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米高速炉に協力 破れた「もんじゅ」の夢託す日本 実用化に高い壁 via 毎日新聞

米国の企業による次世代の原発「高速炉」の開発計画に、文部科学省が所管する日本原子力研究開発機構や三菱重工業などが技術的に協力することになった。原子力機構など4者は26日、協力に向けた覚書を交わした。米国で2028年の運転開始を目指すが、日本やフランスでは開発が行き詰まっており、実用化は不透明だ。  高速炉の実用化を目指しているのは、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏らが設立したベンチャー企業「テラパワー」(ワシントン州)。テラパワーは24年、米国西部のワイオミング州で高速炉(出力34万5000キロワット)の建設を始める計画を立てている。  既存の原発では核燃料に中性子という粒子を当て、核分裂を連鎖的に起こして熱を得る。高速炉ではさらに速く中性子を当てるので、より効率的な核分裂反応が起きる。既存の原発では原子炉を冷やすのに水を使うが、テラパワーの原子炉では中性子を減速させにくい液体のナトリウムを使用。稼働中に発生した熱を蓄える装置も付け、電気の出力を細かく調整することができるようにする。  一方、日本にはトラブル続きで現在は廃炉作業中の「もんじゅ」(福井県)や、07年5月から止まったままの実験段階の炉「常陽」(茨城県)というナトリウムを使った高速炉があり、原子力機構にはこれらの運転実績がある。三菱重工は、常陽ともんじゅの開発や建設などに携わった。さらに茨城県には、ナトリウムを使う機器を試験する原子力機構の施設もある。 (略)  その中で同省は20年10月、先進的な原子炉の建設費用を補助する「先進的原子炉設計の実証プログラム」として、テラパワーの高速炉開発などを支援することを発表した。テラパワーの高速炉の建設費は約40億ドル(約4600億円)とみられ、このプログラムなどより15億ドル(約1700億円)以上を支援する方針だ。  今回の覚書に携わる日本側の関係者は「テラパワーにとって、米政府が補助してくれるのは大きい。これで利益が見込めると判断したのでは」と話す。「(原子力分野で中国やロシアが台頭する中)このプログラムは、米国が世界のリーダーとして復権することを、強く意識したものだ」と見ているという。 米国側からの協力の打診に、日本側では期待感が高まる。テラパワーの高速炉は、もんじゅよりも実用的なタイプの炉になる。「開発がうまくいけば先進的なデータを得られることが期待でき、人材育成の観点からも大きい」。日本側の関係者はそう解説する。  一方、三菱重工は70年代から常陽、もんじゅの開発や製作、建設などの国家プロジェクトに参画してきた。07年に高速炉の研究開発などを専門に手がける「三菱FBRシステムズ」(東京都)を設立し、21世紀半ばの運転開始を目指して国内実証炉の開発を進めている。 (略) 三菱重工は今回の日米協力を「国内実証炉の開発に資する開発・設計の場」と位置付ける。具体的な協力項目は、高速炉に特有の炉心・燃料、制御棒などの炉内機器、原子炉容器などを念頭に今後検討する。同社は「米国は93年に実験炉を閉鎖して以降、高速炉の設計や建設の経験がなく知見が乏しいと推定され、当社の実績や知見が期待されている」としている。 見通せない「日本への見返り」  液体ナトリウムを利用したテラパワーの高速炉は、28年の完成を目指している。日本では、同じナトリウムを使った「もんじゅ」の開発に1兆円超の税金を投じながら頓挫している。実用化に向けたハードルは相当高い。  ナトリウムは空気中の酸素や水に触れると発火したり爆発したりする性質があり、取り扱いが難しい。もんじゅは1995年、初めて発電に成功したが、その後はナトリウム漏れ事故などトラブルが相次いだ。わずか250日の稼働実績しか残せないまま、16年に廃炉が決まった。フランスでも、原子力・代替エネルギー庁が費用対効果が見込めないことなどから、日本が共同開発を模索していた高速炉の建設を断念することを明らかにした。  それでも日本政府は、高速炉の研究開発で諸外国と連携、協力する方針を打ち出している。「米国やフランスなどと国際協力を進めつつ、研究開発に取り組む」「もんじゅで培われた知見、技術は、将来の研究開発で最大限有効に活用する」。21年10月に公表したエネルギー基本計画では、そううたっている。 (略) 鈴木教授は「今回の日本側の協力が技術的な観点から価値のあるものになるかは、実際に設計や建設にどこまで深く携われるかにかかっている」と指摘した。  明治大の勝田忠広教授(原子力政策)は「米国と日本では予算や研究の規模が全く違う。協力することで、研究レベルで多少の知見は得られるだろう。ただ、発電コストや地理的条件などを考えると、今回の協力がすぐに日本の高速炉開発の促進につながるとは思えない」と話した。【岡田英、吉田卓矢、井川諒太郞】 全文は米高速炉に協力 破れた「もんじゅ」の夢託す日本 実用化に高い壁

