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Tag Archives: 核のゴミ
誰も語らない日本学術会議に政府が介入する理由。それは「核ゴミ処理」問題だ! via週プレNews(Yahoo!ニュースJapan)
『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、日本学術会議に政府が介入する理由について指摘する。 * * * 新規会員候補6人の任命を拒否した菅政権だが、これに対する世論の強い批判に逆ギレしたのか、日本学術会議(以下、学術会議)を行革対象にするという脅しをかけている。なぜそこまでやるのだろうか。今回は、その理由のひとつに核のゴミ処理問題があるという話をしよう。 原発から生じる核のゴミを最終処分する方法として、政府は地下300m以上の深い岩盤に半永久的に隔離保管する地層処分を進めている。その一環として北海道の寿都(すっつ)町、神恵内(かもえない)村の2自治体では最終処分地を決める最初のステップである「文献調査」に手を挙げた。 だが、こうした政府の動きに警鐘を鳴らすかのように、学術会議が2012年、15年の2回にわたり提言を出していることはあまり知られていない。注目すべきはその内容である。 保管期間が数万年単位になることを指摘し、「それだけの長期にわたる地層の安定を確認するには、今の科学技術では限界がある」とした上で、暫定保管としてまずは50年間、地上での隔離保管を勧めているのだ。 それだけではない。50年間の暫定保管の間にも核ゴミは増え続ける。そこで会議は核ゴミの総量の上限規制をすべきとまで提言した。地層処分の是非について国民的合意がないまま突き進む政府の姿勢を明確に批判しているといってもよい。 御用学者や御用委員が幅を利かせる省庁の諮問会議では、こうした政府の方針に盾つくような提言はまず出てこない。政府から独立し、学術的知見に基づいて時には政府に耳の痛い提言もする学術会議だからこそ可能だったのだろう。学術会議の面目躍如といったところだ。 […] 経産省はその知見を無視する形で地層処分計画を進め、多額の予算を投入して適地マップまで作成している。その予算の使い方は本当に適切だったのか? 「今後50年間安定した地層を確定するのは今の科学技術の知見では無理だから、50年間は暫定保管で」という会議の提言を考えれば、経産省が行なった適地マップ作りや、これから進める候補地点の文献調査などは税金の無駄遣いになるのは必至だ。 日本学術会議の10億円予算と経産省の核ゴミの処分場選定事業の予算。どちらの精査が真の行革の名に値するものなのか? その答えはもはや、言うまでもないだろう。 全文
北海道に核のゴミ捨て場は要りません/「さようなら原発集会」に400人via レイバーネット
10月18日、札幌市・大通公園で「さようなら原発北海道集会」が開催され、地元紙・北海道新聞の報道によれば400人が集まった。 この集会は、北海道平和運動フォーラムなどの主催で、福島第1原発事故後は毎年3月と10月に行われている。今年3月の集会は新型コロナウィルス蔓延の影響で中止となったため、約1年ぶりの開催となった。 福島第1原発事故からまもなく10年。北海道は福島から遠いせいか、反原発運動側はもちろん真剣に取り組んではいるものの、どこか違う世界の出来事のような「ある種の余裕」があった。泊原発の廃炉を目指す取り組みや、核のごみ地層処分研究のための施設「深地層研究センター」(幌延町)の話題が中心で、自分たちが当事者という意識は福島や首都圏などと比べて薄かったように思う。 それがどうだろう。この日の集会参加者の表情は一様に硬く厳しい。自分たちがついに「当事者」になったのだというある種の悲壮感が見えた。理由は言うまでもなく、8月13日以降、明らかになった寿都(すっつ)町、神恵内(かもえない)村の高レベル放射性廃棄物地層処分地への応募表明だ。北海道民にとっての「8・13」は、福島県民が味わった「3・11」に匹敵するものがある。 この日の集会では6人が発言した。