原発事故の除染土再利用は「人ごとじゃない」 東電と意外な縁のある新宿の住民らが立ち上がった via 東京新聞

 東京電力福島第一原発事故後の除染作業で集めた汚染土、いわゆる「除染土」を首都圏で再利用する実証事業が公表されてから1カ月。予定地の一つ、新宿御苑(東京都新宿区)近くで生活を営む人らが腰を上げ、再利用に異を唱える団体を設けた。東電と意外な縁がある新宿。地元の人びとは何を思うか。ほかの地域は人ごとで済ませていいのか。改めて探ってみた。(中山岳、中沢佳子)

◆区民の合意形成図っていない

[…]

21日には御苑に面した新宿1、2丁目の住民を対象に説明会を実施。だが参加者はわずか28人。1丁目に住む平井さんも開催に気づかず、報道で知った。

 「区民の合意形成を図っているとはとても言えない」。平井さんは危機感を募らせ、28日に除染土問題を考える勉強会を開催。今月7日には区民有志らと反対する会を設立した。

◆歴代の東電幹部輩出した都立新宿高校

 東電と浅からぬ縁があるのも新宿の特徴だ。

 御苑そばの都立新宿高校の卒業生からは、歴代の東電幹部も輩出。卒業生でつくる「朝陽同窓会」によると、福島原発事故当時は会長だった勝俣恒久氏、事故後に社長を務めた広瀬直己氏らも名を連ねる。さらに御苑近くの信濃町には2014年2月まで東京電力病院もあった。「母校の近くに(除染土を)持ってこようとしていることについて勝俣氏らはどう思っているのか、問いたい」

 何より際立つのが、環境省の前のめりぶりだ。新宿の説明会で紹介された動画「福島、その先の環境へ。」からもうかがえる。

 除染土を「復興を続ける福島の地に、今も残された課題」と説明。除染土を詰めたフレコンバックが並ぶ福島県内の仮置き場の映像を流しつつ、「果たしてこれは、福島だけの問題でしょうか?」と問いかける。

 除染土を福島県外で受け入れるため実証事業が必要と言いたいようだが、住民の疑問に真剣に応えようとしているかは心もとない。説明会の資料に記されたコールセンターの受け付けは平日のみで「いただいた『ご意見』については、今後の検討の参考とさせていただきます」と素っ気ない。

全文

This entry was posted in *日本語 and tagged , , . Bookmark the permalink.

Leave a Reply