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スリーマイル島原発1号機が操業終了、州の補助得られず。廃炉・除染は2076年までかかる見通し via Engadget

2号機は1979年の炉心溶融事故で知られます 米スリーマイル島の原子力発電所が、9月20日までで操業を終了すると発表しました。この施設は1979年に炉心溶融事故を起こしたことで知られますが、事故を起こしたのは2号機で、1号機はその後も運営会社を変えつつ操業を継続していました。しかし、2017年に現在の運営会社Exelonが、政府によるクリーンエネルギーへの補助金が得られないのであれば、2019年9月で操業を停止しなければならないと予告していました。 そして9月20日、予告どおりの操業終了となったわけですが、原発は停止すれば即解体して更地にする、と言うわけにはいきません。今後は数週間をかけて原子炉の燃料を取り出し、使用済み燃料プールに保管する作業が行われます。 原子炉を完全に解体しすべての放射性物質を除去するには、さらなる時間が必要です。Exelonは2078年までの時間と約12億ドルの費用がかかると推定しています。なお、2号機はこれを所有するFastEnergy社によって1号機の運転停止後2036年までに完全に閉鎖され、2041年までに廃炉・解体を開始、2053年でこれを完了するとしています。 (略) スリーマイル島原発1号機の事故は世界に衝撃を与えたものの、国際原子力事象評価尺度で言えばレベル5に止まるもので、周囲に暮らす人々への被害は限定的でした。ただ炉心溶融が発生したことは1986年に発生したチェルノブイリ原発事故、2011年の福島第一原発事故(いずれもレベル7)に次ぐ重大な事例であり、1980~1990年代に米国で原発の建設数が低下する原因にもなったと言われています。 全文はスリーマイル島原発1号機が操業終了、州の補助得られず。廃炉・除染は2076年までかかる見通し 当サイト既出関連記事:Three Mile Island: How America’s worst nuclear accident unfolded via USA Today

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【あなたたちの40年目へのメッセージ スリーマイル島から福島へ】via Saki Okawara (Facebook)&Nuclear Hotseat

