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津波想定、岩手沿岸分は非公表 県や市町村「不安あおりたくない」 識者「無責任」と批判 日本・千島海溝地震 via 河北新報

内閣府の有識者会議が公表した日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震による津波浸水想定で、岩手県沿岸分は非公表とされた。県や沿岸市町村が「住民の不安をあおる」と内閣府に求めた結果だが、識者からは「国も地元自治体も無責任だ」と批判の声が上がる。 県によると、3月30日に内閣府から市町村に対する事前の説明会が盛岡市で開かれた。担当者からは不安が独り歩きすることを懸念する声が続出した。 県は市町村の意見をくみ「防潮堤や水門の建設途上であり、丁寧な説明が必要。心配が払拭(ふっしょく)されない中で公表は控えてほしい」と内閣府に要請してきた。 対象エリアで最大の29.7メートルの津波が想定された宮古市。山本正徳市長は「津波の到達時間と高さは市内でも地区によって異なり、防潮堤整備が進む中でいたずらに不安をあおりたくない。住民に説明できないようなデータは素直に受け取れない」と強調する。 そもそも防潮堤は、東日本大震災級や今回想定されたような巨大津波(L2津波)では越流したり破壊されたりすることを前提に造られている。原則として、頻度は多く高さは低い津波(L1津波)に合わせた設計だ。 これを踏まえて県と市町村は、住民の理解を得た上で避難を基本とする多重防御のまちづくりを展開している。斎藤徳美岩手大名誉教授(地域防災学)は「避難の認識をより深めるため、浸水想定は大切な目安」と指摘する。 非公表の判断について斎藤氏は「シミュレーションした国自身が自治体に判断を丸投げする責任転嫁はおかしい。住民に必要な情報を公表させない自治体側の主張も大いに疑問がある」と批判する。 […] 全文

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原発事故時の防災道なぜ工事中断 日本原電の寄付なく財源めど立たず via 福井新聞

原発事故時の防災道路などの位置付けで計画された福井県敦賀市の敦賀半島東側の「市道西浦1、2号線」の整備が中断してから約2年がたった。日本原電の全額寄付で工事が進められてきたが、厳しい経営環境の影響で寄付は止まったまま。敦賀市と県、原電は3者協議を行っているが、財源問題は解決の糸口が見えず、整備再開は五里霧中だ。 […] 県と市、原電は昨年11月から、整備再開を探る事務レベルの3者協議を始めた。だが原電の原発や経営をめぐる状況は変わらず、財源問題に解決のめどは立っていないという。 西浦地区区長会の坂本勉会長は「現道は急勾配や急カーブ、狭い区間が多く、津波などの災害時も通行不能になる恐れがあり不安。県は原子力災害制圧道路を整備しているが、西浦1、2号線が完成しなければ道半ばで、住民の安心につながらない」と訴える。市に対しても早期の整備再開に向け県などに働き掛けるよう、求めている。   もっと読む。

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特集ワイド:「忘災」の原発列島 それでも甘い事故想定 via 毎日新聞