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【見えぬ廃炉 第二原発】県外搬出めど立たず 原子力政策行き詰まり 使用済み核燃料 via 福島民報

東京電力福島第二原発1~4号機の全基廃炉は、県と立地町の事前了解により、今月下旬にも始まる。ただ、使用済み核燃料を再処理して使う国策「核燃料サイクル政策」は高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉とプルサーマル発電の低迷で実質的に破綻しており、東電が確約する「使用済み核燃料の県外搬出」のめどは立たない。国策民営による原子力政策の行き詰まりが、二〇六四年度とされる廃炉完了を不透明にしている。  楢葉、富岡両町にまたがる福島第二原発の中央制御室。運転員は十九日も1~4号機の使用済み核燃料プールにある使用済み核燃料について冷却監視を続けた。四カ所のプールにある核燃料は約一万体。一カ所平均二千五百体という数だ。プールの水温を約三〇度に保ち、安定的な冷却を維持している。  東電は使用済み核燃料約一万体の半数ほどを敷地内に新設する乾式貯蔵施設で保管する方針だ。 (略) 福島第二原発では廃炉着手六年後から毎年六百体をプールから乾式に移す。乾式貯蔵施設が満杯になるのは廃炉着手から十四年後になるが、その後の県外搬出について東電担当者は「決まっていない。乾式貯蔵施設の増設も含め、廃炉を進める中で検討する」と曖昧な言い回しに終始する。乾式貯蔵は一時しのぎの対策に過ぎず、「トイレなきマンション」と呼ばれる原子力発電の根本的な問題解決にはなっていないのが実情だ。  使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムを取り出して再利用する核燃料サイクル政策は、順調に進んでいるとは言いがたい。青森県六ケ所村に整備中の日本原燃の再処理工場は稼働時期も定まっていない。東電と日本原子力発電の共同出資会社が青森県むつ市に設けた使用済み核燃料の中間貯蔵施設は二〇二一年度の操業開始を計画しているが審査などが続くため、開始時期は見通せない。さらに、むつ市は事故を起こした福島第一原発や、廃炉が決まった福島第二原発の燃料搬入に難色を示している。  使用済み核燃料の再処理で生じる廃液は高レベル放射性廃棄物(核のごみ)として、ガラスと混ぜた固化体として管理される。最終処分場選定に向けた文献調査を北海道の一部自治体が受け入れたが、住民からは否定的な意見も多く、作業は緒に就いたばかりだ。 (略) 核燃サイクルの先行きが見通せないため、東電も具体的な県外搬出計画を打ち出せる状況にはない。小早川智明社長は十六日、内堀雅雄知事から廃炉の事前了解を得た際、「使用済み核燃料は廃止措置終了までに県外に搬出する方針だ」と述べるにとどめた。  県原子力対策監の高坂潔氏は「使用済み核燃料の問題をどうするか、東電は当事者として政府に働きかける責任がある。政府任せにせず、全国の電力会社とともに根本問題の解決に汗を流すべきだ」と指摘した。 全文は【見えぬ廃炉 第二原発】県外搬出めど立たず 原子力政策行き詰まり 使用済み核燃料

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ふげん使用済み燃料契約「解消を」 行政事業レビュー、原子力機構 無駄遣い次々指摘 via東京新聞

