東日本大震災:福島第1原発事故 東電最終報告書 「原因究明、一面的」憤る首長、被災者 /福島 via Yahoo news(毎日新聞)

東京電力の福島第1原発事故調査委員会が20日公表した、事故の最終報告書に対し、県内の首長や被災者は「問題にならない」などと憤るとともに、教訓を生かさないと事故が繰り返されると指摘した。
 全町避難を強いられ、帰町のめどが立たない楢葉町の松本幸英町長は「かねて津波防備に対する対策を講じるよう要望していたのに、事故につながったことは残念。政府、国会の事故調査委員会の調査、報告書も合わせてすべてを精査し、今後の原子力政策に反映すべきだ」とコメントした。
 南相馬市の桜井勝延市長は「憤慨している。全く反省していない。原因究明も一面的。自分たちが安全だと考えている形のもとで設計しているから、危険性に対する備えがなかったことに気づいていない。全然、問題にならない」と厳しく批判した。
 楢葉町と大熊町で学習塾を経営しており、かつて福島第1原発の事故隠しを告発した、いわき市に避難中の栃久保寿治さん(58)は、事故原因について「専門家の指摘で東電社内でも話し合われたのに10メートル超の津波被害想定が放置されたこと、適切な場所に発電機や予備機を設置せず電源喪失を招いたことに尽きる」と話す。「教訓を生かして対策をとらなければ、政府が再稼働させようとしている福井県大飯町をはじめとする他の原発でも、同じ事故が繰り返される」と語った。
 富岡町から郡山市に避難している菅野雄一さん(63)は「東電と国の言うことには不信感が募っていて、何を言われても信じることはできない」、瀬田川ツヤ子さん(67)は「もううんざりしているし、どこに責任があるのかもわからない。ただ、全てにおいて東電には早く対応してほしい。1年以上たっても、現状は何も変わっていない」と訴えた。
 同じく郡山市に避難中の松本和也さん(25)は「『想定が甘かった』と言うが、安全への過信があったのではないか。非を認めるなら、最初から『すみません』と謝るのが企業の責任だ」と話した。【中尾卓英、高橋秀郎、斎藤有香】

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