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被爆2世の健康管理へ手帳発行 国が準備 via 長崎新聞

 長崎市は26日、国が被爆2世の健康管理のための手帳発行に向け準備を進めていることを明らかにした。国は年内に各都道府県と長崎、広島両市にひな型を提示し、内容の詳細を詰め、来年度以降に希望する全国の2世に配布する見通し。  被爆者は被爆者援護法に基づき被爆者健康手帳が交付され、医療費などを受給できる。一方、その子である被爆2世は放射線の遺伝的影響が解明されていないこともあり同法が適用されず、国の対策は年1回の健康診断にとどまっている。  県被爆二世の会(丸尾育朗会長)などが健診結果や親の被爆を記録する手帳発行を市に求めたのを受け、市と市議会でつくる長崎原子爆弾被爆者援護強化対策協議会(原援協)が国に要望。8月、当時の加藤勝信厚生労働相が「健診結果を健康管理に効果的に生かせる小冊子のひな型」を検討する考えを示していた。 (略) 2世側は対策が進まない中、手帳発行は「遅きに失した感もあるが、意義は大きい」と評価。援護拡充へ、そもそも2世が何人いるかや生活、健康などの実態を調査することも市に求めた。 全文は被爆2世の健康管理へ手帳発行 国が準備

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福島原発の処理水放出に韓国が強く反発、「日本製品の不買運動再燃も」と韓国メディア via Daily Sun New York

(抜粋) 韓国では23日、国会の科学技術情報放送通信委員会が「国際社会と近隣国の同意がない中での放出を中止するよう厳しく求める」とする決議を採択。釜山市議会も「日本が海洋放出を決めれば、韓国政府に日本の水産品輸入の全面禁止を求める」とする決議を採択した。 26日には、農林畜産食品海洋水産委員会も日本に海洋放出の撤回を促す決議を採択したほか、ソウルでは非政府組織(NGO)「環境運動連合」がデモを行い、カメやサメなどの海洋生物のプラカードを掲げて「もし海に(処理水を)放出すれば、海洋生態系とわれわれへの健康被害は避けられない」などと訴えた。 記事はこうした動きを伝えた上で、ハンギョレ新聞が24日付で「この件が韓日の対立をさらに深めることは明らか。日本製品の不買運動が再び盛り上がる可能性がある」と指摘したことを伝えた。(翻訳・編集/北田) 全文は福島原発の処理水放出に韓国が強く反発、「日本製品の不買運動再燃も」と韓国メディア

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処理水海洋放出、月内決定見送り 背景に東電の「約束」via 朝日新聞

