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食品の放射線汚染はもう問題ない! 山菜を堪能するバスツアーで味わった福島の現状 via 現代ビジネス

川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」 「福島に山菜を食べに行こう!」というバスツアーの企画があったので参加した。東京工業大学の原子炉工学研究所の澤田哲夫先生と、福島の現地で八面 六臂の大活躍中の地域メディエーター・半谷輝己氏の両氏が、発案者、および世話人。半谷氏のしている「メディエーター」というのは、地域住民と行政との間 に立ち、情報やデータの見方、地域の文化や風習を”通訳”する仕事だ。 バスの中は、参加者の自己紹介でさっそく盛り上がる。原子力の専門家あり、環境省のお役人あり、ゼネコンの社員あり、某有名広告代理店の社員あり、 変わったところでは、キノコの専門家でもある薬剤師の女性あり。元読売新聞の記者や、現役の朝日新聞記者、元東電の社員もいれば、中部電力やNUMO(原 子力発電環境整備機構)の社員もいた。NUMOは、核廃棄物の処理に携わっている会社だ。 […] 私が参加した理由はというと、日頃、いろいろなデータを参考に、福島の食品は安全であると主張している手前、ときどき現地で食体験をするのは有意義 であろうと思ったこと。もちろん、取れたての山菜を堪能できるという楽しみもあるし、いつもネタ探しに四苦八苦しているこのコラムでも紹介できる。一挙両 得ならぬ、一挙三得である! […] ただ、食品の放射線汚染に関しては、もう問題はないようだ。欧米より10倍厳しい基準値さえ、たいていクリアしている。農薬まみれの作物や、添加物満載の食品、特に、煙草やお酒の方が、おそらく健康に対する被害は大きいとか。でも、お話も良いが、お腹が鳴る。 さて、いよいよ山菜の御馳走会。調理室に改造された隣の教室から、何十もの大皿が次々と運ばれてくる。天ぷらだけでも、6、7種類。桑の新芽(伊達市 内)、タラの芽(里山に自生)、野フキ、シドケ(安達太良山に自生)、グリーンアスパラ、ワラビなど、どれもからりと揚がっていてすばらしく美味しい。お 酒は、生ビールと地酒の霊山。 […] 一つだけ、コシアブラという山野に自生している山菜が、230ベクレル/kgで、基準値を超えていたらしい。だから、これは里山がっこうでは提供できず、 半谷氏からのおもてなし。実は、欧米の基準は1000ベクレル/kgなのに、日本だけ100ベクレル/kgなので、それに対する無言の抗議のようだ。私た ちも無言で美味しくいただく。全員、満腹。 たいへん楽しく、美味しい食事会であったが、しかし、実際問題として風評被害はいまだに大きいようだ。いくら安全と頭でわかっていても、嫌な人は嫌。もち ろん食べたくない人は食べなくてもよいが、基準値や摂取制限などは、もう少し現実に合わせるべきではないかと思う。そうしないと、福島はいつまでたっても 復興しない。 […] また、これも上念氏の話だが、放射線の量は、1964年の東京の値が、震災のあとの福島の約200倍だったそうだ。中国の核実験のせいである。それについては、私も拙著『ドイツの脱原発がよく分かる本』 の中で触れている。中国は1964年、日本人が東京オリンピックで浮かれている最中に大々的な核実験を開始し、公式発表しただけでも46回の核実験が、桜 蘭遺跡周辺で69年まで続いた。放射能の総量は、チェルノブイリの被害の500万倍だ。ウイグル族からは19万人もの急性死亡者が出たという。 60年代の終わり、佐世保に入港した米軍の原子力潜水艦が核を積んでいるの、いないのと大騒ぎをしたが、私たちは、当時、すでにかなりの放射能を浴 びていたようだ。そして、中国で原発がどんどん増えている昨今、ひとたび事故が起こると、また同じ状況になる可能性は高い。もっとも、当時、それだけ浴び てもたいして健康被害は出なかったようなので、過度に心配することはないのかもしれないが、でも、福島の山菜は怖くない私も、そちらの方は若干怖い。 さて、楽しく美味しかった福島山菜ツアーだったが、心が暗くなるような話も耳にした。福島には、”福島はもう安全だ”という主張を嫌う人たちもいる らしい。私たちは、福島の風評被害が収まり、1日も早く復興できるようにと願っているが、それが迷惑がられるとなると、何をしていいのかわからなくなる。 […] 全文は  食品の放射線汚染はもう問題ない! 山菜を堪能するバスツアーで味わった福島の現状

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菅元首相と識者が語った原発とエネルギー問題–シリアスゲームができることとは via CNET Japan