地質学者の小野有五・北海道大名誉教授は「今の世代が責任を持たなければならないと文献調査に応募表明した2町村長は言うが、私たちは原子力発電をしてくれなどと頼んだ覚えはない。勝手に原発を始め、ごみを作り出した者が後始末をすべきだ」と電力会社・原子力ムラの責任を追及した。 道内最大の生協組織「コープさっぽろ」の麻田信二理事長は「食と観光、北海道にはこの2つしかないのに、核のごみが来たら両方ともダメになってしまう。北海道産というだけで売れなくなってしまうだろう」と懸念を表明した。実際、この懸念は的外れではない。泊原発の運転が始まった1989年、隣接する岩内町から大手乳業メーカーの工場が撤退した事実もある(「幌延=核のゴミ捨て場を拒否する」滝川康治/技術と人間/1991年より)。処分不可能な危険なごみを生み出し続ける原発。事故がなければいいというわけにはいかない。 食糧自給率が下がり続ける日本にあって、自給率が200%を超える北海道は日本の一大食糧基地だ。生乳(牛乳)に至っては、今年か来年にも全国の生産量に占める北海道産の割合が50%を超える見通しだ。北海道でも農家の廃業は続いているが、それ以上に道外の農業基盤弱体化が進んでいる。道内農業界にとって本来なら喜ぶべきことのように思えるが、生乳生産量全国シェアに占める道産50%超えは「分母」が少なくなった結果としての達成に過ぎないのであり、数字の裏には喜んでいられない現実がある。 […] こんな危機の時代に、日本の食料生産の大半を支える北海道に核のごみを持ち込もうとする自公政権ほどの愚か者は探してもそうそう見つかるものではない。自民党政権やその支持者はすぐに私たちを「反日左翼」呼ばわりするが、何のことはない。日本を破壊し、日本人全体を食糧難に追い込む自民党をこそ国賊と呼ばずして、いったい誰を国賊と呼ぶのか。 大きな拍手で迎えられたのは、核のごみ処分場への応募に揺れる地元からの現地報告だ。寿都町でペンションを経営する槌谷和幸さんは応募に反対する住民団体を地元で急きょ立ち上げた。労働組合活動の経験はあるものの、こうした住民団体をゼロから設立しての運動経験のある人は地元にはほぼいない。「北海道全体に影響を与える大きな出来事を、小さな一自治体の長の判断だけで決めることができてしまうこの国の現実がある。多くの人が国に対して声を上げ、このようなことができなくさせる新たな法律を作らせることが必要だ」と訴えた。同時に、「寿都にはこちらからお願いしたときに来てくれればいい。過剰な取材、要望やアドバイスはありがたいが小さな町ですべてに応えることはできない。ひとりひとりが国策を止めるため自分にできることをしてほしい」と、現地入りよりも各自が自分自身でできること、やるべきことをきちんとやりきる必要性を指摘した。 […] 政党からは、道下大樹衆院議員(立憲)と畠山和也前衆院議員(共産)から挨拶。核のごみ処分場阻止への決意表明があった。野党からたった2党だけか、と思う人もいるかもしれないが、北海道では先に行われた立憲・国民の合流で、両党の国会議員は全員が立憲に合流。野党共闘への大きなステップとなった。 なお、寿都から現地報告をした槌谷和幸さんと、清末愛砂さんの発言は、いずれも安全問題研究会youtubeチャンネルにアップロードしたので、興味のある方はお聞きいただきたい。また、この集会後に引き続いて行われた野党共闘実現を求める街宣行動では、この前日(17日)に1億もの法外な税金をはたいて国葬が強行された中曽根康弘元首相の生前の「罪状」を示す立看板が登場した。こちらについても記事にした。併せてご覧いただくと、この国の「巨悪」が戦後、途切れることなく連綿と続いて今日に至っていることがきっとご理解いただけるだろう。 <音声>槌谷和幸さん現地報告(安全問題研究会youtubeチャンネル)https://www.youtube.com/watch?v=P-bJ8taxhpQ <音声>清末愛砂さんの発言(安全問題研究会youtubeチャンネル)https://www.youtube.com/watch?v=dxR6gU8O8r8 <関連記事>札幌市中心部に中曽根「国葬」批判の立て看板登場http://www.labornetjp.org/news/2020/1603118471922zad25714 (写真・文:黒鉄好) 全文
