Tag Archives: 原爆症

原爆症の最高裁判決 救済の精神、一体どこへ via 中国新聞

[…] 原爆症の認定要件は二つある。病気が放射線の影響であるという「放射線起因性」と、現時点で医療を必要とする「要医療性」だ。  このうち放射線起因性は、国が6年前に認定基準を改め、一定の条件を満たせば積極的に認められるようになった。長年にわたる訴訟によって原爆症を幅広く認める司法判断が積み重なった結果だ。被爆者に寄り添ってきた司法の姿勢が、行政の重い腰を上げさせたと言える。  今回の訴訟で争点となったのは、もう一つの認定要件である要医療性だ。これまでは医師の診断書があれば、大半が認定されていた。医師が関わっているのだから医療が必要な状態と判断するのが自然だろう。  ところが最高裁は、経過観察中の被爆者が原爆症と認められるには「経過観察自体が治療のために不可欠な行為で、積極的な治療行為の一環と評価できる特別な事情が必要だ」との初判断を示した。  これまでは例えば白内障の場合、医師の処方で点眼をしている被爆者でも被爆距離などの一定の条件を満たせば原爆症と認められるケースがあった。要医療性の今後の認定は、行政の裁量がより強まりかねない。 […] 原爆症を定めた被爆者援護法は、前文で「たとい一命をとりとめた被爆者にも、生涯いやすことのできない傷跡と後遺症を残し、不安の中での生活をもたらした」と記している。  その法の理念に基づけば、原爆症の認定は「被爆者」として戦後を生きていかなければならなかった人たちの救済が前提になる。どこかで線引きが必要だとしても、積極的に認定していく姿勢が行政にはもちろん、司法にも求められるはずだ。  被爆者の全国団体である日本被団協と政府は2009年、訴訟の終結に向けて合意書を交わしている。その中には「今後、訴訟の場で争う必要のないよう、定期協議の場を通じて解決を図る」との一文がある。どれだけ尊重してきただろうか。  定期協議は、厚生労働相と被団協などが直接話し合う場だったはずだ。しかし、厚労省が「時間が取れない」などと消極的で年に1回も開かれていない。開催しても、官僚が用意した紙を大臣が読み上げるだけの形式的な場になりつつある。  年を重ねた被爆者に残された時間は多くはない。最高裁の判決は残念だが、行政がやり残している課題はある。合意を放置することは許されない。 全文

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原爆症、原告3人敗訴 認定要件で最高裁が統一判断 via中国新聞

 広島、長崎で被爆した3人がそれぞれ原爆症に認定するよう国に求めた3件の訴訟の上告審判決が25日、最高裁第3小法廷であった。宇賀克也裁判長は白内障や慢性甲状腺炎の経過観察について、原爆症認定の要件である「要医療性」に当たらないとの統一判断を示し3人の訴えを退けた。原告側敗訴が確定した。  判決は、要医療性の要件を満たすには「経過観察自体が疾病を治療するために必要不可欠な行為であり、かつ積極的治療行為の一環と評価できる特別の事情があること」が必要とした。経過観察にとどまるとの理由で申請を却下される被爆者も多い中、病状次第では認定される余地は残した。 […] 原告は、広島で被爆した広島市安佐南区の内藤淑子さん(75)、ともに長崎で被爆した名古屋市緑区の高井ツタエさん(84)と佐賀県の80代女性の計3人。  患っている白内障や慢性甲状腺炎を医師が経過観察と診断したことなどから、国は原爆症への認定申請を却下。3人は2011~16年、却下処分の取り消しを求めてそれぞれ提訴した。  判決は3人が受けている医師の診察や血液検査、エコー検査について「積極的治療行為の一環として必要不可欠であるとまではいえない」などと指摘し、「要医療性が認められるとはいえない」と判断した。  二審は、内藤さんが広島高裁、高井さんが名古屋高裁で、経過観察も治療に不可欠な行為などとして要医療性が認められ勝訴。佐賀県の女性は福岡高裁で敗訴していた。  最高裁が原爆症認定訴訟で判決を下すのは、長崎市の女性が国に勝訴した2000年の「長崎原爆松谷訴訟」以来2例目。厚生労働省健康局は「国の主張が認められたと認識している」とコメントした。一方、日本被団協と原告団、弁護団は「被爆者の救済に背を向けたことは最高裁として恥ずべき態度であり、厳しく抗議する」との声明を出した。(河野揚)  <クリック>原爆症認定制度 米国が投下した原爆の放射線が原因で病気やけがを患っていると国が認めた被爆者に月14万1360円の医療特別手当を支給。認定されるには原爆放射線と病気の関連性である「放射性起因性」と、治療が必要な状態である「要医療性」の要件を満たさなければならない。 全文

