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Tag Archives: 伊方原発
伊方原発、運転差し止め 広島高裁仮処分 地裁支部決定を取り消し via 毎日新聞
山口県東部の住民3人が、四国電力伊方原発3号機(出力89万キロワット、愛媛県伊方町)の運転差し止めを求めた仮処分申請の即時抗告審が17日、広島高裁であった。森一岳裁判長は申し立てを却下した2019年3月の山口地裁岩国支部の決定を取り消し、四電(高松市)に運転差し止めを命じる決定を出した。11年3月の東京電力福島第1原発事故以降、司法による運転差し止めの判断は5例目。 伊方原発3号機は、福島第1原発事故を受けて停止したが、原子力規制委員会による新規制基準の安全審査に合格し、16年8月に再稼働した。現在は19年12月からの定期検査で停止している。仮処分はただちに効力が生じるため、四電は決定の取り消しを求める保全異議と仮処分の執行停止を高裁に申し立てる方針だが、4月27日に予定されている営業運転の再開は微妙な情勢となった。 原告は、原子力災害対策指針などで避難計画の策定が義務付けられていない原発から30~40キロ圏にある島しょ部の住民。岩国支部への仮処分申請で住民側は、伊方原発周辺の海底に延びる中央構造線が活断層であると主張。地震による被害や阿蘇カルデラが噴火した場合は火砕流が到達する危険性があると訴えたが、同支部は19年3月、四電の対策が過小とは言えないなどとして申請を却下した。 即時抗告審で四電は、伊方原発周辺の中央構造線が活断層ではなく、海上音波探査によって最も近い活断層も伊方原発の沖合8キロ地点にあると確認されていると主張。住民側は原発の沖合600メートルにある中央構造線も活断層の可能性があるとし、地震が起きた場合は伊方原発に四電が想定する2~3倍の揺れが生じるとの意見書を、高裁の求めに応じて提出していた。 (略) 3号機を巡っては周辺の山口、大分、松山、広島の各地裁や支部で仮処分申請や提訴が相次ぎ、17年12月には広島高裁が火山の噴火リスクを理由に運転差し止めの決定を出したが、四電の不服申し立てで決定が取り消された。関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた14年5月の福井地裁判決など、運転差し止めを認めた他の3例も上級審などで判断が覆っている。【手呂内朱梨、賀有勇】 全文は伊方原発、運転差し止め 広島高裁仮処分 地裁支部決定を取り消し
伊方原発差し止め判断の広島高裁裁判長 18年の原爆症訴訟で被爆者1人を認定 via 毎日新聞
[…] 森一岳裁判長は申し立てを却下した2019年3月の山口地裁岩国支部の決定を取り消し、四電(高松市)に運転差し止めを命じる決定を出した。11年3月の東京電力福島第1原発事故以降、司法による運転差し止めの判断は5例目。 森裁判長(64)は1982年任官。大阪地裁や東京高裁の判事、千葉地裁松戸支部長などを経て2016年4月に広島高裁判事部総括に就いた。18年2月には原爆症認定訴訟の控訴審を担当し、医師による経過観察も医療措置に該当するとして、1審で申請が却下された原告の被爆者1人を原爆症と認める判決を出している。 今回の抗告審で、森裁判長は19年9月に審尋を開き、住民側と四国電力にプレゼンテーション形式で主張を説明するよう求めた。この際、65歳での定年退官を控えた20年1月中に決定を出したいと伝えたという。【手呂内朱梨】 全文
伊方原発で初取り出し MOX燃料 搬出先未定 via東京新聞