核のごみ処分場が決まるの? 北海道寿都町応募検討 進展に道の同意必要=回答・山下智恵 via 毎日新聞
(略) 記者 片岡春雄(かたおかはるお)町長が8月中旬、高レベル放射性廃棄物(ほうしゃせいはいきぶつ)最終処分場選定(せんてい)に向けた文献(ぶんけん)調査への応募を検討すると表明しました。 (略) Q 選定はどうやって進むのかな。 A 論文やデータを事前に調べる文献調査(約2年)▽ボーリングし地質を調査する概要(がいよう)調査(約4年)▽地下施設を作る詳細(しょうさい)調査(約14年)の3段階で決まります。 Q 交付金が出るんだってね。 A 見返りに国から文献調査で最大20億円、概要調査で最大70億円の交付金が出ます。 (略) A 町内の賛否は分かれています。次の調査段階に進むには首長と知事の同意が必要ですが、鈴木直道(すずきなおみち)知事は反対の立場のため、文献調査に応募しても概要調査には進めません。 Q それでも町長が応募したいのはなぜ? A 町の年間予算は約56億円。文献調査の交付金20億円でも魅力的(みりょくてき)です。根底には「原発があるのに最終処分場の議論をしないのはおかしい」との町長の政治信条もあります。応募の是非は別として処分や選定の方法などの議論は必要です。(北海道報道部) 全文は核のごみ処分場が決まるの? 北海道寿都町応募検討 進展に道の同意必要=回答・山下智恵
核のごみ」最終処分地を拒否 青森の有志が県民の会結成 via 河北新報
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)を巡り、使用済み核燃料再処理工場が立地する青森県を最終処分地にさせないよう、県内有志は22日、「条例制定を求める県民の会」を結成した。署名活動を行い、県議会への請願を通じて最終処分地を拒否する条例の制定を目指す。 青森市内で開いた結成集会には、核燃料サイクルに反対する市民団体のメンバーら約50人が参加した。2022年5月までに10万人分の署名を集め、同年の県議会6月定例会に請願書を提出する方針を確認した。 青森県知事は歴代の経済産業相との間で、同県を最終処分地候補から除外することを申し合わせている。発起人の浅石紘爾弁護士(八戸市)はあいさつで「ただの口約束で、実態のない『空手形』だ」と批判し、条例制定の意義を強調した。 国内の核のごみは、核燃料サイクル施設がある同県六ケ所村に一時貯蔵されている。事業者の日本原燃は、県と村と結んだ協定で保管期限を30~50年と確約しているが、最終処分地が決まらなければ、なし崩し的に処分地となる懸念がある。 […] 全文
子ども達が遊べる自然を守りたい。寿都の核ゴミ受入に関する調査の受入を考え直してください!via Change.org
佐藤 ふたみ started this petition to 寿都町長 寿都町長 片岡 春雄 様 (略) 今年の8月、隣町の寿都町が原発の使用済み核燃料から出るいわゆる「核のごみ」の最終処分場選定のための「文献調査」への応募を検討していることを表明しました。 報道によりますと「文献調査」を受入するだけで、最大20億円の交付金が町に支払われるとのことです。 「核のゴミ」は製造直後に人が近づけば20秒で人が死ぬと言われています。 安全なレベルになるまでには10万年かかると言われており、日本では地下300m以上深い地層で処分することになっていますが、その安全性には大きな疑問が残っています。 この寿都、黒松内周辺には活断層が走っていることが広く知られており、近い将来に大きな地震が起きることが予想されています。 そんな危険な場所に埋めたてて、地震でも起きれば大変なことになるのは目に見えています。 「文献調査」の結果次第では、撤回することも可能だと言われていますが、 処分地が見つからず「核のゴミ」が増え続けている現状で、20億円ものお金を受け取った自治体を簡単に諦めるはずがないと思います。 そんな甘い話は絶対にあり得ないと思います。 