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Tag Archives: エネルギー政策
[FT]フィリピン、原発計画復活に意欲 via 日本経済新聞
フィリピンは将来の電力供給不足の脅威と戦うために、長年中断していた原子力エネルギー計画を復活させようとしている。台風と地震に見舞われやすい国で、安全性への懸念を呼びそうな展開だ。 アルフォンソ・クシ・エネルギー相は、フィリピンは国連傘下の監視機関である国際原子力機関(IAEA)の安全性やその他の基準を満たすために同機関と協力しており、ロシア、韓国、中国、米国の潜在的な供給源企業を調べていると語った。 「原子力は我々がエネルギーミックスに組み込みたいものの一つだ」。クシ氏はフィナンシャル・タイムズ(FT)紙のインタビューで、こう語った。「フィリピンは安定していて安全かつコストが安い電力源を必要としており、原子力はそれを達成するのに役立つ」 フィリピンはフェルディナンド・マルコス大統領の独裁支配の時代に、マニラに近いバターン半島に原子力発電所を建設した。しかし、一般市民の反対を受け、後継のコラソン・アキノ大統領が1986年に権力を握った時に計画は棚上げされた。 (略) 環境保護団体グリーンピースのフィリピン代表、レア・ゲレロ氏は、「どこに原発を建設しようと、二重の危険がある。核汚染の危険があり、その危険が国の地質条件によって悪化しかねないからだ」と指摘。さらに、活火山が連なり、地震が頻発する環太平洋火山帯に言及し、「我々は『リング・オブ・ファイアー』に入っている」と語った。 新たな関心が生まれた兆しとして、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は10月にモスクワを訪問した際、ロシアの国営原子力企業との間で原子炉技術について協力する趣意書を交わした。 ■韓国の支援も クシ氏によれば、フィリピンは韓国の支援を得てバターン原発を修復することも検討している。完成したが一度も稼働していない元の原発を建設したのは米国に本社を構えるウエスチングハウスで、同社が新しい施設を建設する可能性もある。この点については「確定したことは何もない」と同氏は話している (略) IAEAは昨年、フィリピンに使節団を派遣しており、同使節団はフィリピンには原子力戦略を策定し、安全性その他の問題に対処する「強い決意」があるとの結論を出した。 ■稼働にはもう7~8年か クシ氏は、原発を稼働させるまでには、すべての関連法案が可決した時点から7~8年かかると述べ、フィリピンは石油、石炭、ガス、再生可能エネルギーを含め、原子力以外の電力源も検討していると付け加えた。 一部のアナリストは、他の大型インフラ計画が直面した遅延に加え、コストを理由に、原発計画を遂行するフィリピンの能力に懐疑的な見方を表明している。 (略) By John Reed(2019年12月24日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/) 全文は[FT]フィリピン、原発計画復活に意欲
ドイツ、脱原発「変更ない」=台湾・野党総統候補「見直し浮上」指摘で via フォーカス台湾
ドイツ、脱原発「変更ない」=台湾・野党総統候補「見直し浮上」指摘で 台北中央社)最大野党・国民党の総統候補、韓国瑜氏が29日、総統選に向けたテレビ討論会で、ドイツで2022年までに原発を全廃するとの政策を見直すべきとの声が上がっていると述べた。ドイツの対台湾窓口機関、ドイツ在台協会(GIT)は30日、フェイスブックページを更新し、脱原発の決定に「変更は一切ない」との立場を強調した。 テレビ討論で韓氏は与党・民進党の現職、蔡英文総統からエネルギー政策に関する質問を受けた。韓氏はドイツで脱原発の見直し論が出ているとし、安全が確保されれば建設凍結中の第4原発(新北市)の稼働も辞さないとの姿勢を示した。 GITはフェイスブックで、ドイツは原発比率の引き下げを図ると同時に、再生可能エネルギーの比率を引き上げていくと説明。脱原発は安全を考慮した上での決定だとし、政界関係者や市民の多くが支持しているとした。 (略) 昨年11月に台湾で行われた国民投票で、現政権が目指す25年までの脱原発に反対とする声が多数を占めた。同事務所はこれに言及し、民意を尊重するよう蔡氏に呼び掛けた。 (王承中、顧セン/編集:楊千慧) 全文はドイツ、脱原発「変更ない」=台湾・野党総統候補「見直し浮上」指摘で
