 続きは米・オバマ大統領、5月27日に広島を訪問する方針固める
「原爆症」認定、高裁初判断 現行基準の見直し急務 via 毎日新聞
新基準でも原爆症と認められなかった被爆者を原爆症と認定した11日の福岡高裁判決は「疑わしきは救済する」という一連の集団訴訟での司法判断の流れに沿ったもので、高裁として初判断をした意義は大きい。国は判決を謙虚に受け止め、認定基準の見直しを検討すべきだ。 原爆症認定を巡る集団訴訟で敗訴を重ねた国は2014年1月に新たな認定基準を導入した。しかし、認定に際して原爆炸裂(さくれつ)時に放出された初期放射線を重視する一方で、放射性降下物などによる残留放射線を軽視する傾向は変わらず、国による却下が相次いだ。 これに対し、今回の判決は「被ばく線量の評価には、被爆状況や被爆後の行動、症状などに照らし、さまざまな形態での外部、内部被ばくの可能性がないかを十分に検討する必要がある」として、残留放射線を含め、より広く影響を考慮すべきだとの考えを示した。[…] もっと読む。
米大統領の広島訪問検討を認める 「核なき世界」の象徴と報道官 via 沖縄タイムス
【ワシントン共同】アーネスト米大統領報道官は12日の記者会見で、オバマ大統領が掲げる「核兵器なき世界」の重要性を 「最初に核兵器の犠牲になった広島ほど強力に象徴する都市はない」と述べ、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせたオバマ氏の広島訪問を検討 していることを明らかにした。 米政府がオバマ氏の広島訪問を検討していることは既に明らかになっているが、ホワイトハウス高官として初めて公式に認めた。 続きは米大統領の広島訪問検討を認める 「核なき世界」の象徴と報道官
ムヒカ前大統領 広島訪問 原爆資料館で写真などに見入る via 毎日新聞
G7外相会合が開催中の広島市に10日、質素な暮らしぶりから「世界一貧しい大統領」と称された南米ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領が訪れた。原爆資料館を終始硬い表情で見学し、放射線で顔に斑点が出た兵士の写真や被爆者の遺品などに見入った。 「人間は同じ石でつまずく唯一の動物」 業績を紹介する本の発売を機に出版社の招きで初来日、本人の希望で広島入りした。原爆ドームを見た後に原爆慰霊碑に献花し、資料館では焦土にいち早く咲いた花の写真などに足を止め、静かに考えを巡らしていた。 ムヒカ氏は見学後、「倫理がない科学は、考えられないような悪の道具になる。歴史は、人間が同じ石でつまずく唯一の動物と教えている。私たちはそれを学 んだだろうか」などと記帳。館内を案内した志賀賢治館長に「科学者が悲惨な結果を招くと知りながら原爆が落とされ、心が痛みます」と述べた。 続きはムヒカ前大統領 広島訪問 原爆資料館で写真などに見入る
一体のものとしての原爆と原発 潜在的核武装と闘う反原発運動へ 連載その1 武藤一羊 (ピープルズプラン研究所) via レイバーネット
◎武藤一羊さんの紹介 原水禁運動の草分けとして反核運動に関わる一方で、第三世界との連帯運動の長い経験 をもち、アジア太平洋資料センターの創設者であり、その後ピープルズプラン研究所を立 ち上げてきました。福島原発以後の著書として『潜在的核保有と戦後国家-フクシマ地点 からの総括』があります。世界社会フォーラムにも深い関心を寄せてきました。 ◯ 今から3年ほど前に福島の事故後に『潜在的保有と戦後国家―フクシマ地点からの総 括』(社会評論社、2011年)という本を出して、原発と原爆の関係を論じたことがありま す。これを書いたときには野田内閣でしたが、その後、第二次安倍政権ができ、できたと 思ったらあれよあれよという間に国家改造に上からとりかかり、それに対する抵抗も前に は考えられなかったような規模と性格で始まっています。 ◯ 原爆と原発という問題はわたしにとっては、かつては別のものでした。60年近く前、 1957年に、私はできたばかりの原水協(1955年設立)の事務局で、国際部を担当するスタ ッフでした。その年、広島では第3回原水爆禁止世界大会が開かれ、私もそのために寝る 間も惜しんで活動していました。 ◯ この大会で私は、初めて被爆者の方たちに会い、その声も聞きました。そして初めて 、原爆資料館にも行きました。中央に破壊された広島を示す大きなパノラマもあり、生々 しい遺品などが並べられていて、あらためて大きいインパクトがありました。被爆の惨状 についてはすでに『朝日グラフ』などが出て伝えられていましたが、この資料館で生にそ れに触れることは別のことでした。 (略) 原爆の被災の展示と平和利用の展示が背中合わせだったので す。そうとうな違和感がありました。 ◯ 当時原子力平和利用というトピックは新聞や雑誌で大きく取り上げられていて私も一 通りの知識はもっていましたが、まさか原爆の惨禍を知らせるこの資料館に、原子力平和 利用を讃える展示室がつながっているとは想像つきませんでした。ちょっと異様なコント ラストでした。 人類の偉大な科学的達成、無限のエネルギーの源泉、これからの生活は一変する、そう いう筋の展示でした。アイソトープがいかに医学に役立つか、原子力飛行機とか原子力列 車などの模型。人類の未来は原子力にある、人類は原子力時代に入った、それはまったく 新しい時代だ、そういうメッセージです。 ◯ そういうかたちで、原子力平和利用というものが、そのころ、1950年代に、日本に持 ちこまれました。原爆資料館になぜ平和利用の展示室があったのかを私が知ったのは、ず っとあとのことで、原水爆禁止運動の生みの親の一人である広島の森滝市郎(注1)さんの 著書からでした。 アメリカが原子力平和利用の博覧会を世界中で組織し、それを広島にも持ち込んできた のです。会場がないので、原爆資料館の展示物を全部持ち出し、そこでこの博覧会を開催 した。1956年のことです。その展示の一部が資料館に「寄贈」され、特別室で展示されて いたというわけです。 次回へ続く。 … Continue reading