(抜粋) 今回のテーマは「シリアスゲームの現状 日本の不都合な真実~福島第一原子力発電所事故 ゲームにできること~」。3月11日より配信が開始されているスマートフォン向けテキストアドベンチャーゲーム「エネシフゲーム・インタビューズ」ならびに、この作品が扱っているエネルギー問題と原子力発電についてのトークが展開された。 登壇したのは第一部に本作の開発プロデューサーを務めたダイスクリエイティブの小関昭彦氏と、ディレクターを務めたグランディングの二木幸夫氏。さらに 本作にも登場する東京工業大学助教の澤田哲生氏と東京都市大学教授の高木直行氏という、原子力の専門家が登壇。そして第二部では、衆議院議員の菅直人元首 相が講演を行った。 (略) 本作がインタビューを通じて進行する、また情報リストのコンプリートこそあってもゲームとしてのゴールがなく、その判断をユーザーにゆだねるという 内容となったのは、開発にあたり実際に識者に話を聞いていくなかで、これをそのまま内容にしたほうがいいのではと感じたからだという。二木氏は当初、原発 の反対運動やエネルギー問題を体験できるような内容を考えていたそうだが「僕たちは専門家ではなく、話を聞けば聞くほどいろんな意見と見解があるため、誰 の情報を信じていいかわからない。それであるならば、さまざまな意見を聞くという過程そのものを体験してもらうアドベンチャーゲームにした」(二木氏)と 振り返る。 高木氏と澤田氏が本作に登場した経緯についても触れられた。高木氏は、2008年に大学教授になるまで、約16年間は東京電力で勤務。東電時代で 最後の直属の上司は、東日本大震災時に福島第一原発所長をしていた吉田昌郎氏だったという。学生時代から原子力を専攻し、自ら「完全に原子力人間」という ほど、長年原子力発電に携わってきた人物。本作の提案を受けた時点では震災からまだ1年も経過していない時期ではあったが「吉田さんがどういう気持ちで対 応されているか、さらに最後にいた部署は原子力安全の中枢を担うグルーブだったが、当時向かいに座っていた人が現場で対応しているという状況を見ると、い てもたってもいられずなんとかしたいという気持ちが強かった」と当時の心境を語った。ゲームというインパクトのある媒体であることや、東電社員時代から反 原発団体と直接話を聞くなど、立場の違う人たちと話をして交流を持つことに抵抗がなかったため快く引き受け、取材も丁寧だったと振り返った。 澤田氏は自ら「原発推進派」と言い切り、日本エネルギー会議の発起人としても活動している。まわりから“御用学者”と言われていたことに触れ「東 京電力や政府からお金をもらってないので、御用学者じゃありません」と笑いながら否定しつつ、出演の打診については自身の子どもがゲームに親しんでいたこ とや、原発に対する意見が横並びに扱われることに関心を示したという。「原子力発電というオプションがあるということを言い続けてきたし、その主張を少し でも扱ってもらえることがありがたかった」(澤田氏)と振り返った。 (略) 事故後、仮に事故が収束できず最悪の事態に陥った場合に、強制移転の区域のシミュレーションを原子力委員会委員長に指示。そこで出てきたのは、福島 第一原発から半径250キロ圏内、人口にして5000万人が避難するという可能性。半径250キロ圏内は神奈川県の一部(横浜以西)を除く首都圏を包みこ むことになり「5000万人の人が、それまで住んでいた地域に戻れない状況が10年から20年続く。人っ子ひとりいない東京や横浜などを想像すると、本当 に恐怖」(菅氏)というように、国家としての機能を失うに等しい深刻な事態に陥ることが予測される。 菅氏は「事故が起きていなければ、いわゆる原発の安全神話を信じ続けていたかもしれない」と振り返りつつ、事故後は考えを変えたという。国家が機 能しなくなるほどの大きな被害を出すものは戦争と原発以外にはなく、さらに地震や津波といった天災は防ぎようがないものの、原発は動かさなければ事故が起 こりようがないと主張。国家の機能を失うリスクをもってしても使う必要があるのかと、原発に頼らないエネルギー施策を訴えた。 この日は河野氏からのビデオメッセージも上映された。河野氏は「原発事故は過去に起きたことではなく、いまだに続いていること。廃炉や汚染水問題 も毎日新しい話が出てくる。今のエネルギー問題に真摯(しんし)に取り組まないといけない。人格攻撃ではなく、いろんな建設的な議論をしてほしい」とメッ セージと寄せた。また黒川氏は第一部としてのまとめではあるが「現在原子力に関わっている方々は、ある種の使命感を持っている。また、エネルギー問題には 大きな権力も動いている世界であり、どのように扱っていくかはよく考えるべき今後の課題」と語った。 全文は菅元首相と識者が語った原発とエネルギー問題–シリアスゲームができることとは

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