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生き物に異変!原発事故の「不都合な真実」 無視できない変化が起きている via 東洋経済online

ある写真家がみた原発事故 そんな疑問をもったとき、書店で見かけたのが本書『原発事故で、生きものたちに何がおこったか。』永幡 嘉之 (著・写真)である。子ども向けの写真絵本だが、解説もしっかりとしていて、読みごたえがある。著者は山形県在住の写真家で、原発事故で被害を受けた福島県の阿武隈山地にも昆虫調査で足を運んでいた。 本書のタイトルを見てまず想像したのは、「放射線を浴びた生物に奇形や生殖能力への影響が出たことがショッキングな写真でたくさん紹介されている」……というものだったが、違った。 “テ レビ局の記者から、「角のまがったカブトムシが見つかっています。これは放射線の影響ですよね」という質問を受けたことがありました。脱皮したばかりの昆 虫は体がやわらかく、何かがふれただけで形がゆがんでしまいますから、ふつうにおこることなのですが、事故の直後は、何でも放射線の影響ではないかとうた がう空気がありました。” あおることなく、淡々と、冷静に、原発事故後に起きた自然環境の変化が写真とともに解説される。 (略) 本書で唯一、奇形について触れているのは、ヤマトシジミという小型のチョウだ。琉球大学の研究者が原発事故後の5月に、事故現場周辺で100匹以上のヤマ トシジミを採集して調べた結果、野外で採集したチョウに、目がくぼんだり脚が変形するなどの異常が見つかった。放射線の影響を受けていない沖縄のヤマトシ ジミに放射性物質を含んだ餌を与えて飼育したものにも、異常が見つかった。 昆虫と人間とでは、体の大きさも違えば、世代交代のスピードも違う。食べものを選べない野生生物は人間とは異なり、放射性物質に汚染された餌を食べ続けている。昆虫や動物に起きた変化を、短絡的に人間にあてはめることはできない。それでも……。 “大切なのは「大丈夫ですか」とたずねることではなく、自分で考えること。事故がおこってしまった東北地方で、多くの人びとは、これからもくらしてゆくことを、考えぬいた末に選びました。そのためにも、自然界の異変にはしっかりと目を向けてゆかなければなりません。” 行間からにじみ出るような、静かな怒り。事故後、まだ人間が最優先だったときにチョウを採集してまわった研究者を、白い目で見ていた人もいたかもし れない。だが、それは研究者としてするべき使命だった。同じように、これからを生きていかなければならない子どもたちに向けて、「自分で考える」本書を送 り出すことも、著者にとっては写真家としての使命だったのだろう。 全文は 生き物に異変!原発事故の「不都合な真実」 無視できない変化が起きている

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