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首相官邸前抗議、なぜ取り上げられなかった…反原発ドキュメンタリー監督が分析 via シネマトゥデイ

 歴史社会学者の小熊英二が初監督を務めたドキュメンタリー映画『首相官邸の前で』トークイベントが5日に渋谷のアップリンクで行われ、小熊監督と作家の高橋源一郎が登壇。首相官邸前デモについて、熱いトークを繰り広げた。 映画『首相官邸の前で』場面写真  2012年夏。首相官邸前は、福島第一原子力発電所事故の政府対応に非難の声を上げる20万人の群衆で埋め尽くされた。「これほどのことがあった のに、忘れ去られてしまうのは許しがたかった」と語る小熊監督は、個人がインターネットを通じて配信していた自主撮影映像を、撮影者の許可を得て再構成。 菅直人元首相を含む8人のインタビュー映像を挿入し、1本の作品に仕上げた。 (略) 「この国の人たちは忘れやすい。その結果、何が起こっても誰も責任をとらない。この記録が持つ 意味は忘れさせないということ」という高橋の指摘に、小熊監督は「なぜこのデモがマスコミで取り上げられなかったのか。それは決して政治的な意味合いでは なく、記者クラブなどに情報が入ってこなかったから。デモに参加する人は無名の人たちだからつながりもない。どう取り上げていいのか戸惑っているうちに通 り過ぎてしまった。逆になぜ全共闘運動が記録に残っているのか。それは東大で起きたからです。無名の人と違ってトップの人は記録に残りやすいんですよ」と コメント。その言葉には高橋も「そういうことか!」と感心することしきりだった。  続けて高橋は、「今、国会前では、学生たちによるSEALDs(自由で民主的な社会を守るため)のデモが行われている。この子たちは高校生の時に 2011年の反原発デモの周りにいた子たち。あのデモが、若い世代が持っていた政治やデモに対する不安や恐怖心を消し去った。そういう意味で、反原発デモ の次の世代が育っている」とコメントすると、小熊監督も「それは確実にこの4年の蓄積。マスメディアも学習して、デモを取り上げるようになってきた。これ も化学変化だと思う」と笑顔を見せ、「この記録は共有されてこそ記憶になる。ぜひともこの作品を観てもらいたい」と付け加えた。(取材・文:壬生智裕) 映画『首相官邸の前で』は9月2日より隔週水曜に渋谷のアップリンクで上映予定 全文は首相官邸前抗議、なぜ取り上げられなかった…反原発ドキュメンタリー監督が分析 当サイト既出関連記事: 歴史社会学者・小熊英二監督作、映画『首相官邸の前で』via Facebook 関連記事: 『首相官邸の前で』ホームページ/ “Tell the Prime Minister” Homepage 初監督作『首相官邸の前で』公開が決定した小熊英二氏インタビュー via Dice

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歴史社会学者・小熊英二監督作、映画『首相官邸の前で』via Facebook

歴史社会学者・小熊英二監督作、映画『首相官邸の前で』 2015年9月2日(水)より隔週水曜、渋谷アップリンクにて公開決定! 人々の力が日本を変えた 希望の瞬間を記録 歴史社会学者・小熊英二による初監督作。2012年夏、脱原発と民主主義の再建を求め約20万人が官邸前を埋めた。現代日本に実在した希望の瞬間を記録。 公式サイト http://www.uplink.co.jp/kanteimae/ Twitter https://twitter.com/kanteimaeJP Facebook http://bit.ly/kanteimaeFB https://www.youtube.com/watch?v=6CvVlXDkUbM    

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(思想の地層)本当のコスト 何のための原発保護か 小熊英二 via 朝日新聞