小坪遊、野口陽 福地慶太郎2020年10月23日 19時18分  東京電力福島第一原発にたまる処理済み汚染水の処分について、政府は23日、関係省庁でつくる対策チームの会合で、風評被害対策などの検討を一層深めることを確認した。海洋放出の方向で最終調整を進めており、早ければ27日にも関係閣僚会議を開いて決める方針だったが、チーム長の梶山弘志・経済産業相は会見で「27日に決めることはない。具体的なタイミングをお伝えできる段階にない」と明言。月内の決定は見送る方針だ。  海洋放出は風評被害への懸念が強く、全国漁業協同組合連合会(全漁連)は「漁業者、国民の理解を得られない海洋放出は絶対反対」と表明している。政府は反発を和らげるには一定の時間が必要と判断した。 この日の会合では、4月以降7回にわたり聴取してきた地元自治体や農林水産業者など29団体43人の関係者の意見や、4~7月に国民から書面で募った4011件の意見を整理。風評被害への懸念が目立った。梶山経産相は「早期に(処分の)方針を決定する必要がある」とする一方、風評を抑える処分方法や具体的な風評被害対策、国内外への情報発信などの検討をさらに深める考えを示した。 漁業者の根強い反対、背景に東電の「約束」 漁業者が海洋放出に強く反対する背景には、2015年8月に東電と交わした「約束」がある。海洋放出に反対する福島県漁業協同組合連合会(県漁連)の要望に、広瀬直己社長(当時)が「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わず、多核種除去設備で処理した水は発電所敷地内のタンクに貯留します」と文書で回答した。  その3日後、全漁連にも「(汚染水の)『海洋への安易な放出は行わない』との方針を今後も堅持してまいります」と文書で約束。国も「関係者の方の理解を得ることなくして、いかなる処分もとることは考えていない」と明言した。  当時の約束について、県漁連の野崎哲会長は今年4月の政府の意見聴取で「今後も(国と東電との)信頼関係を維持するうえで非常に重要な論点」と話し、説明を受けたいとの意向を示していた。  全漁連の岸宏会長は、放出される処理水について「原子炉の炉心に触れた汚染水を処理したもので、風評被害は必至」と語る。処理水の放出を「科学的に悪い影響は考えられない」とする原子力規制委員会の更田豊志委員長も「あれだけ損傷した炉心を経てきた水という意味で、強い心理的、社会的抵抗が感じられることは認識している」と理解を示す。(小坪遊、野口陽) タンク満杯時期にずれ 「期限」切迫せず  東電は、2022年夏ごろに福島第一原発のタンクが満杯になると説明してきた。だが、満杯時期は、汚染水の増加量が想定より少ないと数カ月ほど先にずれる。タンクエリアを広げずに容量を約2年分増やす余地もある。「期限」というには誤差が大きく、差し迫ったものではない。 […] また、東電の資料などによると、タンクエリアの中では、計97基の旧式タンク(総容量9万7千トン)の解体が決まっている。この場所を軸に、政府と東電はタンク増設に向けた検討を進めている。撤去した跡地に並べ方を工夫してタンクを新たに設置すると、約2年分にあたる容量が追加で確保できるという。  満杯時期がずれこめば処分の開始を遅らせることができ、海洋放出に反対する漁業者らの理解を得るための時間を長くとることができる。一方で、タンク撤去後のスペースは廃炉作業で取り出しが進む使用済み核燃料の保管場所などに活用する案もあり、政府と東電はタンク増設の必要性を慎重に見極めている。(福地慶太郎) 全文

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誰も語らない日本学術会議に政府が介入する理由。それは「核ゴミ処理」問題だ! via週プレNews(Yahoo!ニュースJapan)

『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、日本学術会議に政府が介入する理由について指摘する。 * * * 新規会員候補6人の任命を拒否した菅政権だが、これに対する世論の強い批判に逆ギレしたのか、日本学術会議(以下、学術会議)を行革対象にするという脅しをかけている。なぜそこまでやるのだろうか。今回は、その理由のひとつに核のゴミ処理問題があるという話をしよう。 原発から生じる核のゴミを最終処分する方法として、政府は地下300m以上の深い岩盤に半永久的に隔離保管する地層処分を進めている。その一環として北海道の寿都(すっつ)町、神恵内(かもえない)村の2自治体では最終処分地を決める最初のステップである「文献調査」に手を挙げた。 だが、こうした政府の動きに警鐘を鳴らすかのように、学術会議が2012年、15年の2回にわたり提言を出していることはあまり知られていない。注目すべきはその内容である。 保管期間が数万年単位になることを指摘し、「それだけの長期にわたる地層の安定を確認するには、今の科学技術では限界がある」とした上で、暫定保管としてまずは50年間、地上での隔離保管を勧めているのだ。 それだけではない。50年間の暫定保管の間にも核ゴミは増え続ける。そこで会議は核ゴミの総量の上限規制をすべきとまで提言した。地層処分の是非について国民的合意がないまま突き進む政府の姿勢を明確に批判しているといってもよい。 御用学者や御用委員が幅を利かせる省庁の諮問会議では、こうした政府の方針に盾つくような提言はまず出てこない。政府から独立し、学術的知見に基づいて時には政府に耳の痛い提言もする学術会議だからこそ可能だったのだろう。学術会議の面目躍如といったところだ。 […] 経産省はその知見を無視する形で地層処分計画を進め、多額の予算を投入して適地マップまで作成している。その予算の使い方は本当に適切だったのか? 「今後50年間安定した地層を確定するのは今の科学技術の知見では無理だから、50年間は暫定保管で」という会議の提言を考えれば、経産省が行なった適地マップ作りや、これから進める候補地点の文献調査などは税金の無駄遣いになるのは必至だ。 日本学術会議の10億円予算と経産省の核ゴミの処分場選定事業の予算。どちらの精査が真の行革の名に値するものなのか? その答えはもはや、言うまでもないだろう。 全文

