猛暑でも電力株は軟調、背景に反原発デモ via The Wall Street Journal日本版

日本の各地では梅雨明け後の猛暑に伴い、電力需要が伸びている。東京電力は午前11時台で使用電力量が4802万キロワット、ピーク時の電力供給量に対して89%と、「安定供給」が確保できるとされる90%近くまで上昇した。

本来猛暑による電力供給の増大は電力株の買い手がかりとなるが、きょうの東京株式市場は電力セクターが全面安となった。特に東京電力は11%超下げ、年初 来安値を更新した。もっとも気象庁は10日、ペルー沖の太平洋で今夏、「エルニーニョ現象」が発生する可能性が高いと発表しており、日本では冷夏や暖冬に なる傾向が強いため、電力株はこのところ下落トレンドとなっているという。

一方、東京電力の家庭向け電気料金の値上げ認可をめぐる政府の査定作業が今週ヤマ場を迎えるなか、政府内では東電が申請した平均10.28%の値上 げ幅を8%台に抑えて決着させる案が有力になっていると毎日新聞は報じた。値上げ幅の圧縮を嫌気した売りとの見方も出ている。冷夏予想や値上げ幅の圧縮見 通しが売り材料だとしても、きょうの電力株の下げ幅は大きすぎる。

東京海上アセットマネジメント投信のシニアファンドマネージャーの久保健一氏は、政府の原発再稼働計画に抗議する活動が広がりをみせていることも売り材料の1つと指摘する。抗議活動が拡大すれば電力供給面でネックになり、電力各社の業績が不透明になるとの見方だ。

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