日本原子力研究開発機構の税金の使い方を議論した14日の行政事業レビューでは、機構OBが役員を務めていた「ファミリー企業」との契約の改善が形骸化している実態や、無駄遣いが次々と指摘された。特に、新型転換炉ふげん(福井県敦賀市、廃炉中)の使用済み核燃料をフランスに搬出する準備のための130億円超の契約については、「解消も含め検討を」と見直しを求められた。(宮尾幹成) […] ◆地元向けポーズ  レビューでは旧ファミリー企業にとどまらず、ふげんの使用済み核燃料を巡る契約も取り上げられた。 機構は、使用済み核燃料の搬出容器の設計などを検討するため、フランスの原子力企業「オラノ・サイクル」と133億円の契約(18年10月~22年3月)を結んだ。フランスに輸送し再処理することを想定したものだが、そもそも核燃料を海外搬出することも再処理するかどうかも、政府の方針は白紙の段階。再処理を前提とした支出は無駄になる可能性がある。 使用済み核燃料は466体が今もふげんの敷地内に残る。これまでに265体が東海再処理施設(茨城県東海村)に移されたが、同施設の廃止により中断した。福井県、敦賀市とは26年度までの県外搬出を約束しており、準備費の計上を続けることで、搬出先を探している地元向けポーズのように映る。河野太郎行政改革担当相は「非常に無責任だと言わざるを得ない」と批判した。 有識者らは「より安全でコストの低い方策を求める必要がある」として、容器製造の国内メーカーへの変更や、使用済み核燃料の国内貯蔵などを検討するよう求めた。 高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の関連施設で、20年以上にわたって工事が中断している「リサイクル機器試験施設(RETF)」(茨城県東海村)にも指摘があった。もんじゅ自体の廃炉が決まったのに、年間9000万円の維持費が今もかさんでいる。 […] 全文