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原爆症認定で最高裁判決 司法の役割果たさず viaしんぶん赤旗

[…] 厳しいハードル  最高裁判決は、この「要医療性」について新たな条件をつけ、その門を狭くしました。  条件とは、経過観察自体が治療行為を現実的な目的として行われていることや、経過観察自体がその病気を治癒するため必要不可欠な行為であり、かつ、積極的治療行為の一環として評価できる特別な事情があるなど、きわめて厳しいハードルです。  日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の木戸季市(すえいち)事務局長は25日の会見で、裁判所はギリギリのところで被爆者の声に耳を傾け判断してくれていたという印象を持っていたが、「最高裁は、被爆者の声に耳を傾けなかった」と述べ、逆行ぶりを批判しました。  最高裁判決を前に、日本被団協は、どこで、どんな被爆体験をし、どんな人生を送ってきたかをつづった「最高裁への手紙」を全国の被爆者から142通集め、最高裁に提出してきました。  それらの手紙には、「被爆患者の苦しみを言葉で伝えることは本当に難しい。最高裁まで争わなければ理解してもらえないとは残念でなりません。どうか高齢化する被爆者の声にご理解いただき、適正な判断を」などのメッセージが書かれていました。  原爆症認定は、被爆者に対する国の責任を果たすために制定されたものであるはずです。被爆者手帳を持っている人は現在約14万人います。被爆によって病気が引き起こされているにもかかわらず、「要医療性」の判断によって認定・更新が足切りされることがあってはなりません。 制度の見直しを  木戸事務局長は、「原爆被害への国家補償を求めて、憲法9条を守っていく運動に余生をささげていく決意だ」と語り、政治的決断を求めて要求していく姿勢を示しました。  日本被団協は提言で、原爆症認定制度の抜本的見直しを政治の責任で行うよう求めています。国はこうした声を受け止め、被爆者救済に責任を果たすことが求められています。 全文

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原爆症認定訴訟 訴え退け原爆症と認めない判決確定 最高裁via NHK News Web

広島や長崎で被爆し、白内障などの病気になって経過観察とされた人たちを原爆症と認定するかどうかが争われた3件の裁判で、最高裁判所はいずれも訴えを退けたうえで、経過観察の人を原爆症と認定するには「経過観察じたいが治療に不可欠で治療の一環だといえる特別な事情が必要だ」という初めての判断を示しました。 被爆の影響で白内障などになり、経過観察とされた被爆者らが国に原爆症の認定を求めた3件の裁判では、広島高裁と名古屋高裁が一部の被爆者を原爆症と認めた一方、福岡高裁は認めませんでした。 国が原爆症と認定して手当を支給するには、「現在、医療が必要な状態にある」という条件を満たす必要があり、経過観察とされた人がその条件にあてはまるかをめぐって裁判所の判断が分かれていました。 […] そして「病気の再発や悪化の程度と、結果の重大性など、医学的にみて経過観察が必要な事情を総合考慮して個別に判断すべきだ」と指摘し、3件の裁判についてはいずれも「特別な事情があるとは言えない」とし、原爆症を認めない判決が確定しました。 原告側の弁護団「不当判決」 判決の後、最高裁判所の前では、原告側の弁護団が「不当判決」と書かれた紙を広げ、集まった支援者たちは落胆した様子でした。 原告の1人で広島市の内藤淑子さんは「皆様のおかげでここまで来ることができましたが、このような結果になってしまい申し訳なく思います。同じ被爆者だった母の顔が思い浮かびました」と話していました。 原告 内藤淑子さん「納得できない結果に心が折れそうに」 裁判の後の会見で内藤淑子さんは「納得できない結果に心が折れそうになりました。どうしていいかわからず、残念でなりません。このような結果に終わりこのままでいいのか、生きているかぎり頑張らないといけないのか、自分の胸の内ははかりしれません」と話していました。 弁護団の樽井直樹弁護士は「非常に抽象的な対応だ。手当の制度論に終始していて、病気を発症した被爆者にどういう援護の手をさしのべるべきなのか、国は責任を忘却している。こんな判決に屈服せず私たちはこれからも戦い続けます」と話していました。 原告 高井ツタヱさん「何のためにこの日を迎えたのか」 名古屋市の高井ツタヱさん(84)は、9歳のときに長崎で被爆しました。原爆が投下されたとき、爆心地までおよそ5.4キロの自宅にいて、その後、親類を捜すためおよそ2キロまで近づいたということです。被爆者に対する差別に苦しんだ高井さんは、亡くなった夫にすら被爆したことを打ち明けられなかったと言います。 平成6年に「慢性甲状腺炎」と診断され、定期的に医療機関に通って経過観察を続けてきた高井さん。平成22年になって原爆症の申請をしましたが認められませんでした。 25日の判決のあと、記者会見した高井さんは「がっかりしています。何のためにこの日を迎えたのかという思いです」としたうえで、「被爆から75年がたち、いつどこでどういう病気になるか、不安を抱えたまま毎日を過ごしています。裁判が終わっても、不安を抱えて生きていく状況に変わりありません」と話しました。 厚労省「主張認められた」 厚生労働省原子爆弾被爆者援護対策室は「本日の最高裁の判決では、国の主張が認められたと認識しております」とコメントしています。 全文

