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A nuclear power plant in Byron, Illinois. Taken by photographer Joseph Pobereskin (http://pobereskin.com). カレンダー
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Tag Archives: 避難する権利
母子避難中の妻が直面する選択~避難を中止して戻るか、離婚して避難を続けるか via 民の声新聞
一番頼りになるはずの夫が敵になる─。自主避難を中止して郡山へ戻るか、離婚して子ども達 とともに県外避難を続けるか、決断を迫られている女性がいる。夫や夫の両親の反対を振り切るように娘を連れて自宅を後にした女性はその後、夫の暴力に耐え ながら、ほぼ休みなく働き続けて娘を育てている。「私のように、夫の理解を得られないで苦しんでいる女性は多いのではないか」。女性は涙を流しながら取材 に応じた。原発事故さえなければ起きなかった夫婦の破たん。子を守るための避難がなぜ悪いことなのか。女性の夫は、3月末までに郡山に戻らなければ離婚す ると提示している。あと半年。女性の気持ちは揺らいでいる。 【「避難の必要ない」と反対した夫】 夫とは、初めから放射能に関する考え方が違っていた。 原発事故後、郡山から会津地方の実家に避難しても、夫は「家は心配だ」と三日で帰宅。「マスクしている奴は馬鹿だ」「テレビでは安全だと言っているじゃないか」「避難する必要なんか無いんだ」と繰り返した。 「私の実家には居づらかったのかもしれません」。だがA子さん(50)は、東電関係者から職場の上司のもとに、福 島原発が非常に危険な状態であるという知らせが入っていることを知っていた。「3号機が爆発するぞ、早く逃げろ」。だから、愛犬も当面の荷物もとりあえず マイカーに積んで実家に逃げたのだ。 夫の両親も、避難には否定的だった。 小学6年生(当時)の娘の卒業式が公民館で行われるのを機に一度は郡山に戻ったが、日々、郡山で子どもたちを生活 させるわけにはいかないという思いが募った。中学1年生(当時)の長男は部活動で部長に推薦されていたこともあり避難には消極的だったが、娘は学校給食の 牛乳に口をつけないなど、被曝の警戒心が高まっていた。東京なら、かつて夫婦で暮らしたことがある。調べたら、子どもをホームステイさせてくれる団体があ ることを知った。知り合いのアパートに空きが出るまで、せめて子どもたちだけでも福島から離れさせたい─。家族会議での提案を、夫の両親は一蹴した。 「よそ様に子どもを預けるなんてとんでもない。そんなに避難させたいのなら、あなたが仕事を辞めて一緒に行きなさい」 A子さんに迷いは無かった。 「分かりました。仕事は辞めます」 夫は、月に2回は郡山に戻って家事をすることを条件に避難を渋々認めた。息子はやはり、郡山に残った。娘は東京都私学財団の編入試験を受け、9月1日から都内の私立中学に通うことが決まった。母子2人の避難生活が始まった。昨年8月のことだった。 【娘の水筒持参を禁じた学年主任】 A子さん(50)は学生時代、故・高木仁三郎氏の著書を読んで初めて、放射性物質や被曝の危険性を知った。その衝撃は今でも鮮明に覚えている。 「放射線への恐怖心」から3月末に一度郡山に戻った後も、子どもの被曝回避のために中学校や市教委に何度もかけあった。 当然、被曝の話題が出るだろうと出席した入学式。しかし、校長の口から原発事故に関する言葉は最後まで出なかった。学校に電話をした。「市教委から何も指示がない以上、なにも言えません」。 水筒持参を巡っても、学校は驚くべき対応をした。 学校給食で出される牛乳を飲まなくなった娘を見て、担任が水筒持参を認めた。だがその夜、今度は学年主任から自宅 に電話が入る。「水筒ではなく紙コップを持参させてほしい。それで学校の水道水を飲んでもらいます」。学年主任の説明では、かつて校内が荒れていた頃に校 則で飲み物の持ち込みを禁じたという。有事の認識もかけらもない教師にどれだけ失望したことか。水筒持参は後に、窓を閉め切ることによる熱中症対策で、今 度は学校側が奨励することになる。「被曝回避のためではいけないのに、熱中症対策なら水筒を持って行って良いなんて、考えられません」。 続きは 母子避難中の妻が直面する選択~避難を中止して戻るか、離婚して避難を続けるか
分断されるコミュニティと 「避難する権利」 via SAFLAN
福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク Save Fukushima Children Lawyers’ Network (SAFLAN:サフラン) 避難を選ぶ子どもと家族にその道を 福島第1原発事故は、極めて広範な放射性物質の飛散をもたらした。政府によれば、1~3号機から放出されたセシウム137の量は広島に投下された原爆の168個分にのぼり、追加被ばく線量が国際放射線防護委員会(ICRP)が定める公衆被ばく限度である年間1mSvを超える土地は、日本の国土の3%に及ぶという。 […] 「避難する権利」の見取図 避難問題は、低線量被ばくの影響に直面した福島の人びとの権利として語られる必要がある。彼ら・彼女たちは、放射線被ばくについて適切な情報を与えられ、避難を選択した場合には必要な支援を受けることができる権利を有する。これを「避難する権利」と名付けよう。その意義を略述すれば、次のようになる。 第一に、避難を選択することは人権である。すなわち、家族の健康を維持し、子どもが安心して発達することができる環境を確保することは、人間の尊厳の根幹に関わる要求であって、国家はこれを最大限尊重するべき義務を負う。 第二に、避難は権利=選択の問題であり、義務ではない。放射線の確率的な影響に対する人びとの対応は多様であることを、正面から承認する必要がある。政府による避難指示は、居住権や財産権への強度の制約であって、濫用されるべきではない。避難は選択の問題であり、避難を選択した者にも、滞在を選択した者にも、相応の合理的な理由があるはずだ。いずれの選択をも尊重し、避難者にも滞在者にも必要な支援が与えられることで、同じ原発事故の被害者である両者間の分断を避けることができよう。 第三に、避難する権利は国家への請求権であり、避難を選択した人びとには、これを可能にするだけの国家による支援がなされる必要がある。避難の選択が、経済的余裕がある一部世帯の特権であってはならない。国際環境NGO FoE Japanと福島老朽化原発を考える会のアンケート調査によれば、避難したくてもできない人の多くが、経済的不安、離職の危険をその理由に挙げている。学校疎開を求める郡山市民の裁判において、郡山市は「子どもには転校の自由があり郡山市には責任がない」と主張しているが、避難希望者の経済的苦境を理解しないものと言わざるを得ない。 続きは分断されるコミュニティと 「避難する権利」