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A nuclear power plant in Byron, Illinois. Taken by photographer Joseph Pobereskin (http://pobereskin.com). カレンダー
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Tag Archives: 寿都
核のごみ、町を静かに分断 北海道・寿都 最終処分地巡りあつれき via 河北新報
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定を巡り、原子力発電環境整備機構(NUMO)が北海道寿都(すっつ)町などで進めてきた全国初の文献調査が大詰めを迎えている。2020年11月の調査開始以降、町内は推進派と反対派に二分され、周辺町村ともあつれきが生じている。日本で原発が動き始めてから半世紀。核のごみ問題に一石を投じた小さな町の現在地を報告する。(東京支社・桐生薫子) 表立って語られず 新千歳空港から西へ180キロ進むと、弓なりに続く美しい海岸線が現れる。かつてニシン漁で栄えた寿都町は、寂れた漁師の家々と11基の風車群が同居する。 「自然豊かな町で分断が起きている」。そう嘆くのは、元町議越前谷(えちぜんや)由樹さん(70)。昨年10月の町長選に文献調査の撤回を掲げて出馬し、調査推進派の片岡春雄町長(73)に破れた。 人口2800の町で票差はわずか235。民意は真っ二つに割れながら、町内には調査への賛否を表す看板やのぼり旗は見当たらない。越前谷さんは「誰も表立って核ごみの話を口にしたがらない」と明かす。 度々開かれるNUMOや町主催の説明会にも足を運ぶ町民は少ないという。 ペンション経営槌谷(つちや)和幸さん(73)は「参加しただけで『あの人は推進派』と疑われる。調査を容認する店主がいる店は避け、わざわざ町外に買い物に行く人もいる。目に見えない『心の分断』だ」とうつむく。 町の将来を左右する課題でありながら論争に至らない原因は、調査受け入れに当たっての意思決定プロセスにある、と越前谷さんは指摘する。 町が調査への応募検討を表明したのは20年8月。賛否を問う町議会全員協議会は非公開で行われ、最終的に片岡町長が「肌感覚では賛成が多い」と応募に踏み切った。町民が直接請求した住民投票条例案は議会の反対多数で否決された。 前のめりな姿勢は人口減に伴う財源縮小への危機感からだ。今後5年間で2億円前後の経常利益を生む町営風力発電事業は、その後に固定価格買い取り制度(FIT)が期限を迎え、売電価格の大幅な下落が見込まれる。最終処分地の調査で得られる電源立地地域対策交付金は魅力的だ。 片岡町長は「概要調査まで進めば計90億円が入る。交付金を活用して新たな産業を創出したい」と語る。 […] -道は00年に核抜き条例を制定し、「道内に核のごみは受け入れ難い」とのメッセージを発した。 「あくまで『宣言』条例だ。鈴木直道知事が条例を根拠に突っ走るなら、全国にいい恥さらしになる。道は北海道電力泊原発の交付金を受け取っている。全部国に返還する根性があるなら、私は何も言わない」 -寿都、神恵内に続く候補地が出てこない。 「全国の適否を地図上に色分けした『科学的特性マップ』をなぜ作ったのか。国はどこが最も可能性があるのか知っているはずだ。頭を下げて調査をお願いすればいい。手上げ方式でリーダーに責任をかぶせるやり方は見直すべきだ」 -国は原子力政策を先送りする傾向がある。 「東京電力福島第1原発にたまる処理水の海洋放出や、青森県六ケ所村の核燃料サイクル事業も同じだ。国は結論を分かっている。必要なことは言うべきだ。日本人は少し優しくなり過ぎたのではないか」 […] 全文
今日ドキッ!報道スペシャル 核と民主主義~マチを分断させたのは誰か~via HBC
2021年3月14日(日)放送 住民の代表であるはずの議会が、住民の声を聞くことを否決した。 北海道・寿都町。日本海の強い風を活かした国内初の町営風力発電所が、まちの大きな財源だ。 しかし、約2900人の人口は、今後も減少が見込まれていて、財政の見通しも厳しい。 去年8月、町長が、「核のごみ」の最終処分場の受け入れ調査への応募を検討していると明らかにした。 突然全国の注目を浴び、混乱した住民は、分断していく。 小さなまちの密接な人間関係の中で、多くの住民は声を潜めた。 その中で、一部の住民が、行政に任せきりだったこれまでを反省し、声を上げ始めた。 「肌感覚では賛成が多い」と突き進む町長に、 反対派の住民たちは、「正確な民意を反映してほしい」と住民投票を求める。 しかし、議会はあっさりと否決した。 住民の不安を置き去りにして、去年11月、文献調査は始まった。 冷たい風に晒される冬。 報道陣もいなくなり、閑散としたまちで、町議会議員の解職請求を求め署名活動をしたり、 話し合いを求め続けたりする住民たちがいた。 10年前に起きた東日本大震災でいったん止まった原子力発電所。 しかし「核のごみ」の最終処分地が決まらないまま、全国で再稼働が進む。 国の原子力政策にとって重要な核のごみの処分が、 国民的議論がまったく進まないまま北海道の過疎のマチの問題として進む。 しかも議会は住民の声を聞こうともせず、住民どうしの分断が深まったまま。 「核のごみ」問題を通して民主主義のありようを問う。