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原爆症訴訟判決 裁判をしなくてもすむ制度にvia しんぶん赤旗

広島・長崎の被爆者が原爆症と国に認められなかった処分の取り消しを国に求めた「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」で、東京地裁は6月29日、被爆者の原告6人全員の病気について原爆症と認定する判決をだしました。昨年10月、被爆者17人全員が勝訴した同地裁判決に続く重い判決です。平均年齢80歳を超えた被爆者をいつまで司法で争わせるのか。国は控訴を断念し、速やかに認定すべきです。 国の「線引き」の転換迫る  原爆症認定制度は、原爆の放射線が原因とされる被爆者の病気やけがについて、医療を受ける必要があるときは、全額国の負担で医療の給付が受けられ、約14万円の医療特別手当を受給することができる仕組みです。  判断するのは厚生労働相ですが、被爆者健康手帳所持者約17万4000人のうち認定されたのは8500人余、5%未満です。爆心地からの被爆距離が近いほど浴びた放射線量が多く、病気が発症しやすいとの考え方にもとづいて、がんなら3・5キロメートル以内の被爆者を「積極的」に認定するという厳しい「線引き」があるからです。  訴訟の原告も、認定基準よりも遠くで被爆した人、基準では「積極的」に認定する病気から外されている人がほとんどでした。  東京地裁判決は、「放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険については科学的に十分解明されていない」として、被爆者の病気が原爆放射線によるものかどうかの判断(放射線起因性)についての基準は「いわば一般的な目安として定められたものにすぎない」から、「各数値を形式的に充足しないからといって、直ちに放射線起因性が認められないことにはならない」と断じました。  形式的な線引きを使い、病気に苦しむ被爆者を切り捨てる国の認定行政の転換を迫った判決です。  被爆者が浴びた原爆放射線量を軽く、小さく、狭いものとして、初期放射線の影響しか認めようとしない認定行政のあり方が改めて問われます。誘導放射線や放射性降下物からの残留放射線の影響を低く評価するやり方は非常に問題です。被爆者が71年前に浴びた放射線量は、多くが未解明です。  今回の地裁判決が指摘したように、放射線が人の健康に及ぼす危険も科学的に十分解明されていません。これまでの司法判断が示してきたように、被爆の状況やその後の健康状態の変化など、総合的に判断することこそ必要です。  2009年、国は被爆者との間で、「今後、訴訟の場で争う必要のないよう解決を図る」ことを約束したはずです。これを反故(ほご)し続けることは、もはや許されません。 […] もっと読む。

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「原爆症」認定、高裁初判断 現行基準の見直し急務 via 毎日新聞

新基準でも原爆症と認められなかった被爆者を原爆症と認定した11日の福岡高裁判決は「疑わしきは救済する」という一連の集団訴訟での司法判断の流れに沿ったもので、高裁として初判断をした意義は大きい。国は判決を謙虚に受け止め、認定基準の見直しを検討すべきだ。  原爆症認定を巡る集団訴訟で敗訴を重ねた国は2014年1月に新たな認定基準を導入した。しかし、認定に際して原爆炸裂(さくれつ)時に放出された初期放射線を重視する一方で、放射性降下物などによる残留放射線を軽視する傾向は変わらず、国による却下が相次いだ。  これに対し、今回の判決は「被ばく線量の評価には、被爆状況や被爆後の行動、症状などに照らし、さまざまな形態での外部、内部被ばくの可能性がないかを十分に検討する必要がある」として、残留放射線を含め、より広く影響を考慮すべきだとの考えを示した。[…] もっと読む。