【あなたたちの40年目へのメッセージ】 「今年の3月28日は、スリーマイル島原発事故から40年でした」という出だしから始まるメールがノーマ・フィールドさんから届き、そこに綴られた内容は、私にとっても「スリーマイル島の現実は想像を絶するもの」でした。ノーマさんは、40年目のスリーマイル島原発事故の集会などに参加し、そこで見聞きしたことを伝えてくれました。(後に要約します) […] 8年後の福島で、既に原発事故の被害はなかったかのようにされて、被害者の声が届かなくなっている現在、スリーマイル島原発事故を生き延びて反核の活動を続けているリビーさんの言葉に勇気づけられるものがありました。このメッセージを多くの日本人、福島県民、原発事故の被害者に読んでもらいたいと思い、ノーマさん経由でリビーさんと藍原さんの許可を得て、再度丁寧に訳していただき、face bookにUPすることにしました。以下、長くなりますが、読んで拡散していただければありがたいです。 *リビー・ハレイビさんは、写真一番手前にいる女性です。彼女は「これが今まで写された写真の中で、最も自分の真実を伝えるものだ」と。 […] <1回目のメールの要約・40年後の現実>ノーマさんより 3月28日はスリーマイル島原発事故から40年。リビー・ハレイビさんというジャーナリストに同行した。彼女は事故当時、たまたまカリフォルニアから友人を訪ねて来ていた。事故直後は全国のみならず、世界中から報道陣が押しかけてきていて、リビーさんは記者会見の会場に潜り込み、フリーのカメラマンにお金を払い、自分がその場にいたことの「証拠写真」を撮ってもらうことにした。カメラマンはすでに事故現場に接近していたので、将来どんな子どもが生まれてくるかと心配し、いかにも早く切り上げたそうだった。しかしリビーさんはそれほど気にせずにいて、後から自分の無知をどれほど悔やんだか。リビーさんは事故後カリフォルニアに戻り、長くこの問題を封印してきたが、福島での原発事故がきっかけとなり、核のこと被曝のことを猛烈に勉強して、毎週1回1時間の反核、反原発の視点での番組をインターネットで配信するようになった。 3月28日の午前3時、スリーマイル島原発の前に人々が集まり、ろうそくを持って4時直前に黙祷。亡くなった人を追悼し、決意を表明する。集会の後、原発事故後40年活動を続けてきた「ふつう」の主婦から話を聞いた。家族が病気になることを予想して、最良の医療を受けられるように1人は看護師となった。彼女のパートナーは何種かの皮膚癌で手術10回。息子は14才のときに非常に珍しい、指の爪の下に皮膚癌ができ、指の先を切断。娘は50才でもっとも深刻な皮膚癌が腹部の壁(?)に見つかった。「いくども死と死の段階をくぐってきた」と話した。もう一人は孫娘にリンパ腫が発生し、彼女は孫娘に連帯を表すために、頭髪をそり落とした。これらは氷山の一角に過ぎない。事故当時スリーマイル島を離れた人たちは、広いアメリカ大陸に離散したので、その後は全くわかっていない。たった3,4年前に健康被害を訴えるフェイスブックグループが設立され、今、メンバーが4000人弱。 母親たちのグループ以外にも、事故前から活動をしていたグループがある。こちらは男性が多いが、そのメンバーのひとり、メアリー・ステイモス・オズボーンさんはずっと異変が見える植物を集めていて、そのコレクション(約1000点)が国立スミソニアン博物館に収められたのは大きな成果で、驚きでもある。 後からスリーマイルに入ってきた人たちはなにも知らない様子。 何よりも心に残ったのは、お母さんグループの代表格の女性の言葉。「2011年はここにろうそくを持って立ちながら、福島のために泣いた。そして、罪悪感すらあった。私たちがもっとがんばっていたなら、福島の人たちが苦しまなくてすんだのではないか」と。 藍原寛子さんへ リビー・ハレイビ (訳:ノーマ・フィールド) 今回スリーマイル島で見聞きしたことには福島原発事故の40年後を垣間見る思いをした、と語る藍原寛子さん。大きな打撃を受けた日本の人々にどんなことが起きているだろう。そういう藍原寛子さんにこう伝えたい。 •32年後、あなたたちの40周年が回ってきたとき、誰も彼もに言われることでしょう。福島で放射能のために命を落とした人など一人もいなかった、と。がんも甲状腺障害も流産も先天性障害も心臓麻痺も自己免疫疾患もすべて原発3基のメルトダウンと爆発がまき散らした放射能といっさい関係ない、とも言われるでしょう。•病にも苦しみにも賠償はなく、たいした同情も寄せられないでしょう。不安を漏らせば冷笑され、当局には無視され、健康調査や検査やデータ収集を呼びかけても誰も聞く耳をもたないでしょう。つまり、将来、人々が問題の元を辿ろうとしても、それを助ける証拠を蓄積することは叶わないでしょう。•お金の力で増幅され、大声で発信される決まり文句はいつだってあなたたちの言葉をかき消してしまうことでしょう。あなたの真実など真実ではない、と。あなたが自分で獲得したと考える知識など知識ではない、と。黒は白、上は下。アリスよ、もう鏡を通り抜けたのだからいい加減におだまり!さっさとどこかへ行っちまえ! そんなふうになっているでしょう。 しかし、それだけではありません。 •小さなヒーローの一団もそこにいます。ひろいこころとふかい知性の持ち主である女性と男性。互いに手を差 し伸べて、真実を共有し、記憶し、伝えることの大切さを知っている人たち。真実には癒やす力があり、どんなに辛くても、知るほうが知らないで麻痺状態で生きていくよりよい、ということをしっかりわかっている人たち。•なにが起こり、人々にどういう影響を及ぼし、そしてその悪が二度と繰り返されないためになにが必要かを学ぶための闘い。この闘いに他の人をも惹きつけられることをこの一団はわかっている。•核(ヌークリア)という狂気に反対する声は沈黙に追いやられることは絶対にない。いや、強くなっていくだろう。どんなにひどい時代でも、この声は大きくなっていく。勝利を勝ち取るまで。•「活動家」(アクティビスト)とは、権力者が無視しようとする不正に立ち向かう、ふつうの市民のための名誉のバッジ。 スリーマイルの事故は実際に起こった。放射能は放出された。人も環境も被害を受けた。政府も事業者も(原発の)メーカーもだれひとり責任を取らなかった。言い訳ばかり並び立て、宣伝し、押しつけ、しまいには真実にまで祭り上げた。責任回避のための大げさでゆがんだ言い訳に過ぎないのに。空気中の放射線量を測るモニターが稼働していなかったって?血液検査も結果がやっかいかもしれないから必要ないと?犬が宿題をぺろっと食べたことにするための工作だ。(訳者:証拠隠滅を子どもが宿題をしなかったことへの言い訳に例えている。) 核に対する闘いに半減期はない。恒久の闘いなのだ。あるいは、プルトニウムのアイソトープが存在するかぎり—といえば、人間にとっては永久のこと。だから私は「核の真実」を探し求め、見つけたときは正確に、だれにでも、どんな形でも拡げ、それをできる限りながく続けることを自分の神聖な任務だと考えています。みなさんもやってください。そして次世代へバトンタッチしましょう。また、どうやってその先の世代へバトンタッチするかも教えていきましょう。 これはダビデとゴリアテの戦いみたいに思えるかもしれませんが、あの勝負はダビデの勝利に終わったことを思い出してください。 日本語訳(ノーマ・フィールド)https://drive.google.com/…/1kIPbB6xQgPA_5BzNgsNi9yuNa…/view… 英語原文https://drive.google.com/…/1K7TZ3CaCCra-gX7kKILtZ3EL9…/view… nuclearhotseat.com/…/three-mile-island-40-special-libbe-ha…/ 全文

