「原発ゼロ撤回」先送り 都知事選 争点化を政権懸念 via 東京新聞

「脱原発」が東京都知事選(二十三日告示、二月九日投開票)の主な争点の一つになる見通しになったことで都知 事選の結果次第では、安倍政権のエネルギー政策が修正を迫られる可能性が出てきた。政府は原発の再稼働方針を明確にするエネルギー基本計画の一月中の閣議 決定を目指してきたが、与党内の慎重論に加え、知事選で争点化されるのを避けるため、先送りを余儀なくされた。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は十六日の記者会見で、閣議決定が二月以降にずれ込むかとの質問に「与党としっかり相談して進める」と、否定しなかった。

 政府は同計画案で原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けた。これに自民党内の脱原発派議員や公明党が反発し、決定に踏み切れないでいた。加えて、都知事選で計画の是非が議論され、脱原発候補を利するのは得策ではないとして、政府内で先送り論が強まった。

 さらに、脱原発候補が都知事選で健闘すれば、与党内の脱原発勢力が勢いづいて、閣議決定はさらにずれ込みそうだ。脱原発派が問題視する「基盤となる~」との文言の修正に追い込まれる事態も現実味を帯びてくる。

 また、都は東京電力の大株主。知事選の結果が東電の再建計画に影響するのは避けられない。

 東電の再建計画は二〇一二年三月以降、全七基が停止している柏崎刈羽原発(新潟県)を再稼働させ利益を生み出すことを前提に組み立てられている。

 顧客である電力消費者の都民から「原発ノー」の民意を突きつけられた場合、それでも再稼働を進めれば強い批判を浴びる。脱原発派の知事が誕生し、株主として再稼働反対を訴えればなおさらだ。再稼働ができなければ、東電は再建計画の見直しを迫られることになる。

(略)

宇都宮氏は「脱原発」を掲げる。細川氏は原発政策を最大の争点に据える。舛添氏は「私も脱原発」とするが「代替エネルギーが確保できた場合」との条件付きだ。

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