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Tag Archives: 生業訴訟
「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長via 東京新聞
連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」①福島 ◆店、つぶしちゃうかもしれないな 「原告団長になってもらえませんか」。2012年12月、東京から訪れた馬奈木まなぎ厳太郎いずたろう弁護士(46)からそう頼まれた時、福島県相馬市で地元鮮魚を扱うスーパーを営む中島孝さん(66)は即答できなかった。「店、つぶしちゃうかもしれないな」 東日本大震災直後、スーパーには水や食べ物を求めて毎日、たくさんの人が詰め掛けた。買い置きの店の米を炊き、交渉して市場の冷凍倉庫から魚を買い、漂白したいけすで水を運んだ。ガソリンがなく自転車や歩きで遠方から来る人も。1日1500人が長蛇の列を作った。周辺の店が閉まる中、地域の人を餓死させてはならないと、死に物狂いで食材を確保した。 東京電力福島第一原発事故の後、福島の漁業は操業停止に。仲買業者も中島さんが組合長を務める小売業者組合も、地元の魚が手に入らず困窮した。「首つるしかねぇ」。そんな声が日々、入ってきた。弁護士の力も借りて東京電力に損害賠償を直接請求したが、遅々として進まなかった。 ◆売り上げ3割減、妻と無給で年金暮らし 東電と国に損害賠償を求める訴訟の原告団長に請われたのはそんな時だった。妻和美さん(66)からは「みんな首つりそうなんだべ。息子に魚の切り方教えっから。店は何とかすっから」と背中を押された。弁護団に「私財をなげうっても勝つ覚悟です」と言われたことも脳裏をよぎった。「逃げるわけにはいかない」 […] 原告団長として被害を訴え続けることで周囲から非難されるだろうと覚悟していた。「歩く風評被害」と近隣住民から言われた時はこたえた。だが、東電と国に原発事故の責任を認めて謝罪させ、原告以外の被害者も救済するという気持ちは揺るがなかった。 ◆再稼働進めようとする国 判決で終わりではない 事故から11年超が過ぎ、100人以上の原告が亡くなった。中島さんは15年に自殺した福島県南相馬市のラーメン屋だった高木光雄さん=当時(71)=が忘れられない。法廷で「子どもたちが家族で店に来てくれるのが喜びだった。避難指示区域となり、その店さえできない。悔しさが分かるか」と意見陳述した姿が心に残る。遺書はなかった。 中島さんは言う。「最高裁判決で国の責任が認められると信じている。亡くなった仲間にも聞かせたかった。国は今、再稼働を進めようとしている。判決で終わりではない。原告団は解散せず、二度と原発事故が起きない社会を次世代に引き継げるまで闘い続ける」(片山夏子、写真も) 福島訴訟 「生業なりわいを返せ、地域を返せ!」をスローガンに2013年3月11日に提訴した。原告は福島県や茨城県などの住民ら約5000人で、原発事故の被災者訴訟として最多。一審福島地裁(金沢秀樹裁判長)は国の責任を東電の2分の1としたが、二審仙台高裁(上田哲裁判長)は東電と同等と判断し、賠償金も一審の倍となる総額10億1000万円にした。高裁判決は、国の賠償基準「中間指針」で帰還困難区域だけに認められた「ふるさと喪失」の慰謝料の対象地域を拡大。避難指示区域の外にある福島・会津地方などや栃木、宮城両県の一部の被災者への賠償も認めた。 […] 全文
原発事故高裁判決 国は責任認め救済を急げ via 熊本日日新聞
東京電力福島第1原発事故を巡り、福島県と、隣接する3県で被災した約3650人が国と東電に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審の福島地裁判決に続いて東電と国双方の責任を認めた。 判決は「東電を規制する立場の国が役割を果たさなかった」と、安全軽視とも言える国の姿勢を痛烈に批判し、救済範囲を拡大。原告3550人に対し一審の倍額の計約10億1千万円を賠償するよう命じた。原発事故を自然災害ではなく人災とする原告側の主張も事実上認められ、国は完敗した。 (略) 避難者らが国や東電に損害賠償を求めた集団訴訟は、全国で約30件を数え、原告は1万人を超える。