Skip to content


「1度原発で働いたヤツは、原発に帰ってくる」 作業員を離さない、福島1Fの“うま味”とは via 文春オンライン

鈴木 智彦

30年近くヤクザを取材してきたジャーナリストの鈴木智彦氏は、あるとき原発と暴力団には接点があると知った。そして2011年3月11日、東日本大震災が発生し、鈴木氏は福島第一原発(1F)に潜入取材することを決めた。7月中旬、1Fに勤務した様子を『ヤクザと原発 福島第一潜入記』(文春文庫)より、一部を転載する。(全2回の2回目/前編より続く)

東電を本気で批判する作業員は少数

(略)

上会社の責任者は、東電の言う“想定外”という言葉をそのまま繰り返した。

「原発は安全だ。事故は仕方がなかった」

もちろん、細かい部分での不満はたくさん訊いた。が、原発で飯を食っている人間にとって、東電は神様的存在であり、生活を支えてくれる恩人なのだ。3月のようにきわめて線量が高かった時分ならともかく、私が勤務した7月、8月に関していえば、作業員たちの多くはこれまでの人間関係のしがらみ、もしくは金のために現場に出ていたように思う。その点、普通の労働者と変わりはない。

「本当はもう辞めようと思ってたのよ。重機の免許もあるし、二種免も持ってるから、他の仕事に就こうと思ってた。でも社長から電話もらって、金もいいし、今更他の仕事さがすのもしんどいし」(40代の作業員)

 彼自身、被災者であり、津波で自宅を失った。20キロ圏内にある地元には帰れないため、とある仮設住宅に入居しているらしい。1Fで勤務しているため、自宅に戻る必要はないが、義援金をもらうため週に1度は仮設住宅に戻らねばならない。これまで国産の大衆車に乗っていた彼は、私が勤務した1カ月後、高級外車に乗り換えた。

(略)

「1度原発で働いたヤツはやっぱり原発に帰ってくる」

(略)

「1度原発で働いたヤツは、なんだかんだいってもやっぱり原発に帰ってくるんだ。もう他では働けない。いまさら野丁場(のちょうば=一般的な建築現場)には戻れない」

同じ現場に配属された下請けの親方の言葉は、原発作業員の心情を端的に表している。

(略)

東電やメーカーは現場の殿様だった

たくさんの企業が参加しているため、1Fには東芝のシェルターの他、作業員の拠点がいくつかある。すぐ隣にはカバー作業員用プレハブ休憩所(竹中JV)があり、その反対側の企業センター研修棟、企業センター厚生棟にも2カ所の休憩場所がある。敷地内には正門休憩所をはじめ、野鳥の森近傍休憩所、日立・GE休憩所、海沿いには五洋建設の作業船休憩所、1号機の近くには原子炉建屋カバー工事休憩所、ヘリポート脇のコンテナハウス、旧緊対室休憩所、(汚染)水処理整備制御室・運転員休憩所、免震棟前には、2工区、3・4工区休憩所、5、6号機のサービスビル1階の休憩所は7月1日から緊急医療室として活用されるようになり、24時間態勢で医者が待機していた。私が就職したプラントメーカーより、瓦礫撤去や建物の復旧にあたっている作業員のほうが、きつい労働だったと思う。

が、プラントメーカーの作業員たちは、こうした単純労働者を蔑視していた。自分たちが原発の中心にいるという誇りがあるからだろう。上会社の社員の1人は、敷地内で建築作業の人間をみかけるたび、「この土方が。邪魔なんだよ。どけよ」と暴言を吐いていた。背中に日立のシールを貼っている作業員をみても「おっ、敵だ。邪魔してやろうか」と冗談を飛ばしていたから、単に口が悪いのだろう。ただ、現場には厳然とした階級があった。内部資料を見せられたとき、東電と東芝には“殿”という敬称が付けられていた。実際、東電やメーカーは現場の殿様だった。

(略)

私の上会社では勤務時間の改ざんも行われていた。目撃したのは汚染水貯蔵タンク施工の安全講習が行われた時で、講習自体は午前中で終わった。事務所に戻ってくると、所長は自分の分だけ女性事務員にインスタントラーメンを作らせ、空腹の作業員からブーイングを浴びていた。帰宅できないのは、本日の講習を受け、レポートを提出しなければならないからで、それも1枚の見本を丸写しするという作業だった。2人の若い社員が答案をせっせと丸写しするのをみて、私もそれを手伝った。それも昼過ぎには終了し、所長はプラントメーカーに対する業務報告書を書き始めた。

(略)

セシウムスイカとダチョウ狩り

報告書が書き上がる寸前、下請け作業員の1人が冷蔵庫から凍ったスイカを取り出してきた。

「これ、4号機の脇で作ったスイカだ。3号機ではメロンを植えてたな。汚染水はあちこちにいっぱいあっかんね。それで育てた。セシウムスイカだ」

全文は「1度原発で働いたヤツは、原発に帰ってくる」 作業員を離さない、福島1Fの“うま味”とは

Posted in *日本語.

Tagged with , , , .


6 Responses

Stay in touch with the conversation, subscribe to the RSS feed for comments on this post.

  1. 360DigiTMG 360 says

    Set aside my effort to peruse all the remarks, however I truly delighted in the article. It’s consistently pleasant when you can not exclusively be educated, yet in addition, engaged!
    data science course

  2. 360DigiTMG 360 says

    This is a noteworthy post I found considering offer it. It is really what I expected to see trust in future you will continue in sharing such an unbelievable post
    data science course in delhi

  3. 360DigiTMG says

    Thanks for Sharing This Article.It is very so much valuable content. I hope these Commenting lists will help to my website
    best data science online course

  4. dark web links says

    The question of how to visit dark web links on your Android phone is one that comes up regularly. This type of question is asked because many people want access to the information that they need to find, but they don’t trust websites that may be shady. If you are worried about visiting sites that could potentially harm your phone or computer, then this article will help you get around these fears. The internet is a tricky thing. It can be used for good, and it can also be used for evil – but if you know what to do then you should be safe.

  5. تست سالم بودن موتور یخچال says

    تست موتور یخچال به چه صورت است؟ علت داغ شدن موتور یخچال چیست؟ تمام ما ممکن است که یک روز نیاز پیدا کنیم که از سلامت موتور یخچال خود مطمعن شویم. حتی تعمیرکاران یخچال نیاز دارند تا روش‌های تست موتور یخچال را بدانند. این ویدئوی آموزشی به شما کمک میکند تا روش‌های تست سالم بودن موتور یخچال رو آموزش ببینین و بتوانید موتور سالم را از موتور نیم سوز شده تشخیص دهید.

  6. betflix says

    Playing betflix to be successful is that. Of course, techniques and methods are necessary and extremely important. That will make you a winner and receive rewards from various websites that provide services for spinning Slot online.



Some HTML is OK

or, reply to this post via trackback.