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欧州委は、脱炭素につながる「グリーン」な経済活動を定めたルール「EUタクソノミー(分類)」に原発と天然ガスを盛り込むため、EU各国に原案を示して意見を求めている。1月中には正式決定し、発電所の新設などにかかる資金を好条件で調達しやすい環境を整える方針だ。
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原発や天然ガスの活用への是非はEU内で割れている。とりわけ原発を「タクソノミー」に組み込んでグリーンな電源とみなすことについて、ドイツ首相府のヘーベシュトライト報道官は3日の定例記者会見で、「私たちは明確に拒否する」と述べた。「原子力技術は危険で、放射性廃棄物の問題は未解決だ」とも語った。オーストリアは法的措置も辞さない構えをみせている。議論のとりまとめが難航する可能性もある。(ブリュッセル=青田秀樹、ベルリン=野島淳)