また、驚くことに この件は経済活動に関わるごく一部の寿都町の住民にだけ説明会が行われただけで 一般の住民向けの説明会や周辺市町村への説明会なども一切行われておらず 来週の26日の非公開の説明会によって、大まかな方向性を決めてしまうと伝えられています。 (略) 寿都の海は生き物が多様なので、生き物探しをすると子ども達は長い時間、夢中になります。子どもだけでなく大人もです。 本当に素敵な海です。 また、寿都町は強い海風を利用した風力発電に力を入れてきた町でもあります。 せっかくの寿都の良いイメージを台無しにしてほしくないですし これからも、子ども達が安全に遊べる場所であり続けてほしいと思っています。 過疎が進み、漁業の勢いも昔ほどではなくなってきたことなどから、 地域のために20億円を使いたいというお気持ちは大変素晴らしいと思いますが 寿都周辺の自然には20億円には替えられない、それ以上の価値があると思います。 「核のゴミ」受入による風評被害、そして実被害が起きてしまえば、本当に取り返しのつかないことになります。 (略) 寿都町民ではない自分が声を挙げることで、地元に混乱をきたすのもどうかと迷っていましたが、 今、反対の声を挙げなければ、ないことにされてしまうと思い、紙での署名集めとともに、ネットでの署名集めも始めることにしました。 特定の誰かを批判したり、傷付けたりしたいわけではありません。 ただ、ここ周辺の自然を大切に思う人達がいるということに気づいてもらえればと思っています。 皆様のお力もぜひお貸し頂けたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。 全文並びに署名は子ども達が遊べる自然を守りたい。寿都の核ゴミ受入に関する調査の受入を考え直してください!
核ごみ処分場調査に漁業者反対 地元組合長会が寿都町に抗議文 via Kyodo
北海道寿都町が原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査へ応募を検討していることを巡り、同町がある後志地方や隣接する石狩地方の9漁協でつくる「小樽地区漁業協同組合長会」(浜野勝男会長)が寿都町の片岡春雄町長へ抗議する文書を全会一致で採択したことが15日、同会への取材で分かった。 同会は抗議文で東京電力福島第1原発事故で地元の漁業者が風評被害を受けたことを念頭に「到底受け入れられず、地域はもとより全道漁業に与える悪影響は計り知れない」と主張。北海道全体で議論されるべき重要な問題だとし断固反対するとしている。 原文
「核のごみ」最終処分場選定 北海道寿都町の「応募検討」は解決の糸口になるか via 毎日新聞
北海道寿都町(すっつちょう)は、原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定に向け、第1段階に当たる「文献調査」への応募を検討していることを明らかにした。「トイレのないマンション」。核のごみの最終処分場が決まらないまま原発が運転されている状況は、そう呼ばれている。寿都町の対応は、問題解決の第一歩になるのか。 「トイレのないマンション」と呼ばれて (略) 政府は、原発で使われた核燃料を繰り返し再利用する「核燃料サイクル政策」を目指している。使い終わった核燃料から再利用できるプルトニウムなどを取り出す一方、残った燃えかすなどを含んだ放射性廃液をガラスで固める。この円筒状のガラス固化体(直径約40センチ、高さ約1・3メートル)が強い放射線を放つことから高レベルの放射性廃棄物、つまり核のごみになる。 核のごみは熱を持っているため、専用の容器に入れ30~50年は空気で冷やし続けることになる。放射線の強さが安全なレベルに下がるには10万年以上かかるにもかかわらず、最終処分場の当てはないままだったので「トイレがない」と表現された。それが、核燃料サイクル政策が行き詰まる要因の一つになる。 電力各社はこれまで使用済み核燃料を再利用するため、英国やフランスの企業にプルトニウムなどを取り出してもらい、その際に生じた核のごみは持ち帰っていた。行き場のない核のごみは、日本原燃の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター(青森県六ケ所村)などに計約2500本が保管されている。 