「人気取りのために私を殺さないで下さい」の巻 via 雨宮処凜がゆく

6月8日、野田首相が大飯原発を再稼働するとおぬかしになった。
 なんでも「国民の生活を守るため」だという。会見の言葉を聞きながら、その「国民の生活を守る」という言葉の意味がまったくわからず、自分は馬鹿なのだろうか? と一瞬本気で悩み、そして彼の言う「国民」や「生活を守る」という言葉が、どう考えても言葉通りの意味ではないことに気がついた。
 経済のためには原発が必要だ、という人は少なくない。そのたびに、私は思う。福島第一原発の事故で避難している人たちの前で「日本経済のためには原発が必要なのでいろいろ諦めて下さい」と言えるのだろうか、と。一方、野田首相が言っていることを直訳すると、「あなたたち以外の国民を守るために必要なので犠牲になって下さい」と一部の人に言っているように聞こえるのだ。「国民の生活を守る」ために、「非・国民」とされる人たち。「守る」対象には、最初から含まれない人たち。「国民の生活を守る」という言い訳によって、徹底的に排除され、なんの落ち度もないのに人生を台無しにされ、国の無策の尻拭いをさせられる人たち。そういった大矛盾の上に成り立つ原発の再稼働。

続きは「人気取りのために私を殺さないで下さい」の巻

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