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Daily Archives: 2021/04/28
私と故郷と原発事故 via NHK Web特集
ディレクターの私のふるさとは、福島県浪江町。10年前の原発事故で全町避難となった町だ。原発事故直後から福島に通い、廃炉や復興の現状について番組を作ってきた私。常に感じてきたのは、ふるさとの人たちの複雑な思いを、より深く伝えたいという思いだった。実家の家族が被災した、いわば“半当事者”だから伝えられる、大事な話があるような気がしたのだ。しかし、思いがけず、“当事者”だからこそ聞けないことがある、という壁に突き当たった。その時、大きな助けになったのは、一緒に取材を行った“当事者ではない”カメラマンの存在。2人で苦悩しながら「なにを聞き、伝えるべきなのか」を模索しつづける日々だった。(名古屋放送局ディレクター 水谷宣道、映像センターカメラマン 井上秀夫) 話を聞こうとしたのは、原発作業員や役場の職員など、事故後もしょっちゅう顔を合わせ、一緒に酒を飲んでいた同級生たち。しかし、『カメラの前で本音を話せば、誰に何を言われるかわからない』と、ことごとく取材を断られた。 長年メールのやり取りを続けていた親友とは連絡が取れなくなり、友人の女性からは『原発事故避難者だと知られ、子どもがひぼう中傷を受けたら、責任は取れるのか?』と、泣きながら訴えかけられた。『結局お前はよそ者。俺らの気持ちはわからない』とも言われた。 放射能汚染、賠償、避難者へのいじめなど、様々な問題が複雑に絡み合う原発事故の被災地。取材が簡単ではないことは知っているつもりだった。それでも、ふるさとの力にもなれるのではと始めた取材で拒絶され、長年続いてきた友人関係が、一瞬で崩れてしまいそうになるのは、つらいことだった。 なんとか友人の協力を得て、同世代たちの現状を描く35分のドキュメンタリー番組を完成させた。しかし、当初伝えたいと思っていたざらざらした本音や、原発事故の複雑さが、十分伝えきれたとは思えなかった。 […] 原発事故前、2万1000人が暮らしていた浪江町。2017年に、町の中心部で避難指示が解除されたが、いま町で暮らしている人は、1600人余り(2021年3月現在)。仕事や子育てなど様々な事情から、2万人近くの当時の町民が、県内外で避難生活を送っている。 「浪江とのつながりを持ち続けたい」と、住民票を町に残したまま避難を続ける人も多かったが、今は、住民票を避難先に移す人も増えている。 事故から10年がたとうとしていたが、ふるさとの復興が進んでいるとはなかなか思えなかった。 取材への協力を頼むと、今度は、多くの人が「協力する」と言ってくれた。ある友人は「10年がたつ今なら話せる」と言い、別の友人は「話すことで自分なりにけりをつけたい」と言った。 思わぬ告白 町民を翻弄した「賠償」 先入観を持たずに、ふるさとの人々の声に耳を傾けてみようと始まった取材。テーマが少しずつ見えてきたのが、友人の父親を取材したときだった。 事故後、町の幹部として復興に取り組んできた男性は、町長選に立候補するものの落選。その後、首都圏に住宅を購入し移住した。 取材中、雑談をしていると、突然男性が語りだした。「俺をだめにしたのは賠償だ」何を言い出すのかと少し驚き聞き返すと、男性はこう続けた。 「町の人たちに『賠償をもらったからあいつは町を出た』と陰口を言われていたが、あながち間違いじゃないんだよ。たしかに、復興のために頑張っていたときは、賠償なんてどうでもよかった。でも、何かに挑戦してだめだったとき、賠償が効いてくるんだ。俺は町長選に落ちたとき、これだけの金があれば、もう無理しなくていいかなと思った」 ためらう自分 賠償について聞く事 原発事故の被害の償いである「賠償」。土地、家屋、精神的苦痛など、さまざまな損害についての賠償が、東京電力から被災者に支払われた。 着の身着のままの避難を余儀なくされた住民たちの生活再建などに大きな役割を果たした一方で、賠償をめぐり、被災者が、「賠償金をもらい、仕事をせずに不自由の無い暮らしをしている」など、いわれなき中傷や差別を受けることもあった。 デリケートな問題で、誤解や差別につながりやすいこともあり、住民はこれまで多くを語ってこなかったが、住民のさまざまな判断に大きく影響を与えた要素であることは間違いなかった。 男性の取材を機に、私は、ふるさとの人たちに「カネ」についてきちんと聞くことで、復興とは何だったのかを考えていきたいと思うようになった。 しかし、私は、再び大きな壁にぶつかった。聞くべきと思った質問を、なかなか聞けなくなっていったのだ。踏み込んだ質問をしようとすればするほど、その刃が自分自身に向かってくるような気持ちがしたのだ。 ある夫婦に話を聞いたときのことだった。彼らが暮らしていた地区は、当初、数年後の帰還をめざす「居住制限区域」となる案を町から提示されたが、地区の区長らが変更を要望し、長期間帰ることが難しい「帰還困難区域」となった。 