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『母と暮せば』公開に際し吉永小百合が「戦前のような状態」と危機感、山田洋次監督は「SEALDsは希望」と via Litera

今日12月12日、山田洋次監督作品『母と暮せば』が公開された。長崎への原爆投下で即死してしまった大学生・浩二役に嵐の二宮和也、幽霊となって現れるその息子との幸福な時間を過ごす母親役を吉永小百合が演じるという豪華なキャスト、そして戦後70年という節目を締めくくるにふさわしい作品だとして、注目を集めている。 原爆を、戦争を風化させてはいけない──『母と暮せば』は、そんな思いが詰まった作品といえるが、そこには当然、“現在”への危機感も内包されている。 「戦後ではなく戦前のようなニュースを見て、言葉を失います。それでも発信していかなければいけない気持ちがあります。世の中が不穏な時代を迎えつつあるような気がする中で、それでも希望があると私は思いたい」 (略) 吉永にとっても原爆への思いは深い。1966年に出演した『愛と死の記録』では、原爆の後遺症に悩む青年を愛する少女の役を演じたが、「週刊朝日」 (朝日新聞出版)2015年8月21日号のインタビューでは、そのとき「原爆ドームやケロイドの顔が出ている場面がほとんど削られてしま」ったことに「原 爆をテーマにした映画なのに、なぜという強い思いの中で、撮影所の食堂前の芝生で座り込みをしてしまいました」というエピソードを紹介。さらに1981年 に主演したNHKドラマ『夢千代日記』で胎内被爆をした女性を演じたことから、97年には原爆詩の朗読CD『第二楽章』を制作、原爆詩の朗読をライフワー クにしてきた。 女優として戦争と向き合ってきたからこそ、吉永は平和を祈る気持ち、戦争を拒む姿勢をもち続け、いまの状況を看過できないのだろう。実際、前述の 「SWITCH」では、「先の戦争を経た悲しみの『第二楽章』を経て、今、また混沌とした『第三楽章』がはじまる、そんな気がしています」と強い危惧を表 明している。 (略) そして吉永が、「戦後七十年ということなんですけど、今、もう「戦後」という言葉がなくなってしまいそうな時代になっています」と言うと、再び坂本 も「やはり一人一人が自由にものを言えないような時代というのは本当に不幸な時代です。今の日本を見ると、自分が生きている間にこんなにも悪くなるとはと ても想像していなかったような、とんでもない時代になってきたなという気持ちがあります」と応答している。 もちろん、メガホンをとった山田洋次監督はなおさらだ。とくに山田監督は、戦時中を満州で過ごし、「飢餓寸前にまで追い込まれて、最後は引き揚げ船に荷物のように積み込まれて日本に帰ってきました」と言う戦争体験者でもある。 (略) 「SWITCH」での瀬戸内寂聴と対談では、山田監督はこうも語っている。 「(「聖戦」という名のもとに)日本の軍隊はそうやって何十万、何百万人を殺したし、また殺されもした」 「人類は世界中の人を何十回も殺せるような沢山の原子爆弾を持っていて、その製造を悲しいことに、いまだ止められないのです。原爆や戦争のことを僕たち戦争を知っている世代は、くり返し、くり返し語り継がなくてはいけないのでしょうね」 そして、瀬戸内がこの夏、国会前に出向いて安保法制に反対の声をあげたことを「素晴らしいことです。よくおいでになった」と称賛し、「今SEALDsのような若者たちが出てきたのは、希望だと思います」と山田監督は語るのだ。 全文は『母と暮せば』公開に際し吉永小百合が「戦前のような状態」と危機感、山田洋次監督は「SEALDsは希望」と

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