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Tag Archives: 刑事裁判
東電強制起訴、2審も無罪 被災者ら怒り「誰が責任取るのか」 via 毎日新聞 (YAHOO?ニュースJAPAN)
東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された勝俣恒久元会長(82)ら東電旧経営陣3人を無罪とした18日の東京高裁判決に、東京・霞が関の高裁前に集まった被災者らからは「誰が責任を取るのか」などと怒りの声が上がった。 […] 判決主文が言い渡された午後2時過ぎ、福島原発刑事訴訟支援団のメンバーは「全員無罪 不当判決」と書かれた紙を高裁前で掲げた。1審に続く無罪判決に、支援団の七戸和子さん(70)がマイクを握り「とても憤りを感じた。私たちはこれで退くことなく、きちんと責任を追及していきたい」と訴えると、集まった約100人の支援者らは「福島を返して」などと声を上げた。 事故当時、原発から20キロ圏内にある福島県富岡町に住み、現在は横浜市の長女の家で暮らす古川好子さん(59)は「こんなに多くの人が苦しんでいるのにどうして無罪なのか。本当に悔しい」と憤った。【遠藤浩二】 全文
福島第一原発事故の刑事裁判 東電元会長ら旧経営陣3人、二審も無罪 「津波の可能性は予測できない」via 東京新聞
東京電力福島第一原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の勝俣恒久元会長(82)ら旧経営陣の被告3人の控訴審で、東京高裁は18日、一審東京地裁に続き、いずれも無罪の判決を言い渡した。細田啓介裁判長は「10メートルを超える津波が襲来する可能性は予測できず、原発の運転停止を講じるべき業務上の注意義務があったとは認められない」とした。(太田理英子) 東電株主が旧経営陣に損害賠償を求めた訴訟で昨年7月の東京地裁判決は、甚大な事故を招く規模の津波は予測できたとして3人を含む4人に約13兆円の賠償を命じ、双方が控訴した。旧経営陣個人の責任が争われた裁判は刑事と民事で判断が分かれた。 他の被告は、原発の安全対策の実質的責任者だった武藤栄元副社長(72)と、その直属の上司だった武黒一郎元副社長(76)。 争点は、3人が巨大津波を予測し、事故を回避できたかどうか。東電内部では08年、最大15.7メートルの津波の到達を予測した試算を得ており、その根拠となった国の地震予測「長期評価」(02年公表)の科学的な信頼性が問われた。 高裁判決は長期評価について、信頼性に異論を唱える専門家もおり「津波襲来の現実的な可能性を認識させるような性質を備えた情報であったとは認められない」として、一審と同様に信頼性を否定した。 3人は東電内部の試算結果の報告を受けた際に長期評価の疑問点も説明されていたなどとし、「地震前に、10メートルを超える津波の可能性を認識できる状況ではなかった」とした。 津波による事故を確実に回避するには「原発の運転停止しかなかった」とした一審判決を踏襲。電力は市民のインフラで「漠然とした理由で運転停止はできない」ことなども踏まえ、3人に運転停止を義務付けるほどの予見可能性はなかったと結論づけた。 検察官役の指定弁護士側は、防潮堤の設置など他の対策でも事故は防げたと主張したが、高裁は「事後的に得られた情報や知見を前提にしており、回避できたという証明は不十分だ」と退けた。 3人は原発の敷地の高さ(海抜10メートル)を上回る津波を予測できたのに対策を怠り、避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら44人を死亡させたなどとして同罪に問われた。東京地検は3人を不起訴としたが、市民で構成する検察審査会が2度にわたり起訴すべきだと議決し、16年に強制起訴された。 ◆無罪でも東電の責任と義務は変わらない <解説> 2011年3月、世界最悪レベルの原発事故を起こした東電の旧経営陣3人について、東京高裁は再び「過失なし」と判断した。刑事責任は認められなかったが、東電が負った責任の重さは軽減されるものではない。 東京地検による不起訴はおかしいとして、市民が参加する検察審査会が起訴すべきだと判断したことで、3人は強制起訴された。一審公判では社員の証言などから、津波対策の必要性を認識する現場と、判断を先送りする経営陣との温度差が浮き彫りになった。