独立調査委設置を要請へ 福島第一原発事故で民間団体 via 朝日新聞
脱原発をめざす民間団体「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が20日、東京電力福島第一原発事故について、独立した新たな調査委員会を設置するよう与野党の国会議員に要請すると発表した。原子力規制委員会が10月から事故調査を再開したことを受け、より幅広い調査や検証が必要だと主張している。 国会の取り組みとして新たな調査委員会を設けたうえで、未解明の事故原因の調査のほか、廃炉や使用済み核燃料など原発やエネルギー政策などについて調査や検討を進めることを要請書で求めている。2012年に終了した国会事故調査委員会で集めた資料を公開する仕組みづくりなども求める。 また、規制委に対して、地震によって原子炉の冷却機能が喪失した可能性についても調べ直すよう求めたことも明らかにした。 続きは独立調査委設置を要請へ 福島第一原発事故で民間団体
あすへのとびら 福島原発を行く 再び首をもたげる過信via 信野毎日新聞
晴れた冬の海を望む高台に立った。約100メートル前方には4棟の原子炉建屋が横一列に並ぶ。 「ここも1年前からマスクやヘルメットがなくて済むようになりました」。福島第1原発を案内する東京電力社員の言葉に、作業を重ねる月日への感慨がこもる。 汚染されたがれきの撤去や地面を覆う処理が進み、構内の放射線量は大幅に低下した。今では特別な装備をせずに歩ける場所が全体の96%に及ぶ。 地下水を原子炉に近づけない地中の凍土壁も昨年9月に造成が完了。20キロ南で事故対応の拠点となったJヴィレッジもサッカー施設として営業を再開した。東京五輪の聖火リレーの出発点になる。 強い風を受けていると、鳥の鳴き声のようなけたたましい音にドキリとした。胸の線量計が被ばくの累積を知らせる。低線量とはいえ、あまり長居はできない。 後ろを振り向くと、隙間なく並ぶ巨大なタンク群が見えた。その数、およそ千基。汚染後に浄化処理をした水をため続けている。 それでも放射性物質は残る。原子力規制委は希釈して海洋放出するよう求めるが、地元の反発は強い。2022年夏ごろには敷地内に保管場所がなくなる。 […] <反省と教訓」とは> あの時、ここも危うかった。 原子炉を冷やす水の循環ポンプが水をかぶって動かなくなり、温度や圧力が高まる緊急事態に陥った。4日後に冷温停止したが、一部の電源が生き残る幸運がなければ、第1原発と同じ過酷事故が起きていたかもしれない。 二つの原発の間に、事故の経緯や現状を伝える東電の施設がある。展示資料や社員は「反省と教訓」を繰り返し説く。 東電は事故の根本原因を▽過酷事故対策の不備▽津波対策の不備▽事故対応の準備不足―とし、背後原因を▽安全意識の不足▽技術力の不足▽対話力の不足―と総括している。 施設内のビデオは、こうした「反省と教訓」の上に「比類なき安全を創造し続ける原子力事業者になる」と強調していた。 言い換えれば、技術や意識を高めて原発を再び動かしていく―との宣言だ。 今も4万人超が帰還できない中、東電は新潟県で柏崎刈羽原発の再稼働を目指している。 <根本から擦れ違う> 事故から何を学び、反省し、教訓とするか。その根本から擦れ違っていると感じた。 原発は高度な技術と大量の人員を動員してようやく成立する。ひとたび暴走すれば取り返しがつかない被害を生む現実こそ教訓だ。 反省すべきも想定の甘さではない。何もかも想定し、制御できるという過信だろう。震災も「想定外」を一つ減らしたに過ぎない。犯罪、テロ、事故、火災、水害、竜巻、地震、噴火―。すべてから「安全」だといえるか。 日本の発電量は減少した。再生エネルギーによる発電が増え、原子力は数%にとどまる。