原発の新たな優遇策が検討されている。経済産業省の総合資源エネルギー調査会原子力小委員会で議論されている差額決済契約(CFD)がそれだ。  CFDはイギリスで導入された制度で、固定価格での電力買い取りを一定期間保証するものだ。買い取り価格は使用済み核燃料処分や廃炉など、将来費用も含む総コストを勘案して算出される。イギリスで適用が合意された原発は一つだけで、買い取り基準価格は1キロワット時15円ほど。陸上風力発電より高値で、保証期間も35年と長い。  原発は初期投資が大きく、市場経済ではコスト回収が保証されない。日本でも再来年に導入される電力市場自由化にむけ、CFDをはじめ、原発保護政策が検討されているのはそのためだ。だがこうした政策を導入することには、様々な異論が出ている。  第一に、買い取り価格が電力料金に転嫁され、消費者の負担が増える可能性が高い […] 第二に、決定過程が不透明である。検討が行われている原子力小委員会には、専門委員として電力会社および原子力事業者が出席している。福島原発事故後に実施されていた審議会のビデオ中継はなくなり、第6回会合までは音声データすら公開されていない。第7回以降は音声のみ公開されたが、「議事録を掲載するまでの暫定的な提供」とされている。中継での公開が行われない理由として、委員長は「この場で意見を言いにくいという方がいらっしゃる」と述べている(大島堅一「さらなる原子力保護政策は許されるか」世界12月号)。 […] 衆院選の公示前日の党首討論で、安倍首相は「国民がもう原子力発電は懲り懲りだと思われるのも当然だ。同時に安定的に低廉なエネルギーを供給していく責任がある」と述べた(本紙朝刊12月2日付)。「低廉」ではないことを電力会社と経産省が事実上認めたいま、首相に原発保護が必要なのかを語ってほしい。 もっと読む。

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小泉純一郎氏の原発ゼロ発言についての私見──政治を考える 小熊英二 via GQ Japan

沈黙していた元首相は、なぜ震災後2年半もたってから記者会見まで開いて、脱原発を提言したのか? 考えられることは3つある。 文: 小熊英二(歴史社会学者、慶應義塾大学教授) 小泉純一郎氏の「原発ゼロ」発言が注目を集めている。今回はこの件について私見を述べたい。 小泉氏が脱原発を唱えだしたのは、確認できるところでは2012年のようだ。2012年4月、脱原発を宣言した城南信用金庫の主催の講演会で、小泉氏は 「原発推進は無理。依存度を下げるべき」と訴えた。同年11月に城南信金が脱原発をめざすシンクタンクを設立した際も、理事長に電話で激励したという。こ れらは「東京新聞」2012年11月28日の記事に記載されており、筆者も一応は知っていた。 城南信金理事長の吉原毅氏は、経済学者の加藤寛氏の門下生だった。2013年3月、加藤氏は『日本再生最終勧告 原発即時ゼロで未来を拓く』(ビジネス社)という本を出版している。この本で加藤氏は、自由主義経済学の立場から、電力市場統制と補助金でなりたっている 原発を強く批判し、民間活力を活かした「自立分散型電源社会」を提唱した。 じつは加藤氏は、旧国鉄の分割民営化を提唱したことでも知られ、この著書でも「親方日の丸」の電力会社の弊害を、旧国鉄や旧電電公社と類似の問題として論 じている。そして小泉氏は、「私が郵政民営化が必要だと思ったのは、加藤寛の本を読んだからだ」と述べており(「文藝春秋」2013年12月号)、加藤氏 の『日本再生最終勧告』にも、竹中平蔵氏とともに推薦を寄せている。 つまり小泉氏が脱原発を唱えるのは、突然でも不思議でもない。とはいえ彼は、政界引退後は講演もほとんど断わり、目立った発言もなかった。それがなぜ、震災後2年半もたってから記者会見まで開いたのか。考えられることは3つある。 […] 3つめは、いまなら安倍政権の支持率が高いことだ。自民党は大勝したが、大量の議員を抱えるということは、大臣のイスも全員には行きわたらないということ だ。郵政選挙後の自民党にしろ、政権奪取後の民主党にしろ、大勝するとかえって党内が不安定になり、何も決められなくなる。重要なことが決定できるのは、 首相の支持率が高く、党内の求心力が高い間だけだ。小泉氏が、安倍首相が決断すればできる、いまがチャンスだ、と言っているのは、そうした意味もあるだろ う。 実は自民党は、最盛期の1991年にくらべ党員数が8割以上減り、足腰が弱っている。「小泉改革」以降、党員源だった建設業界や郵便局、医師会などから大量脱党したのが一因だ。2012年来の選挙で勝ちはしたが、絶対得票率は2割もなく、支持率が落ちたら先がない。次回総選挙は3年後だが、小泉氏の言うよ うに「3年後はもっと原発ゼロ論者が増える」とすれば、脱原発を宣言するのは自民党の生き残りに有利である。安倍首相がそれを決断できれば、彼は郵政選挙 時の小泉氏以上の支持を得るだけでなく、「脱原発を決断した首相」「日本のメルケル」として、歴史に名を残すことができるだろう。まさに小泉氏の言うとお り、安倍氏は「とても運のいい首相」である。安倍氏にその運を活かす政治的センスがあれば、の話だが。 全文は 小泉純一郎氏の原発ゼロ発言についての私見──政治を考える 小熊英二