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<スリーマイル島原発事故40年 終わらぬ悪夢> (下)潮流に背 via 東京新聞

(略) 米国は世界随一の原発大国だが事故以降、二〇一三年まで新規着工が止まった。米エネルギー情報局(EIA)によると、ピーク時の一九九〇年には百十二基が稼働していたが、いまは九十八基。シェールガス革命に加えて太陽光、風力などの再生可能エネルギーの普及で競争力が衰え、運転許可期限を待たずに退役を迫られる例も相次ぐ。 TMIもそう。事故を起こした2号機が閉鎖され、1号機だけが八五年に再稼働したが、六年前から不採算に陥っている。 「二〇一九年九月末にTMI原発を閉鎖する」。経営を受け継いだ米電力・ガス大手エクセロンが一七年五月に発表した。しかし、「必要な政策変更がなければ」との条件付き。クレーン最高経営責任者(CEO)は「きれいで信頼できるエネルギーと高収入の雇用の維持」を求め、州政府に事実上の救済を迫った。 これを受けて州議会では今年三月、TMIの地元選出のメハフィー議員が、州内の原発九基を「無公害な発電源」として、年五億ドル(五百五十億円)かけて延命させる法案を提出。地元フランクリン&マーシャル大の世論調査では、再エネと同様に原子力を支援することに州内の50%が賛成し、反対の37%を上回った。廃炉に向けた風向きが変わりつつある。 背景には原発依存度の高さもある。全米の総発電量のうち原発は二割だが、同州は四割。メハフィー氏は「原発による雇用や経済、環境への恩恵に感謝するときだ」と主張する。 一方で、米原子力規制委員会(NRC)によると、事故で溶け落ちた2号機の核燃料(デブリ)は一九九三年までに99%を除去したが、1%は解体しないと取れないため現場に残ったまま。解体は1号機の廃止を待って行われる予定で、延命は事故処理の先延ばしにもつながる。 (略) 原発を動かし続れば、行き場のない使用済み核燃料もため込むことになる。原発が「トイレなきマンション」といわれるゆえんだ。 TMIの監視を続ける市民団体「TMIアラート」のエリック・エプスタイン代表(59)は道義的な面からも「原発の悪夢」に終止符を打つべきだと訴える。「重ねた失敗のツケを次世代に先送りする。実に不公平だ」(ミドルタウンで、赤川肇、写真も) 全文は<スリーマイル島原発事故40年 終わらぬ悪夢> (下)潮流に背

