1歳児の甲状腺被ばく、国連報告より低く 国際医療福祉大など推計 福島第1原発事故 via 毎日新聞

東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た福島県7市町村の1歳児の甲状腺被ばく線量は、市町村別で平均1・2~15ミリシーベルトになるとの研究結果を、国際医療福祉大(栃木県)などのチームが英科学誌電子版に発表した。国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)が2013年に報告した15~83ミリシーベルトより大幅に低くなった。

チーム代表の鈴木元・同大教授(放射線疫学)は「50ミリシーベルト以下は、健康影響が出ることはほとんどなく、がんのリスクを心配する線量ではない」としている。UNSCEAR報告は住民が屋外で一日中被ばくしたと仮定するなど、精度が不十分な面があったという。

チームは避難中の行動を聞き取った福島県の問診票を基に、当時1歳だった7市町村の約900人を、11年3月11~25日の避難日時や経路によって37グループに区分。放射性物質を大量に含む放射性プルーム(雲)の動きや、屋内退避の防護効果などを考慮して被ばく線量を推計した。

市町村別では、南相馬市(小高区)の15ミリシーベルトが最も高く、富岡町の1・2ミリシーベルトが最低だった。

グループ別で最も推計量が高かったのは、南相馬市原町区・鹿島区で避難開始が遅れ、北へ避難したグループで、約20ミリシーベルト。

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