東京電力は28日、福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理後の水の海洋放出計画に対する意見公募の結果を、同社ウェブサイトの「処理水ポータルサイト」に公開した。印刷するとA4判で10枚に、小さな字でびっしりと寄せられた意見と回答を記載。目を凝らさないと読むのに苦労する形式で、放出に理解を得るのに消極的な姿勢を象徴している。
東電の広報担当者は取材に「見づらい面はあるので、見やすくなるよう修正する方向で考えている」と回答した。 東電は昨年11月、浄化処理では取り除けない放射性物質トリチウムを主に含む処理水を海洋放出することの環境や人への影響予測をまとめた。「影響は極めて軽微」とした内容について、インターネットで1カ月間、国内外から意見を募った結果、414件が集まり、今回136項目に分けて回答した。 放出反対を訴えるものや、処理水のタンク保管継続など放出以外の選択肢を検討すべきだとする意見が多くあったが、東電は「政府方針に示された海洋放出を着実に実施する必要がある」などと回答している。 また意見と回答が全く同じ文章の部分があり、社内で十分にチェックされた形跡がなかった。東電は本紙の指摘を受け、28日夜に修正した。(小川慎一、小野沢健太)
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