環境省は10日、放射線量が高い福島県内の帰還困難区域で除染の効果を検証するモデル事業を実施した結果、「生活圏の空間線量が約50~80%低減した」とする報告をまとめた。
しかし帰還の目安となる年間20ミリシーベルトまで下がらない場所も少なくなく、同省除染チームは「これ以上の低減は除染以外の要素が必要」としている。
政府は今後、放射性物質の自然減衰などのデータも参考に、帰還困難区域の将来的な線量変化の見通しを試算。地元自治体に提示し除染の在り方などを検討する。
福島の原発事故に伴う国の除染は、年間追加被ばく線量1ミリシーベルト以上の地域が対象。ただし年間50ミリシーベルトを超える帰還困難区域は除染の効果が分からず、作業員の被曝(ひばく)の問題もあるため先送りにされている。
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一方、森林除染は住宅から20メートルのみのため、14~39%の低減にとどまった。
全文は福島の帰還困難区域、生活圏の空間線量50~80%減 環境省
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住宅地では、除染前の線量が最も高かった浪江町井手地区で53%減少し、同町大堀地区では63%減。農地も、同地区で71%減になるなど、高い効果があっ た一方、木の葉に放射性物質が付着して除染が難しい森林は、14~39%減にとどまった。また、線量の平均値は、低減率が高い住宅地でも最大8・47マイ クロ・シーベルトと、自治体が除染を行う基準0・23マイクロ・シーベルトの30倍以上で、効果に限界があることも示された。