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「原発事故はやっぱり防げた」地震学者の決死の法廷証言を聞け via 現代ビジネス

「明らかに人災」と断言 新聞によると、先週水曜日(5月9日)、福島第一原子力発電所事故を巡る業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の旧経営者3人の第11回公判が東京地裁で開かれ、原子力規制委員会の元委員で地震学者の島崎邦彦・東京大学名誉教授が「福島第1原発事故は防げた」と証言した。 あの事故を巡っては、国会が設置した東京電力福島第一発電所事故調査委員会(国会事故調)が「何度も事前に対策 を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、今回の事故は『自然災害』ではなくあきらかに『人災』である」として「明らかに(歴代の規制当局及び東電経営陣による)『人災』だ」と断定するなど、東電の原子力事業者としての資質に落第点を付けた例が多い。今回の島崎証言も規制当局や東電の問題を改めて裏付けた格好である。 それにもかかわらず、政府は、地震・津波を巡る甘いリスク管理が祟って経営破綻が避けられなかった東電を経済・資本主義の論理に抗って救済、そのツケを国民に回すばかりか、柏崎刈羽原発の再稼働を後押しして、東電が「原子力事業者として復活する」ことも容認する構えだ。 (略) 事故原因については、すでに2012年7月、国会事故調が公表した報告書で「この事故が『人災』であることは明らかで、歴代及び当時の政府、規制当局、そして事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如があった」とした。 政府が閣議決定で設置した東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会も、同月の最終報告書で「確立していないものであっても新たな知見を受け入れて津波の想定を見直し、それに対して十分な準備がしてあれば、又は予期せぬ事態の出来に備え十分な準備がしてあれば、今回のような大事故には至らなかった可能性がある」と結論付けた。 また、この事故の損害賠償を求める民事裁判としては、約1万2千人が18都道府県で約30件の集団訴訟を起こしており、2017年3月に最初の判決を下した前橋地裁が「津波の到来を予見でき、事故を防ぐことができた」として東電の賠償責任を認めただけでなく、東電に適切な安全対策を取らせなかった点を違法として、国の賠償責任も認めている。 島崎名誉教授が証言した刑事裁判は、福島県民ら1万人の告訴・告発がきっかけだ。検察は繰り返し不起訴としたが、検察審査会は2015年7月、東京電力が事故の3年前に15.7メートルの津波が押し寄せる可能性があるという試算をまとめていたにもかかわらず、対策を怠った点を問題視、2度目の議決でも「起訴すべき」とした。 この結果、2016年2月、裁判所が選任した5人の指定弁護士が検察官役をして、東電の勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長3人の強制起訴に踏み切った。 (略) 二つの大きな争点 裁判では、①巨大津波の襲来を予測できたか(予見可能性)、②有効な対策は可能だったか(結果回避可能性)――の二点が大きな争点となっていた。 島崎名誉教授は原子力規制委員会の委員長代理を務めた人物だ。あの事故の9年前、地震学者として政府の「地震調査研究推進本部」の部会長を務め、福島県沖を含む三陸沖から房総沖にかけて、30年以内に20%の確率で巨大地震が発生するという「長期評価」を公表しており、5月9日の公判に証人として出廷した。 ちなみに、この長期評価は、あの震災の3年前に15.7メートルの津波が押し寄せる可能性があるという試算を東電自身がまとめることになった原資料だ。 今回の島崎証言のポイントは、被告の元会長ら3人が「『長期評価』には専門家の間で異論があった」として「津波は予測できなかった」と主張していることに対し、「当時、部会の専門家の間で、信頼性を否定するような議論はなかった」と反論したことだ。 さらに、国の中央防災会議で、「長期評価」を災害対策に生かすよう求めたにもかかわらず反映されなかったと証言、当時の国の怠慢ぶりを指摘した。そのうえで「『長期評価』に基づいて、「(国や東電が)対策をとっていれば、原発事故は起きなかった」と結論付けたのだ。 (略) 政府がそんな企業をあえて国有化という形で救済して生き永らえさせてきたことは、経済と資本主義の原理に反する行為だ。 経済産業省の試算で最大21.5兆円、民間シンクタンク「日本経済研究センター」の試算で最大70兆円という巨額の事故処理費用の大半を国民にツケ回す政策判断も無茶苦茶だ。 (略) もう一つ懸念すべきは、近い将来、東電が原子力事業者として復活しようとしていることだ。 島崎名誉教授の退任から約2年半後、古巣の原子力規制委員会が2017年秋に下した判断も、首を傾げざるを得ない。同委員会の役割を技術面の審査に限定してきた従来の姿勢を突然かなぐり捨てて、東電が同社の保安規程に「『安全文化を向上させる』という文言さえ書き込めば、原子力事業者としての適格性が保てる」という判断を打ち出し、同委員会として柏崎刈羽原子力発電所(6・7号機)の再稼働にお墨付きを与えたからである。 本来、原子力事業者の適格性というのは、その電力会社の経営が信頼に足るか、企業としてのガバナンスが効いているかなどを含めて総合的に判断すべき問題だけに、この決定には不透明感が付き纏った。 そもそも、最悪の原子力事故を引き起こしたのだから、本来ならば、事業者としての責任を問い、その資格をはく奪すべきところだろう。原子力規制委員会はそれまで権限外としていたにもかかわらず、そうした東電の責任も一切不問に付したのである。 この乱暴な決定の影響の持つ意味は大きく、東電による柏崎刈羽原発の運転再開に待ったをかけられる存在は、立地自治体の新潟県だけになってしまった。 全文は「原発事故はやっぱり防げた」地震学者の決死の法廷証言を聞け 