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原発止めた裁判官たち(上) via 47 News

竹田昌弘 共同通信編集委員(憲法・司法・事件) 共通点は司法行政担当せず、17日広島高裁決定で7件に  原発など原子炉施設の運転を差し止めた司法判断は、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)を巡る1月17日の広島高裁決定で計7件となった。内訳は訴訟の判決3件(地裁2件、高裁1件)、仮処分の決定4件(地裁、高裁各2件)で、7件のうち5件は2011年の東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)事故以降に相次いでいる。それぞれどのような内容で、どんな裁判長による判断なのか。何か共通点はあるのだろうか。(共同通信編集委員=竹田昌弘)  ■行政庁判断に不合理、安全審査に過誤や欠落あれば違法   原子炉施設の地元住民らは1973年以降、地震、火山、津波に対する安全性を欠くなどとして、国の原子炉設置許可取り消しや無効確認を求める行政訴訟のほか、電力会社に運転の差し止めを求める民事訴訟やその民事訴訟の結論が出るまでの一定期間、原発の運転を差し止める仮処分を申し立ててきた。こうした裁判は福島第1原発事故の前に十数件あり、事故後は50件近くに上っている(脱原発弁護団全国連絡会のホームページなどによる)。  一連の裁判では、最高裁が伊方原発1号機原子炉設置許可取り消し訴訟の上告審判決(92年10月)で示した、次のような判断の枠組みが使われてきた。   ①裁判所の審理と判断は、原子力委員会や原子炉安全専門審査会(現・原子力規制委員会)の専門技術的な調査審議と判断を基にしてなされた、行政庁の判断に不合理な点があるか否かという観点から行われるべきだ。   ②現在(原子炉の設置許可当時ではない)の科学技術水準に照らし、調査審議で用いられた具体的審査基準に不合理な点がある場合、あるいは、原子炉施設が具体的審査基準に適合するとした原子力委員会や原子炉安全専門審査会の調査審議と判断の過程に看過しがたい過誤、欠落があり、行政庁の判断がこれに依拠してなされたと認められる場合には、行政庁の判断に不合理な点があるものとして、この判断に基づく原子炉設置許可は違法と解釈すべきだ。   ③行政庁の判断に不合理な点があるとの主張、立証の責任は、本来原告が負うべきだが、原子炉施設の安全審査に関する資料を全て行政庁の側が保持していることなどを考慮すると、行政庁の側でまず判断に不合理な点のないことを相当の根拠、資料に基づき主張、立証する必要がある。行政庁が主張、立証を尽くさない場合には、行政庁の判断に不合理な点があることが事実上推認される。   ④原子炉設置許可段階の安全審査では、その安全性にかかわる事項全てを対象とするのではなく、その基本設計の安全性にかかわる事項のみを対象とする。  ■設置許可は無効、初めて止めたもんじゅ控訴審   最高裁は伊方1号機の判決で、原子炉等規制法に設置許可の基準が定められている目的は「災害が万が一にも起こらないようにするため」としつつ、①~④の判断の枠組みに基づき、原子力委員会などに専門技術的な裁量を広く認め、行政庁の判断に不合理な点はないと結論付けた。この判断の枠組みは各地の行政訴訟で踏襲されただけでなく、民事訴訟でも②や③が応用して使われ、電力会社の安全対策に看過しがたい過誤、欠落はないなどとして住民側の敗訴が続いたが、2003年1月、核燃料サイクル開発機構(現・日本原子力研究開発機構)の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の周辺住民らが原子炉設置許可の無効確認を求めた行政訴訟で、初めて原子炉施設の運転を止める判決が出た。   もんじゅの訴訟は、2000年3月の一審福井地裁(岩田嘉彦裁判長)が伊方1号機訴訟の最高裁判決と同様、専門技術的な裁量を認め、住民側の請求を棄却したが、名古屋高裁金沢支部の控訴審判決では、川崎和夫裁判長が原子炉の安全審査には②の「看過しがたい過誤、欠落」があり、放射性物質が外部に漏れる具体的危険を否定できないなどとして、設置許可を無効とした。   もんじゅはプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使い、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出すとされた原子炉。1995年12月、2次冷却系で配管内側の温度計が破損し、冷却材のナトリウム約640キロが漏れて火災が起きた。川崎裁判長が安全審査の「看過しがたい過誤、欠落」と認定したのは、▽漏れた高温のナトリウムがコンクリートの床に置かれた鋼鉄板(床ライナ)を腐食し、ナトリウムとコンクリートが直接接触して大量の水素が発生したり、コンクリートが崩壊したりする可能性、▽蒸気発生器内でナトリウムと水が接触すると、伝熱管が連続して破損するおそれ、▽ナトリウムの沸騰から核反応が制御不能となり、炉心崩壊事故に至る危険性―の三つだった。これらはナトリウム漏れ事故とその後の燃焼実験などで判明した。   川崎裁判長は1946年生まれ。72年に裁判官となり、宇都宮地裁、公害等調整委員会(検事の身分で審査官補佐)、東京地裁、秋田地裁大曲支部(支部長)、東京家裁、同家裁八王子支部(裁判長)、水戸地裁(同)などを経て、2000年から名古屋高裁金沢支部に所属。01年には支部長に昇格し、もんじゅ判決後の03年12月、熊本家裁所長へ転じた。05年3月に依願退官(公人社「全裁判官経歴総覧第五版」による)。   その2カ月後の05年5月、高裁金沢支部判決は最高裁第1小法廷(泉徳治裁判長)で破棄され、住民側敗訴が確定した。最高裁は判断の枠組み④により、安全審査の対象とされた「基本設計の安全性にかかわる事項」とは、原子力安全委員会(現・原子力規制委員会)の科学的、専門技術的知見に基づく意見を十分に尊重して行う、主務大臣の合理的な判断に委ねられていると指摘。