福島第一原子力発電所でたまり続けるトリチウムなどを含む処理水について、東京電力は基準以下に薄めたうえで新たに作る海底トンネルを通して原発の1キロほど沖合から放出する方針を発表しました。
(略)
処理水については、大型のポンプでくみ上げた海水を混ぜ合わせて基準以下の濃度に薄め、新たに作る海底トンネルを使って原発の1キロほど沖合から放出するとしました。
沖合から行う理由として、放出した処理水を再び取水しないためなどと説明し、海底トンネルの建設に向けては関係者に意見を聞いたうえで海底の調査を始め、2023年の春までの設置完了を目指すということです。
また、当面はトリチウムの濃度が基準値以下かを測定してから放出する考えを示しました。
そのうえで、トリチウムの拡散状況や魚類などへの放射性物質の移行状況を確認するため、調査のポイントや回数を増やすなどしモニタリングを強化するとしています。
また、東京電力は処理水の放出によって風評被害が発生した場合の賠償の具体的な考え方も示し、新たに風評被害が生じた場合は地域や業種ごとの価格や取り引き量といった統計データなどを用いて損害を推認するとしています。
(略)
国「事前の協議や了解なく遺憾」
韓国政府は25日、対応を協議するための会議を開きました。
この中でク・ユンチョル(具潤哲)国務調整室長は「最も近い隣国である韓国政府といかなる事前の協議や了解もなく、一方的に進められていることに対し改めて遺憾の意を表明する」と述べました。
また「一方的な放出の推進を直ちに中止し、まずは近隣諸国との十分な協議と意思の疎通をしていくことが責任ある国際社会の一員としての望ましい姿勢だ」としています。
全文は東電 福島第一原発 処理水 1kmほど沖合から放出方針を発表
既出関連記事:TEPCO to build undersea tunnel to release Fukushima water offshore via The Mainichi