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A nuclear power plant in Byron, Illinois. Taken by photographer Joseph Pobereskin (http://pobereskin.com). カレンダー
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Tag Archives: 濱岡豊
福島甲状腺がん「過剰診断」論の誤り via 放射線被ばくを学習する会
【放射線被ばくを学習する会 】 申入書:福島甲状腺がん・「過剰診断」論を撤回し、検査を拡充すべきです 「県民健康調査」検討委員会御中 「県民健康調査」検討委員会「甲状腺検査評価部会」御中 内堀雅雄・福島県知事殿 伊藤剛・福島県保健福祉部長殿 小泉進次郎・環境大臣殿 田原克志・環境保健部長殿 細野豪志・衆議院議員殿 申し入れ書 福島甲状腺がん・「過剰診断」論を撤回し、検査を拡充すべきです 1.福島甲状腺がん、少なくとも260名に 10年半前の3月、東電福島第1原発事故により膨大な放射能が放出されました。放射能による健康被害の中でも感度の高いのが小児甲状腺がんです。年間100万人に1人という極めてまれな病気で、1986年のチェルノブイリ原発事故後、被ばくにより小児甲状腺がんが増加したことが明らかにされています。 福島県は2011年10月、震災時に18歳以下だった約37万人を対象に2~3年に1回、超音波と細胞診による甲状腺検査を開始しました。これまでに260名(2021年3月末現在)の甲状腺がんが報告され、多発と認められています。福島県の検査以外で甲状腺がんと診断された例も多数明らかになっています。 2.甲状腺検査で早期発見・早期治療できます 福島県甲状腺検査が進む中で甲状腺がんの進行が非常に早いことが分かりました。2巡目以降の検査で甲状腺がんが見つかった人の39%は、2~3年前の検査では何の異常もありませんでした。 福島で手術された甲状腺がんは、事故前に他地域で手術された小児甲状腺がんと比べて全摘・亜全摘手術が少ないことが分かっています。全摘・亜全摘手術の場合、甲状腺ホルモンを作れなくなるので、術後に甲状腺ホルモン剤を毎日飲み続ける必要があります。早期に発見すれば甲状腺の半分を残すことができ、甲状腺ホルモン剤を毎日飲み続ける必要がありません。 3.検討委員会は被ばく影響を否定、「過剰診断」説 福島県県民健康調査検討委員会は2016年3月の「中間取りまとめ」で、「数十倍のオーダー」の甲状腺がん多発を認めつつ、多発の原因が被ばくであることを否定し「将来的に臨床診断されたり、死に結びついたりすることがないがんを多数診断している可能性が指摘されている(下線は引用者)」としています。いわゆる「過剰診断」論です。 4.「過剰診断」を防ぐ対策が取られています 米国、韓国などで中高年の小さな甲状腺がんを見つけて手術しましたが、死亡率が下がらず、「過剰診断」と問題になりました。福島甲状腺検査では5ミリ以下のものは精密検査の対象外としています。福島で手術されている甲状腺がんの2/3は10ミリ超で手術すべきものであり、5ミリ超10ミリ以下の超低リスクのものは「積極的経過観察」を勧めても手術を希望した場合のみ手術しています。福島甲状腺検査で「過剰診断」が生じているというエビデンスは何もないのです。 5.明らかに被ばく影響です チェルノブイリ原発事故で放出されたヨウ素131がほぼ完全に消滅したのちに生まれたベラルーシの子ども約3万5千人の甲状腺を超音波検査(1998年~2000年、および2002年)したところ、甲状腺がんは1人も見つかりませんでした。 他方、福島県の1巡目甲状腺検査では、10万人あたり38.3人の甲状腺がんが見つかっています。被ばく影響は明らかです。 6.「過剰診断」宣伝に躍起の環境省・福島県検討委員会 甲状腺検査の対象者は大部分が生徒であり、生徒の約85%が甲状腺検査を受け、早期発見・早期治療に役立っています。ところが福島県検討委員会や環境省は「甲状腺検査は過剰診断」との主張を強め、「受けたくない人は受けずに済むように任意性を確保する」と称して、検査を受ける生徒を減らそうと躍起になっています。 「過剰診断」を宣伝する細野豪志議員の国会質問に、小泉環境大臣は「問題意識は共有する」と述べ、福島県に「任意性の確保」を求めました。放射能安全宣伝「ぐぐるプロジェクト」の一環としてリーフレットを作り、「過剰診断」論を広めようとしています。 7.甲状腺検査の拡充を! 原発事故の放射能汚染に県境はありません。甲状腺検査は福島県内に限定せず、近隣都県でも実施すべきです。甲状腺がんは年齢が高くなるほど増えることが知られています。ところが2年に1回の福島県甲状腺検査が、20歳を過ぎると5年に1回になってしまいます。25歳節目検診では発見率が高く、腫瘍が大きくなっています。検査遅れは明らかで、20歳以降も最低限2年に1回の甲状腺検査が必要です。 エビデンスのない「過剰診断」論を唱えることは、検査を受ける人を減らし、早期発見・早期治療の機会を奪う結果になります。 私たちは「検討委員会」、「甲状腺検査評価部会」、小泉環境大臣、細野衆議院議員らが「過剰診断」論を撤回し、甲状腺検査を拡充するよう要求するとともに、その実現に向け早急に話し合いに応じるよう求めます。10月31日までにご回答ください。 2021年9月30日 放射線被ばくを学習する会ほか (呼びかけ・賛同団体・個人名は詳細版に記入) 第1次集約:2021年9月30日(検討委員会の日程によって早くなる可能性もあります) 第2次集約:2021年12月末日