四国電力は十四日、定期検査中の伊方原発3号機(愛媛県伊方町)で、プルサーマル発電で使用し、取り出したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を公開した。午前十時十五分ごろ、既に取り出された二体のMOX燃料がプールに納められていた。十六日までに原子炉内のMOX燃料十六体と全てのウラン燃料を順次取り出し、MOX燃料は新たに五体装填(そうてん)する計画。 […] 政府や電力会社は、使用済みのウラン燃料を化学的に処理(再処理)し、プルトニウムを取り出し再利用する「核燃料サイクル」の一環として、普通の原発でMOX燃料を燃やすプルサーマルを推進している。だが再処理施設が国内になく搬出先は未定。四国電は当面、原発内のプールで保管するとした。使用済みMOX燃料は発熱量が大きいなどの特徴がある。取り出しは当初十三日午前零時ごろの予定だった。準備作業中の十二日、原子炉容器上部の燃料を固定する装置をクレーンで引き上げようとした際、制御棒一体が一緒につり上げられ、原子炉から約七時間引き抜かれるトラブルがあり遅れた。 全文
MOX燃料、初の取り出し 使用済み、行き先未定 伊方原発 via 朝日新聞
四国電力の伊方原発(愛媛県伊方町)3号機で13日午後9時、使用済みになったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)を含む核燃料を原子炉から取り出す作業が始まった。MOX燃料を使うプルサーマル発電は全国の3原発4基で行われているが、MOX燃料が使用済みになり、取り出されるのは初めて。処分方法は決まっておらず、行き先のないまま、敷地内のプールで当面保管される。 四電によると、作業は13日午前0時から始まる予定だったが、12日の準備中に核分裂反応を抑える制御棒1本を誤って引き上げるミスがあり、安全確認や準備のため遅れた。 原発は通常、ウラン燃料を使う。使い終わった燃料からプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜて作るのがMOX燃料だ。国は輸入に頼るウランの有効利用になるなどとして、プルサーマル発電を進めてきたが、使用済みMOX燃料については、使用済みウラン燃料より発熱量が多く、保管管理上の危険性を指摘する声もある。(寺田実穂子、亀岡龍太) <「原子力市民委員会」座長の大島堅一・龍谷大学教授(環境経済学)の話> 使用済みMOX燃料の原発敷地内での当面の保管は事実上、永久的に置くことになりかねない。そもそも使用済みウラン燃料をそのまま処分した方が安くなると評価されており、コスト面でも使用済みMOX燃料の再処理は無意味だ。プルサーマル発電は実質的に目的が失われている。 原文
伊方原発 核分裂反応抑える「制御棒」1体を誤って引き抜くvia NHK News Web
定期検査中の愛媛県伊方町にある伊方原子力発電所3号機で、12日、核分裂反応を抑える「制御棒」1体を誤って引き抜くミスがあり、四国電力は原因を調べています。 四国電力によりますと、伊方原発3号機で12日午後、核燃料の核分裂反応を抑える役割がある「制御棒」48体のうち1体が原子炉から引き抜かれるミスがありました。 監視カメラで作業員が気付き、原子炉に戻しましたが、およそ7時間1体が引き抜かれた状態が続いたということです。 四国電力によりますと、この間、原子炉内で核分裂反応が進むことはなく、作業員らに被ばくはなかったとしています。 定期検査中の3号機では、当時、核燃料を取り出すため、原子炉のふたを開けて、制御棒を固定する構造物を引き上げる作業中だったということで、このとき構造物に制御棒1体が付いたまま、原子炉から引き上げられてしまったということです。 続きは伊方原発 核分裂反応抑える「制御棒」1体を誤って引き抜く
伊方3号炉再稼働から2週間。原発のある町の「日常としての抗議活動」 via Harbor Business Online
10月27日から1年ぶりに再稼働した伊方発電所3号炉。その当日に行われた抗議集会の様子は以前報じた通りです。(参照:伊方発電所3号炉、抗議活動をよそに再稼働。再稼働当日の現場をリポート) そんな伊方発電所ですが、同発電所正門ゲート前では、地元の方を中心に福島核災害以来、毎月11日に欠かさず抗議集会が開かれています。そして毎年一回、伊方集会を行い、今年は第32回となりました。 […] 伊方発電所正門前集会は、地元の方の割合が高く、ついで四国四県と大分県、追って中国からの参加者が多いのですが、福島核災害の経験からも中四国東九州は過酷事故時に甚大な影響を受けますので、参加者の分布とよく一致していると思われます。 […] 時間がないので、牧田さんにマイクは回しませんよとのことでしたが、私はNikon 2号のバッテリがGPSの設定ミスで干上がってしまい、超広角レンズをつけたNikon1号だけで撮影するのに四苦八苦しており、それどころではありませんでした。 伊方正門前集会は、党派性が極めて希薄で、様々な市民が手作りで集っているという特徴があり、1980年代90年代に電力、国のPA担当者が非常に対応に苦しみ、その実態は80年代から00年代にかけての原子力PA文献に残っていますが、これは実際にその場を目にしないとなかなかわからないと思います。私も原子力PAの文献を読めば読むほどに混乱しましたが、実際に現場に足を運び、当事者に話を聞くことによって、なぜ、原子力PA担当者が80年代90年代当時、伊方反対運動を前に大いに狼狽えたのかやっとわかってきました。 […] 乾式貯蔵は、SFPに比して固有安全性が遥かに高く、安価であるために合衆国では完全に実用化していますが、日本では東海第二と福島第一、福島第二で試験運用中のみのため、伊方で初の本運用を行おうということです。 地元では、出力調整実験やMOX装荷に続けてまたしても伊方で最初(MOXは2番目)に始めようとすることへの反発と、伊方がなし崩しで使用済み核燃料の恒久的保管場所になる恐れ、伊方3号炉運転の恒久化などを承知できないとして、反対運動が始まっています。 […] 全文
伊方再稼働許可 「福島の事故忘れたか」被爆者ら怒り via 毎日新聞
[…] 「この決定は歴史に断罪される」。決定が出た直後の25日午後1時半過ぎ、広島市中区の裁判所前で住民側の関係者が不当な決定と訴える垂れ幕を掲げると、集まった支援者から大きなため息が漏れた。噴火の正確な予測を前提にした原子力規制委の安全審査の手引書を「不合理」としながら破局的噴火の可能性について相応の根拠を示さなければ立地不適とはならないとする決定に、記者会見した住民側弁護団の河合弘之弁護士は「住民側に無理難題(の立証)を強いるもの」と批判。「原発の規制は、一般防災に比べ格段に高度な安全性が求められる」と強調し、社会はゼロリスクを求めていないとする「社会通念」に反発した。抗告人の一人で被爆3世の綱崎健太さん(38)=広島市中区=は「裁判長は福島原発の事故を忘れている。そうでないとこんな決定は書けない」と憤った。 広島地裁で係争中の運転差し止め訴訟の原告の一人、免田裕子さん(78)=同市安芸区=は73年前、5歳の時に被爆。病身だった母は爆心地付近から逃れてきた被爆者の世話をしていたが、体調が悪化して約2週間後に息を引き取った。「今思えば、内部被ばくの影響ではないか」。フィリピンに出征していた父は戦死し、孤児になった。 結婚後は2人の娘に恵まれたが、次女が原因不明の熱を出した時には「私の被爆のせいでは」と自分を責めた。原発は「平和利用といっても、何の害もなく動くはずがない」と以前から懐疑的だったが、福島第1原発の事故を機に「生活が壊され、放射線の影響にずっとおびえることになる。こんな危ないものは置いておけない」と訴訟に参加した。異議審で願いは届かなかったが、「誰にも被ばくさせないため、今後も訴訟で戦い続ける」と力を込めた。【寺岡俊、小山美砂、隈元悠太】 地元、引き続き安全対策を 一方、伊方原発が立地する愛媛県伊方町の高門清彦町長は「再稼働に向けた判断が下され、正直ホッとしている」と話しつつ、「根底に不安を抱える住民もいる。安全対策と情報公開の二つを徹底してほしい」と四国電力に求めた。同県の中村時広知事も「再稼働しようがしまいが安全対策に対する考え方は変わることはない」と引き続き徹底した安全対策と情報公開を求めた。 同町で自営業をする60代女性は「新たに造るなら問題だがもうあるし、働いている人も大勢いる。弁当屋や民宿は客が減ったと嘆いていた。ホッとしていると思う」と複雑な心境をにじませた。 […] 規制委は安全審査の手引書「火山影響評価ガイド」で、原発から160キロ圏内の火山は電力会社に影響評価を義務付けている。破局的噴火を含む大規模噴火では、火砕流や溶岩流が敷地に到達する可能性が「十分小さい」と判断できなければ立地不適格とし、原発の稼働はできないと定めた。 