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今後40年続く電気代値上げ、こっそり開始―原発事故の尻拭いを消費者・自然エネ事業者に via Yahoo! ニュース Japan

志葉玲 | 今年10月から、今後40年続く電気代値上げがこっそりと始まったことを、皆さんはご存知だろうか?その原因は、主に2011年3月の東京電力の福島第一原発事故だが、今回、負担増となるのは、原発事故とは関係ない新電力事業者及び消費者だ。新電力には、太陽光や風力など、CO2や放射性廃棄物を出さない、再生可能エネルギーに力を入れている事業者が多数あるのだが、これらの事業者が発電した電気を供給する際に、既存の電力網を使用する。その「使用料」は、託送料金と呼ばれるが、これに原発事故による賠償や廃炉費用の一部を上乗せすることを、経済産業省が省令で決めてしまったのである。だが、これは本来、原発事故を起こした東京電力及び、その他の原発事業者が負担すべきものだ。また、原発産業にお金を使いたくないという消費者の選択の自由を奪うものでもある。 ○2.4兆円+4740億円を消費者に肩代わり  2.4兆円。託送料金として、新電力や消費者が新たに支払うこととなる、原発事故への賠償負担金だ。これは、福島第一原発事故以前に、東京電力ほか原発事業者が確保しておくべきであった賠償への備えの不足分。さらに、経産省は「円滑な(原発の)廃炉を促す環境を整備する」として、4740億円を消費者負担として宅送料金に上乗せした。だが、託送料金への賠償負担金や廃炉円滑化負担金の上乗せについては、環境団体から批判の声が上がっている。 […] 全文

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「海洋放出決定阻止を」福島漁業者ら街頭で訴え 福島第1・処理水問題 via 河北新報

東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出に反対する街頭宣伝が24日、福島市中心部であった。県内の若者らによる市民団体DAPPE(平和と平等を守る民主主義アクション)が主催し、8人がマイクを握った。 福島県新地町の漁業小野春雄さん(68)は、処理水の処分方法として政府が海洋放出を軸に検討していることを踏まえ「海を汚されたら、なりわいが成り立たなくなる」と懸念。処分の賛否を明らかにしない内堀雅雄知事に対しては「海洋放出は絶対駄目だという態度をはっきりと示してほしい」と訴えた。 立憲民主党福島県連の金子恵美代表は「国が言う処理水は汚染水。海洋放出の決定は阻止しなければならない」と指摘した。 DAPPEメンバーの佐藤大河さん(34)は「若者の処理水に対する関心は高まりつつある。ツイッターなどで反対運動を拡散させたい」と話した。 原文

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核兵器禁止条約に背を向ける日本 課題なおvia中国新聞(Yahoo!ニュース)