国を被告に含む13件の一審判決のうち7件は国の責任を認め、6件は否定した。判断が分かれる中、原告数が最大規模の訴訟で、国の責任が明確に認められた意味は重い。 最大の争点は、原発を襲う大津波を予見できたか、そして事故を防げたかだった。国の責任を否定したこれまでの一審判決は、いずれも国は津波を予見できたとしつつも、実際の津波は想定を大きく上回る規模で事故を回避できた可能性は低いなどとしてきた。 高裁判決は、2002年に政府機関が公表した「福島沖で巨大地震が起きる可能性がある」という「長期評価」は合理的根拠のある科学的知見であり、これを基に試算すれば、遅くとも02年末ごろまでには10メートルを超える津波の可能性を認識できたと結論付けた。東電に対しては「新たな防災対策を極力回避し、先延ばしにしたいとの思惑が目立つ」と指摘。安全よりも経営を優先した姿勢が事故を生んだ、との見方を示した。 さらに、判決は長期評価に関し、東電を規制する立場にある原子力安全・保安院が「不誠実な東電の報告を唯々諾々と受け入れ、規制当局に期待される役割を果たさなかった」と断罪。防潮堤を整備しても津波を防ぎきれなかったとする国の主張を退け、「国の規制権限の不行使は著しく合理性を欠き、違法」とした。 国の賠償責任の範囲については、長期評価を基に試算が行われれば喫緊の対策を講じなければならなくなるため、国が東電の経済的負担などを恐れて試算自体を避けようとしたと判断。一審では東電の半分とされた国の賠償責任を見直し、同等に引き上げた。 国が基準を定めた中間指針を超える賠償範囲と金額が認められた意義も大きい。指針は賠償の最低限の目安として11年8月に策定されたが、国や東電の過失を前提にしておらず、金額が低過ぎると問題視されてきた。 全文は原発事故高裁判決 国は責任認め救済を急げ
9月30日 原発事故の責任はどこにあるのか。国と東電を訴えた「生業訴訟」判決の行方 #福島を忘れない via Choose Life Project
MC:吉田千亜(フリーライター) 出演: 中島孝(「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟 原告団長) 馬奈木厳太郎(「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟 弁護団事務局長) 森松明希子(原発賠償関西訴訟 原告団代表) 樋口英明(元福井地裁裁判長) 原文
原発事故で国の責任認める 仙台高裁 2審で初めて via NHK
2020年9月30日 東京電力福島第一原子力発電所の事故をめぐり、福島県で暮らす住民など3600人余りが訴えた集団訴訟で、仙台高等裁判所は「大規模な津波が到来する可能性を事故の前に認識できたのに、国が東京電力に対策を求める権限を行使しなかったのは違法だ」などとして、国と東京電力に総額10億円余りの賠償を命じました。全国の集団訴訟で、国の責任を認める2審判決は初めてです。 この裁判では、原発事故のあとも福島県内で暮らし続ける住民や避難した人など3600人余りが、生活の基盤が損なわれ精神的な苦痛を受けたとして国と東京電力に賠償を求めています。 1審の福島地方裁判所は3年前、国と東京電力の責任を認め、総額4億9000万円余りの賠償を命じていました。 30日の2審の判決で、仙台高等裁判所の上田哲裁判長は「平成14年に政府の地震調査研究推進本部が発表した地震の『長期評価』を踏まえた試算をしていれば、大規模な津波が到来する可能性を認識することができた。国が東京電力に対策を求める権限を行使しなかったのは違法だ」と指摘し、東京電力とともに国の責任を認めました。 また「国と東京電力は『長期評価』に基づく津波の試算を行って対策を講じた場合の、主に東京電力の経済的な負担などの影響の大きさを恐れるあまり、試算自体を避けるなどしたと認めざるを得ない」と、指摘しました。 そのうえで1審では、東京電力の半分にとどまるとした国の賠償責任の範囲について「国がみずからの責任で原発の設置を許可したもので、範囲を限定するのは相当ではない」などと指摘し、東京電力と同等の責任があるとして、国と東京電力に総額でおよそ10億1000万円の賠償を命じました。 全国の集団訴訟で、国の責任を認める2審判決は初めてで、各地で行われている裁判に影響を与える可能性があります。 原告団長「司法は生きていた」 判決のあと、原告団と弁護団が仙台市内で記者会見を行いました。 