国内で唯一稼働中の関西電力大飯原子力発電所(福井県)3、4号機を巡り、原子力規制委員会が7月の新規制基準の施行後も、当面の運転継続を容認する公算が大きくなった。新基準に適合しているかをみる15日の現地視察で大きな問題はないことを確認した。新基準の運用は全国の原発再稼働のカギを握る。各電力会社は今回の確認作業も踏まえ、再稼働申請に向けた準備を進める。
運転継続の是非は月内にも最終決定する。9月の定期点検に入るまでの稼働を認める方向だ。更田豊志委員は現地視察後、記者団に「(安全面で)決定的に何かが足りないという印象は持たなかった」と明言した。
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大飯原発は敷地内に活断層がある可能性も指摘されるが、早期の結論は難しい。規制委は運転継続の是非とは切り離して調査を続ける方針。ほかにも積み残しの課題は残るが、今夏の運転継続に向けて規制委が示していた懸念の多くは解消に向かいつつある。
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新規制基準は最新の知見に基づく規制への対応を既存原発にもさかのぼって要求する「バックフィット」を導入するのが特徴。新たな対策が導入されるたびに稼働中の原発を止めて対応させていては社会の混乱が避けられない。規制委が大飯3、4号機の今夏の運転継続容認に傾いているのは、制度の円滑な運用を重視する姿勢を反映しているといえそうだ。一方、大飯3、4号機は定期検査で停止した後、改めて新基準に基づく再稼働審査を受ける。その際は敷地内断層などの懸案解決が必要になる。
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「(安全面で)決定的に何かが足りないという印象は持たなかった」と明言した。」こういう表現を「明言」というものでしょうか。