核のごみは、これだけではない。経済産業省によると、各原発に貯蔵中の使用済み核燃料は計約1万9000トン。これを全て再利用したとすると、さらに約2万6000本の核のごみが生じ、原発の再稼働が進めばもっと増える。 (略) これを受け、原子力発電環境整備機構(NUMO、ニューモ)は02年、建設に向けた調査を受け入れる自治体の公募を始めたが、文献調査まで進んだ市町村はなかった。このため、政府は17年7月に活断層など地質の状況に応じて最終処分場の地質学的な適否を推定した全国地図(科学的特性マップ)を公表。各地で意見交換会や説明会を100回以上開き、文献調査の応募を呼びかけていた。 そんな中で科学的特性マップの公表から3年が過ぎ、文献調査に向け初めて手を挙げたのが寿都町だった。13日の北海道新聞の報道で表面化した。マップで「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高く(核のごみを受け入れるための)輸送の面でも好ましい地域」と評価されていた約900自治体の一つだった。 政府が見込んでいる最終処分場は地下に核のごみ4万本以上を埋める。地中に整備される施設の広さは、約6~10平方キロ(東京ドーム128~214個分に相当)。坑道の総延長は約200キロになる。放射線が強い状態にある1000年以上は金属製の容器に格納する。総事業費を試算したところ3・9兆円に上った。 (略) ハードルは地元の理解と道条例 「交付金は2年間で最大20億円。これは大きい」。寿都町の片岡春雄町長は13日、時折笑みを浮かべながら毎日新聞の取材にこう語った。「新型コロナウイルスの影響で漁業、水産加工の売り上げが落ち込んだ」と話し、町の財政立て直しにつながると強調した。 漁業を主な産業とする町は人口約2900人(3月末)の過疎地で、高齢化率は約40・5%。片岡町長は「町の財政は10年後を見据えると資金が底を突く。人口減が進む中、文献調査だけでお金がもらえるなら」と応募検討の理由を語った。 (略) 条例は、道が2000年10月に制定した都道府県唯一の「核抜き条例」。核燃料サイクル開発機構(現・日本原子力研究開発機構)が北海道幌延町(ほろのべちょう)に、核のごみの地層処分の技術的検討を行う「幌延深地層研究センター」を設置する際、核のごみは「受け入れ難い」と明記し、制定された。しかし、片岡町長は強気だ。「条例は拘束力があるわけではなく、実効性がない」として、道に国との協議を期待する。 ただ、道内の世論が容認に傾く可能性は低い。幌延町に隣接する豊富町(とよとみちょう)の酪農家で、道内への原子力施設の誘致に反対してきた久世薫嗣(くせしげつぐ)さん(76)は「原発マネーは一度受け入れると抜け出せない。酪農や漁業など基幹産業を整え、町づくりをするのが町政の役割だ」と批判し、北海道全域で反対活動を展開する考えだ。 高知県東洋町は07年、文献調査に手を挙げるも猛烈な反対運動で撤回した。海外でも最終処分場の選定は難航しており、決まっているのはフィンランドとスウェーデンだけ。それだけに、経産省の担当者は「東洋町の時は、十分な理解を得ないまま、手続きが先行してしまった。同じことは繰り返したくない」と話す。 (略) 【山下智恵、高橋由衣】 全文は「核のごみ」最終処分場選定 北海道寿都町の「応募検討」は解決の糸口になるか
「黒い水」飲む羊、ここはウランのぼた山 秘密都市の今 via 朝日新聞
「私書箱200号」という暗号で呼ばれた旧ソ連の秘密都市があった。中央アジア・キルギスにあるマイリ・スウ。2万人ほどが住む谷沿いの町では、第2次世界大戦の終戦翌年の1946年からウランを採掘、精錬した。 45年8月に広島、長崎に米軍が原爆を投下すると、危機感を抱いたソ連は原爆開発を本格化、49年に最初の核実験に成功した。 東西冷戦が本格化し、軍拡競争が続く中、核の超大国だったソ連は崩壊直後の92年にかけて、「5万5千発」もの核弾頭をつくった。可能にしたのは、各地の施設を結ぶ広大な核兵器製造ネットワークだった。旧ソ連が15の国に分裂した今、核保有国の地位を継承したロシア以外の国々には、核に関連する施設が放射能汚染とともに残る。 