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A nuclear power plant in Byron, Illinois. Taken by photographer Joseph Pobereskin (http://pobereskin.com). カレンダー
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- Mark Ultra on Special Report: Help wanted in Fukushima: Low pay, high risks and gangsters via Reuters
- Grom Montenegro on Duke Energy’s shell game via Beyond Nuclear International
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Tag Archives: 非常事態宣言
「コロナ」以前に五輪は中止すべきだった 「思慮なき夢」に今こそ水をさせ via 論座
小笠原博毅 神戸大学大学院国際文化学研究科教授 コロナ・ウイルスでオリンピック/パラリンピック(以下、五輪)を中止にするならば、飛散の止まらない放射性物質によってもっと早くに中止が決められるべきだった。 この原則は変わらない。延期ではなく、あくまでも中止である。福島第1原子力発電所の事故現場から飛散し続けている放射性物質の影響が予断を許さないということを証明している「原子力非常事態宣言」を理由に、中止にすべきだったのである。しかし「コロナ」は、五輪を中止にすべきあまたある理由に一つ別の要素が加算されたに過ぎない。一つのウイルスがパンデミック(世界的蔓延)認定がされようがされまいが、五輪は、五輪そのものが作り上げてきた内在的矛盾に対する合理的政治判断によって中止にされるべきものであることに変わりはない。 「思慮なき夢」としての五輪 地震学者の石橋克彦は、原子力発電所やリニア中央新幹線の巨大なリスクを明らかにせず、「国民の夢に水を差すことを憚る」大手メディアの態度を、「思慮なき夢」を見させるものだと痛烈に批判している(「世界」2020年3月号、岩波書店、89ページ)。五輪にも同じことが言える。「五輪を楽しみにしている」国民の「夢」に水を差すことこそ、いま言論人が求められていることではないだろうか。 他方で、「国難」を乗り切ってなんとか五輪開催にこぎつけたい安倍晋三首相は、闇雲に一斉休校という「ショック」を与えるパフォーマンスに打って出た。このままいけば、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正による首相権限としての「緊急事態宣言」が、9年間撤回されずに続いてきた「原子力非常事態宣言」よりも優先されるということになるのだろうか。 「コロナ」をすべての理由にすることで、中止までとは言わずたとえ延期という結果になったとしても、見過ごしてはいけない、忘れてはいけない事柄がたくさんある。むしろこのパンデミックによって、東京2020をめぐる汚職や賄賂疑惑、霞ヶ丘住宅の取り壊し、ホームレスの強制排除、選手村使用後の格安の民間払い下げ等、不透明な問題の責任逃れが可能になるかもしれないと、ほっと胸をなでおろしている人間たちがいるのではないか。 (略) 「例外状態」とはなにより、社会統制をより効率的に進めるための政治における権限集中と、公的領域と私的領域の境界を曖昧化させることによる経済における利益創出に具体化される現象である。五輪という祝祭によって活性化されるはずだったグローバル資本主義が、ウイルスがもたらす惨状に便乗して公的資金(税収)を協賛企業が被る損害の保証補填とすることで生き残る、という事態になることは、たやすく想像できるだろう。 そこでの最大の犠牲者は、大手グローバル企業の下請け/孫請け事業主であり、何より税金を負担するだけして全く受益のない納税者である。 捜査継続中の裏金疑惑 フランス検察当局はまだ、竹田恒和JOC(日本オリンピック員会)元会長に絡む裏金疑惑の捜査をやめてはいないことを思い起こすべきだろう。「金で買われた五輪」という見出しが世界中の新聞を飾ったのは、そんなに昔のことではない。 (略) これはほんの一例に過ぎない。リオデジャネイロでのあの「アンダー・コントロール」発言の嘘、新国立競技場のデザインと建設をめぐる不透明な経過、五輪エンブレムの「パクリ」問題。初めから、どこかに無理があったのだ。甲状腺がんや白血病の罹患者が確実に増えてしまっていることを、安倍首相はいつまで「科学的・医学的には直接の関連性が認められるかどうかわからない」と言い続けられるのだろうか。基礎工事段階ではインドネシアやマレーシアの成長途上の熱帯雨林から違法に伐採された木材が使われ、完成した屋根部分のために北海道紋別産の木材を調達した住友林業が、森林管理の認証規定に定められた先住民アイヌへの事前通達をせずに伐採していたことを、当の構造物をデザインし建築した隈研吾はどう考えているのだろうか。 (略) 「金を出すから、口も出す」構造 不都合な事実の隠蔽は、五輪を2020年7月24日に東京で開幕させる、この一点のためである。真夏の開催は、IOC収益の半分を担うアメリカの三大テレビネットワークからの放映権料を確保するためであることは、もう周知のことだろう。 (略) 先日、800mランナーでイギリス代表として期待されているガイ・リアマンスは次のようなコメントを発表した。 ここでは純粋に競技者としての見解を言わせてもらう。わたしたちは、明瞭さ、透明性、柔軟性を求めたい。日本の首相の記者会見を見たけれど、そこからはオリンピックがこのまま開催されるのかどうなのか、全く自信が持てなかったからだ。(The Guardian, 15/3/2020) やるなら環境を整えろ。整えられないなら延期だ。リアマンスはそう言っているのだ。それが主催者の責任だろうということである。 その環境とは、おためごかしではなく、スポンサーや放映権料や、アメリカ大統領や「五輪貴族」の顔色ではなく、競技する人間たちの方を向けと言っているのだ。放射性物質の線量が高いホットスポットだらけの場所で、聖火リレーをスタートさせるような五輪でいいのか。その聖火リレーの動画を撮影することは、IOC通達によって当初禁止された(後に撤回)。膨大な黒ビニールや建設途上の施設や、打ち捨てられた家屋などが写っては、「復興五輪」という冠の嘘がバレてしまうからだ。 全文は「コロナ」以前に五輪は中止すべきだった 「思慮なき夢」に今こそ水をさせ