このまま原発依存を脱すべきなのに、安倍晋三政権は30年の電源構成に占める原子力の目標比率を震災前に近い「20〜22%」としている。 再び過信が首をもたげている。九州では原発再稼働で電気が余ると、九州電力が再生エネ事業者に発電の一時停止を指示。経済界は新増設の推進まで叫んでいる。 原発へ通じる国道6号から、人けのない店舗や民家が見える。草木が茂る野原はかつての田畑だ。電光掲示板が当たり前のように放射線量をドライバーに伝えている。時間が止まったような荒涼を目にするたび、恐怖の記憶が薄れていた自分に気付く。 再び原発が暴走すれば、すべてが「人災」だ。反省せず、教訓も生かさぬ政治を容認している私たちが「根本原因」なのだから。 (12月15日) 全文
原発調査 住民抗議で作業進まず via NHK山口
中国電力は、原子力発電所の建設を計画している上関町の沖合で、ボーリング調査を始める予定でしたが、計画に反対する地元の住民たちが、漁船で現場の海上に集まっていることから、作業の準備が今も進められない状況です。 上関町では、中国電力が原子力発電所の建設を計画していますが、福島での原発事故以降、予定地となっている海の埋め立て工事が中断されたままです。工事の再開に向け、中国電力は予定地に活断層が無いかを調べるため、沖合およそ200メートルでボーリング調査を行う方針で、今月8日から準備作業に着手しました。しかし、作業を行う海上には、建設に反対している町の離島・祝島の住民が漁船で集まり、抗議を続けています。[…]祝島の住民のひとりは「仕事が許す限り、中国電力が作業をやめるまで、毎日でも漁船で集まろうと思っている」と話し、抗議を続ける考えです。 全文は 原発調査 住民抗議で作業進まず
地質調査の許可、撤回を県に要請 上関原発反対の地元住民などvia共同
[…] 申し入れ書は、県が海でのボーリング調査に必要な許可を出したことを「私たちの不許可の申し入れを無視した不誠実極まる行為」と批判。許可撤回を求め「認められなければ中国電の作業に徹底して抗議を続ける」とした。県は「調査は事業者自らの判断と責任により行われると認識している。撤回することは考えていない」と回答した。 全文
フランスが再び原発に注目、突然の方針変換はなぜ? via MIT Technology Review
by James Temple フランス現地メディアが、フランス政府が大手電力会社に大型原子炉6基の建設計画を策定するよう指示したと報じた。フランスは原子力発電大国だが、福島第一原発の事故以降の世論に押されて縮小を表明していただけに、政府の突然の方針転換に驚きの声があがっている。 原子力分野からの後退を表明して数年たった現在、フランスが突如6基の大型原子炉を建てようとしている。 10月14日に仏ル・モンド紙は、主要な国営エネルギー会社であるフランス電力(EDF)に対し、フランス政府が3つの原子力発電所の新造計画を策定するように指示したと報じた。各発電所は、EPR(欧州加圧水型炉)を2基ずつ備える。この第3世代の原子炉は150万人分の電力を生み出し、事故が発生すると自動で停止して冷却する。 (略) カーネギーメロン大学の原子力研究者であるジェシカ・ラブリング研究員によれば、フランスは2030年までに、老朽化した約15基の原子炉を停止する計画だ。したがって原子炉を6基建設しても、国内の原子力発電所で作られる電力の割合が必ずしも増えるわけではない。電力需要が今後数年間で増えるとなれば、なおさらだ。 一方で、フランスが今年の夏に、2050年までのカーボンニュートラル(炭素中立)達成を誓ったばかりであることに注目するエネルギー専門家もいる。この取り組みは経済全般にわたる。つまり電力分野のみならず、農業や輸送、重工業などでも気候汚染を削減する必要があるということだ。したがって政府は現時点で排出ガスがゼロの電力を失いたくないのだろう。さらに、原子力発電所は、重要な産業プロセスの動力として利用できる熱も生み出す。 それでもフランスが、初期費用や開発リスクを大きく削減できる可能性のある小型のモジュラー型原子炉ではなく、大型のEPRを推し進めようとしていることに驚く声も上がっている。 全文はフランスが再び原発に注目、突然の方針変換はなぜ?