当時、帰還困難区域の住民のほうが、受け取れる賠償の額が多いことになっていたため、他の地域の人からは、“カネ目当て”の選択ではないかと陰口をたたかれたこともあったという。 私は夫婦に、賠償を多く得て「帰還困難区域」となることをどう思ったのか、陰で言われていたことが事実だったのか、確かめたいと思った。だが、結局聞けなかった。 私は、賠償金をもらっていた私の両親から、賠償をもらいたくてもらっているわけでもないことや、後ろめたさすら感じていること、そして、周りの目を気にして、肩身の狭い思いで暮らしていることなどを聞かされていた。それがわかっていて、答えづらいであろう問いを突きつけることはできなかった。 結局、井上カメラマンが、質問をする趣旨を説明したうえで、その問いを発した。すると夫は、しばらく考えた末、「戻れない以上、高いお金がもらえるなら、それはそれでいいなとは思った」と答えた。 同時に、戻れるなら賠償はいらないと思っていたし、愛着ある家や持ち物に値段をつけられることも嫌だったと語った。 おそらく、ふるさとに戻ることが現実的に難しいという状況に直面して、賠償金をもらうという苦渋の選択をせざるを得なかったのだろう。ふるさとの人たちが抱えてきた葛藤の一端をまたかいま見た気がした。 廃炉・除染… 原発のそばで生きるリアル 除染作業に関わる同世代の友人へのインタビューも、精神的にこたえるものだった。町では、廃炉や除染など、原発事故の後処理に、今も多くの住民が携わっていた。 被害を受けた当人たちが今も後処理に関わっている事実を、本人たちはどう捉えているのか?それは、「地域と原発」というテーマを考えるにあたり重要な問いだと、取材クルーでは考えていた。 しかし、私には聞くことができなかった。その質問には、「原発とともに暮らしてきた人たちは、結局これからも、原発に頼るしかないのではないか」という、よそ者目線の「哀れみ」が含まれる質問だと感じたからだ。 私自身これまで似たような質問をされ嫌な思いをしてきたし、この10年、同じ経験をした町の人たちも多いのではないかと思っていた。 結局、質問できない私を見かねて、井上カメラマンが聞いた。すると、その場にいた別の町民が「また、そのステレオタイプな質問ですか」と嫌みを言った。外からの遠慮のない視線にさらされ続けてきた彼らのせめてもの抵抗だったのだろう。 それでも、友人はしばらく考え込み、ことばを絞り出し、真摯(しんし)に答えた。「事故前はそれで町が潤っていたし、しょうがないよね。今はその仕事しかないし、町のこれからの経済をまわしていくためには、廃炉はやはり大事だよね」 … Continue reading
「黒い雨訴訟」って何?【前半】
ハトノス動画部のさんしょです。 ゆっくり解説動画初投稿です。「黒い雨訴訟」について、そもそもこれがどのような問題なのかまとめました。 「広島ー原爆」についての話題を中心に、これからも動画を作っていきます。 ハトノス動画部 Twitter→https://twitter.com/home ※黒い雨訴訟については、こちらのnoteもご覧ください 「「黒い雨訴訟」とは何か」→https://note.com/hatonosu86/n/n6b2265… 「私が「黒い雨」の再検証検討会に対して興味を示せない理由」→https://note.com/hatonosu86/n/n7e36e2… ※ハトノスは演劇を作る団体のはずですが、どうにも演劇ができないので動画を作ってみました。 ハトノス Twitter→https://twitter.com/hatonosu86 #ハトノス #原爆 #黒い雨訴訟 #黒い雨 #原子爆弾 #広島 #ヒロシマ #ハトノス動画部
「被ばくさせたくない」黒い雨浴びた女性 原発事故を機に沈黙破るvia 毎日新聞
2011年3月に発生した東京電力福島第1原発事故を機に、広島県府中町の貞金末乃さん(79)は忌まわしい記憶の封を解いた。広島への原爆投下後に降った放射性物質を含む「黒い雨」を国が定めた援護対象区域の外側で浴び、影響の疑われる病に侵されたが、差別や偏見が及びかねないと口をつぐんでいた。しかし、「もう誰も被ばくさせたくはない」。沈黙を破ったのは、事故当時、福島県に隣接した宮城県丸森町に次女の家族が暮らしていたからだった。 11年3月12日、福島第1原発の水素爆発を伝えるテレビ画面に貞金さんは凍り付いた。北西に約50キロ離れた丸森町には、自宅から7人の子どもを伴って逃れた次女夫婦が避難所に身を寄せていた。電話がつながったのは、その2日ほど後だ。当時小学5年だった孫の男の子がうれしそうに「外に出たらつながった」と話すのを、叱りつけた。「被ばくするかもしれない。外に出ないで」。頭をよぎったのは、黒い雨を浴びた1945年8月6日だった。 […] 重なった「原発事故」と「原爆投下」 以来、貞金さんは変わった。