その一つがマイリ・スウだ。冷戦終結から30年。10月下旬、町を訪ねた。 夜明け前、ウズベク系の男性が柵の扉を開くと、150頭ほどの羊が飛び出し、河原で水をのみ始めた。川の名前も同じマイリ・スウ。「黒い水」という意味だというが、周囲には原油がしみ出す場所もある。この川のそばには、かつてウランの精錬所だった廃虚が残る。川の水は飲用には適さず、地元住民は数キロ先の水源に頼る。 家畜の羊を追う男性について草に覆われた斜面を上っていくと、放射能マークのついた標識が現れた。一帯はウラン鉱石の破片やウランを取り出した後の残渣(ざんさ)(残りかす)を埋めた「ぼた山」。土をかぶせているが放射線量が高い所が点在する。 山々と一体化したぼた山は大規模なものだけで23カ所、総量は200万立方メートル超、東京ドームの1・6倍を超える。含まれる放射性物質の量は1100兆ベクレルに及ぶと、国連欧州経済委員会はかつて報告書で指摘した。2006年、環境汚染問題に取り組む米NGOブラックスミス研究所(現ピュア・アース)は、「世界で最も汚染されている場所トップ10」として紹介した。 (略) ぼた山を一緒に歩いたドイツの技術者ユルゲン・ハルシュ博士は「水を大量に含むウラン残渣もある。地震などで液状化したら危険だ」と語った。 中央アジアは地殻変動が活発で巨大地震の可能性もある。これまで世界銀行や欧州連合(EU)などが細々と支援してきた。欧州復興開発銀行(EBRD)は、今後の対策に3千万ユーロ(約36億円)が必要と計算する。 68年ごろに採掘が中止されるまで、多くの鉱夫がウラン鉱石を1万トン、手作業で掘り出した。 「彼らはみんな若くして死んだよ。50とか55とかさ」。クルマナリと名乗る50代の男はそういった。 なぜ若くして死んだのか。 「ウラン鉱山の鉱夫だったおやじは言ってたよ。坑道から戻ると、切り子ガラスのコップの前に列ができている。コップに注がれたウォッカを飲み干してから、シャワーを浴びる手はずだが、キルギスでは(ムスリムで)酒を飲まない人も多いので、ウォッカは捨てられちゃう。そして、多くが早死にする」 ウオッカやウイスキー、赤ワインなどアルコール飲料が放射線障害に効く、という旧ソ連の迷信は、原爆投下直後の広島と長崎に入り、生き残った旧ソ連のスパイの体験に端を発するといわれる。この鉱山だけでなく、86年のチェルノブイリ原発事故後も、現場周辺ではウォッカが大量に飲まれた。アルコール飲料を飲むかどうかが生死を分ける。そんな迷信がここでも生きていた。 EUの援助でなされた06年のベルギーの研究機関の調査では、マイリ・スウの鉱山跡近くの住民の外部被曝(ひばく)線量は年間3ミリシーベルト程度、食べ物などからの被曝を合わせると年間22~39ミリシーベルトとされた。参考までに、日本人の平均被曝線量は東日本大震災前の調査をもとに年間5・98ミリシーベルトとする推定もある。 鉱山付近では、がんの発生率が健康な人の2倍とする疫学調査の結果もある。だが、それが放射性物質に起因するかどうかははっきりしていない。 (略) アイダルと出会った近くの建物には、巨大な壁画が残されている。 「H2O(水)」と「C6H6(ベンゼン)」、核や原子力を表すかのようなシンボルとともに、男女が化学実験を行っているような図柄だ。専門家によると、ベンゼンは鉱石からウランを抽出するための溶媒の象徴と考えられる。 アイダルのようなウランの谷に残された人々は、精錬所や坑道跡のそばで羊や馬を飼う。家畜はやがて食卓にのぼる。そこには、知られざる核の遺産とともに生きる日常がある。(キルギス西部マイリ・スウ=松尾一郎) 全文は「黒い水」飲む羊、ここはウランのぼた山 秘密都市の今
「原発は廃止すべき」 蓮池透さん 富山で講演 via 中日新聞