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via 東京新聞

世界初の炉心溶融(メルトダウン)事故とされ、大気中に放射性物質をまき散らした米東部ペンシルベニア州のスリーマイル島(TMI)原発事故から四十年がたった。米政府は「死傷者ゼロ」を強調するが、住民らは現在も健康被害を訴え、事故とのつながりを示唆する研究結果は絶えない。一方、州議会ではTMI原発の延命策が議論され、事故機の廃炉が先送りされる可能性も出ている。米史上最悪の原発事故は今も終わっていない。 母、めい、同級生、そして自分-。TMIの南約十キロに住む当時高校生だったペギー・パーキンスさん(54)は、身近な人々が次々と脳腫瘍などのがんを患い、自身も三十一歳から皮膚がんや甲状腺異常症と闘ってきた。 もともと家族や親戚にがん患者は「一人もいなかった」。長女(33)には背骨の先天異常や腎臓病がある。全てが偶然とは思えない。心配なのは孫やまだ見ぬひ孫に、放射線被ばくの影響が受け継がれること。「もっと早く放射能漏れを教えてくれていたら…」 (略) 放射性物質の放出量は少なく、健康や環境への影響は無視できるほどだった」。米原子力規制委員会(NRC)や業界団体の見解だ。がん患者や死亡率の増加を指摘した著名大学の研究ですら放射線被ばくとの関係を否定し、原因は「事故による精神的ストレス」と結論づけた。 一方で、実際の被ばく量が政府側の説明より相当多くなければ、がん患者の増加は「考えづらい」と疑問視する研究結果もある。直近では二〇一七年、地元ペンシルベニア州立大の研究チームが甲状腺がんを患った周辺住民の検体を調べ、「事故と甲状腺がんの相関性の可能性が示された」と発表。がんの原因そのものが放射線かどうかは判断を避けつつ、事故後の一定期間に発症した集団で、放射線被ばく特有の遺伝子変異が多かったという。 (略) メアリー・ステイモスさん(75)は事故以来、頭が二つある乳牛など動植物の奇形を千例以上集め、NRCに放射能の影響を訴え続けている。「政府は『事故は終わった』と言うけれど、私たちはそれが真実ではないと学んできた」と語る。 一方、事故当時ミドルタウン市長だったロバート・リードさん(86)も友人や近隣住民、きょうだいをがんで失った。事故の影響だと思っているが、「専門家ではないから」と断言はしない。もはや因果関係の解明そのものに悲観的だ。「これから医者や科学者が明らかにしてくれるのか。そうは思えない」 (ミドルタウンで、赤川肇、写真も) 全文は<スリーマイル島原発事故40年 終わらぬ悪夢> (上)癒えぬ傷

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メルトダウンから40年、米スリーマイル島原発9月閉鎖に揺れる地元 via AFP

(略) 1979年3月28日、米東部ペンシルベニア州のスリーマイル島原子力発電所で部分的な炉心溶融(メルトダウン)が発生。当時40歳の営業マンだったジョン・ガーバー(John Garver)さんは今も、このときの臭いと口の中に感じた金属味を思い出す。「ようやく閉鎖されるときが来た」。80歳を目前にしたガーバーさんは語った。 引退後、現在は同州ミドルタウン(Middletown)のボートクラブでパート勤めをしているガーバーさんは、自分は最初からこの原発に反対だったと語った。「今も反対だし、自分が生きている間に閉鎖されることを望んでいた」 スリーマイル島原発を保有・運営する米電力ガス大手エクセロン(Exelon)は、採算の取れない同原発を今年9月30日に閉鎖することを発表している。 しかし、ペンシルベニア州議会は、同原発とそれによって提供される数百人分の雇用を守るためとして閉鎖阻止計画を進めている。 同州では、電力供給量の約40%が原子力発電によるものだ。 (略)  ガーバーさんは当時、周辺地域から避難した14万人を超える人々のうちの一人だ。「2日にわたって避難した」「もう完全に大丈夫と発表されてから、皆で戻った」とガーバーさん。「屋内にとどまりブラインドを引き、ドアを閉めるようにと言われた」「そうすれば放射能の害はないからと」 ■原発存続を求める声 スリーマイル原発の制御室長、フランク・ウエイプル(Frank Waple)氏(58)は原発閉鎖を望む声には同意しない。 ウエイプル氏は原発閉鎖は地域経済に大きな打撃を与えるに違いないと述べ、ミドルタウンが「ゴーストタウン」になる恐れがあると警告。 (略) 一方、スリーマイル島で電気技師として働くネイサン・グローブ(Nathan Grove)さん(37)は、自分はシングルファーザーで、仕事を辞めて他の場所に移住するのは難しいと語る。 グローブさんは原発を閉鎖させない闘いを推し進めると語り、「原子力が環境にもたらす恩恵を人々に必ず理解させる」「原子力は大気を清浄に保つ最良の方法の一つだ」と述べた。 ■「世の中は変わる」 他方、ペンシルベニア州の州都ハリスバーグ(Harrisburg)近郊でAPFの取材に応じた原発監視NPO、「スリーマイルアイランド・アラート(TMI Alert)」の会長エリック・エプスタイン(Eric Epstein)氏は、スリーマイル島原発の運転継続は論外だという。 「この発電所は老朽化している」とエプスタイン氏。「もう閉鎖すべきときなのだ。(この原発に)競争力はない」「破綻した産業を救済し続ける必要などない。無意味だ」 同氏は「雇用が失われるなんて単なる理由付けだ」と述べ、エクセロンは現従業員の多数を配置転換したり、原発閉鎖処理の仕事に就かせたりすることができるはずだと主張した。「世の中は変わるものだ」 (c)AFP/Sébastien DUVA 全文はメルトダウンから40年、米スリーマイル島原発9月閉鎖に揺れる地元