次女夫婦の家族は12年に丸森町へ戻ったが、日常を一変させた原発の事故と原爆の投下を重ね合わせるようになった。福島第1原発事故で空気中に拡散された放射性物質の濃淡は必ずしも同心円状に広がらず、高い放射線量を示す「ホットスポット」が東日本の広い地域で見つかっている。ただ、直後から国は「直ちに人体に影響が出るレベルではない」との見解を示した。似ていた。黒い雨による健康被害について、国は「科学的に立証できない」として、区域外で雨に遭った住民らへの援護を拒んできてはいなかったか――。 「被ばくの恐ろしさを伝えなければ」。15年11月、兄を含む区域外で雨に遭った住民63人とともに広島県・市を相手取り、被爆者健康手帳の交付などを求めて広島地裁に提訴。追加提訴した人も含め計84人の原告団の一人として声を上げる。20年7月の地裁判決は住民全員を被爆者と認めたが、県市が国の意向に沿う形で控訴した。 原発事故から10年、広島高裁判決はこの夏に言い渡される。「黒い雨による被ばくが認められれば、原発事故に遭った人たちにも救済の手が届くのではないか」。何人も被ばくさせてはならない。その思いを込める。【小山美砂】 もっと読む
関電の使用済み核燃料受け入れの「可能性はゼロ」 青森県むつ市長が本紙インタビューに明言 via 東京新聞
福井県に立地する関西電力の原発から出る使用済み核燃料を巡り、関電が搬出先の「選択肢の一つ」とする中間貯蔵施設のある青森県むつ市の宮下宗一郎市長(41)が26日、オンラインで本紙のインタビューに応じた。宮下市長は関電などの使用済み核燃料を受け入れることについて「可能性はゼロだ」と明言し、協議の余地はないとの姿勢を強調した。(今井智文、高野正憲)【関連記事】「東北の核燃料、福井なら受け入れるのか」青森・むつ市長インタビュー詳報 関電の使用済み核燃料はどこへ? むつ市では東京電力ホールディングスと日本原子力発電(原電)が出資して中間貯蔵施設を建設している。昨年12月、大手電力でつくる電気事業連合会(電事連)が施設の共同利用を検討すると表明。関電の使用済み核燃料の搬出先が決まっていないことに対する事実上の救済策だが、宮下市長は反発姿勢を示してきた。 宮下市長は2005(平成17)年に市が東電などの施設設置を受け入れた経緯について「私たちの意思で誘致したものだ。使用済み核燃料が要らないから押しつけられるのとは圧倒的に違う」と強調。11年の東京電力福島第一原発事故を経たことで「原子力を担う重さは、誘致した当時とは変わった」と指摘し、電事連から提示された共同利用案を「私たち自身で誘致したのとは決定的に違う。市の未来を自分たちで決める権利をないがしろにするやり方はあり得ない」と語気を強めた。 インタビューはむつ市役所の宮下市長に、本紙記者が福井県内からオンラインで行った。 ◆搬出先決まらぬまま…福井県知事の再稼働同意判断大詰め 関西電力などが青森県むつ市の中間貯蔵施設を共同利用する案は、運転開始から40年を超えた関電の原発3基について、関電が立地の福井県から再稼働の同意を得るための回答だった。だが、宮下宗一郎市長はインタビューで「引き受けることはあり得ない」と一蹴。杉本達治福井県知事の同意判断が迫る中、「むつ共用案」が空約束に終わる懸念がぬぐえない。 福井県は1990年代から、原子力事業者に使用済み核燃料を県外搬出させる方針を打ち出している。関電は搬出先として県外の中間貯蔵施設を「2010年ごろに稼働」「18年に計画地点を示す」などと約束してきたがこれまで果たせず、県は20年末までの回答を求めていた。 関電の森本孝社長は今年2月、杉本知事に「選択肢の一つ」としてむつ共用案を報告。23年末を期限として確定させるとした。これを杉本知事は「一定の回答があった」と受け入れた。県議会では「むつ共用案は見通しがつかない」などの批判もあったが、今月23日に自民会派などの賛成で40年超原発の再稼働に事実上同意し、杉本知事の最終判断を残すのみとなっている。 3基が再稼働して県内の関電の原発7基がフル稼働した場合、各原発の核燃料プールは5~9年分の余裕しかない 全文
UN experts regret at disposal of Fukushima nuclear polluted water via CGTN
By Liling Tan […] “There is simply not enough information on the long-term consequences of exposure to humans and the environment for extended periods of time,” warned Marcos Orellana, United Nations Special Rapporteur on toxics and human rights. “The planet … Continue reading