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の元副代表で元東京電力社員の蓮池透さんが四日、富山市のサンシップとやまで講演し、百十人の聴衆を前に「原発は廃止するべきだ」との主張を繰り広げた。 れいわ新選組の県内支援者でつくる「れいわ勝手連とやま」が企画した。蓮池さんは原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場が定まっていないことを指摘。「災害の多い日本で処分場をつくるのは現実的でない。いつまでも問題を棚上げしてはいけない」と訴えた。 (略) 蓮池さんは七月の参院選比例代表で、れいわ新選組から立候補して落選した。 (山岸弓華) 全文は「原発は廃止すべき」 蓮池透さん 富山で講演
原発のたたみ方 /1 東海、進まぬ廃炉 当初見通しは「17年度終了」via 毎日新聞
<科学の森> 東京電力福島第1原発事故から8年半余りが過ぎ、各地の原子力施設の「廃炉」が相次いで決まっている。これまでに経験のないことで大きな壁が立ちはだかっており、商用原発で初めて解体に取り組んだ日本原子力発電(原電)の東海原発(茨城県東海村)を手始めに、「廃炉時代」の課題を探る。【岩間理紀、斎藤有香、荒木涼子】 (略) 当時、解体していたのは使用済み核燃料を格納していた冷却プールの設備だった。巨大な傘立てのような形をした高さ約2メートルのラック30個ほどを一つずつクレーンでつり上げ、除染してから取り壊した。 原電の元取締役で、専門家らが廃炉などを考える「原子力デコミッショニング研究会」事務局長の佐藤忠道さん(68)は、そのころの作業に携わった。「廃炉は、管理しづらい『液体』の部分から片付けるのが鉄則。(その片付けが進み)がらんとなったプールを見た時は感無量だった」 (略) 現在の廃炉の進め方は、電力会社がまず、解体の工程を示した廃止措置計画を原子力規制委員会へ提出する。計画は4段階に分かれ、「第1段階」は使用済み核燃料の取り出しや汚染状況の確認など解体前の準備をする。次の「第2段階」では、原子炉周辺の設備などを解体する。 「第3段階」になって、放射能レベルを10年ほどかけて下げた原子炉の中心部などを取り壊す。最後の「第4段階」で、建屋をばらして更地に戻す。開始から完了までの期間は、30~50年という長い時間がかかる。 こうした廃炉の流れは、規制委が12年に発足する前もほぼ同じだ。東海原発は現在、第2段階に入っている。 ●探せぬ処分場 廃炉の完了予定について原電は当初、17年度としていた。しかし、10年になって「3年延長する」と発表するなど、これまでに3回も変更。現在は、最初の計画より13年遅れて30年度としている。 なぜ先延ばしされたのか。背景には、廃炉の各段階で出る放射性廃棄物の問題がある。放射性廃棄物は、放射能のレベルが高い順に「L1~3」と区分される。例えば、制御棒などの「L1」や圧力容器といった「L2」は主に計画の第3段階で、原子炉につながる配管などの「L3」は主に第2段階で生じる。 東海原発で発生する放射性廃棄物の総量は、計2万6900トンに上る見通し。そのうち、「L1」分の約1600トンは、規制委の方針で「10万年後まで深さ70メートル以上の安定的な地下に埋めなければならない」と示されている。東海原発を含めた「L1」の廃棄物をどこで処分するかは、電力大手でつくる電気事業連合会(電事連)が中心になって処分場を探す方針だ。 しかし、規制委は「L1」の処分場に関する規制の基準作りをまだ終えていない。そのため、電事連は処分先を探すのもままならない。「L2」については基準こそあるが、こちらも処分先は未定だ。 (略) ●原子炉は手つかず 行き場のない「ごみ」は、商用原発だけではない。63年に国内で初めて原子力発電に成功した日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)の試験炉「JPDR」は、76年に運転を終えて96年に廃炉を完了させた、としている。しかし、廃炉で生じた放射性廃棄物約3770トンは、今も敷地内に残ったままだ。 一方、商用原発の廃棄物の場合、電事連の試算によると各地に建つ全57基が廃炉になると、その総量は計45万トンと見込まれる。今後、処分場の規制基準が決まっても、処分先の選定には地元自治体の了解が必要で、処分場の建設には規制委の審査も通過しなければならない。 全文は原発のたたみ方 /1 東海、進まぬ廃炉 当初見通しは「17年度終了」