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A nuclear power plant in Byron, Illinois. Taken by photographer Joseph Pobereskin (http://pobereskin.com). カレンダー
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Tag Archives: オリンピック
東京五輪、21年開催が無理なら中止 IOC会長が言及 via 朝日新聞
[…] バッハ会長は、安倍晋三首相から、21年開催が「最後のオプション」と伝えられていたと明かし、「大会組織委員会が永久に3千人や5千人も雇用を続けることはできないから、理解できる。毎年、世界中のスポーツ日程を変更することはできないし、アスリートを不確実な状況にとどめてはおけない」と語った。 開催条件としてワクチン開発が必要という一部の指摘については「世界保健機関(WHO)の助言に従う。誰も1年2カ月後のことは分からない」とこれまで通り明言を避けた。無観客での実施については現段階では「臆測」としたが「無観客は望むべき姿ではない。でも、もし決断を迫られる時期が来たら、アスリートやWHO、日本側と相談する時間を与えて欲しい」と話した。現在、選手の隔離などの対策を検討しているという。 延期に伴う追加経費は総額3千億円程度と見積もられている。IOCは14日にオンラインで理事会を開き、東京大会の運営費に最大で6億5千万ドル(約699億円)を支出する構えを見せたが、運営費には放送事業なども含まれる見通しで、実際に組織委に渡る金額は不明だ。(ロンドン=遠田寛生) 全文
東京五輪の1年後開催は無理、中止を直ちに決めるべき理由 via Diamond Online
小林信也:作家・スポーツライター 「いまでも東京オリンピックを歓迎しますか?」 東京都民、日本の国民にそれを問いかけたら、一体、どれほどの人が「歓迎する」「ぜひ開催するべきだ」と、手放しで賛成するだろうか? IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長が公式ホームページで、「日本の安倍首相が、1年延期で必要な追加費用(約3000億円)の負担を了解している」旨の発信をし、日本で問題視された。日本の東京2020組織委員会の要請でこれは削除されたと報じられているが、バッハ会長がありもしない事実を公式ホームページででっちあげるだろうか? 急転直下、1年延期が決まり、日程まですぐに決まった経緯からしても、日本側から何らかの提示があったことは想像に難くない。 いずれにせよ、「3000億円の追加費用」を出すだけの予算があったら、「やってほしいことはほかにある」というのが、新型コロナウイルスの感染拡大がいまだに止まらず、緊急事態宣言の下、感染と生命の危険に怯え、生活を大幅に規制されている多くの人たちの実感ではないだろうか。 新型コロナウイルスの蔓延で、世界は一定程度の平和・平穏状態から、有事へと状況が変わった。人類の生命の危機、これまでの社会生活や国際交流が脅かされる危機に直面している。しかも、国や民族間の争いではなく、人とウイルスとの闘いである。 新型コロナウイルスの感染が始まる前と現在では、人々の判断基準が大幅に変わっていて当然だ。ここまで感染が長引き、収束の目途が立たない状況が続いている中、当初の安易な楽観論がもう通用しないことは多くの人々が感じているだろう。 […] 4月22日、東京2020組織委員会の森喜朗会長は、記者会見で「新型コロナウイルスの感染拡大で1年延期となった東京大会の再延期は『絶対ない』との見方を示した」と報じられた。スポニチには、続いて次のように書かれている。 『「選手のことや大会運営上の問題を考えても2年延ばすことは技術的に困難」と説明。感染終息に懸念があり、安倍首相には「2年は考えなくていいんですか」と尋ねたが、「首相が1年でいい、と決断した」と明かした。』(スポニチ2020年4月23日付) この発言に「よかった!」と快哉を叫んだ人がどれほどいただろうか? 現状とあまりにもずれていないか? 私が取材しているオリンピックに出場予定の人たちでさえ、戸惑っている。 […] 全文
