東京都教育委員会は9日、広島の原爆や戦争を描いた漫画「はだしのゲン」(中沢啓治氏作)の公立学校での自由閲覧維持を求める請願と撤去を求める請願計12件を審議し、いずれの請願にも応じられないとする回答をまとめた。
回答では、「暴力的な表現など一部に教育上の配慮が必要な表現がある」とする一方、学校教育法に基づき「校長は図書館資料の選定事務について権限と責任を有している」と明記、選定を校長の権限に委ねた。都教委も適切な選定へ指導していくとしている。
都教委によると、昨年秋の聞き取り調査で、同書は都立高図書館の約75%にあたる約130校に置かれている。都教委には昨年9~12月末、都内の個人や団体から自由閲覧維持を求める請願が9件、撤去を求める請願が3件寄せられていた。
教育委員からは「図書館はいろいろな意見がある本が置かれているもの。一冊一冊を都教委で審議するのは難しい」などの意見が出た。
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