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原電支援、許せない 東電へ抗議広がる 税金注入「福島のため」via 東京新聞

茨城県東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発の再稼働を後押しするため、筆頭株主の東京電力は、原電に資金支援する方針だ。東電は福島第一原発事故を起こし、廃炉や賠償のため、巨額の税金が注入されている。そんな東電が他社を支援することに、避難者らが批判の声を上げ、反対の意思を示す署名活動も始まり、抗議の輪が広がっている。 (越田普之)  「福島への責任を果たすために存続が許された破綻企業の東電が、原電支援など許されない」  福島事故の避難者らでつくる団体「福島原発三十キロ圏ひとの会」など十団体が四月、原電を支援しないよう東電にそう申し入れた。 (略)  原電は、東海第二の安全対策工事費として約千七百四十億円を投じ、二〇二一年三月以降の再稼働を目指す。全部を自己資金では賄えないため、送電先の東電と東北電力に支援を依頼。原電は四月五日、原子力規制委員会で、二社から債務保証や電力購入費の前払いなどの形で、支援を受けられることを説明した。  だが、国が東電存続を許したのは、賠償と廃炉作業を進めるためという側面がある。東電は福島第一の廃炉作業に今後も多額の資金が必要な上、避難者への賠償も終わっていない。今後、さらなる税金投入も想定される。  そんな状況で、東電が原電を支援することに、避難者以外にも抗議の声が広がる。国際環境NGO「FoE Japan」(東京都板橋区)は、支援反対の署名をネットなどで集めている。第一弾として二千七百七十四人分の署名を四月二十五日に東電と経済産業省、規制委へ提出。署名は六月末まで続けている。 (略)  東電広報担当者は「国民感情として他社を支援する立場でないことは承知している」と話す。一方で「どこで電気をつくって売るかという点で東海第二は選択肢の一つ。経済性などを総合的に勘案し、支援の方針を決めた」と説明した。  原発問題に詳しい経済学者で金子勝・立教大大学院特任教授は「原発は、採算が取れなくなりつつある。東海第二を再稼働させても、費用を回収できるか分からない。支援を決めた東電の幹部は、背任に近い行為をしているのではないか」と指摘した。 全文は原電支援、許せない 東電へ抗議広がる 税金注入「福島のため」