「可能性が十分小さいかどうか」をどう判断するのか。昨年12月の広島高裁決定後、規制委はガイドを補完する形で見解をまとめた。それによると、原発の運転期間(原則40年)中に破局的噴火が起きる根拠がなければ、火砕流などが敷地内に到達する可能性も「十分小さい」と判断するとの解釈を示し、破局的噴火の発生可能性を具体的に示せなければ「社会通念上、安全対策を考慮しなくても許容される」との見解も明らかにした。想定した法規制や防災対策が原発以外では実施されていないことなどが根拠で、こうした見解が今回の決定で認められた形になった。【岩間理紀】 全文
「核の悲惨伝える責任」=反原発訴訟原告の被爆者-妹の死が転機に via niftyニュース
広島地裁では、四国電力伊方原発(愛媛県)再稼働差し止め訴訟の審理が続いている。原告のうち42人は広島、長崎の被爆者だ。原告団長の堀江壮さん(77)=広島市=と副団長の伊藤正雄さん(77)=同=は「核の後遺症はいつまでも残る」と語り、悲惨さを知る被爆者が行動することは「将来への責任」と訴える。 73年前、堀江さんは爆心地から約3キロの場所で被爆。母と姉、兄はいずれもがんで死去した。爆心地にいた伊藤さんの兄は全身を大やけどして亡くなり、姉は遺骨すら見つからなかった。4歳だった堀江さんと伊藤さんの記憶には、おびただしい数の遺体を荼毘(だび)に付す臭いが焼き付いている。 「原発はやめるべきだ」。伊藤さんが反原発運動に本腰を入れるようになったのは、東京電力福島第1原発事故が起きた直後の2011年3月15日に、1歳年下の妹が亡くなってから。「両親や兄、姉より妹の時の方がショックだった」と振り返る。 妹は甲状腺障害があり、息子も甲状腺の手術を受けたことを、「自分が被爆者だからがんが出たんでなかろうか」と死の間際まで気に掛けていた。伊藤さんは、核の平和利用をうたう原発を肯定していたが、妹の死で考えを変えたという。[…] 広島高裁は17年12月、訴訟と別の仮処分申請で、伊方3号機の運転差し止めを命じた。四国電は異議を申し立て、審理は継続中。堀江さんは「後の世代のためにやっとかなきゃ。何もやらんかったらまずい。いや応なしに負の遺産を背負わせている」と語った。 【時事通信社】 全文
伊方原発10月1日以降も停止を 広島、住民が新たな仮処分申請 via 福井新聞
火山の噴火の影響を根拠に、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を9月30日まで差し止めた広島高裁の仮処分決定を巡り、広島市と松山市の住民計4人が18日、運転停止期間の延長を求め、広島地裁に新たな仮処分を申し立てた。 広島高裁決定は、広島地裁で争われている差し止め訴訟で本格的な審理を経た結果、異なる判断が出る可能性を考慮して期限を設けた。住民側は申立書で「地裁の訴訟は判決が出るめどが立たない。期限を9月末とすることに理由がない」と主張、10月1日以降も運転を差し止めるよう求めた。 原文
原発訴訟原告団 水戸で講演会 火山のリスク説明 via 東京新聞
[…] 海渡弁護士は、阿蘇山の火砕流到達の可能性を重視し四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転を差し止めた昨年の広島高裁の仮処分決定などを紹介。原発が火山の噴火に巻き込まれると「溶融した使用済み燃料が放射能火山灰となって全国に降り注ぐ」と訴えた。 中野弁護士は、原電が昨年、赤城山(群馬県)が噴火した場合に東海第二の敷地に積もる火山灰の想定を二十センチから約五十センチに修正したと説明。「火山灰で電気系統の絶縁性が低下して外部電源が喪失したり、灰の混ざった海水で水循環系が故障したりする」とのリスクを解説した。 さらに、五十センチ積もる場合の「大気中の火山灰の濃度の想定を原電はまだ発表していない」と指摘。「非常用ディーゼル発電機の吸気フィルターが詰まって使用不能になる危険性が高い」と主張した。「従業員が作業できるかも含め、本当に有効な対策が立てられるのか」と、安全対策に疑問を呈した。 (酒井健) 全文