福島での聖火一般公開中止 5月以降の県外展示は未定 via日本経済新聞
[…] 聖火は五輪開催延期を受け、聖火リレーの国内出発地点だったJヴィレッジで2日から30日までの予定で一般公開が始まった。県内での展示は今後行わない。 組織委は5月以降に福島県以外でも聖火を展示することを検討していたが、今後の展示は未定としている。保管場所は非公表。 一般公開された2~7日に計約5400人が見物に訪れた。聖火はランタンにともった状態で、宿泊施設なども備える建物のホールに展示されていた。感染防止対策で来場者にはマスク着用と手指の消毒を求めていた。〔共同〕 全文
五輪聖火 東日本大震災“復興の火” 福島で展示 via NHK News Web
2020年3月24日 17時37分聖火リレー オリンピック 東京オリンピックの延期が検討される中、“復興の火”として東日本大震災の被災地でともされているオリンピックの聖火が、24日から福島県内で展示され、会場には多くの人が詰めかけました。JR福島駅前の広場では午後2時半から“復興の火”を点火する式典が行われ、初めに震災のあった9年前の3月11日に生まれた小学生4人が、聖火の入ったランタンを持って入場し、聖火皿の除幕式を行いました。 そして聖火が聖火皿に移されると、大きな拍手が沸き上がりました。 会場には聖火を一目見ようと多くの人が訪れ、県の担当者などが新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、1メートルずつ間隔を開けて整列するよう呼びかけていました。 さらに近づいて観覧できるのは15秒ほどに制限され、訪れた人は次から次へと入れ代わりながら聖火に近づき写真を撮影していました。 聖火リレーは26日、福島県をスタートする予定ですが、県には、24日午前、大会組織委員会から、ランナーがトーチを持って走る方法では行わないという連絡があったということです。 […]
反五輪運動の仲間への不当な家宅捜索に抗議する! via 反五輪の会
English ver is here한글판은 여기 2020年2月18日(火)朝8時過ぎ、五輪反対をともに闘うAさんの居所(テント)に、不当にも家宅捜索(ガサ)が入りました。被疑事実は「免状不実記載」。令状をチラ見せしただけで、警視庁公安部公安二課警部・大林馨を始め、赤いベストを着た約30名もの私服警察が、生活空間に無理やり入りこんできました。睡眠を妨害され外に出され、写真を撮られ身体捜索。ヘアキャップを被った警察官が、コロコロをなめるようにチェックし「髪の毛ありました!」と毛髪計3本を押収、色々な物に粉をはたいて指紋を採取しようとしたり、「口の中からDNAを取らせろ」と要求してきました。Aさんが「任意ですか?」と聞くと「任意」だと。断りますと拒否したところ、「じゃあ、あとで強制するかも」と脅してくる。最悪です。 近所からの知り合いや駆けつけた仲間たちが抗議しましたが、警察は「被疑者の人権」を理由に写真撮影の邪魔をし、規制線からはるか遠くまで立ち入れないようにしました。一方、Aさんは寒い中、上着を着ることも許されず、「立ち会いしてもらわないと困る」と大勢の警察官に捜索が終わるまで取り囲まれたまま延々立たされ、トイレまで監視されました。何が「被疑者の人権」だ! あらゆる書類や持ち物をしらみつぶしに調べられ、捜索は約3時間半に及びました。 パソコンや携帯電話、手帳や身分証、銀行カードなど、個人情報が分かる私物をたくさん持ち去られました。そして終了間際、一度断ったにもかかわらず再度DNA採取を求められ、さらに、所轄署への任意同行を求められましたが、Aさんはなんとか断りました。 「免状不実記載」は、警察が気に食わない運動団体をつぶすために、活動家に弾圧をかけるにあたって出してくる微罪中の微罪です。住所移転の届け出をしてない人、忘れてる人など世の中にごまんといます。いつ誰がやられてもおかしくない、これは半年後に控えた東京オリンピックを目前に、反五輪の仲間を狙った弾圧であり、オリンピック反対運動を萎縮させようとする、警察権力による運動つぶしの嫌がらせに他なりません。 さまざまな事情により、身分証の記載とは、ことなる場所で生活をしている人たちは間違いなくたくさんいます。Aさんもその一人です。