高裁金沢支部が「看過しがたい過誤、欠落」と認定した床ライナの問題は基本設計の安全性にかかわらない事項であり、伝熱管破損事故やナトリウムの沸騰を想定した解析内容や結果の審査、評価にも不合理な点はないなどとする国の主張を認め、原子炉設置許可は適法と判断した。   高裁金沢支部はナトリウム漏れ事故で欠陥が判明したことから、事故を起こした原子炉の設置許可はやり直すべきだと判断したのに対し、最高裁は基本設計の安全性にかかわる事項ではないなどとして、もんじゅのプロジェクトを救済した。しかし、もんじゅでは、10年に炉内装置の落下事故が起こり、12年には機器点検漏れも発覚した。1983年に設置が許可され、1兆円を超える国費が投じられてきたが、運転したのは250日にとどまり、政府は16年12月、廃炉を決めた。最高裁の判断次第では、傷がここまで深くなる前に廃炉にできたのではないだろうか。  ■耐震性に問題、人格権に基づき志賀2号機差し止め   原子炉施設の運転を止めた2件目は06年3月、北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)の地元住民らが起こした民事訴訟の判決だった。金沢地裁の井戸謙一裁判長は、まず個人の生命、身体が侵害される具体的危険がある場合、その個人は人格権に基づき侵害行為の差し止めを求めることができると認めた。   その上で、志賀2号機は1981年に原子力安全委員会が決定した耐震設計審査指針(耐震指針)に基づき、安全審査に合格したが、この耐震指針はどちらもマグニチュード(M)7・3の阪神大震災(95年)と鳥取県西部地震(2000年)、M7・2の宮城県沖の地震(05年)など、新たな地震や研究成果を反映しておらず、想定を上回る揺れも観測されているので「妥当性がない」と判断。政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会が志賀原発近くの邑知潟(おうちがた)断層ではM7・6の地震が発生する可能性を指摘しているのに、考慮されていないなどとして、地震によって事故が起きる具体的危険を認定した。さらに「想定を超える地震が起きた場合、さまざまな故障が同時に発生する可能性が高く、多重防護が有効に機能するとは思えない。炉心溶融事故の可能性もある」として、運転を差し止めた。   金沢地裁判決では、最高裁が示した判断の枠組み②の「現在の科学技術水準に照らし」を踏まえて安全審査の不合理性を認め、③の安全性に関する資料を持つ側の立証責任も活用し、北陸電力が十分反証できなかったことも重視した。   井戸裁判長は1954年生まれ。79年に任官し、神戸地裁、神戸家裁、甲府地裁、福岡家裁小倉支部、大津地裁彦根支部、大阪高裁、山口地裁宇部支部(支部長)、京都地裁などに勤務。2002年から金沢地裁の裁判長を務め、志賀2号機判決後の06年4月、京都地裁の裁判長に異動した。福島第1原発事故が起きた11年3月、大阪高裁判事を最後に依願退官し、弁護士(滋賀弁護士会所属)となる。どちらも関西電力の高浜原発3、4号機(福井県高浜町)や大飯原発3、4号機(福井県おおい町)などの差し止め訴訟や仮処分の代理人を務めている。19年に発覚した関西電力役員らの金品受領問題では、八木誠前会長らに対する告発の代理人となったほか、滋賀県東近江市の湖東記念病院で03年、人工呼吸器を外して男性患者を殺害したとして殺人罪に問われ、服役後に再審開始が決定した元看護助手の弁護団長でもある(全裁判官経歴総覧第五版と共同通信配信記事による)。  ■「同様の司法判断続かず、福島第1原発事故に」   井戸さんは退官直後の共同通信の取材に対し、志賀2号機訴訟の判決について、次のように語っている。   「住民側の利益と公共的な利益の比較が一つのポイントだった。電気は公共の財産。運転差し止めで一企業の経済的利益を超え、地域経済に悪影響を与えるのならば、住民の利益を制限せざるをえない場合もあり得る。一方、原発事故が起きて被ばくするのは、当然住民にとって我慢の限度を超える事態。訴訟では住民側が具体的危険を主張するのに対し、電力会社が十分に反証できなかった。住民の利益は生命、身体なのだから、公共性を考えたとしても、一企業の経済的な利益より優先される。住民への具体的危険は受忍限度を超えると結論付けた」   「社会的反響はもちろん予想していた。長年難航していた耐震指針の見直し作業は判決後加速し、06年秋には、基準を強化した新指針に改定された。判決には、それなりに意味があったのかなとは思っていた。しかし、東日本大震災で福島第1原発事故が起きた。個人的意見だが、津波について警告している学者もいたのに、耐震指針の見直し作業で津波の問題も含めて十分安全側に立った結論にならなかったことが、福島の事故に結び付いたように思える。残念だ」   井戸さんは19年8月のインタビューでは「(金沢地裁の判決と)同様の司法判断は続かず、結果的に東日本大震災前の差し止め判決は1件だった。司法の流れを変えられなかった。原発事故は万が一にも起こしてはならず、どんなに小さな可能性だとしても、対処することが必要だ。東電は福島第1原発の防潮堤かさ上げまでは決断できなかったとしても、原子炉を冷やすための非常用電源をより高い場所に設置するなどの次善の策があったはずだ。結局何もしておらず、安全神話に毒されていたと思う。(弁護士として原発裁判を続けているのは)経験も知識もある者として、果たすべき責任がある。あれだけの事故があったのに原発にしがみつく国の姿勢は変わらない。経済的な合理性から見ても、原発に未来はなく、直ちに脱原発に向かわなければならない。司法への期待を捨てず、やれることをやろうと思う」と話している。  […]   原子炉施設を止めた、もんじゅ訴訟控訴審の川崎さん、志賀2号機訴訟の井戸さん、大飯3、4号機訴訟の樋口さんの3人には、最高裁事務総局で裁判所の管理・運営など「司法行政」を担当したことがないという共通点がある。井戸さんと樋口さんは東京勤務が一度もなかった。(続く) 全文