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「脱原発」実現しつつある日本 小熊英二 via 朝日新聞

2013年10月31日 福島第一原発事故後に、もっとも劇的に脱原発した国はどこか。そう質問すると、多くの人が「ドイツ」と答える。しかしドイツは、政府が脱原発を宣言したが、実際には多くの原発を動かしている。 では、政府は宣言していないが、実質的に脱原発した国はどこか。いうまでもなく日本である。いま日本では、一基の原発も動いていない。 ではこの状況を作ったのは誰か。政治家がリーダーシップをとったのか。賢明な官僚が立案したのか。財界やマスコミの誘導か。アメリカの「外圧」か。いずれでもない。答えはただ一つ、「原発反対の民意が強いから」だ。それ以外に何かあるというなら、ぜひ挙げてみてほしい。 民意は脱原発を望み、政官財の抵抗を押し切り、実質的な脱原発を実現しつつある。この明白かつ平凡な事実を認識できない人々、というより認めたがらない人々がいる。政界や財界など、狭いムラ社会の住人たちだ。彼らの内輪では、異論を排除して島宇宙を作り、「脱原発など極論だ」とうそぶくことはできるだろう。しかし、強大な権力を持っていると思い込んでいる彼らさえ、それならなぜ再稼働すら進まないのかと問えば、「民意の反対が強いから」としか答えられないではないか。 昨年来の選挙結果は何か、と問う人々がいる。即席で脱原発を唱えた政党が信用されなかったのは、むしろ健全というべきだ。自民党の比例区得票数は大敗した2009年の数を回復しておらず、09年の民主党の約6割である。自民党は棄権の多さと野党の分裂で、少ない得票で漁夫の利を得たにすぎず、基盤強固とは言えない。しかも自民党の得票の約7割は脱原発支持者のものだ。(小熊編著『原発を止める人々』参照) 民意など冷めやすい、と称する人々がいる。しかし震災以後の世論調査では、一貫して脱原発支持が約7割である。しかも11年6月には「段階的に減らして将来は止める」が約7割という程度だったものが、13年6月には「再稼働に反対」が約6割を占めた。つまり民意の脱原発要求は、水準が上がっているのだ。 思い起こしてみよう。震災直後の時点で、稼働原発ゼロという事態が実現しうると予測した人は、ほとんどいなかったはずだ。電力の3割を担う原発を 止めれば経済も生活も崩壊する、と思われていたからだ。しかし人々は、原発の危険性を知り、原発をめぐる政治経済の構造を知った。その結果として節電が進み、デモがおこり、原発は止まってゆき、それでも生活に支障はなかった。すでに関西電力管内以外は原発なしで二夏をすごし、稼働原発ゼロは既成事実になりつつある。この既成事実は、時間が経てば経つほど定着し、支障がないのになぜ原発が要るのかという意見が強まる。事故から時間がたてば脱原発の民意は弱まるだろうといった見方は、この事実に比べれば根拠薄弱な臆測といえる。 […] 「日本には偉大なリーダーはいないが、民衆の実行力はすごい」というのが、高度成長期から一貫した日本評価である。政治家が脱原発を華やかに宣言したドイツとは対照的に古い既得権に足をとられた政官財の抵抗を押し切り、脱原発を実質的に実現しつつある震災後の日本は、こうした評価がよくあてはまる。あとは政治家が、この明白な趨勢(すうせい)を認識し、応えられるかの問題だ。 全文は 「脱原発」実現しつつある日本 小熊英二 (無料登録が必要です)