その中では、まず「国と東京電力の責任を明確に認めたことは、事故の再発防止や被害者の全面的な救済だけでなく、被災地の復興にとっても大きな意義がある。賠償の対象地域の拡大や賠償水準の上積みを認めた点は、原告のみにとどまらず広く被害者の救済をはかるという意味においても前進と評価できる」という声明を発表しました。 弁護団の事務局長、馬奈木厳太郎弁護士は「裁判が長期化し、判決を待たずしておよそ100人が亡くなった。この喜びを分かち合うことができないことは残念だ。東京電力と国は責任を認めて1日も早く救済すべきで、上告しないよう求めたい」と述べました。 会見後、原告団長を務める福島県相馬市の中島孝さんは「判決を聞いたとき、司法は生きていたと感じた。1審よりも踏み込んで国の政策が間違っていたことを示してくれてよかった」と話していました。 原告の果樹農家「原告1人1人に寄り添った判決」 原告の1人で福島市で果樹農家を営む阿部哲也さん(57)は、自宅のテレビで、国の責任を認めた2審判決の速報を見ると、ガッツポーズをして喜びを表していました。 阿部さんは、「原告団みんなの頑張りがこの判決に結びついたと思います。国の責任を認めることが私たちが一番望んでいたことなので、本当にほっとして涙が出そうです」と話していました。 そのうえで、「これまでたくさんの苦労や喪失感など精神的な被害を受けてきましたが、今回の判決で心が救われほっとしています。お金の問題ではない部分はありますが、とりあえず賠償という形で心にけじめをつけることはやむをえないと思いますので、原告1人1人に寄り添った判決になったと思います」と話していました。 東京電力「内容を精査し対応検討」 仙台高等裁判所が国と東京電力に賠償を命じたことについて、東京電力は、「当社、原子力発電所の事故により、福島県民の皆様をはじめ、広く社会の皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしていることについて、改めて心からお詫び申し上げます。本日、仙台高裁において、言い渡された判決について、今後、内容を精査し、対応を検討して参ります」とのコメントを出しました。 原子力規制委 更田委員長「厳正な規制進める」 仙台高等裁判所が国と東京電力に賠償を命じたことについて、原発事故が起きた当時の規制機関、「原子力安全・保安院」を引き継ぐ形で発足した原子力規制委員会の更田豊志委員長は、30日開かれた会見の中で、「判決の詳細がまだわからず、コメントは控えるが、原子力規制委員会は福島の原発事故に対する反省や怒りにもとづいて設置された組織だ。二度と原発事故を起こさないよう原発に対する厳正な規制を進めていきたいと改めて考えている」と述べました。 […] そのうえで「今回の判決では、原発事故を避けることができたかどうかについて、国が証明できないかぎり責任を負いなさいという考え方が示された。このような判断のしかただと、事故を避けられたかどうかが不明確でも、国が責任を負う可能性が高くなってくる。ほかの裁判所の判断にどう影響するか注目したい」と話しました。 また、判決が国の規制当局としての在り方を厳しく非難したことについては「事故当時、東電の説明をうのみにしていたという点を厳しく指摘していて、判決の示したことを教訓として受け止め、規制当局としての在り方をいま一度確認してほしい」と指摘しました。 判断ポイント 国の責任 判決で仙台高等裁判所は、原発事故についての国の責任を厳しく指摘しました。 《津波を予測できたか》判決では、事故の9年前の平成14年に、政府の地震調査研究推進本部が発表した地震の「長期評価」について「国みずからが設置し、多数の専門学者が参加した機関による重要な見解であり『長期評価』を踏まえて、直ちに試算を開始するよう東京電力に指示するか、みずから試算をするなどしていれば、大規模な津波が到来する可能性を認識できた」と指摘しました。そのうえで「長期評価」をめぐる事故前の、国の対応について「不誠実ともいえる東京電力の報告を唯々諾々と受け入れ、規制当局に期待される役割を果たさなかったといわざるえない」と厳しく指摘しました。 《事故は避けられたか》また、事故を防ぐことができたかどうかについて「原告側が、一定の程度で事故を防ぎえる具体的な対策を主張した場合、国は、その対策を行えなかったことや、行っても事故を防げないことを主張し、証明する必要がある」としました。