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A nuclear power plant in Byron, Illinois. Taken by photographer Joseph Pobereskin (http://pobereskin.com). カレンダー
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Tag Archives: 火山
原発の巨大噴火への対応 規制委、停止基準見送りvia 日本経済新聞
原子力規制委員会は火山の巨大噴火への原子力発電所の対応を探る約3年半の議論をこのほど終えた。当初、事前に原発を停止させる基準作りを模索したが、火山学者から異論が出て見送った。発生頻度が少なく知見が乏しい自然現象だけに、科学的判断の難しさが浮き彫りになった。今後も手探りの監視活動が続きそうだ。 […] 議論は難航した。巨大噴火は国内では約7000年前に起きて以来、観測されていないからだ。海外でも20世紀以降は起きておらず、巨大噴火の前にどういった前兆があるのか知見がほぼない。 それでも事務局の原子力規制庁は観測記録がある噴火事例をもとに、原発停止などの検討を始める判断基準作りを目指した。19年3月には具体的な数値基準を示したが、「ナンセンスだ」(鹿児島大学の宮町宏樹教授)などと批判され、軌道修正せざるを得なかった。 巨大噴火を巡っては、原発の運転差し止めを巡る司法判断で焦点となってきた。17年12月には広島高裁が阿蘇山の巨大噴火の可能性を理由に四国電力の伊方原発(愛媛県伊方町)3号機の運転差し止めを命じた。 運転差し止めに至らないまでも規制委の火山ガイドが巨大噴火を予測できるように読めることが「不合理」などと批判された。規制委は19年末にガイドを改め「予測を前提としない」と明記した。 今回の報告書も含め巨大噴火を巡る問題について、規制委として一定の決着をつけた格好だ。今後も知見の拡充を進めるが、一朝一夕にはいかない。巨大噴火が争点となる原発関連の訴訟も複数あり、火種としてくすぶり続ける。(福岡幸太郎) 全文
地震でも火山でも危険は明白 via しんぶん赤旗
[…] 決定は、四電の原発近くの活断層調査が不十分であり、火山噴火の影響も過小に見積もっていると認定し、安全性に問題がないとした原子力規制委員会(規制委)の判断は「過誤」「不合理」だと断じました。安倍晋三政権と電力業界が推進する原発再稼働に対する司法からの厳しい警告です。 規制委の判断は「過誤」 伊方3号機は現在定期検査で運転停止中です。仮処分は直ちに法的拘束力を持つため、定期検査が済んでも運転を再開できません。 仮処分の争点の一つは、地震リスクについてです。住民側は同原発の沖合約600メートルに活断層がある可能性を主張しました。国内最大規模の「中央構造線断層帯」に関連するものです。 2011年の東京電力福島第1原発事故後にできた新規制基準では、原発の敷地から2キロ以内に震源域がある場合は、特別の評価を行うよう定められています。ところが、四電は十分な調査をしないまま活断層は存在しないとして、規制委に審査を申請し、規制委も、これを問題ないとしました。 しかし、国の地震調査研究推進本部が公表した「中央構造線断層帯の長期評価(第二版)」では「今後の詳細な調査が求められる」と記しています。広島高裁は、この記載などに基づき、活断層がある可能性は否定できず、四電の調査も不十分であるとしました。運転にお墨付きを与えた規制委の甘い判断を「過誤ないし欠落があった」と指弾したことは重要です。活断層の危険を訴える住民の声を受けて具体的に検討した結果であり、当然の司法判断と言えます。 さらに高裁決定は、原発から約130キロにある阿蘇山(熊本県)の噴火のリスクについて、「破局的噴火に至らない程度の最大規模の噴火」を考慮すべきだと指摘しました。その噴火による火山灰などの降下火砕物の噴出量を20~30立方キロメートルとしても、四電が想定した噴出量の約3~5倍に上るとして、四電の想定は過小だと判断しました。その上で、このような想定を前提にした設置許可申請と、それを前提にした規制委の判断は「不合理」だと述べました。 地震、火山の両面で、規制委の審査と判断に重大な欠陥があることを示した今回の高裁決定は、「規制委が世界で最も厳しい新規制基準に適合すると認めた原発のみ再稼働させる」(安倍首相)とする政府の主張が成り立たないことも浮き彫りにしています。 […] 全文
大間原発訴訟 函館市が火山リスク再指摘 立地不適を主張 via 毎日新聞
青森県大間町で建設中の大間原発を巡り、北海道函館市が国とJパワー(電源開発)に建設差し止めを求めた訴訟の第15回口頭弁論が9日、東京地裁であった。市側は、火山の噴火リスクを巡って四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを命じた昨年12月の広島高裁決定を踏まえ、準備書面で「大間原発も立地が不適だ」と主張した。 これまで市側は、原発敷地から約26キロ離れた津軽海峡の海底に位置する「銭亀カルデラ」について将来、噴火する危険性を指摘。Jパワー側は「約5万年前に1回しか活動履歴がなく、将来の噴火可能性はないと判断できる」と反論していた。 この日、市側は準備書面で、原子力規制委員会の火山影響評価ガイドを厳格に適用し「阿蘇カルデラについて、過去最大の噴火規模を想定すべきだ」などと指摘した広島高裁決定を引用。「火山ガイドに忠実に判断すれば、1回しか活動履歴が確認できなくても『火山活動が収束する傾向が顕著』と言えるはずがない。電源開発の評価は明白に誤りだ」と主張した。 […] 全文
