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A nuclear power plant in Byron, Illinois. Taken by photographer Joseph Pobereskin (http://pobereskin.com). カレンダー
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Tag Archives: 福島10年
過酷な被ばく…今も 事故収束作業10年<東電福島第一原発ルポ> via東京新聞
太平洋沿いにある東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)は、2011年3月11日に起きた巨大地震と大津波により、世界最悪レベルの事故につながった。あの日からもうすぐ10年、事故収束作業が続く原発構内に18日、入った。新型コロナウイルス禍で作業員の感染が相次ぐ中、事前にPCR検査で陰性を確認した上での取材となった。(小野沢健太) ◆がれき消えるも 依然高い放射線量 高濃度の放射性物質を含む汚染水問題で現場が混乱していた13年以来、8年ぶりの原発構内。当時は防護服と顔全体を覆うマスクが必須で、原子炉建屋周辺には津波で流された自動車などが残り、がれきも散在していた。放射線量は海側敷地で毎時1080マイクロシーベルトと、そこに1時間いるだけで一般人の年間被ばく線量に達する水準だった。 ところが今回は、普通のマスクとゴーグルという身軽な装備。がれきはすっかり片付けられ、最も高線量だった2、3号機の間も毎時150マイクロシーベルトと大きく下がっていた。 ただし、その値は放射能で汚染されていない場所の約3000倍。そんな中で多くの作業員が働いている。ここで3、4日働けば一般人の年間被ばく限度(1ミリシーベルト)に達する。労働環境の過酷さは変わっていない。 ◆ひしめくタンク、よぎる8年前の光景 汚染水を浄化処理後の水をためたタンクがひしめく一角では、対策の要だったボルト締め型タンクがさびつき、解体が進んでいた。8年前、タンクを見上げた時の光景が頭によぎる。 当時、東電は日々増える汚染水の保管先を何とか確保しようと、工期が短いボルト締め型タンクを次々と造った。しかし、タンクからの水漏れ事故の発生で、耐久性のある溶接型タンクに置き換えざるを得なくなった。今では、タンク周囲に外部への水漏れを防ぐ堰も二重に設けられていた。 残り少なくなったボルト締め型タンクの手すりに命綱をかけ、作業員が「ドドドド」と大きな音を響かせて1基で1400個もあるボルトを外す。東電の甘い見通しで、現場の人たちが無用な被ばくを強いられる現実が目の前にあった。 […] 全文
戻ったのは高齢者、いびつな町に 福島第一原発事故の被災地 via 東京新聞
東京電力福島第一原発事故後に政府が出した福島県内11市町村の避難指示は、2020年3月までに解除が進み、対象範囲が狭まった。しかし、解除された自治体で暮らす住民は増えておらず、住民登録者のうち実際に住んでいる人の割合「居住率」は11市町村全体で27%程度(1月時点)。高齢者が多く、若い世代が少ない。【関連記事】車頼みの生活、体が動かなくなったら…不安抱えながらも故郷へ 東京から南相馬に戻った木幡さん夫婦【関連記事】【動画】無人の実家、奪われたままのふるさと 福島県大熊町・門馬さんの思い<あの日から・福島原発事故10年> 居住率をみると、放射線量が高く、立ち入りが制限されている「帰還困難区域」が残る自治体は低い。17年春に避難指示が一部解除された浪江町の居住率は9.3%。同時期に解除された富岡町も居住率は12.7%にとどまる。 […] 全住民の避難を強いられた楢葉町は居住率が59.6%。避難指示解除が15年9月と比較的早く、帰還困難区域も残っていないことが影響している。◆高齢者福祉ニーズあっても介護人材の確保難しく 居住者の年齢構成をみると、65歳以上の人が占める高齢化率の上昇が著しい。飯舘村では56.5%。浪江町では高齢化率は38.5%と、事故前よりも12ポイント上がっている。こうした状況では高齢者福祉のニーズが高まるが、人が増えない自治体では介護職員の確保が困難という現実がある。 一方、若い世代にとっては、学校など子どもへの教育環境が整っていないことや、放射能汚染への懸念もブレーキとなっている。(小川慎一) 全文