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くすのき 井本元知事と原発 /佐賀 via 毎日新聞

1991年から知事を3期12年務めた井本勇さん(92)が23日、亡くなった。昨年10月まで何度か取材に応じていただき、九州電力玄海原発(玄海町)と自身の関わりについて聞いた。    「時代が変わりましたよ」。井本さんは佐賀市内の自宅で、庭を見ながら原発への思いを語った。1965年4月、県から玄海町に正式に原発計画が伝えられる前、県の工鉱課係長だった井本さんは上司から原発誘致を命じられた。町に通って関係者を説得した当時を振り返り「安全は抜きにして、地域振興には原発が手っ取り早いという雰囲気だった」と、県の主導で原発を誘致したことを鮮明な記憶をもとに語った。  だが、井本さんは知事になり、全国で原発による発電量がピークを迎えた1998年、「今後、原発は誘致しない」と明言した。発言の背景には、当時県議として井本県政を批判していた宮崎泰茂さん(75)たちの原発批判があったという。宮崎さんは井本さんの訃報に接し「政治思想は違っても膝を交えて話す姿勢を評価していた」と惜しんだ。  そして99年9月、茨城県東海村でJCO臨界事故が起きると井本さんは「怒りに似た気持ちを覚える」と述べ、玄海原発3号機で実施方針だった「プルサーマル発電」も「環境は厳しい」と国と九電に異を唱えた。  県の危機管理や避難体制の実行性に疑問が投げかけられる中、山口祥義知事が昨年4月に「国の責任だ」と原発再稼働に同意する前、井本さんを訪れた。「国から来た人は地元のことを知らんから自分を売ろうとするんです」。総務省出身で観光に熱心な山口知事を心配した。「山口知事さんにも言わんですけど、時代が違う」。 […]   全文

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チェルノブイリ原発事故から32年、ツアー人気で訪問者増 ウクライナ via AFP

【4月26日 AFP】カメラは? チェックOK。サングラスもOK。ガイガーカウンター(放射線測定器)もOK──史上最悪の原発事故を起こしたウクライナのチェルノブイリ(Chernobyl)原子力発電所。半径30キロ圏内の立ち入り禁止区域ではここ数年、観光客が急増している。ここを訪れるには、放射線量が基準値を超えていないかどうか測定する機器が必要だ。 スリルを求めて訪れる人々の目的は、1986年4月26日、4号炉の爆発で欧州の広範囲に放射能を拡散したチェルノブイリ原発を見ることだ。昨年の観光客数は約5万人で、2016年から35%増加した。観光客の70%は外国人が占める。 立ち入り禁止区域入り口の土産物店では、黒と黄色の放射能警告標識を印刷したTシャツやマグネット、さらには旧ソ連時代のガスマスクまでが売られている。宿泊は通常のホテルの他、原発近くにある2軒のホステルにも可能だ。 (略) 同社[旅行会社「ゴートゥーチェルノブイリ(Go2chernobyl)」]のビクトル・カルチェンコ(Viktor Kharchenko)氏によると、事故から30年経った2016年に4号炉が巨大な金属製ドームで覆われて以来、訪問者数が増加したという。このドームによって4号炉からの放射能漏れは大幅に削減された。(c)AFP/Ania TSOUKANOVA 全文はチェルノブイリ原発事故から32年、ツアー人気で訪問者増 ウクライナ  

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伊藤忠、トルコ原発見送り 事業費大幅増、稼働難しく via 東京新聞

日本の官民が進めてきたトルコの原発建設計画に伊藤忠商事が参加を見送ることが二十四日、分かった。同計画は安全対策費用がかさみ、総事業費が当初想定していた二兆円よりも二倍以上高くなることも判明。目標としていた二〇二三年の稼働は難しい情勢だ。  原発輸出は日本が成長戦略の柱に据えるインフラ輸出の一環だが、先行きは見通せない。  伊藤忠は三菱重工業などと原発建設に関する事業化調査に加わっていたが三月で終了し、契約を延長しなかった。三菱重工は調査を継続する方針だが、原発事業のリスクが高まる中で、今後の対応が焦点だ。  トルコへの原発輸出は一三年に政府間で合意した。ただ、予定地の周辺には活断層があるとされ、政情不安も指摘される。地元での反対も根強い。 […]   全文

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《原発ゼロ基本法案》を提出した枝野幸男代表に、どこまで本気か聞いてみた via 週刊女性PRIME