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もんじゅ廃炉、陰りゆく地元経済 国は「協力地」を見捨てるな=近藤諭(福井支局敦賀駐在)via 毎日新聞

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉作業の工程を定める廃炉計画が昨年12月、原子力規制委員会に申請された。7月には日本原子力研究開発機構が燃料取り出しを始める見通しだ。もんじゅ廃炉を巡っては、国の決定から計画申請まで1年かかった。政府サイドからは「見返りの地域振興策を求める地元側との折り合いがつかなかった」と、長引いた責任が地元(福井県、敦賀市)にあるかのような見方が示された。しかし、国の突然の廃炉方針に地元がついていけなかったのだ。廃炉が立地地域の切り捨てになるのはおかしい。 […] 国は原発の使用済み燃料を再処理して活用する核燃料サイクルを国策とする。「使った以上の燃料を生み出す夢の原子炉」とされたもんじゅは、その中心施設として85年に着工。敦賀では関連交付金約24億円を投入した温泉施設「リラ・ポート」なども建設された。しかし、現在、市街の商店街は活気が失われ、関連交付金は地元の頼みの綱となっている。電力消費地の大都市では分からないかもしれないが、今も「国策への協力」を誇りに思う人は多い。  95年にナトリウム漏れ事故を起こし、その後、不祥事が相次いでも地元から「もんじゅ廃炉」を持ち出すことはなかった。国も地元が反旗を翻すことはないと甘え、おざなりな説明を続けてきたように見える。そんな歴史から、廃炉が現実になると地元側は思っていなかった。16年夏、「廃炉も含めて検討」との報道が出た際、市幹部は「国から説明がない」といらだった。渕上隆信市長は同年9月に上京し、文部科学省や経済産業省に存続を訴えた。だが、国が「廃炉も含めた抜本的な見直し」を提示したのはその翌日。渕上市長は「ばかにされている」と憤った。同年12月、国は廃炉を正式決定。地元には、国側から切り捨てられたように見えた。  廃炉が国のペースで進むことに危機感を覚えた西川一誠知事と渕上市長はすぐには廃炉を容認せず、地元との協議継続を要求。西川知事が「やむを得ない」と表明したのは半年後の17年6月。同8月9日には、林芳正文科相らに廃炉を巡る安全確保の徹底と12項目の地域振興策を求めた。しかし、林文科相は「今月末に廃炉計画を提出する予定」と述べた。「要請内容を検討もしないうちに、計画提出のスケジュールを持ち出すのか」と再び地元は憤った。 要請への回答、具体性乏しく  結局、国はその後、12項目要請に一部応える形での支援を約束した。もんじゅ構内に新設する試験研究炉の調査・検討費として新年度予算案に2000万円を計上。廃炉についての連絡協議会を設置し、地元が意見を言える体制も整った。 […]  12項目要請には北陸新幹線の整備促進などもんじゅとは直接関係がない要求も並ぶ。だが、私はそこに「切り捨てられる」という不信感や将来に対する不安の裏返しを見るのだ。原発依存からの方向転換や脱却が簡単ではないのは、他の立地地域の状況からも明らかだ。12項目要請に対する国の回答は「支援を検討」「必要な助言等を実施」といった抽象的なものが多かった。水素エネルギー関連のインフラ整備もうまくいくかはわからない。いくつかの未来図が必要だが、なぜ、その助言を含めた回答をしないのか。  国は半世紀にわたって、地元が原発に依存するよう導いてきた。その責任は重いのだから、廃炉の時こそ真摯(しんし)に地元と向き合う必要がある。今の仕組みをソフトランディングさせ、新たなまちづくりへと離陸できるようにしなくてはならない。 全文