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スリーマイル島事故40年 原発延命論 不安続くvia 東京新聞

【スリーマイルアイランド(米ペンシルベニア州)=共同】鏡のように穏やかな川面を輝かせる米東部ペンシルベニア州サスケハナ川。その中州に鼓形の巨大な四つの建造物がそびえる。スリーマイルアイランド原発の冷却塔だ。二つは1号機の運転に伴う水蒸気を発するが、2号機用の残り二つは静けさが漂う。 一九七九年三月二十八日、2号機で核燃料が半分近く溶融するメルトダウンが発生。放射性物質が外部に漏れ、周辺住民十四万人以上が避難した。八六年の旧ソ連のチェルノブイリ原発、二〇一一年の東京電力福島第一原発の事故より前に、原発災害の脅威が現実のものとなった事故から四十年がたつ。 午前四時ごろ、タービンを動かす蒸気を作るための給水系統のトラブルで原子炉が緊急停止。この時に開いた炉心冷却水の圧力調整用の弁が自動で閉じなかったことに運転員が気付かず、冷却水が施設内へ流れ出し水位が下がり続けた。冷却機能を運転員が止めるミスもあり、数時間後に回復するまでに炉心の三分の二が露出、過熱して45%が溶融した。 米原子力規制委員会(NRC)などさまざまな組織が原因を調査し、機器の故障や複雑で誤解しやすい計器類、運転員のミスによる複合要因と結論付けた。設備の安全対策の強化や運転員の教育訓練、緊急対応計画の改革につながった。溶融核燃料(デブリ)の取り出しと搬出が完了したのは十年余りたった九〇年。発生した汚染水の処分も九三年に終わり、外観をとどめたまま監視が続く。 (略)  地元では今も事故が影を落とす。健康への不安などを語り合うウェブ上の交流サイトは参加者が四千人近くに上る。原発から約五キロの場所に住むパティー・ロングネッカーさん(75)は「近所では白血病などのがんで亡くなる人がいて、事故の影響だと考えてきた。私にとって、四十年前に始まった懸念は決して終わることがない」と話した。 ◆日本、廃炉の参考 デブリ総量、福島は7倍 (略) 90年までに約130トンに上るデブリを取り出し大半は3000キロ以上離れた米アイダホ国立研究所に鉄道輸送された。ただ1トンほどのデブリは取り切れず、原子炉内に残されている。 事故を起こした2号機に隣接する1号機は現在も稼働中のため、解体と残りのデブリ取り出しは1号機の運転終了後に同時に行う。このため2号機は40年前とほぼ同じ状態で置かれている。 これに対し、福島第一原発は3基同時に炉心溶融が起き、デブリは圧力容器を突き破って原子炉格納容器に達している。事故で損傷した原子炉の修理は困難で、格納容器を水で満たさずに取り出す「気中工法」で着手することが検討されている。デブリの総量も3基で計約880トンと推計され、TMIの7倍近くだ。 汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ水の扱いも異なる。TMIでは近くの川への放出が検討されたが、下流域の住民が反発。91年から93年に約9000トンを蒸発させ大気中に放出処分した。一方、第一原発では貯蔵量が既に100万トンを超えて増え続け、政府が海洋放出などの処分方法を検討しているが、結論は出ていない。 全文はスリーマイル島事故40年 原発延命論 不安続く

