日米共同で運営する放射線影響研究所(放影研)は広島、長崎の被爆者とその子どもたち「被爆2世」のゲノム(全遺伝情報)解析の計画について、2024年度以降に約500家族を対象に本格調査を始める方針だ。4月に広島、長崎両市で市民向けの公開シンポジウムを開き、調査への理解を図っていく。
調査は原発事故などによる被ばくの次世代影響の解明にも応用できる可能性がある一方、被ばくを巡り新たな差別を招く恐れもある。被爆2世への健康被害はこれまで分かっておらず、当事者は期待と不安が交錯する。
放影研によると、調査は1985年から定期的に血液などの提供を受けてきた約500家族の約1500人が対象。親の放射線被ばくが子どもの健康に与える影響を調べるのが目的で、ゲノム変異を解析し、今後、論文で研究成果を発表する。