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原発MOX燃料が高騰 99年最安値から5倍に via 東京新聞

原発で使うウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の価格が、一体当たり十億円を超え、国内で導入を始めた一九九九年の最も安かったケースに比べ約五倍に高騰していることが、財務省の貿易統計などから分かった。MOX燃料は毒性の強いプルトニウムを含み加工が難しいため、製造を海外メーカーに依存した結果、価格が高騰したとみられる。  国の核燃料サイクル政策では、原発の使用済み燃料は再処理し、取り出したプルトニウムをMOX燃料に加工して再利用する。プルトニウムは核兵器に転用可能なため、余剰分は持たないのが国際公約だが、消費手段は現状ではMOX燃料だけ。同政策の維持のためには価格が高騰しても一定量、使用する必要があり、電力利用者ら国民の負担となっている。 […] 電力各社はMOX燃料の価格を公表せず、輸入した数のみを明らかにしている。関係者によると、価格には厳重な警備の費用や輸送料、保険料なども含まれている。  MOX燃料は、使用済み燃料をフランスのメーカーに委託して再処理後、輸入している。プルトニウムの加工などが必要なため価格はウラン燃料より数倍以上高いとされ、これまでも経済性が疑問視されてきた。電力関係者は「価格交渉の余地がなく、値上げされれば従うしかない」と説明する。日本原燃の再処理工場(青森県)は相次ぐトラブルで完成の見通しが立っていない。  MOX燃料は本来、エネルギーの自給自足を目指す核燃サイクルの軸となる高速増殖炉用の燃料だった。しかし、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)は廃炉が決定。消費手段はプルサーマル発電しかないのが実情だ。 <プルサーマル発電> 原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランを取り出し、混合酸化物(MOX)燃料に加工して再び原発で利用する発電方法。制御棒の効きが悪くなる懸念があるほか、使用済みMOX燃料の処分方法も未定など課題が多い。2009年に国内で初めて九州電力玄海3号機(佐賀県)で導入され、四国電力伊方3号機(愛媛県)、東京電力福島第一の3号機(福島県)などが続いた。   全文

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核燃料の取り出し、慎重に審査 もんじゅ廃炉で規制委員長 via 東京新聞

     原子力規制委員会の更田豊志委員長は6日の記者会見で、日本原子力研究開発機構が申請した高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)の廃炉計画について「核燃料の取り出しは簡単ではない」と述べ、計画を慎重に審査する姿勢を示した。審査期間の見通しには触れなかった。 計画では作業の第1段階となる燃料取り出しを2022年度までに終えるとしたが、「期間をきちんと守れるか計画を見ていく」と指摘した。 燃料を取り出した後は原子炉の冷却材に使われているナトリウムを抜き取る。「ナトリウムを取り出す経験は、世界的に見てもあまり例がない」とし、認可後も作業を監視すると強調した。   原文

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<もんじゅ設計>廃炉想定せず ナトリウム搬出困難 via 毎日新聞