警視庁はほぼ同時刻に、Aさんの知人宅にも押しかけて不当捜索を行い、Aさんの物ではない、知人の大切な私物も押収しました。オリパラでやりたい放題の警察の暴挙です。絶対に許すわけにはいきません。 Aさんのところには、いつ何時また出頭を求めて警察が現れるか分からない状態が続いています。また、個人情報のうち、もっともセンシティブ情報といえる生体情報、DNA採取まで強制しようとする、今回の不当捜索の非道さを声を大にして糾弾せずにはいられません。民衆を監視・抑圧することでオリンピック・パラリンピックは成り立っています。反五輪運動を闘う私たちは、今回の不当な捜索を強行した警視庁公安、そしてその求めに応じて唯々諾々と不当な令状を発給した東京地裁裁判官を絶対に許しません。 私たちはAさんへの不当弾圧に徹底的に抗議し、反オリンピック運動つぶしと真っ向から闘います。 持ち去った私物をいますぐ返せ!一切触るな!オリンピック弾圧やめろ!警察公安をオリンピックもろとも解体するぞ!ともに抗議の声を! 2020年2月20日 反五輪の会 NOOLYMPICS 2020 2020「オリンピック災害」おことわり連絡会 **************************************************** ★救援カンパのお願い 反五輪を闘う仲間に対しての不当な弾圧に抗議します! 毛髪やDNA採取の要請など、究極の情報収集はアメリカ型のテロ弾圧とも思えるもの。権力側の並々ならぬ決意を感じますが、私たちはひるまず、断固闘いを継続します。 みんなの力で弾圧を跳ね返そう! 弁護士費用等、救援のためのカンパを呼びかけます。 よろしくお願いします。 カンパ振込先 郵振 00120-7-324492 「オリンピック災害」おことわり連絡会」 「オリンピック弾圧救援カンパ」と明記してください ★今後の取組やその他情報は、 反五輪の会 NO OLYMPICS 2020 (@hangorinnokai) | Twitter 2020年オリンピックおことわり!http://www.2020okotowa.link/ 原文
声明:福島第一原発事故から9年~「オリンピック」で覆い隠してはならない被害の実態 via FoE Japan
「見えない化」される被害2011年3月11日に発生した東日本大震災とそれに続く東電福島第一原発事故から9年が経過しました。しかし、まだ事故は継続しています。広範囲におよぶ放射能汚染が生じ、自然のめぐみとともにあった人々の暮らしは大きな打撃を受けました。原発事故は多くのものを奪いました。生業、生きがい、コミュニティ、友人や隣人と過ごすかけがえのない時間、平穏な日常…。いわば、人が人として生きてきた基盤が失われてしまったのです。「原発はすべてものを奪った。俺らだって今も山には入れない。家にはやっぱり子ども達がいてよ、子ども達と一緒に山に行ってよ、そんで山の物を採ったりよ、いろいろ教えたりそれが当たり前だったから。そんな事、いまは何にもできないから」。飯舘村の元酪農家で、今はそばの栽培に取り組む長谷川健一さんはこう語ります。一方で、「復興」「オリンピック」のかけ声のもとに、放射能汚染や被害の実態が「見えない化」され、健康被害や不安を口にできない空気が醸成されています。「福島は今、オリンピックが最大限に利用され、未だに続く事故の被害や避難者が抱える問題を、うまく可視化できなくしようとしています」と三春町に住む武藤類子さんは指摘します。 避難指示解除と聖火リレー避難指示はどんどん解除されています。3月4日には帰還困難区域の常磐線双葉駅(双葉町)の周辺、5日には大野駅(大熊町)の周辺、10日には、夜ノ森駅(富岡町)の周辺の避難指示が解除されました。3月15日には常磐線が開通し、3月末には聖火リレーが今回解除された地域を通過します。福島県の調査によれば、聖火リレーのコース上や沿道で、毎時0.46マイクロシーベルト(郡山市)、0.77マイクロシーベルト(飯舘村)など、除染基準である毎時0.23マイクロシーベルトをはるかに上回る放射線量が観測されています。また、「ちくりん舎」および「ふくいち周辺環境放射線モニタリングプロジェクト」が、聖火リレー・コースおよびその周辺69か所で行った調査によると、全調査地点中62%で、毎時0.23マイクロシーベルトを上回り、7か所で100万Bq/m2を超える高い土壌汚染を示す地点がありました。