法廷に新たな証拠が出され審理されたことは、今後の対策に向けては意義がある。 政府は昨年末に原発の建て替えや60年超の運転を柱とする政策方針を決め、「原発回帰」に大きくかじを切った。だが現在も事故の収束作業の終わりは見えず、多くの住民らは各地で避難生活を余儀なくされている。 原発事故はひとたび起これば重大な被害をもたらすことはあきらかだ。刑事の過失認定は難しく、今回の判決は無罪推定の原則に沿ったと言えるが、自然災害は予測困難だからこそ、原子力事業者のトップは最悪を想定し、先手を打ってできる限りの対策に力を尽くす責任がある。原発事業者や国はその重大な社会的義務を改めて自覚すべきだ。(太田理英子) 【関連記事】東京電力の旧経営陣4人に13兆円賠償命令 株主代表訴訟で東京地裁判決 津波対策を放置「著しく不合理」 原文
原発汚染水は海に流さなくてもいい!〜レイバーネットTV(10/23)で衝撃レポートvia レイバーネット
[…] *動画ココカラ ゲストに、浪江からの避難者でもあり、元原発労働者・福島原発刑事訴訟支援者の今野寿美雄さん、おしどりマコ・ケンさんを迎え、司会は堀切さとみさんが務める。 ◆国の不備が元凶ゆえ東電の3人に罪を問えないとの判決 開口一番、今野さん、マコさんたちも、今はオリンピックの時ではないと怒りの声を上げた。 そして、東電の刑事裁判のまさかの無罪判決に話は振られる。マコさんはこの無罪を予測していたという。民事訴訟では、東電の有罪がいくつか出ているが、この刑事訴訟では、あれやこれやの手を打っていなかった国が悪く、東電だけで対策は取れなかったと。無罪にしてほしくなかったけれど、国を飛び越えて3人を有罪にするのは難しかったのではと苦々しげに語る。 ◆亡くなった方たちに顔向けできない敗訴 今野さんは、この判決を聞いて、亡くなった方に申し訳ないという。50代で突然死や病死が続く。彼の上げるお一人一人の様子は、聞いている私の胸にズーンと迫る。 マコさんは、自殺は後追いがあるので報道規制が敷かれたかというくらい報道されなかったと話し、ある住職が自費で新聞折込をしたとか。それには「農薬を身近に置くな」とあった。農村特有の注意喚起である。 「非県民」「反村」という言葉を知っていますか? 原発事故の汚染を語る人や自主避難者、戻らない人を県内、村内に残った人がこう言って非難し、県民を分断していく。今野さんは、なぜこのような分断が起きるのかというと「残った人も被災者である。そういう人たちに補償がないからだ」とズバリ本質をつく。 ◆自主避難者は国土を不当に貶める不届きな人々なのか 実は、東電社長の刑事訴訟判決の2日前に、群馬訴訟の高裁判決があった。自主的避難者に対し2012年以降の避難継続を認めることは、そこに住み続けた人の心情を害し、日本の国土を不当に貶めるものだから容認できないいう驚きの国側の主張があった。今後の各裁判でこのような主張がまかり通っていくのではないかと、危惧しているとマコさん。 ◆福島はいつ収束するのか 福島は300年は収束しないだろうと、今野さん。30年で廃炉にすると言っていたが、8年も経っているのに全く進んでいない。「処理水」というまやかしの言葉を使っているし、トリチウムだけが残ると言っていたのに、核種はさまざま残っている…。 事故が起きたら、何でもありの単位で放射線量がOKになってしまい、とんでもないとさらに怒りは深まる。 ◆金まみれ原発は関電問題の他にも 関電金品授受の説明記者会見場で配られた資料には森山栄治氏がいかにひどい人であったかが縷々書きとめられていたとか。「関電は被害者」の構図だ。そこにマコさんは「死人に口なしと亡くなった人に責任をかぶせて、地元の信頼回復は図れますか」「一人の人が、そんな大金を出せる資産状況かの疑問はなかったのですか」と的を突いき、他の記者たちがその答えを拝借して記事にしたとか。 この金品循環現象が他の立地地域にもなかったのかと疑問が残る。今野さんは、命を狙われるから明言できないがと、原発だけでなく基地やごみ処理場などの迷惑事業では、同じ構図になっているのではとさらりと言う。 何より頭にくるのは、と今野さんは続けて、東電が原電つまり、東海第2原発の再稼働にかかる費用のおよそ半額、2000億円の出資をするという話。すべての避難者の住宅支援は、年間80億円あれば賄えるのに、それは出さずにこの大金をなぜ出すのかと。 更にマコさんは、原発建設の止まっている青森の東通り村に東電は故郷納税をしたので、そのお金はどこから出したのかと鋭く尋ねたと。するとこともあろうに、原発建設費から出ていた。何をか言わんやである。 ◆汚染水は捨てずにためておけが現場の見解。周りは空き地だらけ トリチウムは12年が半減期。だから捨てずに貯めておけというのが、現場の大方の意見。なぜなら、今あるタンクエリアの何倍もの敷地に保管すればいいと、地図を示すマコさん。現場も、世間の放流の空気にいら立っているようだ。みなさん、汚染水は捨てなくていいということだ。 […] 全文