 先月9日に共産、自由、社民の野党とともに「原発ゼロ基本法案」を国会へ提出した立憲民主党。どこまで本気なのか枝野幸男代表を直撃した。 ◆  ◆ 原発ゼロ基本法案を作るにあたって、全国19か所でのタウンミーティングのほかネットからも意見を募り、まとめる段階では小泉純一郎さんたちの『原自連』と意見交換もしました。 まずは原発ゼロをリアルに、夢物語ではなく実現可能なものとして知っていただき、そんな政治勢力があるということを示す。そのための法案です。世論調査で脱原発を支持する人は多数いますが、その声が結集できていません。 私自身、東日本大震災の前まで、原発をやめなければならない、やめられるという確信は正直持っていませんでした。しかし原発事故に直面して、官房長官として事故対応に当たるなかで、とても人間ではコントロールしきれないという思いを強く持ちました。これはやめなきゃいけないという確信に変わった。 (略) ひとつは電力会社。これまで国策によって原発を作らされてきたのが、急にやめろと言われ、コストを押しつけられたのではたまらない。それから原発立地自治体も、やはり国策で押しつけられて、結果として雇用を生み補助金が来て、それを前提に町の未来を描いてきたわけです。 国民も負担している費用 急にやめろと言われて、約束が違うじゃないかとなるのは当たり前。国策で進めてきた以上は、原発をやめていくプロセスのなかで、国の責任で手当てすることが重要です。 また、電力不足を心配する声も根強くありました。東日本大震災では計画停電をやりましたが、あのとき、最も懸念していたのは医療でした。急に停電になり、人工呼吸器が止まるようでは命にかかわる。原発やめようよという空気自体も変わってしまう。そのリスクをものすごく感じていましたね。電力需給の見通しに対して、原発を止めても問題がないという裏づけがなかったからです。 (略) 再生エネに切り替えると、電気料金が上がるのではないかという不安があるのも確かでしょう。実際、固定価格買取制度では一定の負担をしてもらっていますが、例えば、太陽光パネルのコストなどはどんどん下がってきています。それにコストという点では、すでに国民のみなさんは、東電の福島原発事故の補償や、廃炉にかかる費用の一部を負担しています。  そのために将来、電気料金が上がる心配をするより、原発をやめるためにかかる若干のコストを考えたほうが合理的では? 今回の法案には、できるだけ幅広く賛成していただければと思っています。ただ、国会のなかで賛同者を募るより、国民のなかにこそ増やしていきたい。 国会前に集まってデモをやるのも運動だけど美容院で『週刊女性』を読みながら、隣の人と語り合うのも運動。そこから、どうも原発ゼロにできるみたいだよ、と話がじわじわ広がっていく。そんな草の根の世論を喚起していくことが目標です。 全文は《原発ゼロ基本法案》を提出した枝野幸男代表に、どこまで本気か聞いてみた

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IHI、原発向け工場を航空部品に転用 成長分野へシフト  via 日本経済新聞

 IHIは原子力発電所向け機器を主に生産する横浜工場(横浜市)の一部を航空機事業向けに転用する。2019年から航空機エンジン部品の量産を開始し、米航空エンジン大手に供給する。国内では原発の新設需要は見込めず、保守点検の需要も縮小する。重工大手が原子力向けから航空機関連など成長分野に経営資源をシフトする動きは強まってきている。 横浜工場は東芝や、傘下だった米ウエスチングハウス(WH)など向けに原子炉圧力容器や蒸気発生器を供給してきた。だが東日本大震災後の市場の収縮で受注が急減。IHIは保有していたWHの株式3%すべてを17年に東芝に売却するなど、関係が薄れていた。 国内向けではここ数年、原発の保守や安全対策工事の需要が活発だったが、長期的に見れば縮小するのが確実だ。原発関連機器の生産拠点をどう有効活用するかが喫緊の課題となっていた。 […]     全文

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(下)ふくいろピアス 福島から届ける via 産経ニュース

「ふくいろ」。それは、福島の色。福島の伝統工芸品「会津木綿」と「かわいい」を身につけてほしい。そして、「ふくいろピアス」が生まれた。つくったのは、「GIRLS LIFE LABO」代表の日塔マキさん(34)。東日本大震災で被災した。だけど、それを宣伝に使いたくはなかった。かわいい、と手にとってほしい、そして、できれば、できれば。被災地のことを感じてほしい。たった1センチほどのピアス。それに思いを込めた。 […] 「たいようのいろ」「うみのいろ」「たべもののいろ」「やまのいろ」「そらのいろ」「はなのいろ」「どうぶつのいろ」。そして、あと1色。 たとえば、「たいようのいろ」。それは夕日の色。子供が外で遊び、家路につくときの柔らかだけど、すこし寂しい色だ。 「うみのいろ」は鮮やかな青。津波に襲われ、東京電力福島第1原発事故で汚される前の優しい海のイメージだ。 それぞれの色は日塔さんと、大学生や社会人のボランティアでつくる「研究員」でアイデアを持ち寄って決めた。すべての色に流れる通奏低音は、当たり前の光景を失った福島。それぞれに再生への願いがつまっている。 原発事故が起こったとき。日塔さんは「なぜ私たちだけが」と、恨みもあった。でも、気づいた。 「福島県民として原発を止めることもできたはず。選ばなかったことには責任がある」 「そらのいろ」。何色にでも染まる白にした。あの日の暗いグレーの空を「忘れたくない」。いま、晴れて澄み渡った福島の空を見上げて日塔さんは話した。 「やまのいろ」。その緑の陰には、震災後に山登りした女性が「なぜそんなに危ないことをするのか」と責められて流した涙がある。「はなのいろ」は、桃の色。「放射能が心配で、奇麗な花に触れられずつらい」という悲しさ。そして、「どうぶつのいろ」。茶縞にペットを放さざるを得なかった記憶を留めたかった。 […]   全文