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原爆症認定で新基準=「放射線原因」要件外す—厚労省 via The Wall Street Journal

原爆症認定制度の見直しを進めていた厚生労働省は16日、心筋梗塞など、がん以外の3疾患を原爆症と認定する際に、放射線が原因であることを示す「放射線起因性」を要件から外した新基準案を同省の被爆者医療分科会に提示し、了承された。同日から適用する。 (略) 3疾患は心筋梗塞、甲状腺機能低下症、慢性肝炎・肝硬変。これに放射線白内障を加えた4疾患は、放射線が原因かどうか証明が難しく、認定申請を却下された患者の提訴が相次いでいた。 新基準は放射線起因性を要件から外す一方、3疾患の患者を積極的に原爆症と認定する場合の爆心地からの距離を、従来の約3.5キロ以内から約2キロ以内に狭めた。放射線白内障は加齢による白内障と区別するため、爆心地から約1.5キロ以内とした。 がんや白血病などは従来通り3.5キロ以内の被爆や原爆投下から100時間以内に2キロ以内に入った場合などを要件とした上で、原則認定する。 全文は原爆症認定で新基準=「放射線原因」要件外す—厚労省

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「車のフィルターを内部被曝の証拠に」 原爆症認定集団訴訟を支援してきた郷地秀夫氏呼びかける(民医連新聞)via ざまあみやがれい!

『東神戸診療所(神戸市・神戸健康共和会)の郷地秀夫所長が、福島原発事故の内部被曝の証拠を残そうと、民医連をはじめ全国の医療機関に自動車エンジンの エアフィルター※の収集と画像化を呼びかけています。「フィルターに付着した放射性物質から人が吸い込んだ放射性物質の種類や量が分かる。東北や関東にと どまらず、被災地支援に行った車のフィルターからも高線量が出ており、車検で交換する前に保存を急いでほしい」と話します。(新井健治記者) ■X線画像に斑点 事故直後の昨年3月15日から約1カ月、東北と関東一円の医療機関でコンピュータX線撮影(CR)の画像に黒いシミのような斑点が多発しました。事故で流出した放射性物質にイメージングプレート(IP)が感光したのです。 長年、被爆者医療に従事し、原爆症認定集団訴訟も支援してきた郷地さんは、ピンときました。 「これは被曝の有力な証拠になるのではないか」-。 広島・長崎の原爆症認定集団訴訟で、国は「被爆者の病気が原爆放射線に起因するなら、証拠を示せ」と求めてきました。内部被曝の原因となる残留放射線の証拠が現存しないため、原告はずいぶん悔しい思いをしてきました。 「今回の事故でも、内部被曝の影響が出るのは数年から数十年後。その時、国は再び“証拠がない”と主張するのは目に見えている。同じ轍を踏まないために、 今こそ医療従事者が動くべき」と郷地さん。放射線の撮影機器がそろう病院や診療所なら、被曝の証拠を集められる。医療機関ならではの役割を思いついたので す。 ■支援車からも高線量 内部被曝とは放射性物質を体内に取り込み、そこから出る放射線で被曝すること。いったん取り込むと、たとえ微量でも体内の一カ所にとどまり半永久的に遺伝子を傷つけます。内部被曝を知るには、吸い込んだ放射性物質の種類と量を調べる必要があります。 国が発表する空間線量は外部被曝の目安にはなりますが、内部被曝は分かりません。福島県はホールボディカンターで内部被曝を検査していますが、「ホールボ ディカンターは測定値を体重で割り、全身の被曝量を示す。局所被曝である内部被曝のリスクの目安にはならない」と指摘します。 人が吸い込んだ放射性物質は画像化できなくても、車が吸い込んだ放射性物質なら可能ではないか。そう考えた郷地さんは、外気を吸い込みゴミを濾過する自動車エンジンのエアフィルターに目をつけたのです。 早速、昨年3月14日に坂総合病院に支援に行った兵庫民医連の車のフィルターを検査すると、3万ベクレル※の放射能が認められました(写真上)。この車は福島の支援ではなく宮城に行くために、原発から60km離れた高速道路を通過しただけです。 郷地さんは講演などでフィルターの活用を呼びかけており、すでに検査を依頼するフィルターが全国から50枚以上届いています。原発立地近くのフィルターからは250万ベクレルもの高線量が。関東地方のフィルターからも放射能が検出されています。 続きは 「車のフィルターを内部被曝の証拠に」 原爆症認定集団訴訟を支援してきた郷地秀夫氏呼びかける(民医連新聞)

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