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特別リポート:福島作業員を蝕む「違法雇用と過酷労働」via ロイター

[いわき市(福島県) 25日 ロイター] – 高濃度の放射線にさらされている東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島第1原子力発電所の廃炉・除染現場で、作業員を蝕むもうひとつの「汚染」が進行している。不透明な雇用契約や給料の中抜きが横行し、時には暴力団も介在する劣悪な労働環境の存在だ。 東電や大手建設会社を頂点とする雇用ピラミッドの底辺で、下請け作業員に対する不当な取り扱いは後を絶たず、除染や廃炉作業への悪影響も懸念されている。 「原発ジプシー」。 福島第1原発を はじめとする国内の原発が操業を開始した1970年代から、原発で働く末端労働者は、こんな呼び名がつくほど不当で不安定な雇用状態に置かれてきた。電力 会社の正社員ではなく、保全業務の受託会社に一時的に雇用される彼らの多くは日雇い労働者で、原発を転々としながら、生計を立てる。賃金の未払いや労働災 害のトラブルも多く、原発労働者に対する待遇改善の必要性はこれまでも声高に叫ばれてきた。 (略) 福島第1では、800程度の企業が廃炉作業などに従事し、除染作業にはさらに何百もの企業が 加わるという、過去に例のない大掛かりな事故処理が続いている。現場の下請け作業員は慢性的に不足しており、あっせん業者が生活困窮者をかき集めて人員を 補充、さらに給与をピンハネするケースも少なくない。下請け企業の多くは原発作業に携わった経験がなく、一部は反社会的勢力にも絡んでいるのが実態だ。 <不透明な雇用記録> 2012年の夏、同原発で現場作業員の放射線モニター担当として雇われた林哲哉(41)も、そうした末端労働者の一人だった。同原発に職を求めた動機には、日々の暮らしを支えるためだけでなく、自分が持つ建設や溶接の技術を復興に役立てたいという気持ちもあったという。 しかし、福島での雇用形態は予想以上に複雑だった。林によると、雇用契約は東電の6次下請けにあたるRH工業との間でサインしたはずだったが、現場で作業する手続きには同社も含め、6つの企業が関与していた。 さらに、当初に伝えられた仕事内容は現場から離れた放射線のモニター業務だったが、下請け会社の一つ、プラント工事会社のエイブルから は、実は放射線量が高い現場作業であることを告げられた。エイブルは、同原発で200人程度の作業員を管理する東電の元請け会社東京エネシス (1945.T: 株価, ニュース, レポート)の下請けだ。 「一週間経てば、(被ばくした)放射線量は半減する」、「被ばくしたとしても線量が積み上がることはない」。現場の上司からは、こんなデタラメも耳にした。 (略) 暴力団との関係に見切りをつけ、福島原発近くの除染現場で働き始めた五島亮(23)も、林と同じ長野の人物を通じてテックによる除染作 業に加わった。五島は14歳から関西系暴力団の地方支部に出入りし、ゆすりや借金の取り立てを続けていたが、20歳で同組織との縁を切った。しかし、その 見返りとして、毎月20万円を数カ月間取り立てられ、借金した130万円を返済するため、除染作業に職を求めたという。 だが、実際に手にすることができた給与は、雇用時に約束されていた額の半分程度だった。仲介者による中抜きだったと五島は言う。これに ついてテック側はロイターに対し、横領したのは別の従業員で、その従業員を解雇したとし、五島には未払い分の給与を支払ったと説明している。五島は昨年 12月に同社での仕事を辞めた。 テックの元請けである鹿島の広報担当者は、2人のケースについて、直接契約を交わしていないためコメントする立場にないとし、「我が社では契約先の企業に費用を払い、彼らから危険手当を払うよう指示している」と話している。 <慢性的な人手不足と緩い法規制> こうした労働トラブルが続発する背景には、福島第1原発の廃炉や除染作業で現場労働者が不足し、なりふり構わない人員調達が行われているという実態がある。 (略) しかし、この争議のように多くの従業員が団結して雇用主を訴えるケースはほとんどない。報復を恐れて沈黙してしまう被害者が多いから だ。あっせん業者が借金返済を肩代わりし、その見返りに作業員を働かせる例もある。雇われた作業員は、あっせん業者に給料を中間搾取されながら、苦情を訴 えることもできず、肩代わりされた借金を返済するまで働き続けなければならない。 … Continue reading

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