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巻頭レポート 小泉純一郎を「原発ゼロ特命大臣」に! わき上がる待望論 via 現代ビジネス

あの大震災と大事故を目の当たりにし、日本人は原発に頼らず2年以上を過ごしてきた。頼らずとも済むと分かったのに、なぜ今時計の針を戻そうとするのか。答えは出ている。原発はもはや必要ない。 自民党が割れそう 大震災と原発事故から2年8ヵ月、小泉純一郎元首相が放った一言により、再び大きな〝流れ〟が変わろうとしている。 「自民党の国会議員約20人が脱原発の勉強会を立ち上げるそうです。 参加者は当選1回の新人議員と、前回選挙で返り咲いた2~3回生の議員が中心。返り咲き組の中には、落選中に脱原発を掲げて再選を果たした議員がかなりい ます。勉強会には、小泉氏を招いて、脱原発の講演をしてもらうことも検討しているようです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏) 発足以来、福島第一原発の破局的事故を忘れたかのように、再稼働など推進策を前面に出してきた安倍晋三政権。この流れの中に、巨大な一石を投じたのは、安倍首相の〝恩師〟でもある小泉元首相だった。 (略) やっぱり原発はいらない 現役時代から、良くも悪くも「風」を見るのに長けていたのが小泉氏だった。原発推進のみならず、公共事業に巨額のバラマキなど、守旧主義的な政策を 連発する安倍首相に対し、「進む方向が間違っている」とメッセージを送る小泉氏の見立ては正しい。首相がそれを理解できなければ、脱原発を求める国民の声 が反映された、新たな「枠組み」が求められる日が来る。 「小泉さんの狙いとしては、安倍首相が姿勢を変えないようであれば、 小泉進次郎氏や河野太郎氏らを核とした脱原発の対抗軸を作り、ポスト安倍の受け皿とすることも視野に入っていると思います。もちろん、安倍首相が脱原発を 決断すれば話は早いわけですが、それができなければ、自民党の中で権力に穴をこじ開けていくような道筋をつけていくことも大事ということです」(前出・飯 田氏) そして、そんな政界をただ眺めていれば、日本の未来が守られるというわけではないだろう。社会学者で慶応大学教授の小熊英二氏は、次のように語る。 「脱原発の流れを止めないために効果があるのは、それぞれの皆さんが、自分 の職場などで、小泉発言をどう思うか、話し合ってみることでしょう。実はみなさん自身が、企業や経済界の一部であり、自治体やマスコミや政界の一部である わけですからね。大臣がこうすべきとか、マスコミがどうだとか、他人の批判をするより、自分たちで知恵を出しあって動いてみる。小泉発言を一過性にしない ためには、それが一番と思います」 全文は巻頭レポート 小泉純一郎を「原発ゼロ特命大臣」に! わき上がる待望論

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金子勝、古賀茂明、小熊英二ほか小泉の「原発ゼロ」提言—私はこう考える via 現代ビジネス