「チャレンジャー事故」と重なる…原発事故の実態が刑事裁判で判明 via Aeradot
未曽有の被害をもたらした福島第一原発事故。東京電力旧経営陣の責任を問うた裁判で、「無罪」が言い渡された。ただ裁判では、事故調査委員会が明らかにできなかった事実も判明した。AERA 2019年10月7日号に掲載された記事を紹介する。 【図表で見る】判決の骨子やこれまでの経緯はこちら * * * 東京電力の勝俣恒久・元会長、武黒一郎・元副社長、武藤栄・元副社長の旧経営陣3人が、福島第一原子力発電所事故をめぐって業務上過失致死傷罪で強制起訴された刑事裁判で、東京地裁は9月19日、全員に無罪を言い渡した。 「津波予測はまだ信頼性が高くなかった」として無罪を導いた裁判所の論理は、ずいぶん雑で腑に落ちないものだったが、その結論は置くとしても、裁判の過程で驚くべき新事実が次々と掘り起こされ、刑事裁判の威力を見せつけられた。 政府や国会の事故調査委員会は2012年までに報告書を公表していたものの、裁判が明かした事故の真相には、到底迫れていなかったからだ。 (略) 東電社員、地震の研究者、原子力安全・保安院の役人ら21人が証言台に立ち、証言と並行して、関連する会合の議事録、電子メールなどの証拠類が、法廷に2台設置された65インチのディスプレーに次々と映し出された。これらは、数カ月後には民事裁判にも送られ、裁判所内で閲覧もできるようになったので、詳しく読み解くことも可能になった。 私は国会事故調の協力調査員として報告書作成にもかかわり、その後も文書開示請求を使ったり、関係者にインタビューをしたりして、何年も取材を続けている。この分野には詳しいつもりだった。 ところが、刑事裁判では、強制捜査の権限を持つ検察の情報収集力のすごさに圧倒された。知らないことが山のように出てきたのだ。 驚いた事実の一つは、東電の技術者たちは、事故3年前の時点で「津波対策は不可避」という意見で一致していたことだ。 技術者たちが「対策不可避」と判断したきっかけは、政府の地震調査研究推進本部(地震本部)の予測だ。岩手・宮城県沖で発生した明治三陸地震(1896年)と同じような津波が福島県沖でも起こりうるという予測を、地震本部が02年7月に発表していた。 津波担当の社員は、この予測に基づくと福島第一の津波の高さは、敷地の高さ(10メートル)を大きく超える15.7メートルになることを08年3月までには計算し、対策着手を提言していた。しかし被告人の武藤氏は「研究しよう」と言っただけで、すぐには対策を始めなかった。そして経営陣は、09年6月に予定されていた対策締め切りを16年まで延ばし、事故当時まで結局、何もしていなかったのだ。 武藤氏が対策を保留にした08年7月の会合の様子について、検察官役の指定弁護士に問われた津波担当の社員は、こう証言した。 「それまでの状況から、予想していなかった結論に力が抜けた。(会合の)残り数分の部分は覚えていない」(18年4月、第5回公判) この裁判で、最も印象に残る場面だ。 (略) シャトル事故の数カ月後の調査報告書には、技術者の実名入りで、そんなやりとりが記載されている。しかし日本では、事故から7年も経過して、刑事裁判でようやく明らかになった。(ジャーナリスト・添田孝史) ※AERA 2019年10月7日号より抜粋 全文は「チャレンジャー事故」と重なる…原発事故の実態が刑事裁判で判明
「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」via 福島原発刑事訴訟支援団
