新潟知事、不信深める 地元は戸惑い 柏崎刈羽原発・再稼働申請 via 朝日新聞

東京電力による突然の再稼働申請決定に、柏崎刈羽原発を抱える新潟県の泉田裕彦知事は「事前に何の相談もない。こんな会社、だれが信用するのか」と 怒りをあらわにした。地元関係者の間では戸惑いが広がり、放射能汚染に苦しむ東電福島第一原発周辺の自治体からは激しい批判が出た。

 

「これ以上の地元軽視はない。信頼関係を破壊する行為だ」

泉田知事は2日夕、早口でまくし立てた。県庁で東電の方針について記者団の質問に答えるうち、しだいに顔は紅潮していった。

知事は柏崎刈羽原発の再稼働について「福島第一原発事故の検証・総括が先」と繰り返してきた。福島の事故以来、東電の対応に批判を続け、最近も柏崎刈羽原発で建設中のベント設備について東電から説明がないと不快感を示した。

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再稼働に慎重な県民が少なくないことも知事の強い姿勢の背景にある。朝日新聞社が昨年10月に行った電話世論調査では、柏崎刈羽原発の運転再開に51%が反対し、賛成は27%だった。

再稼働の是非を問う県民投票条例の実現を目指す市民団体が昨年、署名活動をした結果、約6万8千人が応じた。この団体の直接請求を受け、知事は条例案を県議会に提案。今年1月に否決されたが、知事は県民投票の実現を期待する意見書を添えて提案していた。

原発城下町の自治体や住民には戸惑いが広がる。知事と同じく再稼働に慎重な会田洋・柏崎市長は「急な話でびっくりした。東電側の説明、考えを聞きたい」。

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