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【岩瀬達哉氏選】2018年に読みたい「原発のゆくえ」via News ポストセブン

 年末年始はじっくりと本を読む良いチャンス。『週刊ポスト』の書評委員が選ぶ書は何か? ノンフィクション作家の岩瀬達哉氏は、原発を読み解く本として、『東電原発裁判 福島原発事故の責任を問う』(添田孝史・著/岩波新書/780円+税)を推す。岩瀬氏が同書を解説する。 * * * 本書は、原発訴訟という専門的で複雑な裁判をわかりやすく解説しただけでなく、東京電力の政治力と、経営トップの怠慢ぶりまで調べ上げた調査報道である。 何より驚かされるのは、原発事故が発生する数年前には、すでに大規模地震が「福島県沖で発生する可能性」を「政府の地震調査研究推進本部」が公表していたことだ。その場合、「一五・七メートルの津波」に襲われ、「原発の非常用設備は水没して機能を失い、全電源喪失にいたる」ことを、「東電の子会社」でもシミュレーションしていたというのだ。「大きな津波が来るかもしれないというのはわかっていたが、まあ、来ないだろうと、一か八かにかけて運転していた」のが、福島第一原発だったのである。 避けえない危険が身近に迫っていることを知りながら、肝心の津波対策を先送りしたのは、経営が「二期連続赤字」だったからだ。「三年連続の赤字を回避する」ため、「数百億円かかるとみられた津波対策は、業績が回復するまで着手を遅らせた」のだという。 (略) 事案先送りの姿勢は、国の機関にも及んでいた。原子力安全・保安院の幹部のひとりが、「福島第一原発の津波問題」の不作為を指摘しようとしたところ、「余計なことは言うな」「あまり関わるとクビになるよ」と脅されたという。 これらの事実が明るみになったことで、東電の経営トップは刑事告発された。彼らがこの裁判で負ければ、他の電力会社も、原発の再稼働に慎重にならざるをえないだろう。裁判のあとは、間違いなく株主代表訴訟に見舞われ、全財産を失いかねないからだ。注目の裁判は、年明けから本格化するという。 全文は【岩瀬達哉氏選】2018年に読みたい「原発のゆくえ」

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原発事故の罪深さ語る 避難の夫妻、京都で講演 via 京都新聞

原子力災害を考える講演会「故郷(ふるさと)フクシマに想(おも)いを寄せて」が3日、京都市下京区のひと・まち交流館京都で開かれた。東日本大震災後に福島県を離れ、大津市に避難している青田勝彦さん(75)、恵子さん(67)夫妻が住民の日常を奪い、分断をもたらした原発事故の罪深さを語った。 青田さんは福島第1原発から23キロ離れた南相馬市の自宅で被災した。福島第2原発の建設差し止め訴訟に原告で参加した青田さんは「国や電力会社は絶対に安全だと言い、立地地域にお金をばらまいた」と指摘。「だが原発周辺には一般企業は進出しないし、関連の産業しか根付かない。原発は地域開発にはならず、未来はない」と強い口調で語った。 また、原発からの距離で避難や補償が線引きされる政策を「住民の分断と対立をあおっている」と批判。「同じ市民でも橋一つ、道路一つ隔てた場所で変わるため、対立を生んだ。県外に避難しても責められ、『出るも地獄、残るも地獄』だ」と原発事故が残す傷の深さを訴えた。 青田さんは再稼働に向けて動く関西電力大飯原発3、4号機(福井県)にも触れ、「あれだけの事故が起きて再稼働への期待があることが信じられない」 (略) 講演会は「フクシマ・チェルノブイリの今を考える京都の会」が主催。約60人が聞き入った。 全文は原発事故の罪深さ語る 避難の夫妻、京都で講演

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