そのうえで「今回、原告が主張した室内に水が入らないようにする『水密化』の対策について、事故を防げなかったという的確な主張や証明がされていない以上、事故を防げた可能性があったと推測される」と指摘しました。そして「国が規制の権限を行使しなかったのは違法だ」としました。 《国の責任の範囲は》さらに判決は「国と東京電力は『長期評価』に基づく津波の試算が行われれば、対策を講じなければならなくなる可能性を認識しながら、そうなった場合の、主に東京電力の経済的な負担などの影響の大きさを恐れるあまり、試算自体を避け、あるいは試算結果が公になることを避けようとしていたと認めざるをえない」と、指摘しました。1審では、東京電力の半分にとどまるとした国の賠償責任の範囲については「原子力発電所の設置・運営は国家のエネルギー政策に深く関わる問題であり、国がみずからの責任において原発の設置を許可したものであることを考慮すれば、責任の範囲を一部に限定することは相当ではない」として、東京電力と同等の責任があるとしました。 判断のポイント 賠償 2審の判決は1審と比べて賠償の対象範囲を広げました。 具体的には、事故の後に避難指示の対象になった福島県浪江町や富岡町などの原告について「ふるさとを喪失した損害がある」などとして賠償額を大幅に上積みしたり、新たに認めたりした人がいました。 また、国の指針や1審判決で賠償の対象にならなかった▽福島県西部の会津地方や▽宮城県南部の原告の一部への賠償も認めました。 その結果、賠償の総額は1審の4億9000万円余りから、2審は2倍以上となるおよそ10億1000万円に増えました。 […] そして判決は、国と東京電力に対し「対応措置をとった場合の影響の大きさを恐れるあまり、試算を避け、あるいは試算結果が公になることを避けようとしていたものと認めざるを得ない」などとしています。 こうした判決に対して、原子力安全・保安院を引き継いで発足した原子力規制委員会の事務局の原子力規制庁は、「判決は承知しているが、個別の内容についてのコメントは控えたい。私たちとしては2度と原発事故を起こさないよう厳正な規制を行っていきたい」としています。 … Continue reading
原発事故賠償の天王山、「生業訴訟」判決の行方 via 東洋経済ONLINE
仙台高裁で国の責任めぐり、初の判決が下る 岡田 広行 : 東洋経済 解説部コラムニスト 仙台高等裁判所で9月30日、国と東京電力を相手取った福島第一原子力発電所事故の被災者による「生業(なりわい)訴訟」の判決が予定されている。 原告の総数は3627人と、原発事故の被害救済を求めて全国で争われている約30件の訴訟のうちで最も規模が大きい。国および東電の両者を相手取っての高裁判決としては初めての事例となり、原発事故訴訟の「天王山」と目されている。 原告は、国および東電の法的責任の再認定とともに、空間放射線量率を原発事故前に戻す「原状回復」および「平穏生活権」の侵害に対する慰謝料を求めている。 (略) 今まで経験したことのない強い揺れを体験した2011年3月11日の夕方、地元の消防団員からの「とにかく西へ逃げてください」という指示に従った。それ以来、深谷さんは知人から紹介された廃屋同然の空き家や旅館、壁が薄くプライバシーのない賃貸住宅など約10カ所を転々とする避難生活を続けた。県の復興公営住宅を経て、長男が用意した郡山市内の二間の住宅に腰を落ち着けたのは2019年11月のことだ。 失われた平穏な生活、今も帰還困難 仙台高裁の裁判長らは2019年5月27日、「浜通り」と呼ばれる原発周辺地域の被害や復興の状況を自ら見て回った。「現地進行協議」と呼ばれる手続きだ。このとき、深谷さんの元の自宅も調査の対象となった。 深谷さんの自宅がある富岡町の夜ノ森地区は放射線量が高かったことから「帰還困難区域」に指定されており、戻って生活することができない。帰還困難区域の入り口にはゲートが設けられていて、立ち入りには町の許可が必要だ。 原発事故から長い年月が経過するうちに、人の住まなくなった自宅は荒れ果てていた。立ち入りが難しい地区であるにもかかわらず自宅の中には誰かが侵入したようだった。仏壇は何者かが移動し、畳の一部には獣によって荒らされた跡が残されていた。