脱原発を目指す市民や団体が連帯する全国集会が二十一日、東京都渋谷区の代々木公園で開かれた。桜の開花が始まった都心でも春の雪が舞い、傘を持つ手がかじかむ寒さの中、約一万二千人(主催者発表)が参加し「さようなら原発」と声を合わせた。脱原発に賛同する一千万人の署名活動を進めており、これまでに八百七十万人余分が集まったという。
「『さようなら原発』一千万署名市民の会」が主催。原発事故のあった二〇一一年、妊娠中の妻と五歳の長男とともに、福島県郡山市から静岡県に自主避難した長谷川克己さんは「政府や行政の対応は理不尽の連続。この子たちを置き去りに、どんな発展を目指しているのか」と訴えた。
全国組織「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」の河合弘之事務局長は「『原発即時ゼロ』と言うと、非現実的とか理想論だとか言われた。実質上、原発ゼロでやってきたこの七年間が、実現可能であるという何よりの証拠だ」と強調。
主催団体の呼びかけ人の一人で、ルポライターの鎌田慧(さとし)さんが「原発事故以来、八年目の出発だ。雪をも溶かす会場の熱気で、原発ゼロへ進もう」と集会を締めくくった。
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