[…]  核兵器禁止条約は2017年7月、国連の交渉会議で核兵器の非保有国122カ国・地域の賛成で採択された。国連に加盟する国や地域の約3分の2が、歴史上で初めて核兵器を全面的に違法化する条約に賛同した形だ。非保有国に禁止条約を支持する動きが広がる背景には、保有国による核軍縮が遅々として進まない現状へのいらだちがある。 核兵器 今も1万3400発 主な批准国・地域と核兵器保有国、依存国  現在、核兵器を保有しているのは米国、ロシアを筆頭に9カ国。ストックホルム国際平和研究所の調べでは、世界には今も計1万3400発の核兵器がある。米ソ冷戦時代の最大約7万発に比べれば減ったとはいえ、今なお膨大な数だ。 核軍縮を前進させるための枠組みの一つが、1970年に発効し、現在は約190カ国が参加する核拡散防止条約(NPT)だ。米ロなど条約に加わる保有5カ国は、条文や過去の合意文書により核軍縮の義務を負う。しかし、米国は小型核の開発や配備、古くなった装備の更新などに多額の予算を投じ、ロシアや中国と新たな核軍拡競争の様相すら呈している。 被爆者 条約採択を後押し  こうした状況の中、赤十字国際委員会(ICRC)は2010年、核兵器のいかなる使用も人道に反するとの総裁声明を発表。その後も核兵器の非人道性をテーマにした国際会議や共同声明などの動きが広がり、17年の禁止条約採択につながった。核兵器廃絶を訴え続けてきた被爆者の存在や、非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN=アイキャン)の精力的なロビー活動も後押しした。  禁止条約の発効は、核兵器の保有を含むあらゆる活動を正式に違法化することを意味する。締約国を除けば条約には縛られないが、条約に加わらない国に対しても、使用や核抑止に頼ることをためらわせる圧力になると期待されている。  それだけに保有国や、その核戦力に頼る日本など同盟国の反対は根強い。「既存のNPT体制を弱体化させる」「保有国と非保有国の分断をさらに深める」などと反発。米国は近づく条約発効を無視することはできず、複数の批准国に対し「批准は戦略的な誤りだ」として、取り下げを求める書簡を送っている。  批准した50カ国・地域の多くは小国で、国内総生産(GDP)を全て足しても世界の10%に満たない。一方、NPT参加の保有5カ国だけで世界のGDPの半分近くを占め、経済力の差は歴然としている。持てる側からの「圧力」は重荷となり得る。 「唯一の被爆国」問われる姿勢  そこで問われるのが、世界3位の経済規模を持つ日本の姿勢だ。「唯一の被爆国」を掲げ、道義的な発信力への期待も大きい。しかし現実には、禁止条約の交渉会議には参加せず、保有国と非保有国の「橋渡し」役を果たすとしながら、米国の核抑止力を重視する姿勢を鮮明にしている。  ICAN国際運営委員の川崎哲さん(51)は「条約発効は核兵器の時代の終わりの始まりだ。そこで被爆国の日本が核兵器の正当性を訴えるのは許されない」と問う。発効から1年以内に開かれる締約国会議には、保有国や未締約国もオブザーバーとして参加できる。被爆地の市民として日本政府の行動をあらためて注視しなければならない。 全文

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ハチの繁殖能力、現在のチェルノブイリレベルの放射線被ばくで低下 研究 via Jiji.com

【パリAFP=時事】1986年に史上最悪の原発事故が起きたチェルノブイリの立ち入り禁止区域内と、同じレベルの放射線にさらされたマルハナバチの繁殖能力が30~45%低下したとの研究結果が21日、発表された。研究者らは、これまで考えられてきた原子力の環境リスクの見積もりを再考するよう促している。(写真は資料写真) (略) スコットランドとドイツの研究者らは、チェルノブイリの立ち入り禁止区域と同じ放射線レベルを実験室で再現、複数のハチのコロニーを被ばくさせた。この結果、コロニーの繁殖能力が、これまで昆虫には影響を与えないとされてきた放射線量だったにもかかわらず、30~45%低下したことが分かった。  論文の筆頭著者で、英スターリング大学で環境汚染の講師を務めるキャサリン・レインズ氏はAFPに対しメールで、「チェルノブイリで検出される放射線レベルにさらされると、コロニーで生まれる女王バチの数が著しく減少するとともに、コロニーの成長に遅れがみられた」と説明した。 全文はハチの繁殖能力、現在のチェルノブイリレベルの放射線被ばくで低下 研究

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「死んでもいい人間を用意してくれ」 深夜2時に福島1Fに向かった、“20人の決死隊” 『ヤクザと原発 福島第一潜入記』#8 via 文春オンライン

