Daily Archives: 2021/04/24

除染したはずが…福島のため池、大雨で線量上昇 なぜ? via 朝日新聞

[…]  県によると、県内には農業用ため池が約4千カ所あり、うち底の土が基準値(1キロあたり8千ベクレル)を超えた浜通りと中通りの27市町村にある989池が除染対象となっている。昨年末までに576池で除染を終え、いったんすべて基準を下回った。  しかし、県内に大きな被害をもたらした2019年10月の台風19号の後、異変が相次いで判明した。富岡町は「線量が再び上がっている」と施工業者から連絡を受け、除染を終えた町内11池の線量を確認したところ、10池で再び基準値を超えていた。最も高い池で同2万ベクレル以上だったという。  町によると、11池はおもに水田用。10池で再度の除染を約5億円で発注し、4池で対策工事が終わったという。ため池の汚染土壌除去や現場保管費用には国の復興予算が充てられる。県内27市町村は14年度から20年度までに、約562億円を国に申請した。  線量の再上昇について、町産業振興課の担当者は「19年10月の台風19号と大雨で、放射能を含んだ大量の土砂が池に混入した可能性がある」と指摘し、汚染源とみられるため池周辺の森林の除染を国に要望している。ある業者は「山に近い池では雨が降れば線量が上がる。山を除染しないと、いたちごっこになる」という。しかし、国は森林除染を原則認めていないため、市町村側の主張と平行線をたどっている。  県によると、台風19号後に15市町村の81池を国が調べたところ、伊達市、川俣町、楢葉町、富岡町の4市町にある6池で線量が基準値以上に再上昇し、すでに4池で再除染を発注した。ただ、調査は一部に限られ、全体像は不明のままだ。  南相馬市では国の調査対象外だった5池で、基準値を超える線量の再上昇を市が確認し、再除染の対象となるか、国と協議中という。環境省除染チームは水に放射線の遮蔽(しゃへい)効果があることなどから「周辺環境への影響は極めて限定的」といい、住民生活には問題がないとの立場だ。  富岡町清水地区の「椿屋(つばきや)第1ため池」は除染で線量が下がったが、再び基準値を超えたため再除染している。猪狩強区長によると、原発事故前は約5ヘクタールの水田用に使われていたという。17年に避難解除されたが住民の帰還は事故前の約7分の1の41世帯にとどまるといい、猪狩区長は「早くまた水をためて農家が使えるようにしてほしい。火災が起きた時にも使え、安心にもつながる」と訴える。(関根慎一) 全文

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人間が汚した地・チェルノブイリにただ一人残った老人 「なぜ?」の問いに帰ってきた言葉の衝撃 via 東京新聞

 「人間の汚した土地だろう、どこへ行けというのか」。旧ソ連・チェルノブイリ原発事故の強制移住地区に一人残り住む牛飼いの老人の言葉を追い掛けて、写真家・映画監督の本橋成一さん(81)は約30年、現地に通い続けている。これまで写真集やドキュメンタリー映画をつくり、今年はこの言葉をタイトルにした40分の記録映像作品を監督した。事故は26日で発生から35年になる。 (鈴木久美子) […] 本橋さんは住民の暮らしを撮った。監督した映画「アレクセイと泉」(2002年)は、大地に根差した自給自足の日々から、ふるさとに住む幸せが事故によって奪われる深い悲しみを描き、ベルリン国際映画祭で国際シネクラブ賞を受賞した。 ◆人間の知恵が自然を破壊、そして彼を殺したのも…  「人間の汚した土地…」は、95年に出会った元教師の牛飼いアルカジイ・ナボーキンさん=当時(83)=の言葉だ。「なぜ移住しないのか?」との問い掛けに返ってきたその一言に、本橋さんはショックを受けた。「自分は思い上がっていた。恥ずかしかった」 ナボーキンさんは牛27頭の世話をし、ジャガイモを育てていた。古びたアコーディオンを演奏し、その音が人生を表現しているようだと映画に撮ろうと考えたが、ナボーキンさんは牛泥棒に殺されてしまった。 「みんな生きものは自然の中で生きているのに、人間だけが知恵をつけて地球の生態系のバランスを崩している。放射能はその最たるもの。コロナもそうでしょう。人間の暮らしを変えなくてはいけない。そのことにナボーキンさんはちゃんと気が付いていた」 ◆通い続けた30年の思い、40分の記録映像作品に  今回の記録映像作品は、一昨年の訪問の様子をまとめた。これまでの映画で主人公になった少女や青年は都市に移住しており、久々に再会して近況を伝えている。ナボーキンさんの教え子だった男性に初めて会い、墓参りもできた。 時は流れる。どこへ行けっていうんだい―。問い掛けは深まっていく。 30日まで東京都中野区の映画館ポレポレ東中野=電03(3371)0088=で上映予定だが、緊急事態宣言期間中は要確認。 全文

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