かつては原発推進派だった小泉純一郎元首相が考えを改め、愛弟子・安倍首相に「脱原発」を決断するよう迫っている。原子力の専門家、識者、かつての仇敵が、小泉「原発ゼロ」提言の意味を語った。 言ってることは正しい 社会学者で慶應大学総合政策学部教授の小熊英二氏は、小泉純一郎元首相が「原発ゼロ」を提言していることについて、こう語る。 「この国には脱原発しかないということを、直感的に感じ取っているの ではないか。ご自分の政治的利害が動機での発言とは思いません。利権があるわけでもないし、影響力を誇示したがるタイプでもない。民意が反原発に傾き、脱 原発の流れが定着したと感じ、発言しているのだと思う。 小泉発言の効果として、世の中に『自分が脱原発だと言っていいんだ』 と思わせたことが挙げられます。国民レベルでも、マスメディアや議員のレベルでも、『小泉さんが言うんだったら自分も意見を言っていい』、つまりまさしく 『やればできる』と思わせた。これは大きな功績でしょう。 だから各自が自分で声を出すべきです。英雄待望論で『小泉さんが脱原発をやってくれる』と『お任せ』にするのは良くない」 (略) 元経産官僚の古賀茂明氏は「小泉氏が説く『脱原発論』には、政治的な打算はない」と分析する。古賀氏も、小泉氏の「原発ゼロ」提言を評価する一人だ。 「純粋に『原発ゼロ』という自らの信念を口にしたのではないでしょう か。昔の小泉さんには、強いリーダーとして政治的なメッセージを打ち出し、先頭に立って有無を言わさず国民を引っ張ってくれるというイメージがあった。た だ現在の小泉さんには、そのような力はないでしょう。 小泉さんは『狼煙』は上げました。しかしその方向へ進むことになるか どうかは、結局国民がどう行動するかです。狼煙が上げられた後に、小泉さんを押し上げるようなムードができるかどうか。国民が盛り上がって、原発反対デモ が再び盛り上がってくるような、政権が無視できない大きなうねりが生まれれば、それに乗って、小泉さんが次の行動に移る可能性はないとはいえない」 (略) 金子氏は「福島原発事故とオンカロを視て、反原発の考えになったというのは、話としてはおかしくない」と言いつつも、小泉氏の提言については懐疑的だ。 「小泉純一郎という人間は、世論を利用して権力を掌握するタイプの政治家であり、典型的なポピュリストです。原発に限らず、彼は無思想なのではないでしょうか。要するに、権力だけ、政局だけに興味がある人です。 総理を辞めて、体力が回復してきたので、目立つことをやりたくなったのかもしれない。息子の小泉進次郎氏が政務官になったことで、張り切っているようにも見える。様々な要因が重なって、『原発ゼロ』提言につながったのでしょう」 結局、10年前に「小泉劇場」で散々見せつけられた、政治的な勢力争いが、脱原発の旗のもとに再び展開されるだけでしかないというのだ。金子氏が続ける。 「安倍政権が現在のような政策をやっている限り、福島第一原発事故は 絶対に収束しません。汚染水対策で計画されている凍土遮水壁などは一時的な手段で、半永久的に防げるわけがない。海側だけの遮水壁になったのも、カネをケ チり、予算を十分に準備できなかったからです。この体たらくでは、いずれ収束計画は破綻してしまう。そうなれば、東京オリンピックなんて言っていられませ ん。 自民党がこのまま、原発推進で突っ走って失敗してしまえば、目も当て られない状況になってしまう。脱原発に切り替えることで野党の協力を得て『一生懸命やったけどダメでした』というかたちにしたい、と小泉さんは考えている のでしょう。もちろん、本当に国を挙げて脱原発の潮流が起こり、再稼働を阻止して具体的な方策を取るのであれば、歓迎すべきことではあるのですが」 (略) 日本では数少ないリーダーシップを発揮できる政治家として、小泉氏の言動は、海外からも注目を集めている。なかでも『ニューヨーク・タイムズ』紙は 「かつて原発推進派だった元首相が、原発全面禁止を望んだ」と題した社説を掲載(10月15日付)。その変節ぶりを大きく報じた。 同紙東京支局長のマーティン・ファクラー氏はこう語る。 「小泉氏が再び表舞台に立つきっかけとして、原発の問題を選んだことは興味深い。この問題が今の日本にとって極めて重要であると感じ、それについて沈黙を破らなければならないほど喫緊の問題だと感じているのだろう。 世論をみると、日本人の大半は原発再稼働に反対している。これは原子力に対するアレルギーというよりはむしろ、政府に対する不信、もっと言えば東電や電力業界を厳格に監視する能力に対する不信が原因だ」 国民に原発へのマイナス感情があるにもかかわらず、原発推進を打ち出す自民党が選挙で圧勝したことは、「理解しがたかった」とファクラー氏は語る。 (略) ただ、前出の小熊英二氏が「小泉氏にお任せにするのは良くない」と語るように、「原発ゼロ」提言を一方的に甘受するだけではいけないだろう。 前出の金子勝氏は言う。 … Continue reading