冷却システムがダウンし1Fが危機的状況に陥ると、佐藤の携帯に東京電力関係者から「緊急対応の作業があっから行けるかな?」と、直接電話がかかってきた。  前述した通り、彼の会社のボスは「死んでもいい人間を用意してくれ」という要請を受け、社員の派遣をためらっていた。 「うちらが行きますよ。誰も行かないのはまずいでしょ」  ここでの撤退は後々の営業戦略に大きな影響を与えるだろう、と佐藤は踏んでいた。土壇場のピンチで逃げ出さずに踏ん張れば、東電は作業員を派遣してくれた会社に恩義を感じるはずだ。他の会社を含め、佐藤の現場から合計20人あまりが1Fに向かうことになった。マイクロバスがJヴィレッジに到着したのは午前2時だった。 (略) 正確な線量なんて分からない 「食事はクラッカー2袋にサンマの缶詰1個、あとは水のペットボトルが1本でました。荷物はバスの中に置いて来ちゃったし、前の日ほとんど睡眠とってないんで、グレーのマットが敷かれた広い会議室で寝てましたよ。ほとんど情報はなかったです。細かいこと知ったって関係ないですから。自衛隊のヘリコプターが空から放水したのは知ってました。『ありがたいけど、あれじゃあ無理だったよな』って、みんなが話してたのが聞こえたんで」  現場作業は午後1時から開始された。飲まず食わず、合計8時間あまりの連続作業で休憩時間もない。誰一人として話をする者はいなかった。30代、40代、中には50代の作業員もいたが、全員が黙々と作業を続けた。 「放管はいましたけど、装備の話しかしてなかった。言われたのは『ちゃんとマスクをしろ』くらいです。事前にさっと(放射線量を)測りに行ってるだろうけど、正確な線量なんて分かんなかったと思います。自分たち、代表で2、3人だけ個人線量計持ったんですけど、それぞればらばらに仕事しているから、どこが線量高いのかなんて分からないじゃないですか。 (略) 屈託のない笑顔で当時の様子を話す佐藤に、精子の検査と造血幹細胞の採取をすすめた。いまだ彼は病院に行こうとしない。 作業員は情報弱者  佐藤のように高額な日当をもらっている作業員はごく少数である。同時期、日立系列は作業員に直接100万円の危険手当を支給したという話もあったが、ウラは取れていない。いわき平のハローワークで調べた通り、1Fで働く作業員の多くは、死と隣り合わせの過酷な労働の割に低賃金である。会社の体質や作業内容、それぞれのスキルにもよるが、もともと1Fで働いていた作業員たちでも日当2万~4万円あたりが相場で、平均、約12時間拘束される。毎日現場に出れば、月給120万円になる計算だが、若くてスタミナのある熟練工であっても月に20日が限度という。 「担当部署によって違うし、天気やその日の作業内容にもよるけど、どこも毎日6時間から8時間は作業しているだろう。酷暑の中、防護服に防塵マスクだから、ただ座っているだけでも疲労する。狭い場所では不自然なポーズのまま長時間作業しなきゃならないので体がもたない」(30代の作業員) (略) いわき湯本近辺を宿にしている作業員に密着しているうち、分かってきたことがある。作業員の多くは放射能に関する専門的な知識を持っておらず、毎日のニュースすら知ることが出来ない情報弱者という事実である。 「旅館のフロントに新聞は置いてあるけど、毎日疲れちゃって読む気がしない。テレビのニュースを録画しておきたいけど、部屋にビデオなんてない。インターネット? 携帯ならあるけど、パソコンなんて持ってきても無意味だ。ビジネスホテルならともかく温泉旅館にLANケーブルなんてない。元々みんな肉体労働してんだし、無線で繫ぐほどのマニアはいない」(協力企業の現場監督)  実際、2011年7月初め、4号機の使用済み燃料プールの温度が上昇し、作業員に避難命令が出される直前だったのに、彼らの多くは深刻な事態だったと認識していない。 (略)  自分がどれほど危険な作業をしているか漠然としか理解していない上、新たな情報を得ることもできず、慣れが恐怖心を鈍化させるのだろう。誰に強要されたわけでもなく、自分の意思で現場に入っているのだから、自業自得・自己責任と結論づけるのは簡単だ。が、現場の過酷さを考えれば、作業後、または休日を使い、情報を得るための努力をしろと強いるのは酷である。 (略)  作業員の被曝限度が厳守されている前提なら、こうした格差は必然的なものと割り切ることもできる。が、フクシマ50でさえ、当時、装着していたフィルムバッジの値は公表されておらず、本人たちにも知らされていないのだ。1Fが立て続けに水素爆発を起こした当時、多くの作業員がオンタイムで被曝数値が分かるデジタル線量計を持っていなかった。最低限、本人にはフィルムバッジの数値を通達すべきだ。そうしない限り、被曝限度を越えた作業員を働かせているのではないか……という疑念は消えない。 (略)  二次会の最後、カラオケを熱唱したマイクを使い、社長は社員にこう呼びかけた。 「俺たちで1Fを止め、次の世代に日本を渡そう」  熱気は不思議と伝染する。正直、不埒な作業員である私にも、社長や同僚と同じ気持ちが芽生えていた。わずか1パーセントにも満たないが、正義などこの程度で十分だ。 ヤクザ発原発経由リビア行き  メーリングリストを通じ、海外メディアからのコンタクトも多かった。テレビ局はすべて断ったが、アルジャジーラの取材だけは受けた。1F内で動画を撮影し、再びインタビューに応じる代わり、リビアへの入国と現地取材を手伝ってもらうという交換条件が成立したからだ。 (略)  結局のところ、このプランは失敗だった。1Fでの勤務最終日、首都・トリポリが陥落してしまったからだ。 全文は「死んでもいい人間を用意してくれ」 深夜2時に福島1Fに向かった、“20人の決死隊” 『ヤクザと原発 福島第一潜入記』#8