 九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)が再稼働し、日本は再び原発を使い始めた。東京電力福島第1原発事故前に戻ったかのようだが、違うのは「絶対安全とは申し上げない」(田中俊一・原子力規制委員長)が建前になったことだ。だからこそ厳しい想定に基づく対策と、不断の検証が求められる。ところが実態はほど遠く、地元に暮らす人々から不安の声が上がる。再稼働でも残るリスクとは−−。 ◇被ばく防護の工事 200の建物で実施、実効性は「不明」 […] では工事の結果、事故時の被ばくをどれだけ抑えられるようになったのか。肝心の点を事務所に尋ねると、答えは「分からない」。  いったい、どういうことなのか。  通常、防災設備は「15メートルの津波に耐える防潮堤」というように、想定する災害の規模と耐久力を明示する。だが、防護工事の基準を示した内閣府によると、そもそもオフサイトセンターでは「原発事故で周囲の放射性物質量がどれだけ増えるか」の想定をしていないというのだ。だから当然、内部に入り込む物質量、放射線量も計算できない。  規制委は12年、全国16原発について事故時の放射性物質拡散予測を公表した。柏崎刈羽原発全7基が「福島並み」の事故を起こせば、1週間の累積被ばく量は、7キロ離れた地点で、高ければ数千ミリシーベルトに達するとした。内閣府はこの予測値も考慮していない。 設置されたフィルターも安心材料にはならない。ちりは遮るが、「希ガス」と呼ばれるガス状の放射性物質は通してしまうからだ。福島の事故では大気中に出た放射性物質約100京ベクレル(東電推計)の約半分が希ガスだった。  平田雅己事務所長は「事故の際は職員の被ばく線量を測り、上がってきたら別の職員と交代させて対応する」と言う。  意見聴取会の委員を務め、柏崎刈羽原発から約7キロの市街地で菓子店を営む新野良子(あらのよしこ)さん(64)は「残念だ」と嘆く。「落ち着いて仕事をしてもらえなければ(担当者や住民の)安全につながらない。(工事の結果は)私たち委員の思いと違ってしまった」  内閣府原子力防災担当によると、同様の放射線防護工事は全国のオフサイトセンターや原発10キロ圏にある病院、公民館、老人ホームなど200以上の建物で実施、工費約530億円を国が負担した。  しかし、各施設が被ばくをどこまで抑えられるかは不明だ。同担当は「フィルターで対応できない事故は起きないと考えている」。オフサイトセンターについては、万が一の場合は別の場所にある代替センターで対応するとしている。  柏崎刈羽原発の北約2キロには、柏崎市の「高浜コミュニティセンター」(公民館)がある。市は住民の一時退避所に位置付け、放射線防護工事を施した。周辺地区は海岸沿いにあり、事故時に孤立する恐れがあるためだ。  「工事はしたが、事故時は何が起きるか分からない。最悪なのは、建物内の放射線量が上がり、外に出ればもっと被ばくする事態。その恐れがあるのかないのか……。放射線量の試算がほしい」。市の担当者の声は切実だ。  市は昨年8月、「(防災上考えるべき)事故想定と防護措置の効果を示してほしい」と規制委に文書で要望したが、回答はないままだ。 ◇格納容器の破損 規制で対策要求、影響は試算せず 田中委員長は、8月5日の記者会見で「(川内原発では)想定した最大の過酷事故(で出るセシウム)は5兆7000億ベクレル(言い誤りで、正しくは5兆6000億ベクレル)」と話した。福島で出た約1京ベクレルの約2000分の1だ。だが、これは格納容器が壊れない前提で試算した数字。委員長は「それ(想定)以上のことが起こらないかどうかということまで言われると(中略)規制の対象外」と付け加えた。  一方、東電は柏崎刈羽原発について「事故発生から38時間後に、セシウムなどを吸着するフィルターを通して放射性物質を出す」と想定し、規制委の審査を受けている。その場合に出るセシウムは推定約5億ベクレル。川内の想定より、さらに4桁も少ない。  「甘いですね」。元原発技術者の佐藤暁(さとし)さんは、東電の想定をそう断じる。原発メーカーで18年働き、柏崎刈羽原発6、7号機では試運転の責任者だった。  雑誌「科学」8月号で「発生1時間足らずで、5億ベクレルでなく1億倍の5京ベクレルのセシウムが出始める事故もある」と指摘した。しかもその事故は東電の言う「5億ベクレル」事故と同等以上の確率で起き得ると警告している。「規制委や電力会社の想定は、準備した事故対策が成功した場合だけを考えており、住民をだましているようなものだ。海外では起こる確率が高い事故を対象に、対策の成功と失敗、両方のケースを評価する」。佐藤さんは強く批判する。  なぜ規制委は格納容器が壊れた場合の放射性物質放出量や周辺の放射線量を試算しないのか。安全審査の責任者の一人、更田豊志(ふけたとよし)・原子力規制委員に聞いた。  「審査結果として公表できるほど信頼性のある試算ができない。数字が独り歩きしそうだ」と更田氏。あえて試算すれば1000倍程度の誤差が出るという。一方で「安全対策が失敗した場合を考えるのが(事故対策の基本である)『深層防護』。川内で5兆6000億ベクレル以上の放出はないと考えるのは安全神話だ。格納容器が破損する事故が起きる確率は小さいが、起きれば対応が難しい。防災上は念頭に置くべきだ」とも話す。  それでは防災上、どこまで大規模な事故を考慮すべきなのか。「非常に難しい」。更田氏は眉を寄せた。規制委員でさえ明確な答えを持っていないなら、住民や自治体は悩むしかない。 […] もっと読む。

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