これらの地域はすでに避難指示が解除され、人が居住している場所でもあります。あまりに被ばく防護が軽視されているのではないでしょうか。 「これが本当の“復興”?」相次いで避難指示が解除されても、帰還はなかなか進みません。旧避難指示区域の居住率は3割以下にとどまります(復興関連事業の企業関係者、廃炉・除染関係の作業員などを含む)。若い世代が帰還せず、高齢者の1~2人世帯が点在する地域が多い状況です。「近所では次々に家が取り壊されている。もともとのコミュニティの形は跡形もない。これが本当に“復興”なのか」と富岡町に帰還した91歳の男性は語ります。それにもかかわらず、避難者向けの住宅提供などの支援は相次いで打ち切られています。2020年3月には、双葉町と大熊町を除く帰還困難区域からの避難者に対する住宅の無償提供が終了します。対象となる2,274世帯のうち、211世帯については4月以降の住宅確保の見通しはたっていません。福島県が事故当時18歳以下だった人たちに対して定期的におこなう甲状腺検査では、甲状腺がんまたは疑いと診断された人の数は237人、うち手術してがんと確定したのは186人にのぼっています(2020年2月13日までの公表資料による)。しかし、多くのもれがあることがわかっており、甲状腺がんの数や症例は、必ずしもあきらかではありません。福島県が設置した委員会は、一巡目二巡目の検査の結果について「罹患統計などから推定される有病数に比べて数十倍のオーダーで多い」とした上で「事故の影響は考えづらい」などとしています。甲状腺がんが多く見出されている理由として、一部の専門家たちは「過剰診断論」を唱えていますが、手術を行った医師は、多くの患者にリンパ節転移や周辺組織への広がりがみられたとし、いずれも手術が必要な症例であったと述べています。 汚染土の再利用と汚染水の海洋放出除染で発生した汚染土もまた、「見えない化」されようとしています。環境省は1,400万m3とされている汚染土を公共事業や農地造成に「再利用」する方針を打ち出しました。環境省はこの4月から再利用のための施行規則を運用しようといています。しかし、情報公開や住民への説明が十分行われるのか定かではありません。各地で住民たちが反対しています。福島県二本松市の農道でおこなわれるはずだった実証事業は、住民の猛反対で中止されました。環境省は、南相馬市小高区の常磐自動車道の4車線化の盛り土に汚染土を使う実証事業を計画していますが、地元行政区の区長たちが全員反対している状況です。福島第一原発のサイトでは、多核種除去装置(ALPS)で処理した汚染水が増え続けています。タンクはすでに960基で、貯蔵されている処理水は116万m3以上となりました。 これに関しては、大型タンクによる陸上保管やモルタル固化による保管、敷地の拡張などが提案されていたのにもかかわらず、汚染水の取り扱いについて検討を行っていた政府の委員会は、そうした提案を十分検討しないまま、海洋などへの放出が現実的な選択肢だとする報告書をまとめました。 被害者を中心に据えた復興へ現在、除染やインフラ、ニーズが定かではないスポーツ施設や道路などに多額の予算がふりわけられています。一方で、避難者への住宅提供などの支援は打ち切られ、除染以外の被ばく対策はほとんど行われておらず、保養も民間団体が細々と行っているにすぎません。「復興」の名のもとに、避難者「数」を減らし、被ばく影響を否定することによって、原発事故被害者はむしろ追いつめられています。私たちは、日本政府に対して、現在の被害を直視し、原発事故被害者全員への完全な賠償と、被害者の生活再建と尊厳を取り戻す真の復興のための政策を実施することを求めます。私たちはまた、世界中の人たちと手をとりあって、原発事故の惨禍を二度と繰り返さないために、被害者とともに立ち、原発も核もない平和な世界に向けて、歩みを進めたいと思います。以 上国際環境NGO FoE Japan〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9TEL: 03-6909-5983 / FAX: 03-6909-5986 原文とビデオ
「復興五輪」開催が福島の復興作業を遅らせる via Newsweek
