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今回、同団体が手渡したのは、原発事故後に甲状腺がんと診断された26歳以下の患者を対象としたアンケート結果。同団体は2006年の活動開始から5年間で、小児や若年の甲状腺がん患者176人に療養費を給付しているが、そのうち、福島県内の70人(61.4%)と福島県外の35人(56.5%)の計105人が回答した。本人が回答したのは72人で、残り33人は保護者が回答しているという。
県外は全摘が51.7%、県内は再手術が16%
報告書では、患者の臨床状況につおてもまとめている。これによると、「県民健康調査」で甲状腺検査が実施されている福島県に比べ、福島県外の患者は自覚症状でがんが見つかるケースが多く、術式は全摘が51.7%で肺に転移している患者は15%に上っている。これに対し、福島県内では1.2%と大きな差がある。
同団体は、福島県内で見つかったがんは、甲状腺の全摘例や遠隔転移の割合が少なく、県民健康調査が早期発見・早期治療につながっていると一方、過剰診断は起きていないとして、原発事故と甲状腺がんをめぐる正確な調査研究を実現するよう求めた。県の担当者は、回答しなかった。
なお、福島県内では再手術が目立っている。再発または転移により再手術を受けている患者は16.4%にのぼり、県外より多い。この数字が、県内で多数の手術をになっている福島県立医科大学鈴木眞一教授の臨床データと大きくかけ離れているのは、途中で県外の転院した患者が多数いるためと、同団体は分析している。
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とりわけ保護者は原発との関係を強く疑っており、「関係ない」と考える人は県外も県内もゼロで、福島県内では、原発事故との関係が「おおいにある」と回答した保護者が56%を占めた。
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アンケート結果は今春に一部、公表していたが、福島県内と県外のすべてのデータを公表したのは今回が初めて。約100ページにわたる報告書には、今年3月に実施した オンラインイベントの再録や、分析に協力した山口大学人文学部の高橋征仁教授のコメントなども盛り込まれている。PDF版は無料。冊子版は1000円。