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一人は東電社員で、1977年~2015年のうち35年間、放射線業務に従事した。累計の被曝線量199ミリシーベルトのうち85ミリシーベルトが事故対応によるものとされた。18年12月にがんを発症した。
もう一人は協力会社の放射線技師。96~19年のうち15年間、放射線業務に就いた。累計の被曝線量386ミリシーベルトのうち事故対応によるものは44ミリシーベルト。19年1月に発症し、すでに亡くなったという。
厚労省によると、咽頭がんに限って放射線業務との因果関係を示す知見は海外でも確認できなかった。このため累計の被曝線量が100ミリシーベルト以上、被曝から発症まで少なくとも5年以上かかるといった、多くのがんと共通する特徴をもとに判断したという。
福島第一原発の事故対応に携わり、がんを発症した作業員からの労災申請はこれまで計28件。うち9件が審査中で、11件は不支給になったという。(橋本拓樹)