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「フクシマ50」の中にもヤクザはいた 原発事故の“英雄たち”は月給100万円 『ヤクザと原発 福島第一潜入記』#7 via 文春オンライン

 30年近くヤクザを取材してきたジャーナリストの鈴木智彦氏は、あるとき原発と暴力団には接点があることを知る。そして2011年3月11日、東日本大震災が起こった――。鈴木氏が福島第一原発(1F)に潜入したレポート、『ヤクザと原発 福島第一潜入記』(文春文庫)より、一部を転載する。(全2回の1回目/後編に続く) (略) 情報を漏らさないフクシマ50  俗にいう『フクシマ50』の定義はひどく曖昧である。一般的には「東日本大震災によって発生した“想定外”の津波が1Fに来襲し、冷却システムがダウン、1号機および3号機が立て続けに水素爆発をした後、1Fに残った職員・作業員」となろう。インターネットのフリー辞書であるWikiにもある程度の記述がある。サイトには関係者の大半が避難するなか、死を覚悟して原発の収束作業に当たった50人……実際の総数は約70名だったと書かれており、取材の印象でいえば、その程度なら信用してもいい。  ただ、東電は免震重要棟で指揮を執った吉田昌郎所長(当時)以外のメンツを、プライバシー保護を理由に公開していない。東電社員の内訳、協力企業の人数や年齢、支給された危険手当の金額など、よく分かっていない部分が多い。噂が一人歩きをしてしまい、神格化されている部分はある。東電としてもフクシマ50を曖昧なままにしておきたいはずで、世間が彼らの英雄的行動を賞賛することで、原発事故への批判が多少でも薄まればありがたいだろう。  当時、私が把握していたフクシマ50は彼だけだった。その後、吉田所長以外の4名から話を訊けたが、うち2名は私をフリーライターと認識していない。あえて隠しているわけではない。問われないから言わない。これまでさんざん情報を隠蔽してきた東電からアンフェアと批判されても、私はまったく平気である。 (略) 死んでもいい人間を用意  責任者の名を、仮に佐藤としておこう。私は佐藤を毎日食事に誘った。責任者に嫌われたら仕事がやりにくい。また、いったい佐藤がどこまで私の素姓を知らされているか、確認したいからでもあった。  何回か食事をして、ようやく佐藤は私の目を見て話してくれるようになった。彼は3号機が水素爆発した直後、1Fへの召集令状を受け取り、地獄絵図の中に降り立ったという。 「あとで聞いた話だと、経営者が電力から『死んでもいい人間を用意してくれ』と言われていたらしい。社長、もじもじしてて、なかなか『行け』と言わなかったですね。だから志願しました。うちの社長、自分が行っちゃいそうだったんで。社長が死んだら社員が路頭に迷うけど、俺が死んでも代わりはいますから」 もちろん佐藤は自殺志願者ではない。これまで、原発を生活の糧(かて)にしてきた贖罪だったわけでもないらしい。 「居直るわけじゃないけど、誰も原子力や原発が社会的にどうのなんて考えず、普通の会社に就職する感覚でこの仕事に就いてるんじゃないですか? 原発が善か悪かなんて、深く考えたことなかったです。学校もろくに行ってないんで、難しいことは得意じゃないし(笑)。  たしかにドキドキはしましたね。不謹慎かもしれないけど、それはどっちかといえば楽しい気持ちで……。