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福島原発事故収束をどうするか、シニアの出番 via 福島原発行動隊

―― 第26回院内集会(10月24日)における問題提起 ―― 理事 平井吉夫 1986年のチェルノブイリ原発事故。初期出動の消火と封じ込めの作業で多くの人員が被曝の犠牲になった。被曝の危険を知らされず、防護服なしで消火に当たった消防士。ヘリからホウ酸入りの砂嚢5000トンを手で投下した兵士。水蒸気爆発を防ぐため下層水槽に潜水して排水を試みた原発職員。瓦礫処理と解体に従事した作業員(リクヴィダートル)。 実際の死者数はわからない。膨大な数と思われるが、公式には30数名。災厄の拡大を阻止するための決死隊であった。記念碑もある。英雄的犠牲。 この言葉は福島原発事故の際も使われた。事故直後の3月16日、ワシントンで米国務次官補カート・キャンベルが藤崎一郎駐米大使を執務室に呼びつけ、「日本政府の全力を挙げた対応」を求め、「数百人の英雄的犠牲heroic sacrificeが必要になる」と述べた。 極秘公電を受けた菅直人首相は自衛隊の出動を命じる。ヘリ放水による冷却作戦、原発上空30メートル、毎時247シーベルトの髙線量、その間に爆発もあった。被ばくを考慮して短時間、成果なし。蝉のションベンと揶揄されたが、ヘリ搭乗員は決死の覚悟で出動した。自衛隊はまさしく決死の行動も考えていた。陸幕長の腹案。「いざという時には」空挺部隊が核分裂を防ぐホウ酸をかかえて原発の上に降下する作戦。実戦部隊の隊長はこれを聞いて「特攻もあるのか」と言った。 自衛隊出動の命令権者である菅元首相が、雑誌『現代思想』(青土社)今年の3月号に掲載された小熊英二さん(社会学者、慶応大学教授)との長い対談で、事故直後の様子を語っている。話の中心は、福島原発従業員の「撤退」めぐる官邸と東電のやりとりと、苦衷の決断にかんすること。それを受けて小熊英二さんはこう述べている。 「原発というのは、最悪の場合には誰かに死んでもらう命令を出さなければならないものであり、日本にはその仕組みがない、ということは指摘しておいていいことだと思います。原発を維持するなら、死ぬ可能性がある命令に従う技術者集団をどこかに作らないと、制度的および倫理的な欠陥、情緒論ではなくロジカルな意味での倫理的な欠陥があることになります」「そういう集団を政府のどこかの管轄で作るのか。誰がやるのか」 この問いかけを、福島第一原発の事故は社会に突きつけた。なかんずく「誰がやるのか」という問いかけに答えを用意して、いちはやく応じたのが福島原発行動隊。このように、行動隊を結成したときの原点は、小熊さんが言うところの「死ぬ可能性のある命令に従う技術者集団」、つまり決死隊。ちなみに、決死隊の「決死」は、「死ぬことが決まっている」という意味ではない。広辞苑によれば、決死:事を行うにあたって、死を覚悟すること。決死隊:決死の覚悟で、敵の攻撃に向かう部隊。「初めから死ぬことが決まっている部隊」「必ず死ぬ部隊」は特攻隊。福島原発行動隊は絶対に特攻隊ではない。 (「死ぬ可能性がある命令に従う技術者集団」というのは昔からどこの国にもあり、日本にもある。すなわち軍隊。軍隊の本来の役割は命のやりとりをする戦争だが、そんな任務を軍隊が果たさねばならぬような事態は、来ない方がよい。同じように、決死隊としての福島原発行動隊の出番になるような事態は、発生しない方がよい。) では、作業員が死ぬかもしれない局面が発生しなければ、行動隊はなにもしないのか。 行動隊の原点は決死隊だが、その最大のポイントは、高齢者が被曝労働に参加することにより、若年者の被曝を軽減するという論理である。この論理を推し進めれば、行動隊の仕事を決死隊的行動に限定する必要はまったくない。どんな作業でもシニアがその一翼を担えば、それだけ若年者の被曝は軽減される。 続きを読む。

