首長「脱原発」 広がる via 東京新聞

全国の市区町村長や元職の有志でつくる「脱原発をめざす首長会議」は二十八日、設立一周年を迎えた。会員数は 十六人増加し、この一カ月だけで現職五人が新加入した。東京電力福島第一原発事故から二年が経過し、安倍晋三首相が原発再稼働を明言するなど、脱原発をめ ざす動きが正念場を迎える中、危機感を背景に首長の輪は広がりつつある。

 「原発事故から時間がたち、脱原発の世論が少し低下している時期なので、もう一度この問題をクローズアップさせたかった」。二十八日午後、茨城県 東海村で開かれた首長会議総会後の記者会見。同県常総市の高杉徹市長は六日前に加入した理由を語った。今月一日に名を連ねた岐阜県北方町の室戸英夫町長も 「政権が変わり(国の原発政策の)雲行きが怪しい方向に流れる状況で、脱原発の世論づくりの応援ができたら」と抱負を述べた。

 会議は一年前、三十五都道府県の首長や元首長計七十人で発足。これまでエネルギー基本計画作成をめぐり政府に「原発ゼロ」を要求したり、勉強会を開いたりしてきた。

 この間、会員数はじわじわと増加。今月には二人のほか、東京都多摩市の阿部裕行市長、滋賀県米原市の平尾道雄市長ら三人が入り、三十八都道府県、八十六人に達した。

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