廃炉が決まっている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっていると、日本原子力研究開発機構が明らかにした。放射能を帯びたナトリウムの抜き取りは廃炉初期段階の重要課題だが、同機構が近く原子力規制委員会に申請する廃炉計画には具体的な抜き取り方法を記載できない見通しだ。 通常の原発は核燃料の冷却に水を使うが、もんじゅは核燃料中のプルトニウムを増殖させるため液体ナトリウムで冷やす。ナトリウムは空気に触れれば発火し、水に触れると爆発的に化学反応を起こす。もんじゅでは1995年にナトリウムが漏れる事故が起き、長期停止の一因になった。 […] 運転を開始した94年以来、原子炉容器内のナトリウムを抜き取ったことは一度もない。 原子力機構幹部は取材に対し「設計当時は完成を急ぐのが最優先で、廃炉のことは念頭になかった」と、原子炉容器内の液体ナトリウム抜き取りを想定していないことを認めた。炉内のナトリウムは放射能を帯びているため、人が近づいて作業をすることは難しい。 […] 【ことば】高速増殖原型炉「もんじゅ」 プルトニウムとウランの混合酸化物を燃料に、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出す原子炉。出力28万キロワット。原型炉は実用化までの4段階のうちの2段階目。1994年に運転開始したが、95年に2次冷却系のナトリウムが漏れる事故が発生し、長期運転停止。その後も点検漏れなど不祥事が相次ぎ、約250日しか稼働しないまま昨年12月に政府が廃炉を決めた。     全文

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もんじゅ廃炉「急かしてはいけない」 規制委員長に知事が注文 via 中日新聞

[…] 西川知事との面談では、知事がもんじゅの廃炉作業などに言及。早期の燃料取り出しを求める規制委の姿勢に対し、六月に茨城県東海村で起きた被ばく事故に触れて「急かしてはいけない」と述べ、くぎを刺した。田中委員長は「大型高速炉の心配は臨界事故なので、早く燃料取り出しをお願いしている。十分注意深くやっていきたい」と応じた。  このほか、知事は原子力の人材育成への協力や各原発の状況を把握するための人員体制の充実化、国民への丁寧な説明などを求めた。田中委員長は「持ち帰って共通の認識にするよう引き続き努力したい」と述べた。 (中崎裕、山谷征裕) 全文

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もんじゅ 廃炉、課題山積 どうする液体ナトリウム /福井 via 毎日新聞

昨年末に廃炉が決まった高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)について、日本原子力研究開発機構は6月13日、工程を定める廃止措置計画の前段となる基本計画を国に提出した。作業は今後本格化するが、水と激しく反応する液体ナトリウムを大量に使う高速炉の廃炉は国内に例がなく、技術的ハードルは高い。政府が基本方針で明記した使用済み燃料の県外搬出も見通しが立っておらず、政治的に不透明な部分も多い。【近藤諭】  冷却材に使う液体ナトリウムは、もんじゅ内に1670トンもあるが、抜き取りや抜き取り後の処理の具体的な方法はまだ決まっていない。  760トンある2次系冷却材は、放射性物質を含まないため、別施設での再利用や工業用として売却することが考えられる。  一方、原子炉内を循環する1次系760トンと、原子炉から取り出した燃料を一時保存する炉外燃料貯蔵槽にある150トンは、放射性物質を含むため、化学処理した上で廃棄する必要がある。  また、取り出したナトリウムを保管するタンクの容量も、1次系540トン、2次系725トンで、いずれも一度に抜き取ることはできない。原子力機構は、仮設タンクの設置なども検討している。 (略) 搬出先、見通し立たず  順調に燃料を取り出せても、搬出先については「県外へ」との方針が示されているだけだ。茨城県東海村の再処理施設は14年に廃止が決定しており、フランスなど海外での再処理が考えられる。  ただし、同じウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使った廃炉中の新型転換炉ふげん(敦賀市)では、03年の運転停止時にあった使用済み燃料738体のうち466体の搬出先が決まらずに残されたまま。もんじゅも約束通り県外に搬出される保証はない。 全文はもんじゅ 廃炉、課題山積 どうする液体ナトリウム /福井 

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