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「この社会情勢が続く限り、どこかでまた起こる?」2カ月間の“お祭りデモ”とはなんだったのか? via 日刊サイゾー

(抜粋) ――テレビや新聞の報道では、このまま原発依存を続けるのか、脱原発路線を目指すのか、いまだに混迷を極めている感がありますが、社会は動いているといえるのでしょうか? 小熊 物事は多元方程式のように進んでいきます。それは、デモをやったけれどすぐに原発が止まらなかった、じゃあ意味がない、というほど単純なものではないし、すぐには結果が見えづらい。けれど、水面下では確実に影響しています。 またデモに参加した経験を持った人は、また何かあれば動きます。数十万人単位でデモ経験者が生まれ、社会の中でも忌避感が薄れたというのは無視できないですよ。経験者の中から自分で運動を主催する人も出てくるだろうし、政治家を目指す人もいるかもしれない。 この事故が20~30年前の、原発も伸び盛りで日本経済も全盛だった時期に起こっていたら、おそらく情勢は違っていたと思いますが、今は違う。東 大の原子力工学科が、2001年には造船学科や鉱山学科と合併になってしまったくらい、原発産業はもともと行き詰まっていた。政治家も、自民党全盛期は遠 く過ぎ、町内会や商工会を地盤固めすれば当選できるといった、今までのやり方が通用しなくなったことはわかっている。今回の再稼働にしても、経団連と電力 会社に話をつけて、官庁に情報を集めてもらい、県知事と地方議員が地元の商工会や町内会を固めれば、それで大丈夫と思って判断したけれど大反発を食らっ た。もう昔のやり方は通用しない。そして彼らが把握できていない無党派層が、デモに来ているわけですからね。 全文は「この社会情勢が続く限り、どこかでまた起こる?」2カ月間の“お祭りデモ”とはなんだったのか? 

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「デモで社会は変わるのか」 疑問に答えるガチンコ勝負の新書 via J-Cast News

『〈民主〉と〈愛国〉』『1968』などの重厚な大著で知られる社会学者小熊英二さん。小熊さんは、福島第一原発事故に端を発した脱原発デモや抗議行動に積極的に参加し、官邸前のデモでは、主催者と共に野田首相と2012年8月22日に対面している。 小熊さんはデモの現場で、新聞記者らからしばしば「デモをやって何か変わるんですか」「投票をしたほうがいいんじゃないですか」「政党を組織しないと力にならないのでは」「自己満足では」とも言われたという。 社会運動の可能性問い直す 『社会を変えるには』 そんな小熊さんが、そのような疑問に答え、社会運動とは何なのか、その可能性を問い直した新刊が、『社会を変えるには』(講談社現代新書)だ。 内容は、歴史的、思想的、社会構造的に、いまの社会運動の特長をとらえるスケールの大きな作り。戦後日本現代史、古代ギリシャの民主主義、現代のリスク社会論、社会運動のコンパクトな解説など、多岐に及ぶ。 続きは「デモで社会は変わるのか」 疑問に答えるガチンコ勝負の新書

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