以下、告訴団長・武藤類子さんからのメッセージを貼り付けます。 ★ 福島原発刑事訴訟支援団と河合弘之監督映画「日本と原発」のKプロジェクトが、 短編映画『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』を制作、公開しました。 福島第一原発事故の刑事裁判の判決が9月19日に下されます。 被告人である東電元経営幹部3名が事故の原因である巨大津波を予見し、津波対策工事を計画していながら、 経営悪化を恐れて対策自体を握りつぶした大罪を司法は、いかに判断するのか、世界からも注目されています。 闇に葬られかけた津波対策計画の動かぬ証拠の数々を解析し、いかなる経緯で対策が握りつぶされたのかを描きました。 ぜひ、みなさんに見ていただきたい、26分間です!!! 拡散をお願いいたします。 映画はこちらから ▇ 短編映画 『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』 *福島原発刑事訴訟支援団 https://shien-dan.org/ *河合弘之監督映画サイト http://www.nihontogenpatsu.com/
福島原発刑事訴訟支援団ニュース第6号 青空 via 福島原発訴訟支援団
目次 3被告人に禁錮5年の求刑! 3月最終弁論、厳正判決を求め署名を広げよう! 2008年2月に津波対策をとることは決まっていた 東電旧経営陣3被告人には、間違いなく非があったことを広めたい! 入会された方々から支援団へのメッセージ 「厳正な判決を求める署名」にご協力ください! 海渡雄一著 支援団・告訴団監修の新刊が出ました! 厳正判決を求める全国集会 3月の公判予定(13日で結審です!) 事務局からのお知らせとお願い 佐藤 和良(福島原発刑事訴訟支援団団長) 福島原発刑事訴訟支援団のみなさま 昨年は、たくさんの励ましとお力添えを頂き、誠にありがとうございました。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 2018年12月26日、とうとう、東電福島原発事故で強制起訴された勝俣恒久元会長・武藤栄元副社長・武黒一郎元副社長ら旧経営陣3被告人に対し、業務上過失致死傷罪の法定刑として最大の禁錮5年が求刑されました。 2011年3月11日の事故以来8年、福島県民そして全国から1万4千余の人々が告訴して、検察庁の2度の不起訴、市民による検察審査会の強制起訴と、粘り強く、あきらめず事故の真相と責任を追及してきた結果です。 論告求刑の冒頭、指定弁護士は、被告人質問での3被告人の謝罪について「とても虚しい気持ちで眺めていたのは、我々だけではないと思います」「自らの事故の責任を否定し、他者にその責任を転嫁しようとする供述ばかりで」「原子力発電所の運転・安全保全業務をその重要な責務とする原子力事業者の最高経営層に属するものの態度としては、到底考えられないもの」と強く批判しました。 そして、原子力発電所は、「極めて重大な潜在的危険性を内包し、一度事故が起きれば取り返しのつかない結果を引き起こし、永遠に故郷を奪い、多くの人々を生命の危険に曝し、おびただしい損害を与える」「万が一にも、このような重大事故を引き起こすことがあってはならない」とし、「被告人らに『できないことをやるべきだった』と言っているのではなく『できることがあったのに、それをしなかった』」「被告人らには、当然でき、なすべきことであったのに、何もしなかったのではないか、何もしないで、漫然と福島第一原子力発電所の運転を継続することにより、本件事故を引き起こし、多くの人々を死に至らしめ、負傷させ、そして、これに関係する人々にも塗炭の苦しみを強いることになったのではないか」と述べました。 また、検察審査会の判断は、「極めて常識的で正鵠を射たもの」とし、東京地検の「当初の不起訴の判断は全くの誤りであった」と指摘しました。 そして、「東京電力から押収された多くの資料、会議録、メールなどを時系列的におっていくと、被告人らが、巨大津波の襲来を予見できる様々な機会を持ちながら、これをないがしろにし、もっともらしい理由をつけて、防護措置をとることを引き伸ばし、怠っていたことが、浮かび上がってきました」として、被告人らの過失責任を問う「情報収集義務」について「一定の重要かつ具体的な情報に接し、あるいは接する機会があったことを契機として、東京電力の最高経営層に課せられる具体的義務があり、これを怠った」と、刑事責任の存在を指摘しました。 その「具体的情報の典型が、『O.P.