そりゃあたくさんの人が困ってるんだから、俺たちが頑張らなきゃいけないっていう使命感はありましたよ。でもそれを自分で言ったらマンガでしょう?  あと、当てつけみたいな気持ちはありました。これまで威勢のいいこと、偉そうなこと言ってた人間たちがビビってたんで、『よし、じゃあ俺が行ってきてやる』みたいな。 (1Fに向かう)バスの中、みんな青白い顔して泣きそうなんです。話しかけられる雰囲気じゃなかった。でも俺、わくわくしちゃって、みんなを写メしてました。20代とか、若いヤツらのほうが元気だったですね。みんながみんなじゃないけど、歳をとればとるほどブルってたですね。なにかあっても死ぬだけなのに。ぼちぼち1Fも落ち着いて、いまになって復活してきたゾンビもいるけど、『あんた、あの時バックレたよね?』って言いたいです」  佐藤の話はどこまでが本気で、どこまで冗談なのか、簡単には判断が付きかねる。修羅場を経験した一時のテンションが、彼を調子づかせている可能性はある。それだけ、水素爆発直後の1Fは悲惨だった。自衛隊に退避命令が出され、住民たちを置き去りにしていったほど、一帯は放射能に汚染されていた。ヒロイズムに酔いしれている可能性を考慮し、佐藤のインタビューには時間をかけた。まる一日原発のことには触れず、酒を飲み、ソープをハシゴし、馬鹿話をした。 (略) 「コーラ……放射能に効くんだってさ。これ飲んでまた明日1Fに行く」  コーラが放射能に効くというのは、完全なる勘違いである。それは膣内射精した後、コーラで洗浄すれば避妊できる……という中学生レベルの話に近い。  ただ、強がっている佐藤にも、少しは恐怖心があるんだろう、と感じた。夜空の月に雲がかかり、まるで吐瀉物まみれの佐藤のようだった。 (略)  上司にぶち切れ、会社を辞めた佐藤を、いまの社長が拾ってくれたという。つまり佐藤が原発で働くことになったのは成り行きである。その割に、こちらが恥ずかしくなるほど、彼はいまの社長をべた褒めする。たとえば、弟と妹の進学にあたり、実家に金が必要になったとき、社長が黙って50万円を用意してくれたエピソードは、もう10回は訊かされた。 「別に金に転んだわけじゃないんですけど、学校行くのを諦めようってときだったから、すっごく嬉しかったです。その後も、いろいろ面倒をみてもらって、まだ半人前だし、これまた不謹慎かもだけど、今回の事故でちょっとは恩返しが出来たかもしれないって思ってます。  上会社からいくらもらってるか、そんなこと知らないし、知りたくもない。電力は一人当たりの日当をいくら出してるんですか? 現場じゃ、8万円とか50万円とか、いろいろ言われてますけど、みんな普段の2割増しくらいでしょ。鳶でも、溶接でも、鍛冶屋でも、たぶんそんなもんです。社長には『いっぱい儲けてくれ』って言ってあるんです。俺の日当は3万円もあれば十分ですって、そう伝えて。でも、(爆発した直後の)何日かは、20万円も(日当を)くれた」 (略) 「おじいちゃんとおばあちゃんが、近所に『うちの孫はフクシマ50だ』って自慢してるんだって聞いて、俺、すっごく嬉しくて」  佐藤は世間が放射能におびえる中、幸せの絶頂にある。なんとも皮肉な話である。 全文は「フクシマ50」の中にもヤクザはいた 原発事故の“英雄たち”は月給100万円

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