車頼みの生活、体が動かなくなったら…不安抱えながらも故郷へ 東京から南相馬に戻った木幡さん夫婦 via 東京新聞
<あの日から・福島原発事故10年> 東日本大震災前は自給自足の生活を送っていたが、コメも野菜も作らなくなった。玄関前に広がる7000平方メートルの畑は、ブロッコリーを栽培する会社に貸している。田んぼには、太陽光発電のパネルを設置した。 ◆地区100軒で戻った住民は3分の1 小高区は、東京電力福島第一原発事故で全住民の避難を強いられた。避難指示解除から5年。木幡さん夫妻が住む地区は震災前、3世代で住む家も多かったが約100軒のうち住民が戻ったのは3分の1。それも高齢者が夫婦か、1人でだ。 【関連記事】戻ったのは高齢者、いびつな町に 福島第一原発事故の被災地【関連記事】【動画】無人の実家、奪われたままのふるさと 福島県大熊町・門馬さんの思い<あの日から・福島原発事故10年> 不便な町になぜ戻ったのか。避難先の東京から2019年1月末に小高に帰ってきた木幡堯男さんは「帰りたい気持ちはうまく表現できない。生まれ育ったところに戻る習性があるのかも」と複雑な胸中を明かす。 堯男さんと孝子さんの2人は、週1回、15キロ離れた原町区の中心部へ車を走らせる。日用品の買い出しだ。小高区には今は、小さなスーパーとコンビニしかない。 東京都江東区の国家公務員宿舎「東雲住宅」で避難生活をした8年間は、買い物も便利だった。東京に住む3人の子どもや孫とも気軽に会えた。 ◆表向きは以前の生活に戻ったようでも… 新型コロナウイルス禍もあり、昨年はほとんど子や孫に会えなかった。「表では前の生活に戻ったような感じがすっけども。みんな見えないけど悩み持ってんだよ」。堯男さんはぽつりとつぶやいた。 佐々木さんは運転免許を返上し、愛車の電動アシスト自転車で、小高区中心部に散髪に行く。足腰は元気なものの「毎日、家の中でもの探すだ。なんか使って置いたら場所分かんねんだ」。買い物はヘルパーにお願いする。堯男さんら近隣の人が気に掛けて訪ねてくる。 「お客は結構あるから寂しくはねえべさ」。でも、家族や地域がバラバラになった悔しさは忘れない。 近い将来への不安を抱えながら、自力で動ける人が故郷に戻っている。 「農業一つとっても、再開したとしても後継者がいない。小高をどんな町にしたいか、行政もビジョンが明確じゃない」と、小高区行政区長連合会の林勝典会長(73)。5年後、10年後の町はどうなっているのか。住民たちも分からないままだ。 (神谷円香、写真も) 全文
<ふくしまの10年・元牛飼い2人の軌跡>(1)外に出るな 汚染されている via 東京新聞
東京電力福島第一原発から北西に三十キロ以上離れた福島県飯舘村前田地区。ここで乳牛約五十頭を飼い、地区の区長もしていた長谷川健一さん(67)は東日本大震災四日後の二〇一一年三月十五日夕、地区の住民を集会場に集めてこう伝えた。 「家の外にはできるだけ出ない方がいい。畑の野菜も汚染されてっから、食べちゃなんねえ」。長谷川さんは、原発が極めて厳しい状態だと、東工大大学院で核物理を学び、役場で農政担当をしていた杉岡誠さん(44)=現村長=から聞いていた。 […] 汚染蒸気は風に乗って飯舘村がある北西方向に向かい、運悪く降っていた雨と雪とともに村内一円に降り注いだ。隣接する南相馬市や浪江町から避難してきた人たちもいた。昼ごろから放射線量が急上昇。前田地区では毎時一〇〇マイクロシーベルトを超えていたと後に知った。 「飯舘の酪農は駄目になるかもしんねえな」。長谷川さんは覚悟し、翌十六日朝、長男や孫らを千葉県の弟宅に送り出した。自身は牛の世話があるほか、区長としての務めもあり、妻の花子さん(66)と残った。苦しい年月の始まりだった。 全文