玄海原発の差し止め認めず 住民側の即時抗告退ける 福岡高裁 via 西日本新聞
九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)を巡り、周辺住民らが九電に運転差し止めを求めた仮処分の即時抗告審で、福岡高裁(山之内紀行裁判長)は25日、差し止めを認めなかった昨年3月の佐賀地裁決定を支持、住民側の即時抗告を退けた。 即時抗告したのは、「原発なくそう!九州玄海訴訟」のメンバー約70人。 (略) 昨年3月の佐賀地裁決定は「阿蘇カルデラが破局的噴火直前の状態ではないとした九電の判断は不合理とはいえない」と判断。避難計画も適切として申し立てを却下した。(鶴善行) 全文は玄海原発の差し止め認めず 住民側の即時抗告退ける 福岡高裁
原発の今と放射能考えて アバンセで脱原発パネル展 via 佐賀新聞
佐賀市天神のアバンセで「脱原発パネル展」が開かれている。「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」が、原発の今と放射能について考えてもらおうと企画した。15日まで。 福島原発事故の現状や放射能が人体に及ぼす影響、玄海原発に計画されている使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設などを伝えるパネル約130点を展示している。 (略) 同会事務局長の永野浩二さん(47)は「『次の世代に問題を押し付けていいのか』という疑問を一緒に考えて、それぞれが声を上げることにつながれば」と来場を呼び掛けている。 全文は原発の今と放射能考えて アバンセで脱原発パネル展
(取材考記)6時間の大作劇「福島三部作」 「夢の原発」が暗転、半世紀映す 藤谷浩二 via 朝日新聞
3部作を通しで見ると上演時間だけで計6時間。そんな大作劇がこの夏、話題を呼んだ。 劇作家の谷賢一さん(37)が主宰する劇団ダルカラードポップで上演した「福島三部作」だ。東京電力福島第一原発のある福島県双葉町を舞台に、3兄弟を主人公に人々の暮らしや心情の変化をつぶさに描いた。母の故郷の福島で幼少期を過ごし、父が原発でも働いた技術者だった谷さんにとって、避けられないテーマだった。 劇中を流れる時間は半世紀。第一部(1961年)では東大で物理学を学ぶ長男の帰省と、行政や東電による原発立地計画が描かれる。第二部(86年)では原発反対派から容認に転じて町長に当選した次男が、チェルノブイリ原発事故をどう説明するか苦悶(くもん)する。 経済成長や便利さこそが善という原発に託した夢が一挙に暗転する第三部が切実だ。2011年末、三男が報道局長を務める地元テレビ局が被災者の声を丹念に集める。「原発以上に私たちを苦しめたのは、人間だ。人間の放つ悪意、差別、風評被害……」。谷さんが福島で長期間取材を重ね、聞き取った言葉を中心に構成した。 (略) 東京と大阪という電力の大消費地で通し上演し、福島県内でも昨年と今年で3部全てを上演する大プロジェクトは7、8日のいわき公演で幕を閉じた。「題材をお借りした福島に筋を通したかった。内容の正確性が当事者にさらされるのも大事だと思う」と谷さん。 11月には戯曲が刊行される。経済的な負担もあり再演は当面難しいそうだが、俳優たちの好演や3部それぞれに異なる谷さんの演出で戦後日本の移ろいを映した真摯(しんし)な舞台を、いつかまた見たい。 (編集委員) 全文は(取材考記)6時間の大作劇「福島三部作」 「夢の原発」が暗転、半世紀映す 藤谷浩二