[…] 白い防護服に長靴姿の大沼勇治さん(43)は、傷んで雑草がはびこる自宅の前に立ち、あたりを見回しながら、つぶやいた。「住居の墓場に来たみたい」 2011年の東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所からの放射能流出により、壊滅的な被害を受けた福島県双葉町。同町では夏の東京五輪の聖火リレーを想定し、駅前の道路の補修や町中の除染が急ピッチで続いている。 しかし、大沼さんは、その作業を指さし、「ここで(東京五輪の)聖火リレーをやって欲しくない」と話した。原発事故で7000人を超す双葉町民が失ったものを伝えるには、荒廃し、廃墟となった地域も聖火リレーの通過点として含めるべきだ、との思いが大沼さんにはある。 […] 歴史を塗り消そうとしている 日本政府にとって、今夏の五輪は被災地域の再建が順調に進んでいる姿を内外に誇示する機会となる その演出として、今月26日から予定されている東京五輪の聖火リレーは、同原発事故の対応拠点だった福島県沿岸のスポーツ施設「Jヴィレッジ」からスタートする。 東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は2月13日、双葉町を聖火リレーの初日の通過点にすると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から、同委員会は聖火リレー計画の修正を検討しているが、双葉町は通過点として残る見通しだ。 しかし、聖火リレーのスタートが秒読み段階に入った今もなお、「復興五輪」開催への熱気がすべての被災者に共有されているわけではない。双葉町を福島復興の象徴にしようと、その形作りを最優先する政府の姿勢に批判的な見方も少なからずある。 […] 思い起こせば12歳の時、福島原発PRのキャッチフレーズを競う地元のコンテストで優勝した事があった。「原子力 明るい未来のエネルギー」という大沼少年の作品は、双葉町が訪れる人々を歓迎するアーチ広告に大きく描かれた。 その広告板は福島事故の数年後に撤去された。町の歴史を正しく見つめるべきだ、として広告板の存続と一般への展示を主張した大沼さんの訴えは通らなかった。 「この町の歴史がすべて消されているような気がします。修正液で塗った感じがする」と大沼さんは語る。大沼さんは現在、太陽光パネル事業で生計を立てている。 […] 復興作業は後回しに 福島復興を前面に掲げている政府の姿勢とは裏腹に、東京五輪の開催が本当に地域の再建に役立っているのか、という疑問も被災者や住民たちにはある。 福島原発に近い浪江町で飲食店を経営する新妻泰さん(60)は、五輪開催によって工事の人件費や資材コストが上がり、地域の再建プロジェクトは大きく遅れていると指摘する。 「家ひとつ立てるにしても、職人がいないから2年も3年も待たされる」と新妻さんは言う。「こちらは後回しにされているんです」 県の農業や水産業に関与する人々も、政府の対応には批判的だ。 「『アンダー・コントロール』って、何を言ってるんだと思いました」と、同原発から南に50キロ離れたいわき市の漁業協同組合の柳内孝之理事は話す。「復興をネタにオリンピックを勝ち取ったみたいな印象はありますよ」 地元漁業再生への支援を願う柳内さんの思いとは反対に、経済産業省は2月初旬、福島第1原発の汚染水の処理について、海洋放出と水蒸気放出を「現実的な選択肢」とした小委員会の報告を公表した。 同省は今後、地元自治体や漁業関係者などの意見を踏まえて具体的な対策に動く方針だが、柳内さんは風評被害がさらに広がり、地元漁業再生の可能性はさらに打撃を受けると懸念する。 被災者らからのこうした批判に対し、田中和徳復興相は記者会見でロイター通信の質問に答え、東京五輪を念頭に「地域住民に前向きな見方を持ってもらえるよう、関係各県、市町村、各種団体と力を合わせていきたい」と語った。 また、双葉町の伊澤史朗町長は「チェルノブイリと違って、私たちは住民の帰還が目的だ」とし、3月4日の双葉町の避難指示一部解除を「大きな進歩」と述べた。 怒りよりも、あきらめがあるだけ しかし、解除の対象となるのはわずかな面積にとどまっており、困難区域の大半では帰還のめどが立たない状況が続く。 養蜂業を営んでいた双葉町からいわき市に転居し、レストランを開いている小川貴永さん(49)がかつて住んでいた場所は、コンクリートの瓦礫で覆われ、野生のイノシシなどの汚物も散らばる。昔の名残をとどめているのは庭にある小さなカエルの置物程度だ。 昔の友人や近所の人たちがこの町に戻ってくることはないだろうと小川さんは思っている。妻や子供たちを説得できず、ついに住居の取り壊しに踏み切った。 「もう怒りを感じる段階は過ぎました。ひたすら、あきらめがあるだけです」と小川さんは言った。 (編集:北松克朗) 全文
