原発導入論、豪与党で再び ウラン産出、脱石炭狙い?via 朝日新聞

オーストラリア政府が、将来、原子力発電を利用する可能性について連邦議会に調査を要請した。発電時に温室効果ガスの排出がないという点から、原発を導入すべきだという与党内の一部の声を受けた形だ。年末までに調査をまとめるように求めているが、最大野党労働党は反発している。

テイラー・エネルギー相が2日、下院の環境エネルギー委員会に調査を求めた。豪州は1998年と99年に制定された原子力と環境保護関連の二つの法律で原発の建設を禁じている。テイラー氏は「豪州の原子力の凍結政策は維持されている」としたうえで、温室ガスの少ない技術を増やすために、「(調査結果が)将来の政府が原子力を検討する場合に必要な材料になる」と説明。使用済み燃料の管理や安全性、経済性、国民の合意形成、といった点から調査を求めた。

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豪州は原発の燃料になるウランの世界有数の産出国で、業界団体の豪州鉱業評議会は「世界のほかの地域は、エネルギーが足りない状況下で原子力が果たす役割に焦点を当てている」として、今回の動きを「重要な最初の一歩」と歓迎した。

だが、労働党のバトラー「影のエネルギー相」は「原子力は太陽光や風力などの再生エネルギーに比べて最大で3倍も費用がかかる。健康や環境に重大なリスクもある」と反発。環境・反核団体の「豪州地球の友」(メルボルン)のジム・グリーンさんは「原発の導入となれば、予定地から激しい反発が起こるのは必至だ」と指摘する。(シドニー=小暮哲夫)

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