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福島廃炉見えぬ道筋(上)溶融燃料、実態つかめず 格納容器内、調査すら難航 via 日本経済新聞

[…] 内部の画像や放射線量のデータが得られたが、溶融燃料の分布や量、成分といった取り出しに不可欠な情報はつかめていない。最大の誤算はロボットによる原子炉格納容器内の調査が思うように進まないことだ。 1~3月に実施した1、2号機の調査では、溶融燃料が出す極めて強い放射線と落下した構造物などの障害物が妨げになった。これに対し3号機はロボットが水中を自由に動けたため、多くの場所を調査できた。水が放射線を遮蔽し、ロボットやカメラが故障しにくい利点があった。 廃炉は溶融燃料を取り出し、原子炉などを解体する流れだ。発生した溶融燃料は1~3号機で約880トンと推測されるが、いまだに確認できていない。日本原子力学会の宮野広・廃炉検討委員長は「ロボット調査で得られたのは表面的な画像情報だ」と指摘する。 宇宙から降り注ぐ素粒子「ミュー粒子」を使う調査は格納容器内部を透視できると期待された。しかし解像度が粗く、詳細な情報を得るのに向いていない。画像から放射線量の推計を試みたが、精度は低かった。担当者は「満足のいく結果ではなかった」と認める。 米スリーマイル島原発事故では、炉心のある原子炉圧力容器は破損せず、溶融燃料はその中にとどまり、大がかりな調査は不要だった。一方、福島第1原発の事故は深刻で、必要な技術を開発しながら手探りで進めなければならない。 […]       全文

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福島第1原発廃炉/「工法」決定は慎重な議論で via 河北新報

メルトダウン(炉心溶融)に陥った東京電力福島第1原発1~3号機について、水を張らずに溶け落ちた核燃料を取り出す「気中工法」が浮上している。東電を支援する原子力損害賠償・廃炉等支援機構が検討しているという。 […] メルトダウンした核燃料には強烈な放射能が伴い、取り出しは至難の業だ。世界でも米スリーマイルアイランド(TMI)原発しか例がない。 福島第1はより厳しい作業を強いられることが確実視されている。TMIは2号機1基だが、福島第1は3基。さらにTMIでは原子炉圧力容器の中に核燃料がとどまったに対し、福島第1は3基とも圧力容器を突き破って外側の格納容器に落下した。 強烈な放射性物質を扱う場合、一般的には水中で行うのが安全。水によって放射線が減衰するし、空中への飛散を防ぐこともできる。TMIも冠水させて取り出した。 福島第1で冠水工法を実施する場合、格納容器内を安定的に水で満たすことが不可欠だが、水素爆発などで損傷し水漏れを防ぐことが難しいとみられる。 ただ、気中で行う場合も課題は多い。原発事故以来、溶け落ちた核燃料を水で冷やし温度上昇を防いでいる。水なしで冷却はどうなるのか。冷却不要になるまで温度が下がる保証はあるのだろうか。 放射線量が冠水工法より高くなるのも確実で、厳しい作業環境になる。取り出し中に外部に放射性物質が飛散する心配もある。放射線の遮蔽(しゃへい)や飛散防止によほど注意しないと、思わぬ事態に見舞われかねない。 いたずらに工法決定を急がず、3基の原子炉内の状況をできるだけ調べた上で、柔軟に検討していくのが現実的ではないだろうか。どの工法を採用しようと未経験の困難が待ち受けているのだから、まず調査と準備に全力で取り組むべきだ。 […]   全文

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米スリーマイル島原発、廃炉前倒しも 1号機採算取れず via 朝日新聞

米電力大手エクセロン社は24日、運営するスリーマイル島原発1号機(ペンシルベニア州、加圧水型)が、2020年6月から1年間の電気を売るためのオークションで、販売枠を得られなかったと発表した。原発の電力価格が市場価格より高かったため。電気が売れなかったり、安く買われたりして収益が見込めなければ、事故を起こした2号機とともに早期廃炉に向かう可能性がある。 スリーマイル島原発は2号機が1979年に米史上最悪の炉心溶融事故を起こした。溶けた燃料の取り出しは90年に終わったが、廃炉は運転を続ける1号機の閉鎖を待って行われる。1号機は2034年までの運転許可を得ているが、ここ5年採算が取れておらず、過去3回のオークションでも失敗している。 […] 同社は声明で、「電力価格の低迷と、国や州の支援がないことが原因」だとして、ニューヨーク州やイリノイ州などのように、原発を温室効果ガスの排出ゼロの電源として優遇し、支援策を設けるよう訴えている。 […] 全文は 米スリーマイル島原発、廃炉前倒しも 1号機採算取れず