双葉町、4%だけの避難指示解除 大半なお見通せず via 朝日デジタル(Yahoo!ニュースJapan)
東京電力福島第一原発事故で全町避難が続く福島県双葉町で4日、「帰還困難区域」の避難指示が初めて一部解除される。放射線量が高く、立ち入りが厳しく制限されてきた場所だ。ただ今後、解除される予定の面積はわずかで、帰還困難区域の大半では解除の見通しがたたないままだ。 駅とその周辺約5・6平方キロメートルは、放射線量が高い「帰還困難区域」だが、人が住めるよう除染する「特定復興再生拠点区域」に指定されている。ただ4日に避難指示が解除されるのは、駅前広場など拠点区域の3%にとどまる。 住めなくなって9年近くが経つ家並みが広がる。第一原発から北西約4キロにある福島県双葉町のJR常磐線・双葉駅前。14日の全線再開に向けて再建された駅舎の近くで、舗装工事が急ピッチで進んでいた。 駅とその周辺約5・6平方キロメートルは、放射線量が高い「帰還困難区域」だが、人が住めるよう除染する「特定復興再生拠点区域」に指定されている。ただ4日に避難指示が解除されるのは、駅前広場など拠点区域の3%にとどまる。 […] このほか、県内では5日に大熊町、10日には富岡町でも、常磐線の全線再開にあわせて帰還困難区域内の駅や駅前道路などの避難指示が解除される。 ■「故郷喪失の慰謝料」 国は原発事故後、13年8月までに福島県内の11市町村の避難区域を再編し、放射線量が高く、帰還の見通しがたたない地域を帰還困難区域と定めた。全町民約7千人が町外に避難した双葉町では、全体の96%がこの区域となった。 町民には東電から土地や建物の賠償のほか、「故郷喪失の慰謝料」として1人あたり700万円が支払われた。伊沢史朗町長は「(慰謝料を受け取ったことで)もう町には戻れないと考えた住民が多かったかもしれない」と話す。 全文
武藤類子 「福島はオリンピックどごでねぇ」アクションviaひだんれん、脱原発福島ネットワーク
「福島はオリンピックどごでねぇ!」 2020.2.29、3.1 コロナのリスクを考えて随分迷いましたが、この行動は外で行うこと、大人数ではないこと、マスクやアルコールの準備をすることなどで、何とか開催を決めました。 原発事故から9年、今、県内の報道や雰囲気は聖火リレーをはじめとして、オリンピック一色となっています。 オリンピックのために日夜努力を重ねているアスリートがいます。 聖火リレーに希望を託し、懸命に走ろうとしている中学生がいます。 聖火リレーや野球の観戦を楽しみにしている人もいるでしょう。 でも、なぜ私たちがこのようなアクションをせざるを得ないのか。 それは「福島はオリンピックどころではない」と思うからです。 原発事故は収束していますか? 汚染水はコントロールされていますか? 排気筒の解体に、いったい何回人が登ったのですか? 被害者の賠償は、きちんとされましたか? 被害者の生活は元に戻りましたか? 福島の産業は元に戻りましたか? 本当に復興に役立つオリンピックなのですか? アスリートや住民を被ばくさせることは本当にないですか? 多くの問題が山積している中で、福島県民は在住者も避難者も必死で生きています。 皆が原発事故からの本当の復興を望んでいます。 今、この福島で最優先されるべきは何でしょうか。 莫大なお金がこのオリンピック、聖火リレーにつぎ込まれています。さまざまな問題がオリンピックの影に隠され、遠のいていきます。オリンピックが終わった後に、何が残るのかとても不安です。 私たちは、うわべだけの「復興した福島」を知って欲しいのではなく、たった9年では解決できない問題が山積した、とても苦しい、とても大変な原発事故の被害の実情こそを世界の皆さまに、知ってもらいたいです。 今日は「福島はオリンピックどごでねぇ!」と、皆さんで元気に訴えていきましょう。