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特集・中越沖地震12年 インタビュー詳細 長崎大核兵器廃絶研究センター副センター長 鈴木達治郎氏 via 新潟日報

 東京電力柏崎刈羽原発が想定外の揺れに襲われた2007年の中越沖地震から16日で12年がたつ。原発の「安全神話」は当時の被災で揺らぎ、11年の東京電力福島第1原発事故で崩れた。平成の30年間における原子力を巡る政策の変化や評価などについて、国の原子力委員会で委員長代理を務めた、長崎大核兵器廃絶研究センターの鈴木達治郎副センター長に聞いた。

(略)

-福島事故の際は原子力委員会の委員長代理でした。どう向き合いましたか。

「原発事故が起き、推進するかどうかも含めてゼロからの見直しが必要だと思った。子ども・被災者支援法の精神がすごく重要だ。人権を守るという立場からすると、原子力の事故は許容範囲を超える。少なくとも日本では減らした方がいいと考えるようになった」

「原子力の事故は非常にひどい結果も招く。何人が亡くなるとかではなく、環境汚染や人権の問題で考えると簡単に数値で表せない。原子力の必要性を議論する時、工学系の専門家だけで、確率論や技術論から安全だと言う時代は終わった。そう考えると原子力の将来は厳しい」

■推進、反対にかかわらず解決すべき課題も
-現状の原子力政策についてはどう考えますか。

「国はエネルギー政策などで福島事故の教訓を踏まえて反省すると言っているが、実際はそうなっていない。安全規制を新しくしたが、損害賠償法も核燃料サイクル政策もほとんど変わっていない。原発の依存度を減らすとしながら、エネルギーミックスでは重要なベースロード電源と位置付け、矛盾している。原子力拡大のための交付金制度も残っている。原発から再生可能エネルギーなど、低炭素な電源への移行を助成する仕組みにしなければ依存度は下がらない」

-原子力政策を議論する上で何が必要でしょうか。

「もちろん原子力の必要性やリスクの議論は必要だ。しかし、福島の廃炉と安全性の問題、被災者の人権、高レベル放射性廃棄物の処分、核燃料サイクルといった問題は、推進、反対にかかわらず解決しなくてはいけない。これらが解決しない限りは推進などできはしない。何をやってもリスクは残る。リスクは必ずあるという議論をしなくてはいけない。客観的な評価をし、判断できる機関がないと合理的な解決はできないし、合意形成も難しい」

■第三者委で合理的、客観的判断を

-使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルについては、実現が厳しいという指摘もあります。

「原発の現状を考えると政府の責任として、軟着陸する仕組みを考える必要があるだろう。これも推進、反対の立場を取らない形で第三者がサイクルの評価をして、合理的、客観的に判断すべきことだ」

「勘違いをしている人が多いのが、プルトニウムの保有量を減らすにはプルサーマルが必要で、核燃料サイクルも必要という考え方だ。政治家でもいまだに信じている人が多い。プルトニウムを減らすのは、燃やした燃料を再処理せずに捨てる『ワンススルー』(直接処分)という方法だ」=※参照=

-今後、社会の意思決定はどのような在り方が必要でしょうか。

「エネルギー政策を決定する仕組みの中で、専門的な知識について科学的根拠に基づいた政策決定がなされていないし、透明性もない。市民参加も少ない。これを変えない限りは合理的な政策には近づかない。国民投票や住民投票などの市民参加は、情報がきちんとあるという前提でないとできない。だからこそ法律で担保を取った形で、客観的な情報を出す仕組みや機関が必要になる」

「廃炉と復興、放射性廃棄物処分、核燃料サイクル、この三つくらいは、すぐにでも第三者委員会をつくってほしい。経済性評価のやり直しも含め、このくらいはやらないとまっとうな原子力政策にならない」

-第三者委にどのような役割を期待しますか。

「第三者機関は万能ではない。推進、反対の立場を取らないとなると、どうしても表現や結論が玉虫色になる。それでも、今の日本には第三者機関があった方が議論が活発になるだろう。推進、反対それぞれの人たちが手に持ち、議論のベースとなるような共通のレポートが日本にはない。情報提供の段階から、客観的な情報を出す仕組みが必要だ」
  ◇    ◇    ◇  
 ※通常の原発は、ウランを燃料として使います。原発で利用すると、ウランの一部はプルトニウムに変化します。「核燃料サイクル」では、使用済み核燃料を化学処理して、プルトニウムとまだ使えるウランを取り出します。「再処理」と呼ばれるものです。

取り出したプルトニウムをウランと混ぜてプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料という新しい燃料に加工して再利用します。「プルサーマル」は、MOX燃料を通常の原発で利用する方法です。

日本は使用済み核燃料を全量再処理することにしています。再処理の過程では再利用できない、放射能レベルの高い物質が残ります。これを「高レベル放射性廃棄物」として、地下に埋めて処分する方針です。

プルトニウムは核兵器の材料にもなり得るため、国際的に厳重な管理などが求められます。日本は国内外に約47トンを保有し、海外から懸念されています。

全文は特集・中越沖地震12年 インタビュー詳細 長崎大核兵器廃絶研究センター副センター長 鈴木達治郎氏

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