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フクシマの原発事故は収束していない via JB Press

核問題の専門家、マキジャニ博士に聞く(前篇) フクシマ関連のアメリカ取材の報告を続ける。今回は首都ワシントンにある核問題(原子力発電所、核兵器、放射 性廃棄物など)のシンクタンク“Institute for Environment and Energy Research”(環境とエネルギー調査研究所=IEER)代表のアージャン・マキジャニ博士のインタビューをお届けする 。  マキジアニ博士は、インド・ボンベイの出身。1972年にカルフォルニア州立大学バークレー校で核融合に関する研究で博士号を取った後、キャピトル大学准教授などを経て1987年から現職にある。 (略) ──福島第一原発事故をどう見ておられますか。アメリカでのスリーマイル島(TMI)原発事故との違いは何でしょうか。 アージャン・マキジャニ博士(以下、敬称略) TMIとフクシマはまったく別のケースとして考えた方が良いで しょう。TMIは放出された放射性物質のほとんどがキセノン、クリプトンなど希ガスでした。ヨウ素131の放出もありましたが、少量でした。キセノンやク リプトンの放出量は大量でしたが、直接的な人体の健康へ影響は、ヨウ素やセシウム、ストロンチウムと比較すると小さいのです。人体に到達する前に大気に霧 散してしまうのと、入っても体内にとどまらず、排出されてしまうからです。そんなわけで、TMI事故では、放射性物質の放出も、個人の被曝量も非常に小さ かった。だから地表の除染も必要なかったのです。フクシマでは、非常に高濃度に汚染された地域があります。自然放射線量の数十倍、数百倍の濃度の汚染が検 出された学校すらあります。TMIではこんなことはなかった。 (略) 経済的な被害はチェルノブイリより大きい ──日本ではフクシマの被害はチェルノブイリに近いのではないかという意見もあります。 マキジャニ 汚染という点ではTMIよりずっとチェルノブイリに近いと思います。その点ではTMIとは比較にな りません。しかし、チェルノブイリよりひどい面もある。チェルノブイリでは汚染地帯は放棄され、その後は農業や漁業には使われていません。しかし日本は土 地が豊富ではない。土地が汚染で破壊されてしまうと、問題が非常に大きくなる。また、太平洋が汚染されたため、人々は魚類の汚染を恐れている。その結果、 漁業が破壊された。消費者の買い物の行動パターンが変わった。放射能汚染は客観的なデータの問題としてだけでなく、人々の主観の問題になったのです。こう したまったく別種の損害をもたらした点でも、フクシマはTMIとは違います。 (略) マキジャニ 他にも、単なる数字の比較だけでは分からない違いもあります。まず1点目。フクシマの1号機では、 燃料棒が溶けて、圧力容器や格納容器を破壊しただけでなく、コンクリートの基礎部分も突き抜けている可能性すらある。完全なメルトスルーです。また、今は 汚染水が地下水に混入し、ストロンチウム90の汚染が起きています。ストロンチウム90はセシウムよりはるかに危険です。より長く体内に残留し、異常を起 こすからです。 ──2点目は何でしょうか。 マキジャニ フクシマの事故は3年経ってもまだ進行が終わっていません。チェルノブイリでは、放射性物質の環境 への放出は数週間で止まっています。止まってから除染の問題が始まった。そして現場は実際には放射性廃棄物捨て場になった。廃棄物をどうするかという問題 はそこから始まった。 (略) 私が専門家として証言をして関わった訴訟の例を挙げましょう。1985年、オハイオ州にあった核弾頭のウラン材料工場の近隣住民が健康被害の賠償を求め て訴訟を起こした。89年に連邦政府が7800万ドルを支払うことで和解が成立しました。このケースでも、公衆の被曝量はフクシマよりずっと低かったので す。 全文はフクシマの原発事故は収束していない … Continue reading

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