+15.707m』という情報であり、『中越沖地震対応打ち合わせ』つまり『御前会議』の席上に提供された様々な客観的情報」で、「これらの情報を契機として、被告人らが他者に物事を委ねることなく、自らその権限と責任において、積極的に情報を取得し、これらの情報に基づいて的確かつ具体的な対策を提起し、これを実行に移してさえいれば、本件のような世界に例をみない悲惨な重大事故を防ぐことができた」と結論づけました。 被告人らの犯情は、結果の大きさ、被告人の地位・立場・権限の大きさ、注意義務懈怠の大きさの3つの要素がいずれも極めて大きく、業務上過失致死傷罪の中でも、極めて重い、としました。 その上で、45名死亡22名負傷の川治プリンスホテル事件が禁錮2年6月の実刑、32名死亡24名負傷のホテル・ニュージャパン事件が禁錮3年の実刑だったことを挙げ、被告人らは「なんらの反省の態度も示していません」「被告人らに有利に斟酌する事情は何ひとつないのです」と、業務上過失致死傷罪の禁固刑としては法定刑の上限の5年の実刑を求めました。 いよいよ、最終局面です。これまで36回の公判で、争点の地震津波の予見可能性と結果回避可能性を巡り、証人尋問、被告人質問、被害者遺族の意見陳述、論告求刑、被害者参加代理人の意見陳述が行われました。3月12・13日には、被告人の弁護人による最終弁論を経て結審です。夏頃までには判決が出ると予想されます。 福島第一原発事故は取り返しのつかない放射能汚染と地域社会の分断・崩壊をもたらしました。無念の死を遂げた被害者と遺族の思いにこたえ、真の被害者救済の道を開き、二度と悲劇を繰り返さないために、各地での報告会や地域・街頭で、厳正な判決を求める署名を拡大し、東京地裁に厳正な判決を求める世論を盛り上げましょう。 全文
第36回公判傍聴記 via Level 7 News
添田孝史 東電の闇はどこまで解明されたのか 2018年12月27日に開かれた第36回公判では、被害者参加制度による遺族の代理人弁護士として、海渡雄一弁護士、大河陽子弁護士、甫守一樹弁護士が意見を述べた。 検察官役をつとめる指定弁護士らは刑事裁判のプロ。一方、この日意見をのべた代理人弁護士らは、東電株主代表訴訟や各地の運転差し止め訴訟にかかわる原発訴訟の第一人者だ。その視点から、公判における証言や証拠を分析した結果が示された。海渡弁護士は「私たちは、この事故は東京電力と国がまじめに仕事をしていれば防げたこと、その責任が明らかにされなければ死者の無念は晴らされないと考える」と述べ、指定弁護士と同様、禁錮5年の処罰を求めた。 「ちゃぶ台返し」、2008年7月31日より前だった? 東電で津波想定を担当する土木調査グループの社員たちは、政府の地震調査研究推進本部(地震本部、推本)が予測する津波(15.7m)への対策が必要だという意見で一致し、具体的な工法等の検討を進めていた。それを被告人の武藤栄氏が、2008年7月31日に止めてしまった。津波対応の方針をひっくり返してしまったことから、7月31日は「ちゃぶ台返し」の日とも呼ばれてきた。 海渡弁護士は、「ちゃぶ台返し」は、本当はこの日より前だったのではないかという疑念を示した。7月31日とすると辻褄が合わない証拠がいくつもあるというのだ。 会合41分後、手回しの良すぎるメール その一つは、7月31日の会合が終わってから41分後に、酒井俊朗・土木調査グループGMが、日本原電や東北電力の担当者に送ったメール[1]だ。 それまで東電は、日本原電や東北電力に対して、「地震本部の検討結果を取り入れざるを得ない状況である」[2]と説明していた。 この方針が、この日の会合でひっくり返された。酒井氏は第8回公判で「今まで東電が実務レベルで説明していた結果と違う方向になったので、これはちょっと早く東北さんと原電さんに状況説明しないと、ものすごく混乱するなと思って、すぐにメールを出しました」と証言している。 海渡弁護士は、このメールを「手回しが良すぎる」と見た。メールでは、今後の方針のポイント、これから検討すべき事項について部下への指示などが具体的に書かれている。さらに、他社との会合候補日まで書かれているから、それに先立って社内で部下と日程を打ち合わせする時間も必要だったはずだというのだ。「事前に武藤氏の出していた結論を知り、事前に打ち合わせが済んでいて、事前に途中までこのメール作成を準備していたと考えないと、説明のつかないスピードである」と海渡弁護士は述べた。 […] もっと読む。