伊方原発3号機の運転停止の仮処分: 司法判断の意味とマグマ学者からの懸念 via Yahoo! ニュース
12月13日広島高等裁判所は愛媛県の伊方原子力発電所3号機について、「熊本県の阿蘇山で巨大噴火が起きて原発に影響が出る可能性が小さいとは言えず、新しい規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は、不合理だ」として、運転の停止を命じる仮処分の決定をした。また広島高裁は、過去の阿蘇山の火山活動から判断すると「原発に火砕流が到達していないと判断することはできないため、原発の立地は不適切だ」とし、「阿蘇山の地下にはマグマ溜りが存在し、原発の運用期間中に巨大噴火が起きて原発に影響を及ぼす可能性が小さいとはいえない。巨大噴火が起きた場合、四国電力が想定した火山灰などの量は少なすぎる」と指摘した。司法が巨大噴火の影響を根拠に原発の運用に関して判断を下したことで、世界一の火山大国日本の今後の対応が「本気モード」になることが期待される。 巨大カルデラ噴火の切迫性 これまでこの場でも幾度となく火山災害の危険性について述べてきた(「最悪の場合、日本喪失を招く巨大カルデラ噴火」「箱根山大噴火への覚悟を:かつて首都圏も襲った火砕流と火山灰」「御嶽山噴火から3年、火山災害の驚くべき危険性」など)。火山災害、特に巨大カルデラ噴火は他の災害に比べて低頻度であるために、たとえその被害が甚大であっても多くの人々は「身近なもの」と捉えない傾向がある。ある意味で自然災害に慣れっこになっている日本人には、自らの一生の中で起きるかどうかわからない災害を考えることはできないのかもしれない。おまけに、「儚いことこそ美しい」などという日本固有の「無常観」を纏った人々には、巨大カルデラ噴火による日本喪失の危険性は諦念の対象以外何物でもないのだろう(「「災害は運命だと諦める」ことをそろそろやめませんか?」)。 しかし、もし自らの子々孫々の暮らしや日本という国家の存続を少しでも考えるのであるならば、巨大カルデラ噴火の危険値(=想定被害者数×発生確率)が交通事故のそれと同程度であることを認識しておくべきである(「日本喪失を防げるか? ギャンブルの還元率から巨大カルデラ噴火を考える」)。 巨大カルデラ噴火が起きた場合の甚大な被害の認識を テレビで放映された映像を見ていると、原告団は「歴史的判決」と意気揚々である。ヒロシマという悲劇の地に暮らす人々の原発への思いは十分に理解できるものがある。一方で、火山の息遣いやマグマの動きに注目するマグマ学者としては、この高揚感に一抹の懸念がある。それは、今回の判断が「原発反対」の道具だけに使われはしないかということだ。もちろん私は原発賛成派には属さない。そもそも世界一の地震大国、火山大国に原発はふさわしくないと感じる。私の危惧は、感情的原発反対論者の多くが、巨大噴火で原発が破壊された場合の危険性のみに注目していることである。冷静に考えていただきたい。巨大カルデラ噴火が一度起きて原発が火砕流で被害を受けるような場合には、その領域に暮らす人々の日常生活はすでに高温の火砕流によって破壊されているだろう。そればかりではない、数十キロメートルの高さまで立ち上がった巨大噴煙柱から偏西風に乗って運ばれる火山灰は、日本列島の大部分を覆い尽くしてしまう可能性が高く、その場合は列島の大部分でライフラインがストップする(「最悪の場合、日本喪失を招く巨大カルデラ噴火」)。今回の伊方原発問題で想定された阿蘇山巨大カルデラ噴火が起きると、広島には恐らく火砕流は到達しないであろうがほぼ確実に1メートルもの厚さの火山灰に街は埋没し、人々の日常はほぼ完全に崩壊すると予想される。 巨大カルデラ噴火の危険性を根拠に原発再稼働に反対すること自体は正当であると思うが、それ以前に(少なくとも同時に)巨大カルデラ噴火そのものの試練に対する覚悟を持つべきであろう。もちろん、覚悟は諦念ではない。いかにこの火山大国で暮らしていくかを考えることこそ覚悟である。 […] 全文
火山学会「予測限界ある」、原発の審査基準見直し提言 via 朝日新聞
日本火山学会の原子力問題対応委員会は2日、原発を火砕流が襲うような巨大噴火について、リスクを判断する原子力規制委員会の審査基準を見直すよう求める提言をまとめた。国全体で巨大噴火対策に取り組む必要があるとしたうえで、噴火予測の可能性や限界、あいまいさを十分に考慮するよう求めた。 巨大噴火は、九州電力川内原発(鹿児島県)の審査で論点になった。火山学会が原発周辺の火山観測について提言をまとめるのは初めて。会合後、委員長の石原和弘・京都大名誉教授は「火山噴火の予測に限界があることを国民に対しても知らせないといけない」と話した。 続きは火山学会「予測限界ある」、原発の審査基準見直し提言