同じ敷地内の美容室は天井が抜け落ち、人の背丈よりも高く雑草が生い茂っていた。 「私は自宅で美容室を営んでいた。仕事をしながらの近所の人たちとの語らいが何よりの楽しみだった。そんな生活が原発事故によって一瞬のうちに失われてしまった。親しくしていたお客さんとも連絡が取れません」。深谷さんはそうした被害のありさまを裁判で切々と語った。 (略) 「賠償の水準」が変更されるかが焦点 その一方で、損害賠償総額は5億円弱(原告1人当たり1万円~36万円)にとどまった。富岡町など避難指示解除準備区域の旧居住者については、国が中間指針で定めた賠償額を超える損害は認められないとされたうえ、福島市など「自主的避難等対象区域」に住む原告についても、追加賠償認定額は16万円に限定された。 同じ県内でも会津地区の住民については賠償すべき損害があるとは認められなかった。「賠償の水準は被害の実態に見合ったものにはなっていない」と馬奈木弁護士は地裁判決の問題点を指摘する。 高裁判決ではこうした認定に変更が加えられるかどうかが焦点になる。地裁判決では、福島市など自主的避難等対象区域において被害が発生している期間について、原発事故直後の2011年3月から、当時の野田佳彦首相が冷温停止宣言をした2011年12月までに限定されている。 生業訴訟の判決に続き、2021年に1月および2月には、群馬県および千葉県に避難してきた住民らが起こした訴訟の判決が東京高裁で予定されている。 全文は原発事故賠償の天王山、「生業訴訟」判決の行方
玄海原発 運転差し止め訴訟 「次男発病に自責」 「福島」被災者、服部さん意見陳述 /佐賀 via 毎日新聞
九州電力玄海原発(玄海町)の運転差し止めを求める「原発なくそう!九州玄海訴訟」の口頭弁論が9日、佐賀地裁(立川毅裁判長)であり、福島第1原発事故の被災者、服部浩幸さん(47)が意見陳述した。服部さんは小学5年の次男(10)が福島県の甲状腺調査でのう胞が見つかり「自責の念が続いている」と訴えた。 服部さんは福島県二本松市でスーパーを営み、2011年の福島事故で被災した。13年に「生業を返せ、地域を返せ!福島原発訴訟」の原告団事務局長となり、8月10日の玄海訴訟第19次提訴に加わった。 服部さんは9日の法廷で、次男にのう胞が見つかり経過観察中だが「事故直後、3人の子供たちだけでも避難させるべきだったのではないかと自責の念に駆られている」と声を詰まらせた。そして「私たちが人類最後の原発事故被害者であってほしい。福島の人間の心からの願い」と玄海原発を再稼働しないことを求めた。 服部さんは10日午後1時半から佐賀商工ビル(佐賀市)で「『食』からみた福島第一原発事故と福島の今」と題して講演する。参加費無料。問い合わせは佐賀中央法律事務所(貝野さん)090・1078・2784。 原文はこちら。
生業訴訟で専門家証言via しんぶん赤旗
「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の第10回口頭弁論が20日、福島地裁(潮見直之裁判長)で開かれ、原告が要求した3人の専門家証人の尋問が行われました。全国各地で同様の裁判が行われている中で専門家への証拠調べは初めてです。 福島地裁 原告側の証人に立った専門家は、放射性物質による汚染把握について沢野伸浩(さわの・のぶひろ)金沢星稜大学女子短大教授、東電福島第1原発事故による被害の社会学的把握について成元哲(ソン・ウオンチヨル)中京大学教授、原子炉の規制について舘野淳(たての・じゅん)元中央大学教授の3氏です。 舘野氏は、核・エネルギー問題情報センター事務局長で、安全設計審査指針なしでの安全審査がされており、非常用電源の喪失などに注意を払ってなかったことをはじめ、日本でシビアアクシデント(過酷事故)対策が著しく怠っていたことを指摘。国の責任を浮き彫りにしました。 成氏は、「福島子ども健康プロジェクト」の研究グループの一員として、原発事故後、福島県内に住む母子を対象に行ったアンケート調査をもとに、放射線量だけで被害が決まるわけではないこと、被害者に生じた生活の変化、放射線被ばくにたいする健康不安などについて明らかにしました。 沢野氏は、航空機モニタリングの測定結果をもとに市町村ごとや原告の居住地ごとの放射能物質の汚染状況を明らかにし、原告の平穏生活権の侵害が行われたことを明らかにしました。 […] 全文を読む。